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「W62P」レビュー
薄型ワンセグでバランス良く機能を搭載

W62P
 auから発売された「W62P」は、薄型のボディにワンセグを搭載したパナソニック モバイルコミュニケーションズ製のCDMA 1X WIN端末。2008年2月に発売された「W61P」の外観をリニューアルしたモデルとなるが、キーフォントの変更やセンターキーの押しやすさを改善するなど細かな改良も施されている。ユニークな展開としては、漫画「社長 島耕作」とのコラボレーションモデル「島耕作ケータイ」が限定3000台で発売される予定で、同モデルはW62Pのシャルマンゴールドをベースに開発されている。W62Pと島耕作ケータイの機能は共通。今回は、「W62P」のデザインや基本機能などについて実機のレビューをお届けする。


外観・デザイン

 「W62P」はデザインテーマとして「コスメティックコンシャス」が掲げられ、女性的でシンプルなデザインとなっている。ベースとなった前モデルの「W61P」は男性、女性といったテイストを感じさせない配色とシンプルなパネルデザインが印象的だったが、閉じた状態のW62Pは女性向けとしてアプローチしたW51Pのデザインに近いイメージだ。ただし、W51Pでは表面パネルにカメラとサブディスプレイが露出していたのに対し、W61P/W62Pではカメラがテンキー側ボディの背面にまわり、サブディスプレイはハーフミラー仕上げのパネルの下に隠されるなど、より洗練された仕上がりになっている。

 また、W62Pの表面パネルは一見すると左右で仕上げが違うだけ、という印象を持つかもしれないが、実際はハーフミラー仕上げではない左側が一段下がっている状態で、立体的な変化が付けられている。ハーフミラーは、よりフラットに仕上げられていると、手鏡の代わりとして女性に重宝されたのではないだろうか。今のままでも鏡として使えるのだが、微妙にゆがんだ顔を見るのはできれば避けたいところだ。

 ワンプッシュオープンボタンには、キートップにボディと同系色のアルミパーツが使われるほか、端子カバーも同系色で塗装され、ボディ全体を見たときの統一感が向上している。テンキーには、W61Pでも好評だったという数字のみを突起させた「レリーフキー」を採用。このためテンキー側は一枚のシートで覆われた格好で、パーツ割りのラインやキーフレームが無く、余裕のあるスペーシングで非常にスッキリとしたデザインになっている。

 「シャルマンゴールド」「キャンディッドピンク」はキメの細かい塗装で仕上げられる一方、「アンテリジャンパープル」の表面パネルは粗めのメタリック塗装で、深みのある表情になっている。それぞれのボディは基本的に単色だが、トーンの異なる色を使い分けメリハリが付けられている。表面パネルの「WIN」ロゴの隣にボディカラー名称がプリントされているのは珍しいポイントだ。

 女性をターゲットにしたデザインは男性に勧めづらい印象だが、「キャンディッドピンク」以外なら許容できる男性はいるだろう。


基本機能

カメラは約207万画素のCMOSカメラ
 携帯電話としての機能は「W61P」に準じる形となり、ワンセグはスピーカー使用時で最大約4時間10分、イヤホン使用時で最大約4時間40分の視聴が可能。録画予約、視聴予約、オフタイマー設定も可能になっている。映像の色合いは「スタンダード」「シネマ」「ダイナミック」の3種類を選ぶこともできる。パッケージに付属の卓上ホルダはワンセグ視聴時のスタンドになる足が付いており、充電しながら見やすい角度で視聴できる。

 内蔵データフォルダは約100MBで、1000件までの情報を保存可能。Eメールは受信最大1000件、送信最大500件が保存でき、アドレス帳は最大1000件となっている。Eメールのデータ添付容量は5件までで合計最大約500KB、受信は25件までで合計最大約3MB。日本語入力にはATOK for au+AI推測変換「APOT」が搭載されている。

 ソフトウェアのプラットフォームは「KCP」で、メニュー構成や表示フォント、使い勝手は、使いやすさで定評のあるカシオ製端末のそれと同等だ。操作に対するレスポンスは良好で、カーソル操作ももたつくようなことは無い。より高機能な「KCP+」採用端末が登場している昨今ではベーシックな端末に分類されるかもしれないが、LISMO、EZナビウォークをはじめ、ケータイアレンジ、PCサイトビューアー、おサイフケータイなど多くのユーザーにとって十分以上の機能を備えている。薄型のボディでありながらワンセグに対応し、アンテナは内蔵式とすることで、周囲にテレビを見ているという印象を持たれることなくスマートにワンセグを視聴できるのは嬉しいポイントだ。

 カメラは約207万画素のCMOSカメラ。microSDカードスロットは左側面に用意され、最大2GBまでがサポートされている。カメラがオートフォーカスに対応していないのは残念だが、薄型ボディを実現するためトレードオフになった部分と思われる。画質は、暗部でややノイズは多めなものの、発色は自然で、メモ代わりやブログへの投稿には十分な画質だろう。フォトライトはかなり明るいので、暗い室内や、室内での逆光環境下では積極的に使いたい。マクロ側では、ピントのあう距離をつかむとシャープに描写される。最大サイズ、最高画質でのファイルサイズは一枚あたり約500KB~800KBの間におさまる。シャッターボタンはセンターキーか右側面のカメラキーに割り当てられているが、携帯を横にして構えたときなどは、ワンプッシュオープンボタンがシャッターボタンとして機能しても面白いのではないだろうか。


メニュー画面 端末ソフトウェアはカシオ製端末と同等の使い勝手だ

卓上ホルダは足を起こすことで角度を付けられる 卓上ホルダを使ったワンセグ視聴スタイル

特徴的な機能

レリーフキーはすっきりとしたデザインを実現

数字部分が突起している
 ワンプッシュオープンボタンはパナソニックが継続して搭載している機能で、ほかの端末にはない大きな特徴。使い慣れたユーザーには手放せなくなる機能で、指のツメを大事にする女性にも嬉しい機能だ。

 「W61P」から継承した「レリーフキー」も特徴的で、冬モデルではNTTドコモ向けの薄型端末でも採用されている。同様のキーは「D705iμ」でも採用されていたが、パナソニックのレリーフキーでは数字のフォント自体が突起しているのが大きな違いとなっている。シートキーが初めて登場した頃は、キーパーツを上から重ねるなど各社ともシートキーと感じさせない工夫が凝らされていたが、パナソニックのレリーフキーはシートキーであることを逆手にとった形状ともいえる。キーのクリック感はしっかりと確保されており、突起の効果でキーを押す場所に不安を覚えることもない。ただし、余分な数字以外の突起は極力排除されており、フレームや段差によるガイドもないため、例えば数字の[2]キーと、隣接する[メモ/クリア]キーを指先の感触だけで判断するには相応の時間が必要になると思われる。慣れると“場所”で覚えることも可能だが、終話、クリアといったキーは誤操作をなるべく避けたいキーなので、例えば周囲に突起を追加する、突起の量を明示的に変える、突起の表面をギザギザにする、キー荷重を変えるなど、何らかの対策が欲しかったところだ。


位置付け

 十分な機能を搭載した薄型・ワンセグ対応モデル。薄型化という物理的な制約からか、カメラは約207万画素でオートフォーカス無しという性能にとどまるが、超薄型モデルがあまり拡充されない印象のあるauの中では最薄部12.9mmというスリムさは価値があるといえる。「W61P」と同様に、本体の主要な基板は液晶側ボディに搭載されているため、端末をワンプッシュオープンボタンで開くと重量バランスは液晶側に寄っていると感じられる。これはマイナスポイントというわけではないが、一般的な端末では感じることが少ない部分かもしれない。

 VGAディスプレイやBluetooth、500万画素以上のカメラ、LISMO Music&Videoなど、先進の機能・サービスを使いたいユーザーには少々物足りない内容だが、ワンセグ、おサイフケータイをサポートし、日常的な満足度を損なわずにバランス良くまとめられたモデルだといえる。



URL
  製品情報(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/w62p/
  製品情報(パナソニック)
  http://panasonic.jp/mobile/au/w62p/

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アシンメトリーデザインの「W62P」


(太田 亮三)
2008/11/20 17:01

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