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「SH-01A」レビュー
8メガCCDカメラ搭載、進化したサイクロイドAQUOSケータイ

 20日、NTTドコモから「SH-01A」が発表された。同端末は、8メガCCDカメラを搭載したシャープ製のAQUOSケータイだ。サイクロイドスタイルのAQUOSケータイはシャープが継続して端末を投入しているが、「SH-01A」は前モデルとなる「SH906iTV」からさまざまな進化を遂げている。今回は「SH-01A」の実機レビューをお届けしよう。


外観・デザイン

 ディスプレイ部分が横に90度回転し、横画面で楽しめるサイクロイドスタイルを採用したAQUOSケータイ。大きさは111×50×22mm(最薄部16.6mm)となり、前モデルの「SH906iTV」よりもわずかにサイズダウンしている。重さは約145gとなる。

 全体的な印象として、すっきりとシンプルなデザインとなっている。サイクロイドスタイルは機構上、背面部が2段になっており、ディスプレイも大型のものが搭載される傾向にある。こうした特徴のために、端末デザインは厚さや重たさを感じさせやすく、「SH906iTV」や「SH905iTV」などの従来モデルでもすっきりと見せようとする試行錯誤が感じられた。

 「SH-01A」では、背面部のボディカラーと材質が統一され、段差部も少し傾斜させている。また、背面ボディに浮かびあがるようにLEDのサブディスプレイが仕込まれており、統一感のあるすっきりとした背面に仕上がったといえるだろう。厚みは、最厚部22mm、最薄部16.6mmで、薄い部分は一般的な折りたたみ端末程度のサイズを実現。ヒンジ近くの厚みがある部分の面積もそれなりにあるため、薄型モデルとは言えないが、上ボディ(ディスプレイ側のボディ)の側面部がシルバー色で塗装され、折りたたみ時に厚みを感じさせないような工夫もみられる。

 背面部には、サブディスプレイのほかに着信ランプも仕込まれている。また、FOMAのアンテナやワンセグ用のアンテナも背面内部に搭載されている。

 側面部の両サイドには、スピーカーやプッシュトークボタンが配されている。端末を閉じた状態で押すとサブディスプレイに時計が表示され、長押しするとピクチャーライトが点灯する。外部接続端子はキー側ボディの下部にあり、イヤホンもここに接続する。

 キー側ボディの裏側、バッテリーのある面には、「SH-01A」の大きな特徴となる8メガカメラが用意されている。CCDの8メガカメラであることが記載されており、カメラの横にはピクチャーライトが用意されている。

 バッテリーカバーを外したところに、メモリカードスロット(microSD/microSDHCカード対応)がある。カバーを外すことにはなるが、バッテリーを外すことなく挿入できる。このほかバッテリーカバーの中央部にFeliCaマークがある。

 端末を開くと、メインディスプレイがあり、その下部に方向キーや数字キーが並ぶ。数字キーは真ん中部分が盛り上がった山型の形状となっている。押下感のあるキーで数字の縦列の間は少しスペースがあり、押し間違いを防ぐ配慮が見える。また、数字キーには英数字のほか、Bluetoothのマークなど、待受画面上から呼び出せる機能などが印字されている。

 決定ボタン部分には、指紋認証対応のセンサーキー「光TOUCH CRUISER」を採用。指でなぞってパソコンのポインターのように操作できる。もちろん、通常の方向キーも用意されており、上下左右、中央のボタンで決定といった操作も行える。

 ボディカラーは、Blue、Black、White、Pinkの4色展開。最近のサイクロイドモデルでは、シルバーを基調色としたメタリック系の無機質な配色が中心となっていたが、「SH-01A」では、Blueを除いて、回転2軸ヒンジ採用の「SH-03A」と同様のカラー展開となっている。




カメラ

 今回大きな特徴としてフォーカスされているのがカメラ機能となる。800万画素CCDを採用し、画像処理エンジンとして新開発の「ProPix」を搭載する。オートフォーカス(AF)機能にはスポットAFなども用意されている。初期設定の状態では、横画面にすると自動的にカメラが起動し、8Mサイズ(3264×2448ピクセル)での撮影が可能で、そのまま縦画面に戻すと、自動的に待受画面サイズの撮影に切り替わる。

 レンズは、通常の35mmフィルムカメラ(通常のネガフィルムを使うカメラ)換算で29mm相当となり、広角撮影が行える。ちなみに35mmフィルムカメラでは、45mmや50mmが標準レンズとされる。

 CCDを採用したことでダイナミックレンジが拡大し、従来よりも色再現性が向上したほか、高感度撮影が可能となった。ISO2500相当となり、手ぶれや被写体ブレが軽減されるため、暗い場所での撮影や動きのある被写体でゆがみの少ない画像が得られるようになる。「ProPix」はデジタルカメラなどと同様に、ハードウェア処理でノイズリダクションを行う。これまでのシャープ製端末ではCMOSセンサーを採用しており、居酒屋やカラオケボックスといった、比較的薄暗い場所では満足のいく画像が得られない場合もあったが、試用した限りにおいては良好な印象だ。

 シャッターはスミアを軽減するメカシャッターを採用。最大5人の顔検出機能や明るさ補正機能、逆光補正機能なども利用できる。「ポートレートモード」では、背景をぼかして顔検出範囲にフォーカスされるため、望遠レンズをつけた一眼レフカメラのような遠近感のある撮影も可能となっている。

 動画スミアには、NDフィルタ(減光フィルタ)が用意されている。30fps撮影や、640×480ピクセルや720×400ピクセルでの撮影にも対応する。

 カメラを使った機能としては、「名刺リーダー」やバーコードリーダー、OCR機能、カメラルーペ機能なども利用できる。「名刺リーダー」は名刺の登録日で管理できるようにった。パソコンを使った名刺管理も行える。

 なお、静止画や動画、名刺画像には、自動的に撮影日時を元にしたファイル名が付けられる。


8Mサイズ(3264×2448ドット)で撮影。リンク先の画像は無加工

特徴的な機能

 AQUOSケータイの名前の通り、ワンセグ機能も大きな魅力となっている。メインディスプレイは約3.3インチ、480×854ドット、1677万7216色表示のNEWモバイルASV液晶を搭載し、外光反射を軽減する「リフレクトバリアパネル」や、色再現性を高める「高演色バックライト」、高画質化エンジン「SVエンジン+」と、AQUOSケータイの技術が継承されている。

 ワンセグの映像は15fpsとなるが、これを30fpsに変換して表示するワンセグの倍速表示に対応。「SH-01A」では、ワンセグ用のアンテナが内蔵タイプとなった。また、チャンネルがサムネイル表示され、カーソルをあてた部分がズーム表示される「チャンネルビューエフェクト」といった機能も用意されている。予約録画時にワンセグの画面表示をOFFにできる機能なども追加された。

 動画再生はVGA液晶サイズのWMV形式に対応し、H.264やMPEG4ではワイドサイズもサポート。イヤホン利用時に限られるが、仮想的に5.1ch環境を作り出す「DOLBY MOBILE」も搭載される。

 マルチウィンドウも継承され、ワンセグとiモード、フルブラウザとワンセグ、メールとワンセグといった組み合わせで、複数の機能を一画面表示で利用できる。このほか、横画面に対応する機能も拡張されている。

 方向キー部分は指紋認証に対応した「光TOUCH CRUISER」が用意される。決定ボタン部分の指紋センサーを指でなぞるようにすると、パソコンなどのマウス操作と同様に、矢印マークのポインターが操作できる。セキュリティ機能として、FeliCaロックやサイドキーロック、機能別ロックなどが可能で、決定キーを長押しすると、まとめてロック機能やFeliCaロック、サイドキーロックがすぐに選べる「ロックセレクション」も利用できる。

 さらに「SH-01A」では、GPS機能にも対応した。Googleマップのアプリなどがプリセットされており、サイクロイドスタイルの端末でも詳細な位置確認などが可能となった。

 また、シャープ製の端末ではのぞき見防止機能として「ベールビュー」が用意されている。今回の「新ベールビュー」は、従来のようにパターンを選択するほかに、任意の画像をベールビューに設定できるようになった。ベールビューの濃度も3段階で設定可能だ。

 NTTドコモが提供する「iコンシェル」「iアプリオンライン」「iウィジェット」といったサービスにもフル対応。フルブラウザやドキュメントビューアも利用できる。


基本機能

 「SH-01A」は、HSDPA方式に対応し、通信速度は下り最大7.2Mbpsに対応する。FOMAプラスエリアもサポートされる。また、通話時間や待受時間はGSM利用時を除いて、「SH906iTV」よりも改善されている。

 文字の予測変換には、新たに「ケータイShoin7」が用意された。英語入力時の予測変換候補の表示や、時間や季節に合わせた変換候補が表示されるなど、より細かい配慮がなされている。

 メール機能には、追加作成したフォルダ(受信/送信/未送信)をシークレット設定できるようになった。メール振り分けはドメイン別にフォルダ振り分けできる。さらに、プリセットされたデコメ絵文字やデコメピクチャもリニューアルされている。

 なお、文字フォントは従来のLCフォントがプリセットされる。「SH-01A」では、新たに、6MBまでのTrue Typeフォント(TTF形式)がダウンロードできるようになった。NTTドコモが推奨するAXISフォントのほか、従来のSH端末にプリセットされていたSH平成明朝、SHクリスタルタッチなどがプリセットされている。新たにフォントを格納する場合はこれらを上書きすることになる。

 メモリカードは最大8GBのmicroSDHCカードに対応。ワンセグは1回の録画で最大約10時間40分の保存が可能で、総録画時間は約42時間40分となる。

 フルブラウザ機能は、Flash VIDEOコンテンツやWMVの再生に対応。RSSリーダー機能なども用意される。なお、フルブラウザはパケ・ホーダイの対象外となるため、定額利用にパケ・ホーダイダブルへの加入が推奨されている。

 辞書や検索機能も充実している。データフォルダやメモリカード内の検索機能や、受信メールの検索機能など用意される。「スマートリンク辞書」では、明鏡モバイル国語辞典やジーニアスモバイル英和辞典、ジーニアスモバイル和英辞典がプリセットされるほか、iアプリ「ネット辞典」やiモードやフルブラウザを使った検索も行える。

 Bluetoothなどにも対応する。対応規格はBluetooth Ver.2.0+EDRとなり、対応プロファイルはHSP/HFP/A2DP/AVRCP/HID/DUN/OPP/SPP。新たに対戦ゲームアプリなどで使うSPPがサポートされている。音楽を聴きながらBluetooth対応キーボードを使うといったように同時に複数のBluetooth機器が利用できる。

 このほか、IrSimpleおよびIrSS対応の赤外線通信機能やおサイフケータイ、ドキュメントビューア直感ゲーム、着うたフル、WMA形式の音楽データなどに対応する。



製品位置付け

 サイクロイドスタイルのAQUOSケータイは、携帯電話の横画面利用やマルチメディア機能を牽引してきた端末と言えるだろう。ハイエンド志向のユーザーに指示されてきた傾向にあるが、前モデルの「SH906iTV」では、ミドル層へもアプローチするなどユーザー拡大を図ってきた。

 「SH-01A」は、カメラ機能の拡充によって、サイクロイドスタイルを利用してきたハイエンド志向のユーザーが機種変更する際にも、進化を感じやすい。その一方、デザイン的には取っつきやすいシンプルな外観を実現しており、新たなユーザー層の獲得にも期待ができそうだ。

 秋冬のドコモのラインナップの中では、回転2軸の「SH-03A」が同様の機能を搭載しているが、「SH-03A」は「SH906i」の進化系として、タッチパネルディスプレイを採用しており、カメラ機能も振り向きシャッター機能が用意されるなど、「SH-03A」の方がより充実している。

 「SH-01A」は、カメラ機能と同様に、ワンセグ機能などのマルチメディア機能を求めるユーザーにオススメだ。また、SHのサイクロイドスタイルの端末は、GPS機能が搭載されてこなかったため、GPSを理由に敬遠してきたユーザーにもうれしいモデルとなるのではないか。



URL
  製品情報(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/prime/sh01a/
  製品情報(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/products/sh01a/

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(津田 啓夢)
2008/11/21 18:17

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