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国際ローミングを試す
海外でも安心なドコモのデータ通信

香港

 海外出張にはパソコンが欠かせない、という人は多いだろう。プライベートの旅行でもネットブックが1台あれば、現地の情報を調べるのはもちろん、写真を整理したり、ブログやSNSなどに旅の思い出を残したりと、さまざまな用途に活用できる。とは言え、インターネット環境は国や地域によってマチマチ。日本にいるときほど、気軽にデータ通信はできない。日本ほどブロードバンドが普及していない国・地域では、ホテルにネット接続サービスがなかったり、あっても速度が遅かったりといった事態が想定される。また、仮にホテルのLANを使うとしても、場所が限定されてしまう。そんなときに便利なのが、ケータイによるデータ通信だ。

 そこで、今回はNTTドコモのデータ通信をテストした。ドコモはアジア・太平洋地域のキャリアと「Conexus Mobile Alliance(コネクサスモバイルアライアンス)」という協力関係を築いており、海外で提携キャリアに接続してデータ通信を行えば、国際ローミング時のパケット代が大幅に割安になる。具体的には、1万パケットまでが1パケット0.2円、1万〜12万パケットが2000円、それを超える通信は1パケット0.2円という料金体系で、料金の天井はないが通常の1パケット0.2円よりは、はるかに安価だ。4月30日まではキャンペーン期間のため、5000パケットまで1パケット0.2円、5000〜12万パケットまでが1000円、12万パケット超が1パケット0.2円となる。

 当初はConexus Mobile Alliance加盟キャリアだけだった同プランだが、その後提携キャリアを拡大。4月10日の時点ではConexus Mobile Allianceに加盟していない欧州やアメリカ合衆国などのキャリアも「特定事業者」に含まれている。対応する国や地域は、以下の表を参照してほしい。

国・地域 事業者名(略称) 国・地域 事業者名(略称)
アメリカ Cingular/AT&T フィリピン SMART
ハワイ Cingular/AT&T アイルランド O2-IRL
韓国 KTF イギリス O2-UK
台湾 FET/KGT オーストリア TMO A
中国 CU-GSM カナリア諸島 movistar
香港 3, 3(2G) スペイン movistar
インドネシア INDOSAT チェコ ET-CZ
シンガポール STARHUB ドイツ TMO D
タイ TRUE フランス BYTEL


日本での準備は忘れずに

 海外でのデータ通信に特別な準備は必要ない。国際ローミングの「WORLD WING」に対応した端末を用意し、ネット接続用のソフトをパソコンにインストールしておけばよい。音声端末で接続する場合は、専用のUSBケーブルも必要だ。

 ここでは、新たにドコモのデータ通信を利用する方のために、簡単に手順を紹介しておく。まず、端末の付属CD-ROMやWebサイトからパソコンと接続するためのドライバーを入手・インストールする。次に、「ドコモ コネクションマネージャ」をパソコンに導入し、ケータイとパソコンをケーブルで接続。ここでソフトを起動すると初期設定が始まり、mopera Uに申し込むことができる。これで準備はほぼ完了だ。スクリーンショットを撮りながら作業したため、ドライバーのインストールから初期設定までおおよそ45分ほどかかったが、通常であれば10分もあれば十分だ。ちなみに、対応プロバイダーはmopera Uだけではない。OCNやIIJといったプロバイダーも国際ローミングに対応したアクセスポイントを用意しており、すでにこれらのプロバイダーに加入している場合などは、mopera Uより安く利用できる可能性がある。対応プロバイダーはあらかじめチェックしておいた方がよいだろう。

 ここまでの作業は必ず日本国内で行っておく必要がある。ケータイとパソコンだけを持って海外に行ったら接続できなかったということがないよう、必ず事前の準備をしておきたい。

 なお、今回のレビューで使用した環境は次の通り。端末には3Gローミングのみが可能なN-04Aを使用し、ドコモ純正の「FOMA 充電器機能付USB接続ケーブル02」でパソコンと接続した。パソコンはソニーの「VAIO type P」。プランは通常のパケ・ホーダイのみで、国内ではパソコンを接続したデータ通信を使用していない。そのため、新たに使った月だけ315円課金される、「mopera U」の「Uライトプラン」に加入した。実験を行ったのは香港。「3」というキャリアが準定額プランに対応しており、HSDPAも利用できる。


端末の確認を行うとこのような画面が表示される ブラウザが起動し、mopera Uを申し込むことができる

mopera UのユーザーIDやパスワードを初期設定する 料金プランや無料通信分を考慮するかを選択

渡航先に到着したらキャリアを固定に

 目的地に到着したら、すぐに接続とはいかない。日本と同様、海外にも複数のキャリアが存在する。準定額制が提供されるキャリアは、基本的に1国・地域につき1つしかない。間違って他のキャリアに接続したら通常の1パケット0.2円になってしまうため、接続先は固定にしておくべきだ。

 筆者の試した環境では、接続先の設定をケータイから行う必要がある。N-04Aの場合、メニューの「設定/サービス」から「ネットワーク設定」を選び、「国際ローミング設定」で「ネットワークサーチ設定」を「マニュアル」にすると、電波をつかんでいるキャリアの一覧が表示される。香港で準定額を利用する際は、ここで「3 HK」を選択する。そのほかの国でも、必ず同様の設定は行っておきたい。

 これで準備が整った。あとは、ケータイとパソコンを接続し、ドコモコネクションマネージャの「接続」ボタンを押せばよい。国内同様、簡単にネットワークにつながる。


接続前にネットワークを手動で固定にしておきたい。香港なら3を選択 国際ローミング時は、毎回このような料金確認画面が現れる

ドコモ コネクションマネージャが起動。料金の目安などが段階表示される 接続中のケータイ画面。moperaに接続していることが分かる

接続速度や使用感は?

 接続テストは、香港の佐敦(Jordan)駅付近のホテルで行った。佐敦は九龍側の中心地・尖沙咀(Tsim Sha Tsui)から地下鉄で1駅の繁華街。当然、電波状況は良好でiモードの通信も速かった。恐らくHSDPAのエリア内だと思われる。ホテルの奥まった場所でも、しっかりと電波をキャッチしていた。

 ケータイをパソコンと接続し、測定サイトでチェックしたところ、速度はおおむね下り1.2Mbps、上り200kbps程度。国内とほとんど変わらない感覚でネットを楽しむことができた。本誌を例に取ると、アクセスした瞬間に文字が表示され、少し間を置いて画像データを読み込む。先にテキストデータが表示されるため、写真の多めな記事もスムーズに確認できた。Yahoo!やGoogleといった検索サイトもすぐに表示され、ストレスを感じなかった。

 逆に考えると、ストレスなくサイトにアクセスできるため、通信量がかさむことが心配だ。12万パケットを超えると、特定事業者でも従量制の料金になってしまうからだ。今回のテストでは添付ファイルのないメールを約30通受信し、Yahoo!とGoogleでそれぞれ2回ずつ検索を行った。また、Yahoo!トピックスの記事を2本読んだほか、本誌のトップページを4回、記事7本を表示し、ブログやmixiに日記を書き込んだ。通信速度の測定でもデータのやり取りが発生している。結果として約9万パケットを使用し、料金は無事1000円(キャンペーン期間のため)に収まった。あくまで筆者個人の印象だが、仕事で必要な情報は十分12万パケットの範囲で集めることができると感じた。

 ただ、「12万パケット=約15MB」の範囲では、動画や大きめな画像を使ったページを見るのは少々厳しい。ブログなどに写真をアップする際も、サイズに気をつけるべきだ。出張・旅行中に検索エンジンで必要な情報を調べたり、メールで文章を送受信したりといった使い方なら十分な反面、動画や写真を楽しむ用途には向いていないと言えるだろう。また、パソコンは予想外の通信を行うことがある。「Windows Update」やセキュリティソフトのパターンデータの更新はあらかじめ国内で行っておき、海外では自動更新などをオフにしておくと安心だ。

 なお、テストを行った香港をはじめとするアジアは、ケータイブロードバンド先進国が多く、3Gのエリアが広いのはもちろん、HSDPAも比較的普及している。ほかの国や地域で試すよりは、条件がよいことは付け加えておきたい。


課金のタイミングには注意が必要

ドコモのサイトにもこのような注意書きが。筆者のように見逃さないようにしたい
 通信は高速で情報収集は問題なく行えたが、1つだけ失敗したことがある。筆者は11日の午前2時ごろから実験を行った。前述のように、その日の通信が9万パケットに収まったため、午後11時半ごろに少しだけネットをチェックしようと改めてFOMAを接続した。「あと3万パケット使える」と思い、Googleで検索したり、mixiをチェックしたりと、料金に気を配りながらサイトにアクセスしていたが、この分のアクセスが「12日扱い」になっていた。3万パケットほど使ったため、結局、次の日も1000円かかった計算になる。

 からくりは、1日の集計の仕方にあった。ドコモのサイトによると、1日切り替わりのタイミングは“日本時間の0時”とのこと。香港と日本では時差が1時間あるため、現地時間の11日午後11時30分の接続は、12日分のアクセスとしてカウントされてしまう。海外にいると、ネット接続時に日本時間を意識することは少ない。2カ国の時刻を両方表示できる時計を使用するなどして、自分がアクセスしているのは何日分の料金になるのかを、しっかり意識するようにしたい。


国際ローミングで無料通話が使えるのは“ドコモだけ”

 そうは言っても、この2000円は全て無料通話・通信分でまかなうことができた。auやソフトバンクとは異なり、ドコモの無料通話・通信は国際ローミング中に発生した料金にも適用される。データ接続の料金も例外ではない。筆者は繰り越しがたまり、渡航時には合計1万2000円の無料通話・通信があったため、プラスαの代金は一切払っていないことになる。先払いした分を使っていなかっただけという考え方もできるが、他社と比べて優位性のある料金プランであることに変わりはない。ドコモの場合、1カ月に2回まで料金プランを変更できるので、渡航の予定が立った段階で、無料通話・通信の多いプランに変えておくことも可能だ。

 今回紹介した準定額制は、スマートフォンのネット接続にも適用される。スマートフォンなら、パソコンよりも場所を選ばない。旅行中に持ち歩いて、常にメールをチェックするといった使い方もできそうだ。一方で、通常のiモードは従量課金しか選択肢がない。1回の接続でミニマムチャージがかかる仕組みも健在だ。iモードには「海外版iエリア」のように便利なプラットフォームがあるのにも関わらず、この料金体系だと、正直なところ少々使いづらい。Conexus Mobile Alliance加盟キャリアからでもよいので、準定額制の仕組みをiモードにも導入してほしいところだ。また、1日2000円はホテルのネット接続サービスなどと比べると少々割高に感じる。定額で使えるパケット量の拡大や、料金のさらなる値下げにも期待したい。



URL
  NTTドコモ サービス案内
  http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/

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第335回:Conexus Mobile Alliance とは
ドコモらアジア・太平洋の事業者がデータローミングの新料金



(石野純也)
2009/04/23 16:06

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