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1泊6400円で朝食付きのブロードバンドホテル
「コンフォートホテル大阪心斎橋」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


一見して賃貸マンションのような外観の「コンフォートホテル」
 首都圏からの大阪出張は普通日帰りだ。しかし、翌朝早くに仕事の予定が入っている場合は、ブロードバンドが快適、かつインターネット予約ならコストパフォーマンス最高の「ウェスティンホテル大阪」を筆者は定宿にしているのだが、今回は、ブロードバンド対応ホテルが続々と増えている大阪ミナミの超格安ビジネスホテルに宿をとった。

 大阪の伝統的なビジネスの中心街である「淀屋橋」や「本町」は、「キタ」と呼ばれる梅田界隈と「ミナミ」と呼ばれるナンバ界隈の、ちょうど中間に位置する。今回1泊した「コンフォートホテル大阪心斎橋」もちょうどミナミの中心街である通称「ヨーロッパ村」の近くに出来た真新しい典型的なビジネスホテルだ。


ブロードバンド使い放題、朝食も無料で6400円と格安

 日本国内では耳慣れない名前だが「コンフォートホテル」は、グローバルに展開する米国のホテル資本「チョイスホテルズ」が経営する廉価版ホテルチェーンの名称だ。客室ブロードバンドは無料で使い放題、朝食も無料サービスで、シングルルーム6400円。大阪市内でビジネスに絶好のロケーションであることを考えると格安だ。地下鉄で行くなら、御堂筋線の心斎橋駅で降りて、心斎橋筋を南に向かって歩き、明治屋の角を左折してしばらく歩けば到着する。

 ホテルのフロントは3階にある。宿泊料金は前払いだ。チェックイン手続きを済ませ、磁気カードをフロントで受け取って、4階から11階までの客室に入る。6・7階の客室はすでにブロードバンド設備が完成していて壁面のRJ45コネクタにイーサネットケーブルを接続するだけでインターネットに接続ができる。残念ながら筆者が宿泊した日は、6・7階の客室はすでに埋まっており、9階の客室利用となった。

 フロントでブロードバンドの使用の可否を確認したところ「室内の壁面電話コネクタにモデムを接続すれば使用できるのでモデムを貸し出します」との説明があった。モデムでは困ってしまうし、もちろん筆者のモバイルPCにはモデムはすでに内蔵されている。

 あまりにも当たり前のことを言われたので「それはそうだろうが…」と悩んでしまった。その後、しばらくフロントの人と話をして理解できたのだが、「モデム」というのはV90などのアナログモデムではなく、客室の壁面まで来ている「HomePNA」をイーサネットケーブルで利用するための「イーサネット変換ボックス」のことを意味していた。


ビルの側面に入り口がある。深夜には客室磁気カードで開閉する インターネットを6・7階以外の客室で使用するには必須のツール袋をフロントで受け取る

簡単接続のHomePNA

ホテルでは珍しい、天井のライトは自宅やオフィスにいる感覚
 6・7階以外の客室を利用する宿泊客がインターネットを利用する場合は、フロントで透明のドキュメントケースに入った「HomePNAのアクセスキット」を受け取ることを忘れてはいけない。客室に入り、早速ビニール袋を開けキットを取り出した。入っていたものは以下の通り。

(1)「HomePNAイーサネット・コンバータ」
(2)ACアダプタ
(3)AC二股コンセント
(4)RJ11ケーブル
(5)RJ45ケーブル
(6)設定説明書(3枚)
(7)正体不明の四角いフレーム

 実際には(7)は使用するあてのないもので不要ななにかが紛れ込んだようだった。設定説明書の指示に沿って2~3分でケーブル接続は完了する。実際に、キットに入っていた大袈裟なパーツに比較して接続や設定は極めて簡単だ。モバイルPCのイーサネットポートにキット付属のRJ45ケーブルを接続するだけで、即刻Webサーフィンが可能だった。

 客室は当然ながら宿泊価格が3倍近い都市ホテルと比較して広いとは言えないが、1泊や2泊の出張であれば、必要なモノはすべて揃っておりなかなか快適だ。ホテルでは珍しく天井にも大きな蛍光灯のシーリングライトがあり、都市ホテルや一般的なビジネスホテルのオフ気味な室内照明が弱い人には明るく快適だ。セミダブルベッドと枕元に集中した目覚まし時計やライトコントロールはマニュアルレスでも操作や設定がしやすく快適だ。またホテルの客室では非常に珍しい液晶テレビが標準で装備され、狭いビジネスホテルの室内で、デスク前に座っても目とテレビ画面との距離を適度に保つことに大きく貢献している。


HomePNAコンバータ他キットの中にはケーブル類が…… デスク前の壁面にはHomePNA回線が来ている

キットに入っている説明資料を参考にしてケーブルを接続 結線は複雑に見えるが接続後、一発でネット接続

たった3枚の説明資料だが、必要十分の内容だ 多少ケーブルがゴチャゴチャした感じだが、スピードは快適

ビジネスホテル激戦区にあっても、価格性能比は抜群

 客室が全部で198室ある、ビジネスホテルとしては規模の大きいホテルだが、6階と9階は禁煙フロアとなっており、フロア数は明示されてはいないが、女性専用のレディース・フロアも用意されている。深夜0時を過ぎると1階の入り口はロックされるが、宿泊客は客室用の磁気カードを1階の磁気カードリーダーに挿入することでドアが開けられるので、夜遊び好き派のビジネスマン・ビジネスウーマンも閉め出される心配は無用だ。

 ビジネスホテルは本来の目的からして、チェックインタイムは遅く、チェックアウトタイムは早いのが当然だ。これがマイナス要因となることはめったにないが、前日夜遅くまで仕事があり、休日の朝をビジネスホテルで迎える時にはあわててしまうことがある。今回がまさにそのケースとなり、おまけに前夜遅くまで夜遊びをした関係で、翌日の朝、目が覚めたのが9時少し前だった。急いで準備をして3階ロビーに併設された「朝食コーナー」に行ったが、残念ながら5分少々遅刻で「無料の朝食」は食べ損ねた。しかし、ホテルの周囲には朝食を超低価格で提供してくれるところが数多くあるので困ることはない。

 「コンフォートホテル大阪心斎橋」は、ブロードバンド対応ホテルが続々と誕生する大阪市内にあっても、価格性能比で群を抜いたビジネスホテルと言えるだろう。日常の仕事上、ブロードバンドが必須で、交通ネットワークが重要、加えて夜遊びの大好きなビジネスピープルにはイチ押し、二押しのビジネスホテルだ。

 ではまた次回まで、はぶふぁん!


少し大きなセミダブルベッドとホテル専用の枕は熟睡できる 客室の液晶テレビは高級な都市ホテルでも珍しい

・ コンフォートホテル大阪 心斎橋
  http://www.greens.co.jp/


(ゼロ・ハリ)
2002/11/14 11:07

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