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第5回:ネバダの健康ランド「ラスベガス マンダレイベイ・ホテル」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


COMDEXより買い物! 最近東京近郊にも似た建物が出来たらしいが、筆者は行ったことがない。本物はやはり本物だ
 ラスベガスと聞けば「スロットマシーン」と考えるのはもはや10年古い。今や「ネバダの健康ランド」とも言える砂漠のオアシスは、年間を通じ、多少落ち目のコムデックスをはじめ、全米のありとあらゆるインダストリーの集会や展示会が開かれ、休みには家族連れが集まるファミリーランドなのだ。週末には、近くのLAやベイエリアからビジネスマン・ウイークエンド・ギャンブラーが仕事のうさ晴らしに集まり、時には、遠くニューヨークからジェットで5時間もかけて来る強者もいる。

 ビジネスでラスベガスを訪れる日本人の90%以上が、毎年秋に行なわれるCOMDEX(コムデックス)と呼ばれるコンピュータ関連のショウが目的だと言われる。しかし毎年、同じプレゼンテーションを懲りずにやるゲストに飽き飽きした筆者は、現地に到着するなり、ホテルのチェックインを済ませ、アウトレットではなく現地のごく普通のショッピングセンターや大好きな文房具をチェックするために、大型のステーショナリーショップをまわる。コムデックスより楽しいことだけは確実だ。


ラスベガスのホテル

筆者の宿敵ライター「アストロビスタ」の定宿、絢爛豪華な「ベラージオ」。旅行ガイドブックに書かれている「ベラジオ」ではない、タクシーに違うところに連れて行かれるぞ!
 ラスベガスのホテルには、ストリップと呼ばれるメインの通りに面する有名な大型ホテルと、その裏側に位置する安いモーテルと、少し離れた北側のダウンタウン・ラスベガスに位置する日本国内では知名度の低いエコノミーなホテル街がある。主催社発表で20万人近くの宿泊来場者のあるコムデックスの異常期間には、1部屋が450ドル近辺まで上昇するが、普段は日本のビジネスホテル並の宿泊料金で部屋のサイズは約3~4倍、食事のパフォーマンスは10倍以上だ。ほとんどのホテルでは部屋の電話はデータポート付きのテレデックス社の電話機で、回線も豊富にあるので、コムデックス期間中のインターネットアクセスも快適だ。

 米国はじめ世界中でインターネットをする可能性の高いユーザーは、必ず目的の現地にアクセスポイントのあるAT&TグローバルネットやAOLなど、グローバルなISPを選択しておく必要がある。国内サービスが基本の安価なプロバイダーでも、海外ではローミング手続きを行なうことで現地のアクセスポイントを使用出来るところも多いが、余分な手間がかかることがあり、海外でのインターネットの使用頻度により、どちらのISPが便利か判断して選択すべきだろう。英語のメールしか来ない人なら、渡航する前にWebメールへの転送処理を済ませ、現地では、ホテルのビジネスセンターやインターネットカフェのPCや、空港などに設置されているKIOSKターミナルを利用して、理想の「手ぶらモバイル」が実践出来る。


ワイキキのホテルを思わせる、ベガスの健康ランド「マンダレイベイホテル」
 筆者が今回宿泊した「マンダレイベイ・ホテル」は、従来、ラスベガス・ストリップ通りの最南端にあった「ハシエンダ」という小さなホテルがあった場所に、新しく建てられた巨大ホテルだ。よく「端っこで通りの終わり」にあるので「端エンド」と日本人には理解されていた場所だ。ストリップ側の部屋なら、日本や、LA、グランドキャニオンに向かうジェットの離陸が見える。ホテル自体はラスベガスの平均的なホテルだが、裏庭に大波の来るプールがあり、宿泊者には好評だ。波の来るプールは日本でも珍しくないが、抜けるように青い空と、ゴールドの建物の風情、風の匂いのマッチングは日本の健康ランドでは決して味わうことが出来ないモノだ。

 マンダレイベイ・ホテルは、ボクシングファンならよく御存じだろう。日本でも、このホテルで開催される多くのチャンピオン・タイトルマッチが衛星中継されている。また音楽ファンなら、「ハウス・オブ・ブルース」は見逃せない存在だ。1970年代のロックンロールファンには懐かしく、当時、「100万ドルのブルースギタリスト」と呼ばれたジョニーウインター等も生で見ることができる。


仕事は早めに切り上げて、波の来るプールでエンジョイ! ホテルの前の空港では塗装待ちの飛行機の列が見られる。珍しい!

コムデックスのスマートなまわり方

COMDEXパワーはここ数年毎年低下している。既に見るモノはなし!?
 コムデックスを訪問する多くの日本人は、社への出張レポートの関係で、そのほとんどが通称「LVCC」と呼ばれるコンベンション・センターで大がかりな展示を行なっているマイクロソフトやロータス、グローバルなパソコンメーカーのブースを先を争って見る傾向がある。しかし、これらのブースでの展示は、本当によく理解している説明員に出会って、説明を受けることができた場合の他は、期間中に会場で無料配布されている新聞の方が理解出来ることが多い。

 また、月曜から金曜まで、5日にわたる開催期間の前半2~3日に集中するビジターが多く、いまだコムデックスは盛況というイメージが強いが、逆に後半は昔から毎年ガラガラ状態で、ホテルの駐車場にクルマを止めるのも楽勝、ランチも悠々、会場で販売している商品は大幅ディスカウントとなる。

 懲りずに、今年も何も期待できないコムデックスに行く素人業界人は水曜日に現地入りし、夜はショウを見るかハウス・オブ・ブルースでエンジョイするのが良い。筆者のように女性を何人か引き連れ調子に乗って、現地で「ミッドウエイ」と呼ばれる縁日の夜店のようなゲームセンターを梯子したりすると、偶然にも大きな「ぬいぐるみ」が大当たりしたりして、帰国時に苦労するので、何事もほどほどが重要だ。翌日は、疲れを取るためにお昼近くまでゆっくり眠り、24時間営業のレストランでブランチをとり、午後、ゆっくりとコムデックスの会場に出かけよう。

 開催初日の朝には終わりが見えないくらいの長蛇の列であったレジストレーション窓口もガラガラ、会場内の移動も楽で、初日からの3日間で、やっとまわりきれる会場をたったの1日でまわれてしまう。

 コムデックス閉会後の週末をサンフランシスコで過ごし、翌月曜日からシリコンバレーに行けば、既にコムデックス疲れから回復した多くの、「前半組」ビジネスパートナーも元気で十分対応してくれるだろう。


もちろん、筆者はカジノより女性を引き連れての「ミッドウエイ」! 予想を大きく外れ、大当たりで、帰国が悩ましくなってきた……

超人気のショウは出発前予約を!

本当のラスベガスはダウンタウンのホテル街にありそうだ!
 ラスベガスでも超人気のショウは、ブロードウエイと同じくらい、滞在予定期間中のチケットを現地で取るのが難しい。愛読している某トレンド雑誌で、「達人の海外旅行」のようなコラムで「O」(オー)のショウのチケットが現地でゲットできなかったという内容が紹介されていたが、これは今や「健康ランド」と化したラスベガス旅行の基本なのだ。できれば現地入りする前週に国際電話で予約するのが定石だ。これなら、席の良い悪いは別にして間に会う可能性はかなり大きい。

 ワイフにしろ彼女にしろ、女性を伴ってのラスベガス旅行なら、この程度の努力は必要だ。ただし調子に乗って、ショウの直前まで遊びほうけて約束の時間迄にチケットを指定された場所に取りに行くのを忘れたりすると、コンピューターの予約システムによって自動的にキャンセルされてしまう事も多いので注意が必要だ。

 筆者を含め、基本的に、達人と言えども現地に住んでいるわけではないので、話を鵜呑みにするのは危険だ。今や、多少のセンスとインターネットの海を巧くる訓練ができていれば、ごく普通の「平均点人間」もその道の達人に見える時代だ。旅行に限らず、パソコンでも、楽器でも、今やスペシャリストの時代は終わり、オールラウンドでグローバルな視野に立てる新しいスペシャリストのみが生き残れる時代なのだ。

 はぶふぁん!




(ゼロ・ハリ)
2000/06/15 00:00

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