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第6回:フロリダ編その1バカンスでも、モバイルPCとインターネットは必須
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


 フロリダに仕事に行く日本人はそんなに多くはないと思うが、春休みや夏休みを利用して彼女や家族連れのバカンスに出かける日本人は多い。今回は2回に分けて、フロリダのオランドーにある「ディズニーワールド」と「ユニバーサル・エスケープ」の巻をお送りしたい。


カタカナ英語

 日本人は海外生まれの言葉に、意図的か否かは別にして、間違った「フリガナ」をふることが多い。筆者も日本のこのおかしな習慣から、本連載のタイトルに、本当は間違った日本独特の発音である「モバイル」という表現を使っているが、まず米国ではこの通りに発音しても誰も理解を示してくれない。

 元来、外国の言葉にフリガナをふることは正しいとは思わないが、どうせふるなら、最初に行なう人は責任を持って、できる限り現地で通用する雰囲気で付けてほしいものだ。「モバイル」は、さしずめ「モーブル」と書くのが適当だ。

 日本でも最初言われていた「モービル」が比較的近かったはずだが、どこか後発のキャリアかパソコンメーカーが市場参入のインパクト表現のために、無理矢理誤った表現を日本国内に定着させたモノで、その責任は重大だ。野球などの「ナイトゲーム」のことを、日本では「ナイター」と呼ぶが、これは本来、米語には無い日本語の造語表現なので問題はないが、「Mobile」の場合は問題が多いだろう。


「オーランド」ではなく「オランドー」

全てが迫力・大袈裟・適当……だが面白い!
 日本でもよく知られたディズニーワールドのある、フロリダ半島の都市の名前もガイドブックに書かれている「オーランド」ではなく、「オランドー」なのだ。長引符の位置の違いだけのようだが、残念ながら現地人には、この2つの言葉はまったく別の言葉に聞こえてしまう。

 「オーランド」等と口走っていると、飛行機もタクシーも目的地には一生行ってくれないだろう。これは、コムデックスで有名なラスベガスの「ルクソール」ホテル(実際にはラクソー)も同様だ。

 どうも日本人は海外の地名や人名を勝手に好きな呼び名で呼ぶことが多いようだ。国によっては人名等では、はうっかりすると、そのオリジナルなモノに対して敬意を払っていないかのように捉えられる危険性があるので、注意が必要だ。旅行のガイドブックなどにもこれからは、「日本的フリガナ」と「発音フリガナ」の両方が掲載される書籍が出現しても良いのではないだろうか。そうすることで、現地でタクシーに乗っても本当に行きたい目的地に行けるようになるはずだ。


ディズニーワールド内の「ドルフィン」ホテル

朝焼けのドルフィンホテル(船着場近辺から)
 今回は、仕事ではなく、バカンスとしてディズニーワールド内に複数あるホテルのひとつ「ドルフィン」ホテルに宿泊したので、その概要と、ディズニーワールドも併せてご紹介したい。筆者は、マイアミ空港や、その少し北のウエストパームビーチ空港には何度か来たことがあるが、オランドー空港は初めてだ。ディズニーワールドしかないと思っていたので、まずはその空港の大きさに唖然とした。アメリカン航空を愛用する筆者としてはめずらしく、今回は全日空のワシントン線で米国入りし、そこからUA機でオランドーに入った。空港からホテルまではバスでもタクシーでも約20分~30分で到着する。

 山の手線の内側の何倍もある広大なディズニーワールドの敷地内には多くのホテルがあるが、筆者の今回宿泊した「ドルフィン」ホテルは、日本人旅行者にも有名で、国内のパッケージ旅行会社でも利用している会社が多い。「スワン」と呼ばれる「白鳥」をシンボルにしたホテルと、「イルカ」をシンボルとした「ドルフィン」の2つのホテルが船付き場(水上バス桟橋)をはさんで向かい合って立っている。

 ディズニーワールド内の一部のテーマパークには、この水上バスを利用して行くことができる。水上バス以外には、頻繁に目的地別にホテルを巡回してテーマパークに向かうバスとモノレールを利用して移動することが可能だ。水上バスも普通のバスも、モノレールも特に時刻表は無く15~30分間隔で適当に運行されているところがアメリカ的だ。


ホテルのロビーでは時折、ピアノの生演奏が…… シンデレラ城を眺められるベストポイントにあるミニーちゃん

遊びでも、電話代わりにEメール

コンセント口の少ないホテル出張での必携ツール、小さくて便利
 最近は海外出張ではなく、遊びに出かける場合でも、電話代わりにEメールを使うことが多いだろう。電話のように現地と日本の時差を気にすることなく、自分の都合でEメールを送っておけば、相手の都合で読んでくれる。グローバルなインターネット・サービス・プロバイダーにさえ加入して、幸いにも旅行先の都市にアクセスポイントがあれば、市内料金で、数千キロ以上離れた日本国内にいる家族や友人とコミュニケーションが取れることになる。以前は海外出張の際に、家族への国際電話料金が結構馬鹿にならなかったが、昨今はインターネットメールのお陰で、超割安になった。

 ホテルにもよるが、米国では、基本的に日本と異なり、市内電話料金は回線契約基本料金に含まれており、ホテル側でも宿泊客に対して別段、追加請求しないケースが多い。「ドルフィン」でも毎日2~3回くらいアクセスしたが、チェックアウト時に請求額は0円だった。都市部のホテルでは、サービスチャージと言う名目で、一回の電話あたり50セント~2ドルくらいを請求書に記載するところもあるが、基本的には接続時間には関係ないので安心して長時間のアクセスが可能だ。


出かける前にアクセスポイントのチェックを!

ドルフィンホテルは、その名の通り、イルカを素材にした家具やアメニティーが多い
 旅行予定先の海外の都市にアクセスポイントのないプロバイダーと契約しているなら、最悪、日本のアクセスポイントまで、国際電話をかけることが必要だが、普通はそんな馬鹿げたことは誰もしないだろう。日本国内にしかアクセスポイントを持っていないプロバイダーでも、海外のプロバイダーとの間でローミングサービス契約を交わしている所も多く、現地プロバイダーのアクセスポイントを旅行の間だけ使えるようなシステムもある。しかし、事前に登録が必要だったり、追加料金を請求されたり、アクセス方法が面倒で、肝心の時に結局アクセスできなかった、などということが起こり得る。最も確実なのは、最初から、国際的なプロバイダーに加入しておく方法だろう。筆者は、国内ではIIJに加入しているが、海外からのアクセス方法が貧弱なので、今回は出発の前日に「AT&T Global Net」にオンラインサインアップで新規加入した。

 PIAFSを始め、国内のごく普通のアナログ・アクセスポイントも豊富で、世界中に既に1000以上のアクセスポイントを擁している巨大なネットワークだ。もちろん今回の目的地であるオランドーにもアクセスポイントが複数あり、現地でのアクセスも超快適であった。国際的なプロバイダーと言えば、トム・ハンクスとメグ・ライアンの映画「ユーガッタメール」(You’ve got mail)で一躍有名になった「AOL(America Online)」社も世界中にアクセスポイントが多く、海外へ頻繁に出かける人には便利なプロバイダーだ。しかし、ごく一般的な「IE」や「Netscape Navigator」ではなく、基本的にAOLの「専用アクセスソフト」を用いるところが、ネット化石の筆者にはどうしても受け入れることができず、「AT&T Global Net」を選択する大きな理由となった。


データポート付き電話機とRJ-11ケーブルで快適アクセス

 「ドルフィン」ホテルの客室電話も、米国の代表的な「データポート」付き電話機であるサンノゼの「テレデックス社」の製品だった。データポート付きの電話機なら、既に何度かこのコラムでもご紹介したように、RJ-11ケーブルだけで快適なアクセスが可能だ。外線接続も米国のホテルの場合は一律にダイヤル「9」と決まっているので、ホテルの電話機からは、「9」に続いてエリアコード(オランドーの場合は407)をダイヤル、その後、7桁の電話番号を入力するだけで接続される。AT&T Global Netの場合、同社専用のダイアルアップ・ソフトウエアを使用するために、自分の現在宿泊しているホテルの電話番号をすべて入力し、同じエリアコードのアクセスポイントを候補の中から選択するだけだ。特に自分でアクセスポイントの電話番号を入力する必要もなく、間違いもなく非常に簡単だ。


米国では超お馴染みのテレデックス社の電話とデータポート いろいろ持っていったが、使うのはいつもRJ-11延長ケーブルだけ

 国民性の違いやIT成熟度の違いからか、米国では、日本のように「ポケボーでEメール」を送る文化がほとんどないので、Eメールだけのためにも、本格的なモバイルPCが必要であり、またそれが当然と考えられている。しかし、カメラもごく普通のカメラからデジタルカメラになり、フィルム代わりのメモリカードを再度使用するためにも、撮影済みの写真データを吸い上げる事のできるモバイルPCが必要だ。観光地の最新グルメ情報や、レジャースポットを現地に行ってからWebサーフィンで探し出すことも、モバイルPCがあれば快適だ。ビジネスだけではなく、観光旅行にもモバイルPCやインターネットは、海外旅行の必須アイテムになりつつあるようだ。次回はフロリダに在るプチ・イタリア、「ポートフィノ・ベイ・ホテル」をご紹介したい。

はぶふぁん!




(ゼロ・ハリ)
2000/07/14 00:00

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