今回はダイエーホークスのリーグ優勝目前だった博多訪問の宿をご紹介しよう。ちょうど、羽田空港を出発したJAS307便が向かい風で多少遅れて到着した頃に、鳥取で大きな地震があったようで、ホテルに向かうタクシーの中ではラジオの臨時ニュースが流れていた。今回もインターネット上の「旅の窓口」で福岡市内にある「ホテルニューオータニ博多」を予約した。東京以外の都市では、そこそこ高級な都市ホテルがビジネスホテルと大差ないリーズナブルな価格で客室を提供していることが多く、最近はこれらのホテルに宿泊することが多くなった。
■ ホテルマンも一流、快適なロビー
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空港からも近くビジネス拠点にはもってこいのロケーションだ
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福岡空港からタクシーで約30分。ホテルニューオータニ博多のロビーは広く、年代を経てはいるが綺麗に整備され、ベルボーイからチェックインカウンターのスタッフまで、言葉使いもスマイルも一流ホテルならではの対応だ。筆者は、予約の時点でツインルームのシングル使用ということだったが、チェックインの時に、さらに「禁煙ルーム」に変更をお願いしたが、気持ちよく対応してくれた。インターネット予約の割引価格とはいえ、このレベルの都市型一流ホテルが8500円という価格で泊まれる時代になれば、全国展開しているビジネスホテルチェーンや地方の独立型ホテルは相当の覚悟で顧客サービスやオリジナリティ溢れる特長をもったビジネス展開をしなければ経営が成り立たないのではないかと気になってしまう。
案内された11階のツインルームは、博多でよく泊まるビジネスホテルに比較しても室内は広く、ベッドも快適だ。ビジネス・ロードウオーリアにとってこのホテルの最大の魅力は、米国資本の「STSN」と呼ばれるホテルのインターネットサービスを手がけている会社の高速インターネットサービスが、チェックイン当日の正午からチェックアウト日の正午まで、24時間2000円で使い放題という点だ。
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綺麗に整備され格式のある一流のホテルだが、超リーズナブルなインターネット予約価格
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ホテルマンも一流、広く快適なロビー
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■ 超快適STSN高速インターネット
客室のクローゼットの中には、「STSNバッグ」と呼ばれる小さなビニールの袋がハンガーに掛けられており、その中には、イーサネットケーブル(赤色)、USBケーブル(青色)、RJ-11モデムケーブル、それにUSBケーブルを使用して高速インターネットを行なうためのドライバソフトを収録した「STSN CD-ROM」の4点セットが入っている。
客室内のデスクの上には「STSNボックス」と呼ばれる、外付けモデムサイズのオフホワイトの機器が備え付けられており、STSNボックスの前面にはLAN(イーサネット)ポートとUSBポート、それにRJ-11モデムポートの3つのポートが、左から順番に並んでいる。筆者は、ホテルの客室にイーサネットケーブルが用意されているとは知らなかったために自前の短いイーサネットケーブルを持参していたので、そちらを利用した。自宅や会社でイーサネットを利用しているならDHCP設定になっていることだけを確認して、モバイルノートのイーサネットポートやイーサネットカードとSTSNボックスの左端にあるLAN(イーサネット)ポートをケーブルで接続するだけで、最大1.5Mbpsの超高速快適なインターネットが体感できる。
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壁面に張り付くことなく、独立したデスクはロードウオーリアには有り難い
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ツインルームのシングルユースで、禁煙ルームが筆者には最高の環境なのだ
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クローゼットの中に吊るされたSTSN高速インターネットスターターキット「STSNバッグ」
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デスクの上にある「ハイスピード・インターネット・アクセス」の案内
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STSNバッグと客室に用意されたマニュアル、フロントで無料でもらえる「ご利用マニュアル」のコピー
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STSNバッグの中には、3種類のケーブルとUSB接続のためのドライバソフトを収録したCD-ROMが入っている
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まずInternet ExplorerやNetscape Communicatorを起動して目的のサイトを選択すると、まずSTSN社のホームページと料金請求のためのホテルのページに飛び、そこでSTSN高速インターネットを使用することを確認、選択する。その後、いよいよ超高速のネットサーフィンやメールチェックができるわけだ。昨今は、国内外の多くのホテルでもケーブルテレビ網を利用したインターネットや、独自で高速回線をホテルまで引き込んでサービスを行なっているところも多い。このSTSN高速インターネットも、家庭でのごく普通のインターネット接続スピードと比べると、非常に高速で快適だ。ちょうど以前からダウンロードしたかったファイルがあったので、早速ダウンロードしたが、約10MBのファイルのダウンロードにかかった時間は約2分だった。
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イーサネットケーブルであっけないほど簡単に接続成功
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最初にSTSN社のサイトに接続される
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イーサネットケーブルでパソコンのRJ-45ポートとSTSNボックスのLANポートを接続するだけ
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STSNボックスの前面には3カ所の接続ポートがある。いちばん左側がLAN(イーサネット)ポート
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普段イーサネット環境を利用していないユーザーは、USBケーブルでSTSNボックスに接続することで、高速インターネットを体験できる。しかし、ドライバソフトがCD-ROMで提供されているので、CD-ROM内蔵のモバイルノートか、外付けCD-ROMドライブを持参する必要がある。もしどちらも持ち合わせが無ければ、STSNバッグの中に同封されている「RJ-11モデムケーブル」(細い白色)を使って、STSNボックスの右端にあるモデムポートに接続し、客室内に置いてあるガイドや、フロントで無料でもらえる詳細な説明書を参照して、STSN社サイトにアクセスし、ドライバソフト(STSNusb.EXE)をダウンロードしてドライバーを導入後、USB経由の高速インターネット接続をすることも可能だ。なお、電話回線でダウンロードしている間は接続時間に応じた電話料金をチェックアウト時に請求される。しかし、たかだか60KB程度のファイルサイズなのでさほど気にすることもないだろう。USBケーブルでの高速インターネット接続は、LAN接続の時と同じく、STSNバッグに同梱されている「USBケーブル」(青色)を使用してモバイルノートのUSBポートとSTSNボックスのUSBポートを接続するだけだ。
接続に関して不明な点があれば、STSNボックスの蓋を開くと、ヘルプカードが数枚入っている。ホテルのフロントでもらえる設定マニュアルのコピーを併用してもまだうまくいかない時は、STSNの無料ダイヤルに連絡ができる。ヘルプダイヤルに電話した後、米国の1-800番の無料ダイヤルを経由して、STSNゲストサポートセンターに接続することで、常駐の日本語ができる専任スタッフが音声で対応してくれる。もちろんこれらのサポートサービスも全て無料だ。
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STSNボックスの上蓋を開けると、簡単なヘルプガイドがある
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USBケーブルを使用する場合は、パソコンのUSBポートとSTSNボックスの真ん中のポートをSTSNボックスに入っているUSBケーブルで接続する
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■ 朝食の一件は残念。でも福岡の定宿にしたいお薦めホテル
テレホーダイの始まる夜の11時を過ぎても、そこそこ快適なSTSN高速インターネットのせいで、寝不足気味で目覚めた朝は、和食の朝ごはんにするか、洋食にするかを考えたあげく、ホテル1階の「グリーンハウス」という軽食レストランに決めた。前日に、多くのケーキの中から2個をチョイスでき、疲れのせいか、そのケーキセットがやけに旨かったレストランだ。
朝食のスタイルは、多くのビジネスホテルで見かける完全なバイキングスタイル形式ではなく、サラダバーとデザートのみビュッフェ形式の折衷ブレックファーストだ。「アメリカン・ブレックファースト」をチョイスした筆者は、玉子料理にオムレツを選択したが、筆者にとっては珍しい「博多ネギ」と「ベーコン」を入れたいというほんの些細なお願いをウエイトレスさんに聞き入れていただけず、「ワンチョイス」と言われて、結局ベーコンだけの、どこにでもあるオムレツを食べる羽目になってしまった。約20ドル相当のブレックファーストなら、何でもアリの米国のホテルと、日本の一流ホテルのサービスの差なのかもしれない。
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通りに面した席はグッドだが、筆者が座った通路側禁煙席は時々水洗の流れるような音が耳障りだった
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ベーコンだけのオムレツは何度考えても残念無念だった
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「博多ネギの一件」以外は超快適な「ホテルニューオータニ博多」は、今後も筆者の九州出張の定宿となりそうだ。ビジネス・ロードウオーリアの紳士淑女にはぜひお薦めしたい。今度は是非「博多ネギ」オンリーのオムレツにチャレンジしてみたい!
では、また次回まで、はぶふぁん!!
■URL
・ホテルニューオータニ博多
http://www.kys-newotani.co.jp/ja/hakata/
・ニューオータニグループ4ホテルがハイスピードインターネット接続システム導入(ニュースリリース)
http://www.newotani.co.jp/ja/topics/IT/STSN.htm
・STSN(英文)
http://www.stsn.com/
(ゼロ・ハリ)
2001/01/26 00:00
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