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第22回:あえて東京を避け、横浜の国際的ホテルに泊まる
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


宿泊プランをうまく利用して、クオリティの高い部屋を確保

「パン パシフィックホテル横浜」のテラスからは、横浜グランド・インターコンチネンタル・ホテルの特徴ある姿が綺麗に見える
 ビジネスマンの東京出張だからといって、毎回毎回、都内のせせこましいビジネスホテルに泊まる必要性はないだろう。横浜の「桜木町」はJRでも東急でも都心まで約30分前後で行ける、便利なロケーションにある。特に週末の出張などの時にはそのまま延泊して、ふだん東京に来る機会の少ない家族や彼女を呼び寄せて週末を過ごすにも楽しいところだ。駅前にはビジネスホテルチェーンの「ワシントンホテル」なども最近、相次いで建設されたが、たまにはビジネスホテルではなく、ごく快適で国際的な都市ホテルに宿泊するのも良いだろう。宿泊料金が絶対に高いと思われている都心や有名な都市ホテルでも、昨今は普通の出張ビジネスマンでも泊まれる料金の特別宿泊プランを提供しているホテルが多い。会社規定の宿泊出張料金の枠から、たまには少し自腹に食い込んでも、一流ホテルにゆったり宿泊することは意義のあることだと筆者は常々考えている。

 「パン パシフィックホテル横浜」は、その名前の通り、環太平洋の11カ国で営業している国際的なホテルチェーンである「パン パシフィック・ホテル・アンド・リゾート」経営の横浜のホテルだ。筆者はつい最近まで、よく行くサンフランシスコ市内にある同ホテルしか知らず、横浜にもあると聞き、何かの機会に宿泊を考えていたところだった。同ホテルも、季節やイベントに応じてさまざまな宿泊プランを工夫・企画している。そうしたプランに条件が合えば、普段より遥かに安い料金で宿泊できたり、同じ料金で、遥かにクオリティの高い部屋を確保することができるのだ。

 横浜桜木町と聞くと、どちらかと言えば大型の国際会議場「パシフィコ横浜」に隣接した、「風で膨らんだヨットの帆」のような際だったデザインの「横浜グランド・インターコンチネンタル・ホテル」がどうしても目立ってしまう。しかし、いったんホテルの部屋に入ると自分では外観はまったく見えないから、外観の格好良さは宿泊客に関係ない、とも言える。逆に筆者の泊まったパン パシフィックホテル横浜のテラスからは、昼夜とも景観として横浜グランド・インターコンチネンタル・ホテルが見事なくらい綺麗に見えた。


快適・贅沢な都市型ホテル「パン パシフィックホテル横浜」

JR桜木町駅。駅名の「桜」の文字がなぜか少々よたっているが、街は活気に溢れている
 今年で開業4年目を迎える「パン パシフィックホテル横浜」はJRもしくは東急を桜木町駅で下車。改札を出たら、フライトシュミレーターでお馴染みのシカゴの「ジョンハンコックビル」に似た高層のランドマークタワー側に出る。ランドマークタワーを通り抜けると、続いて「クイーンズスクエア」に入り、その終点右側あたりがパン パシフィックホテル横浜への入り口だ。筆者のファーストインプレッションは、ランドマークタワーもクイーンズスクエアも、上層階のオフィス、ホテル機能に下層階の「飲んで」「食って」「遊んで」「買って」が複数融合した、どちらかと言えば昨今、日本の都市部だけに急増している目的のはっきりしない都市型独立総合開発ビルなのだ。生活密着型ではなく、なくても決して困らないモノを販売するお店が多く、モールと言っても米国でよく見られる全世代対象のタイプのモノとは異なり、嗜好や世代を絞っているようで、実はいずれにもフォーカスしきれていない中途半端さの残るショッピング街なのだ。

 平日は、周辺のビル街に勤務するビジネスマン、ビジネスウーマンの食事と、(どれだけ必要なモノが揃うかは別にして)帰宅前のショッピングの場だ。週末だけ、周辺以外から押し寄せるデイトリッパーの格好の暇つぶしの場所となるエリアなのだ。

 これらのショッピングセンターの存在をすべて無視しても、パン パシフィックホテル横浜はビジネスマンが会社の出張に泊まるには十分すぎるくらい快適・贅沢な都市型ホテルだ。米国系のホテルではよく見かけるが、外資のパン パシフィックホテル横浜も、22階までの客室フロアとパシフィックフロアと呼ばれる23階~25階の最高層の客室フロアはチェックインカウンターが異なる。今回は「ネイバーフッドプラン」という同ホテルの格安宿泊プランではあるが、パシフィックフロアの海側エクゼクティブ・ツインをオンライン予約したので、自動的にチェックインは最上階の25階で行なうこととなった。25階の専用チェックインカウンターで座り心地の良い椅子に腰掛けてのゆったりしたチェックインは、国内では始めてで、なかなか快適だった。また、たいして特別に頼むこともないが、客室専用のバトラーが付くのもバリ島のホテル以来のことだった。

 25階にはパシフィックフロア宿泊客だけのセルフサービスのコーヒー・ティーラウンジ「パシフィック・ラウンジ」が、24階にはパソコンデスクやレーザープリンターなどが設置された「ビジネスセンター」が用意されている。週末の近隣の喧噪とはかけ離れた、静かでゆったりとした時間を過ごすことができる。23階以上のパシフィックフロアには、エレベーター内でルームキーをフロアボタンの並んでいるコントロール・パネルの最上段のスリットに挿入することで、自動的に宿泊階のランプが点灯する仕組みになっている。


どこに居ても見える巨大なランドマークタワーが目印 クイーンズスクエア入り口には超ハッタリの巨大モニュメントが

クイーンズスクエアを途中で抜けると「パン パシフィックホテル横浜」が見える クイーンズスクエアから入るとちょうど2階にある吹き抜けのロビーに到着する

気持ちのよい部屋、使い勝手を考慮したネットワーク環境

左側にはインターコンチネンタルホテルと、遥か正面にはベイブリッジも見えて絶景!?
 横浜港に面した部屋からは、すぐ手前左側には横浜グランド・インターコンチネンタル・ホテルが見える。正面の遥かこう側にはベイブリッジが見え、直ぐ真下には観光船の出入りが頻繁だ。右側には、遊園地「横浜コスモワールド」の大観覧車が手の届きそうな位置に見え、夜になるといずれもがライトアップされ、米国風でもなく日本風でもなく、リッチでもないがプアでもない、クイーンズ風に言えば、ほんの少しチープでトリッキーでグッドな景観だ。

 客室もベッドも、ごく一般的なアメリカン標準サイズだが、当然、日本の標準的なビジネスホテル・サイズとは一回り以上は軽く違う。ベッドに置かれているクッションはサイズが異様に大きくて快適だった。米国内のホテル等では小さなクッションが何個も置かれているタイプの客室がよくあるが、意外と几帳面な筆者はあれが苦手だ。寝る時のやり場に困るのと、扱いが面倒だ。バスルームは全体に余裕があり、特にバスタブは大きくて快適。また、シャワーだけが別に設置されたドア付きのコンパートメントが用意されているので、とても便利だ。同じくトイレも、磨りガラス製ドア付きの別コンパートメントになっており、清潔好きな日本人には、ホテル側のきめ細かい配慮が感じ取れるだろう。アメニティも豊富で気持ちがよい。


客室からは、コスモワールドの大観覧車が眼前に見える 余裕のある部屋に余裕のあるツインベッド。ビジネスには安息が一番

美味しいモノを食べて、ゆっくり風呂に入って明日に備えるのがロードウォーリア 女性連れなら最高に喜ばれる(?)アメニティの種類も豊富

パソコンはテラスでも室内の座り心地の良い椅子でもどちらでも使える
 室内にある座り心地の良い椅子とテーブルのすぐ側には、「ACコンセント」と、「RJ11モジュラージャック」がペアで提供され、パソコンを前提としたネットワーク環境が良く考慮されている。まだまだ日本のホテルでは、このACコンセントとRJ-11モジュラージャックでさえペアで提供されていない「自称一流ホテル」が多過ぎる。米国では既に、高速のインターネットサービスを超低価格で提供できるRJ-45イーサネットポートや、それを越えたワイヤレス高速LANを備えたホテルが続々と出現している。日本のホテルのIT化は何年も米国に遅れをとっていると言えるだろう。国際的な会議を日本で開催することが多くなってきている昨今、主催者側がホテルの選択で悩む事の多い点の重要な1項目だ。今後の早急な改善が望まれるだろう。


ACコンセントとRJ-11のモジュラージャック。意外にこれらがペアで提供されている都市ホテルは少ない 24階のビジネスセンター、プリンターなどの設備は有り難いが、そろそろADSLなどのブロードバンド接続やワイヤレスなどの提供が必要な時期だろう

ショッピングを楽しむなら「横浜ワールドポーターズ」

写真ではピンと来ないが、横浜ブレードランナーのような雰囲気。自動車が地上を走っているのが不自然な感じがする
 週末はだいたい22時まで開園しているお向かいの「コスモワールド」は、国内外の遊園地の中では、入園料が無料なのが特徴だ。だから、ホテルの部屋から眺めていた巨大観覧車「コスモクロック21」に突然、彼女や家族が乗りたいと言い出しても比較的目標達成はイージーだ。またホテルのテラス等の上から昼間に眺めていると「なーんだ」と思ってしまう、水中突入型ジェットコースター「バニッシュ」も、すぐ近くの水際で眺めても、実際にライドしてもその迫力はなかなかだ。

 ショッピングなら、前述のランドマークプラザやクイーンズスクエアなども近くて、一見スマートで便利だが、ホテル前の橋をコスモワールドを右側に見ながら渡ると、すぐ前にある「横浜ワールドポーターズ」が関西人の筆者にとって、もっともっと面白いショッピング街だ。筆者の大好きな文具や生活雑貨もこちらの方が圧倒的に品揃えも豊富で、それ以外のショップも、店創りや、テーマも変に気取りがなくて、筆者のように単純な消費者には、わかりやすく楽しい。1階には「マイカルビブレ」や数多くのフードショップなども揃っており、気負いなく楽しくショッピングやグルメが堪能できる雰囲気がある。映画から、食事、スポーツ、ショッピングまで、本当に楽しめるのは、間違いなくこちら側だろう。

 筆者は大抵の場合、宿泊したホテルで朝食をとることにしているが、夕食はそのほとんどを、ホテル外のレストランで取ることが習慣になっている。しかし、パン パシフィックホテル横浜では、珍しくホテルのロビーと同じフロアのイタリア料理店である「カフェ・トスカ」で取ることになった。3~5千円で、用意されるお決まりのコース料理だが、十数種類の中から幾つか選べるアペタイザーで始まり、スープ、メインディッシュ、そして最後のデザート、コーヒーまで付いてのディナーは格安だ。味、質、量ともに満足できるだろう。結局、宿泊料金に含まれていた朝食も含め、すべての食事をホテル内の同一のレストランで食べたのは国内外でほとんど初めての経験だった。サイバーメトロな東京でタフなビジネスをこなし、ウイークエンドに家族や彼女を迎えるベストロケーションホテル「パン パシフィックホテル横浜」は、ロードウォーリアのためのベストホテルのひとつだと思う。

 では、また次回まで、はぶふぁん!


夜になってこの変化を見たら、突然乗りたくなる彼女が居ても安心。徒歩1分! 結局、夕食と朝食を食べたカフェトスカ、彼女連れにはベストな価格性能比だ!

・ パン パシフィックホテル横浜
  http://pphy.co.jp/
・ 横浜ランドマークタワー
  http://www.landmark.ne.jp/MENU/index.html
・ 横浜ワールドポーターズ
  http://www.yim.co.jp/
・ 横浜ワールドポーターズ
  http://www.yim.co.jp/
・ クイーンズスクエア横浜
  http://www.qsy.co.jp/
・ 横浜コスモワールド
  http://www.senyo.co.jp/cosmo/index.htm
・ 横浜中華街
  http://www.chinatown.or.jp/1index.html


(ゼロ・ハリ)
2001/06/27 00:00

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