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第26回:深夜のビーフチャーハンが美味しい
「ホテルモントレ エーデルホフ札幌」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


ロビーや客室に閉塞感がないホテルモントレ エーデルホフ札幌

綺麗な石が敷き詰められた床とシャンデリアの組み合わせが調和している
 「ホテルモントレ エーデルホフ札幌」は、以前大阪で宿泊した「ホテルモントレ大阪」と同じモントレグループのホテルだ。羽田から夕刻に千歳に入り、予定されていた仕事を済ませ、22時をまわってからチェックインをした。「ホテルモントレ エーデルホフ札幌」も他のモントレチェーンのホテルと同じく、下層階はオフィスで、上層階にホテル、という関係は変わっていない。しかしホテルモントレ大阪とは異なり、ロビーやフロント、メインのダイニング、ティールームなどは、1階に集中している。客室はすべて地上60メートル以上の高層階に位置し、昼夜を通じて眺望は抜群だ。筆者が宿泊したシングル「ワーグナールーム」でも約19平米あり、60平米のジュニアスイートまで4タイプ181室のゲストルームを擁している。

 ホテルに一歩足を踏み入れると、ウイーンの宮殿をイメージしたインテリアとなるのは、ホテルモントレ大阪と同じだ。しかし、1階であるがゆえに、チェックイン手続きをするフロントや朝食を摂るレストランは、高い天井で圧迫感を全く感じない。チェックイン後、市松模様の大理石の廊下をエレベーターホールに向かい、今日の客室である22階に昇る。ウッドの床だった大阪とは異なり、客室は全面的な絨毯張りだ。室内はベッドが1個の完全なシングルルームだが、やけに長いよくあるウナギの寝床型ではなく、限りなく正方形に近い客室は同じ面積でもなぜか得な感じがするから不思議だ。また22階ということもあって窓からの眺めは遮るものがなく、翌日の朝は北海道の大きな空がどこまでも見えて絶景だった。


客室に入ってすぐの空間が「ほっとする」贅沢なモントレホテルの特徴だ モノトーンのシンプルな色遣いで清潔感とモダンな感じを与えるバスルーム

広くはないが落ち着いた雰囲気を与えてくれるインテリアが良い 比較的余裕サイズのシングルベッドが安眠を約束してくれる

インターネット接続はとくに問題なく快適

ACコンセントとモジュラーコンセントが集中しており快適な通信環境だ
 客室のテーブルには、AC電源とRJ-11モジュラージャックがきちんと1カ所に備え付けられており、インターネットアクセスは定石通りで、不安なく快適に接続できた。しばらく仕事のメールや翌日の準備をしていたら、当日忙しくて夕食を抜いていたこと、そして急激にお腹が減ってきたことに気が付いた。ルームサービスのメニューを見ると、直感的に、「ビーフチャーハン」というメニューがやけに旨そうに響いたので、さっそく注文した。しばらくたって届けられたビーフチャーハンは、予想を裏切ることなく超美味だった。ただごく一般的な人間が深夜に食べる量としてはかなり多めだろう。

 翌日の朝は、周囲も不案内なので1階のレストラン「ワーグナー」で朝食をとることにした。エレベーターホールからティーラウンジを通過して、天井の高いレストランに入ると、すでに多くの宿泊客がバイキング方式の朝食をとっている。決して価格性能比は良いとは言えないが、和洋バイキングを自由に選ぶことのできるよくあるタイプだが、あまり印象には残ってはいない。この日の夕刻には、福岡へ空路移動しなければならなかったので、食事は早々に切り上げ、早いうちに小樽に行くことにした。


ルームサービスの「ビーフチャーハン」は、ぜひトライする価値あり! 22階ということもあり、「Hokkaido Sky」は広くて大きい!

通過するには惜しいのでソファに腰掛けたとたん、お水のサービスが。デキるな! ティーラウンジ隣の朝食レストラン、1階の庭園も見えてゆったりと食事できる

名物の「小樽の寿司」

 小樽には札幌からは快速でほんの20~30分、600円くらいで行けるが、大都市札幌とはまったく異なる静かな港町だ。梅雨のない北海道は快適で、小樽に向かう電車の窓を開けて入ってくる風は気持ちよく超快適だ。残念ながら、この時期には小樽にもかなりの数の観光客が押し寄せ、寿司屋街や有名な運河周辺、ガラス細工を売っている有名なお店はそのほとんどが観光客で埋め尽くされている。

 この日は小樽駅の1つ札幌寄りの駅「小樽築港駅」に最初に下車した。目の前には大きな観覧車が建ち、ヒルトンホテルがあり、併設されているマイカル小樽には関西お笑いの雄、吉本興業のテーマパークまである。一通りお上りさんのごとくこれらをタッチ・アンド・ゴーして、目的の小樽市内の寿司屋にタクシーで向かった。まったく周辺の地理に不案内だった昔は、再度、もと来た「小樽築港」駅まで徒歩で戻って、たった1駅だけのために、なかなか来ない電車を待って、長時間かけて「小樽」駅までようやく移動したこともあった。今考えると膨大な時間の無駄使いであった。「北海道はとてつもなく大きい!」という先入観が、小樽築港と小樽駅の間隔をイメージする際にも展開され、とんでもない間違いを平気でしていたものだった。


小樽に向かう電車では、連結器の側に陣取って窓フルオープンが超快適だ 昔の面影の残るJR小樽駅、観光地ではやはりタクシーが便利だ

 まったくグルメではない筆者だが、小樽といえば美味しいお寿司が名物であることは、横浜に居ても少しは噂に聞いて知っていた。そんな昔、家族旅行で北海道旅行のメインメニューの一部として小樽を訪れたことがあった。自宅近所の大手旅行社の手配で、1日貸し切りをお願いしていた地元のタクシー運転手の計らいで、昼食時に有名な「寿司屋街」の名前も忘れたある店に案内された。しかしそこでは、もうただただ混雑だけを経験したあげく、家族全員が東京でも滅多にお目にかかることのできない、並以下の寿司を味わった苦い経験があった。期待度が高かっただけに、それ以来「小樽の寿司」の話題は家族全員のタブーになってしまっていた。寿司屋街の全てのお店が決してそうだとは思わないが、とかく同じような店がたくさん集まっている所にはピンからキリまでが同居しており、通りすがりの旅行者には、その「ピン」の判断が非常に難しいというのが教訓だろう。もっとも、インターネットが普及した昨今なら、その確率精度をより上げることは十分可能だろう。

 そんなわけで避けていた小樽の寿司だが、数年前、やはり出張で札幌に行った折、札幌に住んでいたことのある友人に案内された、小樽寿司屋街から大きく離れたある寿司屋がとても気に入ってしまった。その後、家族を連れて行ったり、仕事で札幌に行くことがあると、無理をしても必ず毎回、小樽まで足を伸ばして食べに行くのが習慣になってしまった。ただ地元ではそれほど有名ではないのか、もっと安い店が他にあるからなのか、筆者らの趣味が地元の人と異なるのか、明確には判断できないが、タクシーに乗ってその店の名前を告げても「へえ、東京から来てそんなとこにまで行くのか!?」という雰囲気の、いつもあまり芳しい返事が返って来ないのが不思議だ。しかしネタの良さと超エコノミーな料金はIT産業で働く仲間内では評判なので、決して後悔はしないお店のひとつだとは思う。

 ひょっとすると常に電磁波を受けて仕事をしている人種は、長い間に「酢」に対する味覚が異常になっていたりするのかもしれないが、東京のちょっとした寿司屋なら平気で1万円くらい請求されるかもしれない「にぎり寿司」のもっと上の上がたった2千円代後半で食べられるのはやはり普段都会に住む身には羨ましくもあり、ありがたいことだと思う。

 今回は時間がなく、小樽吉本で「明和電機」のライブも見ることができず、小樽の街をゆっくり見物することもできなかったが、いずれ、ゆったりとしたプライベートの旅行プランで小樽に宿をとってみたい。それまで……はぶふぁん!


本当は手前の映っていないところに大勢観光客が居る運河の撮影ポイント 筆者の大好きな小樽の寿司屋さん「庄坊番屋」。雪がなければ、駅から徒歩でも行ける

・ ホテルモントレ エーデルホフ札幌
  http://www.hotelmonterey.co.jp/
・ 小樽よしもとテーマパーク
  http://www.otaruyoshimoto.com/


(ゼロ・ハリ)
2001/08/30 14:28

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