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雑踏のターミナルから少し離れた静寂ホテル
「ウェスティン大阪」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


東西エスカレーターの謎

 梅田は大阪の「北」の中心でもあり、背後に阪神間や千里など、巨大なベッドタウンを控えた一大消費タウンでもある。多くの世代の異なる地下街が錯綜し、都会育ちが自慢の、東京育ちの品の良い坊やが初めてこの巨大地下街を訪れた時には、まさに崩壊した香港の「九龍城」に迷い込んだ異邦人のごとく、ただただ道に迷うだけである。

 「梅田」は私鉄や地下鉄の駅名ではあるが、JRの「大阪駅」とは異なり、ピンポイントで特定の場所を指すわけではなく、大阪駅を中心とする周囲一体を指すことを理解していないと、地元の人と話しが噛み合わないことが出てくる。

 筆者のように大阪、東京のいずれにも何十年も住んでいても、未だに理由やその起源のはっきりわからない「東西の差」を感じる事は多い。東海道新幹線「のぞみ」が両都市間を2時間少々で結んでいる現在でさえ、その差は縮まるどころか広がっているようにも思える。

 一番顕著に感じるのは、夕刻の東京駅を後にして、新幹線で大阪に出張する時だろう。東京駅では、新幹線のホームに上る長いエスカレーターを利用する時、エスカレーターの段を自分の足では登らず、後から来る急ぐ人に通路を空ける場合には、右側を空け、進行方向に向かって左側に立つ。これがたった2時間少々、新幹線に乗って到着した新大阪駅では、突然まったく逆になってしまう。立ち止まる人は全て右側なのだ。戸惑う人も多いのは容易に想像できる。

 いろいろな人に話を聞くと「日本は右側通行なので、歩いて通行する人の為には左側に立ち、右側を空けるの正しい」という交通規則準拠論や、東京は武家社会ですれ違いざまに即座に刀を抜くことを想定すると、左側通行をしていたのでは壁際で刀を抜く十分なスペースがないという説もある(しかしこれは相手も同じハンディのような気もするが)。さてエスカレーターの謎はいったい何が原因なのだろうか?

 新幹線で頻繁に東西を行き来している人間は、特にロコに合わせる意識がなくても、自然とその場に合った選択を無意識にしていることが多い。習慣とは恐いものだ。


落ち着いた雰囲気の高級ホテル「ウェスティン大阪」

ロビーは伝統的な一流ホテルにありがちな重苦しさがなく、暖かく明るい感じだ
 「ウェスティン大阪」は、米国大手のスターウッドグループに属するグローバルな大型ホテルグループだ。メンバーには、世界的ホテルチェーンの「シェラトンホテル」が有名だ。日本にはそういう人種が本当にいるかどうか別にして、トレンドマガジンご推薦、自称「セレブ」に人気の「W」(ダブリュー)も同じスターウッドグループなのだ。ウェスティン大阪は、幸か不幸か、すぐ向かいにそびえ立つ大阪らしくかなりケバい「梅田スカイビル」との対比で、より高級ホテルらしい落ち着いた雰囲気が実際以上に醸し出されるというメリットを享受している。

 名前から想像するより、ウェスティン大阪のロビーははるかにこじんまりとしており、落ち着ける雰囲気を求める出張ビジネスマンにはふさわしい環境だ。場所柄、梅田のターミナルホテルなどと違って、宿泊客以外のの待ち合わせなどに使われる事が少ないことが最大の理由なのだろう。


ホテル利用の際は、インターネット予約を活用しよう

 客室は予約時に希望を告げれば、禁煙ルームやブロードバンド回線完備の客室をグレードや宿泊人数に応じてきめ細かく手配してくれる。この日は、広いベッドのある、ブロードバンド対応の禁煙ルームをお願いした。客室に案内されてカーテンを空けると、案の定、またあの少し足の長いホチキスの針を伏せたようなビルが、本来なら窓の外に見えるはずだった大阪北の雄大な空を遮っている。どうも目触りなビルだ。ちょうど、ビルの又の間の遥か遠くを伊丹空港に着陸する飛行機が横切っていく。

 インターネットがビジネスマンの出張ホテルの標準的な検索ツールとなった現在では、大手の伝統ある都市ホテルもインターネット予約に関してスペシャルレートを用意している場合が多い。すでに一流の都市ホテルでもこれらの動きは活発で、今回宿泊したウェスティン大阪も例外ではない。今回宿泊したのは同ホテルの高層階に位置するエクゼクティブフロアの客室だ。予約時にはツインルームだったが、ちょうどその日はブロードバンド回線の設備のあるツインルームがなく、実際にはダブルルームに宿泊した。

 同じ出張でも現地の客先やアウトドアで過ごす時間の多いときは、ホテルは深夜に倒れ込んで寝るだけの部屋となってしまうが、仕事の関係でパソコンを使用した作業が長時間に渡って必要な場合などは、狭いビジネスホテルの部屋ではなく、大きなスペースを提供してくれる都市ホテルがありがたい。深夜のルームサービスや大きなバスタブ、大きなベッドなども体力・知力の有効な回復剤になってくれる。


客室の窓の目の前に巨大な梅田スカイビルが立ちはだかる あまり見かけない「ICチップの封入されたルームキー」が採用されている

 ウェスティン大阪の客室は、そのほとんどが40平米を越えており、これは筆者の知るごく一般的なビジネスホテルの客室が平均12~15平米であることから逆算すると、約3倍の広さであることがわかる。もちろん、多くの都市ホテルの高層階のエクゼクティブフロアの1泊の宿泊料金は、3万円代の後半だと思われる。しかし、顧客がインターネットで直接予約することで、旅行代理店などに支払う手数料がなく、将来のWebビジネスの先行試行を行なうという名目で、大幅なディスカウント料金を適用するホテルも珍しくはない。実際、30%~40%オフの特別料金を適用してくれるホテルが多い。

 それでも、ごく一般的なビジネスホテルのシングル料金と比較すると約2~3倍の料金格差があるが、それを単なる贅沢と考えるか、意義のある選択とするかは、身も心もゆったりすることで、仕事の効率を高められること、また精神的・肉体的な満足を得られることをどこまで評価するかだろう。


エクゼクティブフロアのダブルルームは41平米の広さで超快適 洗面ユニットもダブル。朝、彼女と喧嘩することもない!?

ADSL接続環境のある客室で快適作業

一晩使い放題のADSLインターネットは1000円と、このクラスの都市ホテルでは安い方だが、いずれは無料化がトレンドだろう
 かなりの長時間、客室で仕事をすることがあらかじめわかっていた今回の出張では、ADSL接続環境のある客室、が条件だった。客室のデスクの上には簡単な説明書があり、カテゴリー5のイーサネットケーブルの端が露出している。モバイルPCのイーサネットポートにケーブルを接続するだけで即刻インターネット環境を活用することが可能だった。

 今回も、ワイヤレスLANのみに対応しているThinkPad s30を持ち込んでいたので、いつも持ち歩いている「USB接続イーサネット・アダプター」を経由して接続した。スピードは快適で、単なるWebサーフィンやメールだけのために使うのはもったいない環境だ。VPNクライアントソフトを導入したモバイルPCなどを活用すれば、社内より快速なスピードでセキュアなネットワーク接続を実現できる。ホテル客室のブロードバンド化は今後、IT企業戦士のバトルフィールドに於いて、作戦本部である本社のイントラネットと接続できる「シェルター」の役目を果たすことになるのだろう。


客室でのADSL接続利用に関しては多くの説明書が用意されている 最初のアクセスでは同社の課金サイトに強制的に接続され、支払いをクリック・コミットすると、インターネット接続スタートだ

イーサネット接続が可能なモバイルPCさえあれば快適だ 快適な速度で通信可能。今後はVPN接続などの普及とあいまって「ブロードバンド対応ホテル」はビジネス出張の基本となるだろう

朝食は「アマデウス」がおすすめ

 快適な冬の目覚めの朝一番、ホテルの朝食が素晴らしく美味しく感じる時がある。ウェスティン大阪の朝食は、1階のあまり華美ではない「アマデウス」が最高だ。晴れた日には高いガラス張りの天井から降り注ぐ冬の日の太陽がまぶしく、光の線が見えるように暖かい。菓子パンや美味しいスープ、カリカリのベーコンなどを、並んで待つことなく、好きなように盛りつけられる。食事をしながら、ふと窓辺を見ると、客室からもちょうど真正面に見えた「大阪スカイビル」が今度は目の前にそびえ立っている。ホテルのコンシェルジュに聞くと、大阪スカイビルの最上階は「空中庭園展望台」になっているらしい。もう1杯の美味しいコーヒーを諦めて、仕事のスタートまでの間、梅田スカイビルの空中庭園展望台に上ってみるとしよう。


朝の光がさんさんと降り注ぐ快適なレストラン「アマデウス」 典型的な都市ホテル型のブレックファースト。「カリカリベーコン」は全ての基本なのだ

大阪スカイビルの空中庭園展望台

いかにも無駄の多い建築物に見えるが、目立ち度は抜群だ!
 大阪には、この梅田スカイビルに限らず、傍目には「目立つためだけの目的」で建設されたようなビルや建造物が比較的多い。梅田のターミナルのど真ん中にあるビルの屋上から溢れるように作られた直径75メートルの「真っ赤な大観覧車」や、大阪ミナミのターミナル「天王寺」にある「デルピス」と呼ばれ、ビルの隙間を走り回り、外部から見るとビルの間から飛び出すように見えるジェットコースターなどが、ごく当たり前のように街中にあるのが面白い。大阪の建築家にラスベガスのホテルを設計させたら間違いなく大ヒットだろう。

 梅田スカイビルでは、入り口で展望台入場料の700円を支払い、高層の接続ポイントまではごく普通のエレベーターで上るが、最上階へは空中を斜めに上昇する、傾斜のきつい長いトンネルのような一風変わったエスカレーターで昇っていく。エスカレーターでの移動中も眼下の景色が綺麗に見えるように足下はガラス張り構造だ。間違いなく、ウェスティン大阪とペアになった夜景の「ベスト・デート・コース」だろう。


どこまで続くのかと思わせる最後の上りエスカレーター。この日は生憎平日で、誰一人利用していない 上りと下りの2本の空中回廊のようなエスカレーターが見える。長くこの場所にいると気分が悪くなるかも……

 最後に階段を利用して最上階に駆け上がると、そこは屋上になっており、大きな円形をした「空中庭園展望台」になっている。大阪は、大阪湾に面した西側以外のほとんどを山に囲まれた地形で、最近見慣れた東京の地形とは大きくかけ離れている。梅田スカイビルは高層からこれら360度をくまなく見ることができる大阪市内では数少ない展望ポイントとなっている。いつかまた、ウェスティン大阪に宿泊する機会があるなら、彼女とのディナータイムを過ごした後、一緒に夜出かけてみるのが理想だろう。

 では、また次回まで、はぶふぁん!


屋上の「空中庭園展望台」は丸く360度四方を歩いて回れる。夜はライトアップされて下から眺めるとまさにUFOのようだ 大阪では唯一山のない西側方向を、空中庭園展望台から眺める

・ ウェスティン大阪
  http://www.westin-osaka.co.jp/


(ゼロ・ハリ)
2002/02/06 11:16

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