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トレンド誌で高スコアをゲットしているビジネスホテル
「ドーミーインなんば」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


 出張ビジネスマンにとって、関西圏はミーティングのスタート時間や拘束時間によっても異なるが、東京や博多あたりからだと、ほとんどは日帰り出張圏だろう。

 今回は翌朝一番にミーティングがあり、ラッキーにも前日から新幹線で移動し、その日の晩は大阪市内のホテルに宿泊することとなった。たまには春爛漫の桜満開の時期に、新幹線車内で少し早い夕食の駅弁をゆったりと食べながら移動するのも楽しいものだ。


下り新幹線はD席・E席が常識! 富士山を見ながら車内でちょっと早い夕食

マンションみたいな外観の「ドーミーインなんば」

筆者が訪れた時は大阪城の桜が満開だった
 本日の宿泊先は、某トレンド雑誌で毎年のようにやっている「ビジネスホテルランキング」で毎年上位入賞を果たしている「ドーミーインホテルチェーン」のひとつ、大阪なんばにある「ドーミーインなんば」だ。筆者は、高校の頃、この近所の公立高校に通っており、近くの天王寺、なんばあたりは放課後のプレイグラウンドだった。あれからずいぶん経ったものの、まだ土地鑑はあるつもりだが、タクシーで日本橋の電気屋街からなんばの高島屋を迂回してドーミーインホテルが面している国道26号線を南下したが、目的のホテルを見逃してしまった。

 やむをえずホテルのフロントに電話して、ロケーションを確認したところ、やはりつい先ほど前を通り過ぎたようだ。今度は、近くまで来ると徐行しながら、タクシーの運転手も一緒になって4つの目玉で探したところ、小さなホテルのロゴを同時に発見した。一般的なビジネスホテルや都市ホテルの外観を勝手に想像して探していたので見つからなかったのだ。


 「ドーミーインなんば」は一見して、都心にある「ワンルームマンション」のような外観をしている。普通の人はこの外観を見ても、誰もビジネスホテルとは思わないだろう。たまたま筆者が宿泊を予定していた時期は、建物の外観に大きなホテル広告用の横断幕が張られていたが、タクシーの車内からはとても見える角度ではなさそうだ。またホテルのロゴマークも建物の一階の角に小さく遠慮がちに書かれており、やはり走行中タクシーや車からは読みとれない。本来は、地下鉄なんば駅から国道26号線の東側歩道をゆっくりと大国町方面に徒歩で南下し、同ホテルのパンフレットにあるように、「Books COSMO」という書店を目印にするべきだろう。実際には地下鉄御堂筋線のなんば駅よりも大国町駅の方が近く、所要時間は駅から徒歩5分で到着する。


外観はどう見ても1ルームマンションの「ホテル名」 入り口の表示も小さく、ついつい見逃す危険性が

内部もマンションスタイル

10階まで吹き抜けのマンションホテル
 ホテルは外観だけではなく、内部も全くごく普通のマンションスタイルだ。もともとマンションとして建築した建物をホテルとして利用している、という感じが正しいのかもしれない。筆者の宿泊した3階の部屋はそこから上の階が吹き抜けとなっており、ごく普通のマンションのような鉄の扉を開けて部屋に入る。玄関には下駄箱と簡単なコートロッカーがあり、全ての部屋にミニキッチンが標準で備えられている。

 筆者が宿泊したシングルの禁煙室は、一般的な都会のビジネスホテルより部屋の面積も広く、ベッドも一回り大きくて、よくビジネスホテルで感じる部屋全体の窮屈感や圧迫感は比較的少ない。また、バスとトイレは独立しており、自然とバスには洗い場スペースが確保されており、狭いバスタブだけのビジネスホテルが苦手な人にとっては有り難い。またホテルの10階には「展望大浴場」や「サウナ」も用意されているので、風呂好き出張人間にはラッキーだ。


 冒頭でも記載したように「ドーミーインなんば」は某トレンド誌のビジネスホテルランキングでも高位にランク付けされていることが多いが、1~2泊の短期間の出張を基本に考えた場合、筆者の評価は多少異なる。ただ、1週間の出張やそれ以上の長期の滞在を前提と考えた場合には、少し広めの部屋や、ワンサイズ大きなベッド、シューズボックス、ミニキッチン、サウナ、大浴場、ランドリールーム、安いバイキング形式の朝食、日替わりの夜定食、などの価値が俄然上がってくるだろう。また、成人向けのチャンネルで有名な「レインボーチャンネル」が無料で提供されている珍しいサービスも、その人気の理由の1つなのかもしれない。


客室はビジネスにしては広く、ベッドもわずかながら大きい トイレと分離されたバスルームは広くて清潔感がある

早期のブロードバンド対応を望む

そろそろブロードバンド・インターネットが欲しい
 一方、何時でも何処でもIT環境を駆使したい「ロードウォーリアなビジネスマン」にとって少し残念なのは、都市ホテルはすでに対応度が高く、ビジネスホテルも先進的なホテルではADSLなどの「ブロードバンド・インターネット」に対応し始めている中、まだ、ただのデータポートのついた室内電話のサービスしか提供されていない点だろう。久しぶりに、モバイルPCの内蔵モデムを使用してダイヤルアップ接続環境でメールのチェックやインターネットアクセスを試みたが、文字情報だけのパソコン通信時代のメールならまだしも、ブロードバンドに慣れた身としては、普段通りに仕事を行なうのには厳しい環境だった。一刻も早く、ブロードバンド対応のサポートを期待したい。


ユニバーサルスタジオだけじゃない! 大阪のレジャー施設

 筆者が宿泊した時期には、実際の宿泊客は、ごく普通のビジネスマンだけではなく、春休みでもあり、宿泊客の過半数がユニバーサルスタジオ見物の家族旅行者が占めていたようだった。朝食は、チェックイン時にフロントで「朝食引換券」を購入する事前予約形式だ。ごく標準的なビジネスホテルの和洋折衷バイキング形式の朝食だが、800円という値段から想像する以上にメニューも豊富で満腹感はあるだろう。


2階のロビー横にあるレストラン 800円で食べ放題は格安!

今や決して高くはないが、独特の雰囲気のある通天閣
 「ドーミーインなんば」から簡単に行けるレジャー施設は、何も大がかりな「ユニバーサルスタジオ」や巨大な「じんべい鮫」がいる「海遊館」だけではない。ほかにも歩いて行ける距離内に、東京浅草の「花やしき」遊園地のようなイメージのローカル色豊かな「フェスティバルゲート」がある。大阪の秋葉原である日本橋の電気屋街を少し南に行くと、「たこ焼き」、「くいだおれの人形」と並んで有名な「通天閣」が低い周囲の家並みを圧するようにそびえ立っている。通天閣の側面は大昔から日立の広告が有名で、筆者が高校生だった頃は「日立モーター」だったと記憶している。今は、「日立ITソリューション」というかなりミスマッチ感覚の広告が、東京に比べて極めて安いふぐ料理の老舗である「づぼらや」の巨大ふぐ提灯と並んで見えるシーンがやけにシュールなのだ。

 「フェスティバルゲート」はキャパは小さいけれど、大阪らしく、「食」「買」「遊」の3つを安く同時に楽しめる庶民のための総合レジャーランドだ。JR新今宮駅そばの南霞町の交差点に飛び出してくるように、時速100kmで激走するジェットコースター「デルピス・ザ・コースター」には東京人には簡単には理解できない大阪人のユニークさが隠されているようだ。たった1泊の出張旅行でも、「づぼらや」でふぐをたらふく食べ、デルピス・ザ・コースターで2回半宙返りをやれば、「ITソリューション」なんて難しい話はすぐに忘却の彼方になってしまうだろう。

 ではまた次回まで……はぶふぁん!


通天閣の真下には将棋で有名な坂田三吉の碑がある 都会の交差点に飛び出すコースターはここだけ!?

・ ドーミーインチェーン
  http://www.dormy-in.com/


(ゼロ・ハリ)
2002/04/11 11:04

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