スターウォーズやガンダムのような外観が一際目を引くN902iX。HSDPA端末第1弾ということで注目される一台だ。

　やはりポイントとなるのは、下り最大3.6Mbpsというスピードだろう。本誌が行なったテストでは、従来のFOMAよりは格段に速い数値を叩きだした。とはいえ、平均で400kbps程度というのは、3.6Mbpsという理論値には遙かに及ばず、もう一声！　という感じがする。

　また、そのHSDPAを活用したリッチコンテンツとして、「ミュージックチャネル」というサービスが開始されている。ラジオ番組を録音しておいて、都合のいい時に聴くというようなイメージだ。ただ、登録できる番組は1件のみで、週に一度しか配信されないので、月額315円のサービスとしては、少々物足りない気もする。各番組は特定の曜日に配信されるようになっているので、番組登録を手動で変更していけば複数番組の利用が可能だが、こうした使い方はあまり現実的ではないだろう。

　HSDPAについては、利用エリアの整備がまだまだこれからなので、購入を検討されている方は、最初に自分の行動範囲がエリアになっているのかをしっかり確認したほうがいいだろう。もちろん、HSDPAのエリア外では普通のFOMA端末として使えるので、エリアから外れると電話やメールが受けられない、というようなことにはならないのでご心配なく。

　いよいよ登場したHSDPA対応機。とはいえ、「高速化したから使い方が異なる」というわけではない。基本的には、N902iをベースにしながら、3D着もじなど902iSシリーズの機能を取り入れた仕上がり。これまでのNEC製FOMA端末、特にN902iSとほぼ同じ使い勝手が実現されている。

　したがって、普段使う上において、「ああ、これはHSDPAだなぁ」などと感じるような特別な機能といえば、ミュージックチャネルくらいしかない。ただし、iモードサイトへのアクセスや大容量iモーションのダウンロードなど、毎日使っていく中で気づかぬうちに高速化を味わえることだろう。ケータイ業界としては、MNPが話題となっている昨今だが、auのCDMA 1X WIN端末でEZwebをがしがし使っていたような方がドコモに乗り換えた場合、Webアクセスの速度面で満足できるのはN902iXくらいかもしれない。ただしフルブラウザは定額対象外なのだが……。

　外観は、巷でも話題を呼んだように、結構インパクトがある仕上がり。メニューアイコンなどユーザーインターフェイスも外観にあわせたと思われるデザインが採用されている。案外人を選ぶデザインかもしれないが、HSDPAという新しい高速通信サービスにふさわしいデザインとしておきたい。ドコモユーザーでいち早く3.5Gを味わいたい人はまず店頭で手に取ってみよう。