使いやすさに重点を置いたソフトバンク3G端末。811Tとは姉妹機にあたり、スペックや機能は似ているが、810Tはホットステータスとサークルトークにも対応していない。また、811Tではディスプレイ側背面に音楽コントローラーがあるなど、音楽再生機能を重視している。似た機種でありながら、しっかり差別化がはかられている。
使い勝手は、910Tなどと同様に、従来のソフトバンク3G端末ではなく、ソフトバンク2G端末を踏襲したメニューデザインなどを採用する。時代を逆行して旧UIを復活させたのには、「東芝2G端末ユーザーが簡単に移行できるように」という配慮もあるのだろう。しかし東芝2G端末のUIは、マルチタスク的な機能を搭載していて、けっこう使いやすくできている。3Gに帰ってきてからは、最近使った項目が優先表示されるサブメニュー、アイコン並べ替えも可能なメインメニューなど、地味だが強烈な改良も加えられているので、元東芝2Gユーザーでなくても、使いやすさの面ではオススメできる端末だ。
GPSを搭載していて、歩行者ナビゲーションも利用できる。ナビゲーションアプリにはNAVITIMEがプリインストールされる。有料だが、auで長らく採用され続けているNAVITIMEだけに、使い勝手も機能も洗練されている。GPSメールにもNAVITIMEのサービスを利用していて、地図URLはパソコンや他社ケータイからも利用可能だ(とくにEZナビウォークと連係しやすい)。
機能面では、ソフトバンクの標準に「プラスGPS」「マイナスBluetooth」といったところだ。とにかくコンパクトなケータイが良いならサムスンで、おサイフケータイならシャープ、GPSならば東芝、という選び方ができる。しかし、他の端末と比べても、810Tは使いやすさ・機能性・コンパクトさのバランスが非常に良く取れている。ただし、ほぼ同じスペック・機能で、サークルトークにも対応する811Tがこのあとに控えているので、デザインの好みなどによっては、そちらを待っても良いだろう。