auで初めてテレビ電話に対応したモデルとなるW47T。スッキリしたボディ形状で、どことなく初期のFOMAのNっぽいフォルムをしている。

　注目どころは、やはりRev.Aをサポートすることで可能となったテレビ電話機能だろう。テレビ電話サービスは、ドコモやソフトバンクの3G端末では、もはやお馴染みのものとなっているが、auでは対応するのがこの端末が初めて。もちろん、ドコモやソフトバンクの端末とも相互にテレビ電話できるようになっている。

　他キャリアに無い機能としては、Hello Messengerと連携しているところが面白い。この辺りは裏側の仕組みがIP化されているからこそ実現できる機能だろう。ただ、欲を言えば、切替式ではなく、両方の機能を同時に使いたい。マルチタスク系のサポートが弱いau端末だけに、今後の課題と言えるだろう。

　それにしても気になるのは、auの春モデルのラインナップである。テレビ電話対応端末が一つもない。相手がいてはじめて使えるサービスなのに、対応機種が少ないという状況は非常にまずい。Rev.Aのネットワークの整備が遅れているという話もあり、現状では帯域を使いまくるテレビ電話を標準機能にするのは危険という判断もあったのだろうが、そんな消極的な姿勢では先行きが不安になってしまう。

　それでも、ワンセグ対応を中心とする春モデルが続々と登場してくることを考えると、W47Tのウリはテレビ電話ということになるだろう。デザインモデルのDRAPEとは異なり、おサイフケータイにも対応しているので、auでテレビ電話を使いたいというユーザーは、自動的にこの端末になるんじゃないだろうか。

　Rev.A対応の第1世代で、同時期発売のDRAPE（W46T）とほぼ同等の機能を持つが、W47Tではおサイフケータイがサポートされている。個人的には、今年から首都圏では私鉄でもSuicaが使えるようになるので、おサイフケータイ対応はうれしいポイントだ。

　Rev.Aになって何が変わったかというと、テレビ電話に対応するようになった。他キャリアのテレビ電話ケータイとも、相互接続が可能だ。ほかにもRev.Aでは通信速度の向上（とくにアップロード側）などの改良が図られているが、EZwebなどで使う分には、メリットは体感できなかった。QoSを活用する新サービス（ネットワークゲームなど）の登場に期待したいところだ。

　マルチキャスト型サービスの「EZニュースフラッシュ」や「EZチャンネルプラス」にも対応した。これらも十分に便利だが、「EZwebのトップメニューを常時マルチキャスト配信する」「待受画面に広告が表示され続ける代わりに、ダブル定額が1,000円引き」くらいのサービスがあってもよい気がする。あとは災害時などにも威力を発揮しそうだが、幸いなことに、大きな災害が起きていないので、ここは何ともいえないところだ。

　メニューは従来の東芝端末を踏襲する。ただし、東芝端末のUIは、昨夏のW44Tから新しいものになっていて、待受画面にショートカットを登録できるようになった代わりに、メインメニューのアイコン項目を変更できなくなった。メインメニューの項目変更は便利だったので、復活させて欲しいところだ。

　あと、日本語入力システムは、デザインが変更され、予測候補が1行2単語のみの表示となった。このあたりのデザインでどちらがよいかは、主観も入るところだが、個人的には不満が募る。

　ディスプレイは、他端末よりちょっと大きい2.6型。大型ディスプレイでありながら、本体がそれほど大きくないのはありがたい。ただし解像度は通常のQVGAなので、ワイド液晶に比べると、ちょっと物足りなさも感じる。まぁ画面が大きい分、文字を小さくできてよいのだが。

　機能豊富なテレビ電話端末をねらっているなら、W47Tは選択肢の筆頭にあげるべき端末だ。同じくテレビ電話対応のDRAPEに比べると、W47Tはおサイフケータイ対応が大きい。ただ、テレビ電話ではなく、マルチキャストサービスを重視するのであれば、他のモデルも選択肢に入れておこう。