ソニー・エリクソン端末と言えば着せかえパネル、というユーザーも多い。前回のSO702iは両面着せかえという遊び心満載の端末だったが、今回のSO703iはパネルの下に香りが出るシートを貼り付けられるようになった。実用性は？？？だが、これまた遊び心として楽しい。飲み会の一発ネタには持ってこいだ。

　実用性の面では、432×240ドットのディスプレイの存在が大きい。パソコンのディスプレイもそうだが、やはり画面が広いに越したことはない。メールやiモードを多用するユーザーほど嬉しいはずだ。これでフルブラウザがサポートされていれば、かなり便利だったのだが、それは贅沢というものか。

　携帯電話としての根本的な機能からは少し離れるが、対応するメモリカードがmicroSDに変更されたところは興味深い。ちなみに、SO903iはminiSDとメモリースティック Duoの両方に対応するというアクロバティックな仕様になっていた。これまでソニー・エリクソンの端末を使ってきたユーザーにとっては、あまりありがたくない仕様変更かもしれないが、他社製品との互換性を考えれば、使い道が広がるという点でメリットは大きい。

　薄さをウリにしたP703iμやN703iμと比べればサイズの面で不利と見られてしまうかもしれないが、手に取った時の収まりや機能のバランスを考えると悪くない。アロマと広いディスプレイに興味があるユーザーにオススメだ。

　70Xシリーズながら、ワイドディスプレイを搭載している。このディスプレイ、2.7インチとサイズ自体も大きいのだが、解像度が240×432ドットと大きいため、表示される情報量が大きくなっている。メール利用時の表示文字数などは、使ってみるとスゴイと感じるレベルだ。240×400ドットのワイドディスプレイとも差を感じるくらいなので、このディスプレイに慣れてしまうと、もう他メーカーの機種に戻れなさそうだ。個人的には、VGAディスプレイよりも、16:9クラスのワイドQVGAディスプレイのほうが、ケータイの使いやすさに寄与するのではないかと思う。このワイド画面で、フルブラウザが横表示とかできると面白かったのだが、フルブラウザは搭載しない。ここは残念だ。

　メインメニューなどはソニエリ的なデザインになっている。オーソドックスなアイコンランチャータイプではない、縦操作重視のリスト式だ。上下カーソルだけで操作でき、キビキビ動いてくれるので、非常にわかりやすく、かつ操作もしやすいと思う。このリスト式メニューは、縦に異常に長いワイドディスプレイとの相性が、非常に良いと感じた。

　マルチタスクは専用ボタンがあるのではなく、メインメニューがいつでも呼び出せるタイプで、これもわかりやすいと思う。ソニエリのUIは個人的には完成度が高いと思うが、カスタマイズできる「マイセレクト」が、連絡先を登録できないなど、ちょっと時代遅れな印象で残念だ。

　数字ボタンはフレームレスで大きく、それなりに押しやすい。しかし平面的なので、立体形状ボタンのケータイほどではない。あと、クリアボタンが小さく、これはちょっと押しにくい印象も受けた。

　70Xシリーズではあるが、ディスプレイの大きさは90Xシリーズのレベルをも超えている。それでいて重さは104gとコンパクトで、さらにおサイフケータイなどにも対応しているのが嬉しい。長文メールの閲覧を重視するならば、選択肢の筆頭に入れるべき。メール入力を考えると、ボタンが押しやすいP703iなども捨てがたいが、この比類なきワイドディスプレイは、メールを多用する人には魅力だ。