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ジョグ&POBox万歳!! 「au A3014S」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


俺とau端末

国内初の着せ替えパネルを採用したソニー(当時、現ソニー・エリクソン)製「C406S」。POBoxも採用しており、後にスヌーピーをあしらったモデルも出るなどロングセラー機となった
 何の前置きもナシにとにかく結論から言えば、auのソニー製端末であるA3014Sは良い。非常に良い。使用感も所有感も良い。そして同じく難点の結論から言えば、ぜひこの端末にデジタルカメラ機能を内蔵して欲しいっちゅーコトだ。以上。終了。

 ってココで終わるとBBSの書き込みのよーになってしまうので、より詳細なレビューをしたいのだが、その前に、ご参考までに俺のau端末遍歴などを一発。

 わりと最近、わりあい長い間使っていた端末としては、ソニー製のC406Sがあった。発売当時としてはヒキの強い端末で、着せ替え!! 独自のデザイン!! ジョグダイヤルもある!! のだが、同時に少々デカめだったり液晶表示がイマイチだったりもした。それでもけっこー長い間“愛用”したのは、驚異的かつ抜群の日本語入力効率を誇るPOBoxを搭載していたから。POBoxについては後述するが、いやースゲェ入力システムが出たもんだと感心しまくったものだ。

 次にわりあいと長く使ったのが、C413S。比較的にコンパクトなストレート型端末で、これもやはりソニー製。ちょうどソニーのBluetooth対応ビデオカメラのDCR-IP7を買ったということもあり、こりゃ通信するでしょ!! Bluetooth対応ケータイも買うでしょ!! どーせ買うならジョグ&POBox付きのC413Sでしょ!! となり、二つ折り派の拙者なのに久々にストレート型のC413Sを買った。が、IP7に少々飽きるとともに、Bluetoothってさぁ……てな疑問を抱いたりして、C413Sに対する価値観が激下がりしてしまい、機種変更。

 次の機種として、一瞬、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションのC1002Sにしようと思った。前述のC406Sと比べたら格段にスマートで着せ替えパネルも(その形状が)美しいと感じたからだ。また、液晶も65536色表示のTFT。もちろん、ジョグ&POBox搭載。……であったが、微妙に古い端末であり、CDMA2000 1x非対応でezplusにも非対応。んーむ、C413SからC1002Sへの機種変更は、俺にとっての“携帯電話の高性能化”という意味合いが全然ねーかもと思われた。

 ので、目先を変えて、A3012CAを選んだ。CDMA2000 1x対応だしezplusにも対応だし、31万画素・VGAサイズ画像を撮れる(au初の)デジカメ内蔵端末。J-PHONEの写メールユーザーに対して胸を張れるってコトで、気分良くコレを使い始めた。機能的にはオッケーで、デジカメ的にはナイスで、デザインも良好で、モノとしては良かった。のだが、ジョグ&POBoxを使い慣れている者として、メール読み書きにおいての操作性全般がタコっていた。……いやA3012CAがタコってわけではなくて、俺にとってジョグ&POBox搭載のソニー製端末が使いやす過ぎたのだ。そのギャップを大痛感。


 A3012CAは全体的には秀逸な端末で、特にデジカメ機能っつー強力なヒキもあったので、快適に使えてはいた。のだが、一度経験した天国は忘れられるハズもなく、日に日にジョグ&POBoxを再羨望するようになり、結果、今回のお題であるA3014Sへ機種変更することに。

 で、現在、前述のとおりA3014Sはかな~りイイ!! と非常に満足している俺だ。


シンプルな二つ折り端末を好みで着せ替え

ソニー・エリクソン製au端末「A3014S」。ソニー・エリクソンだけの着せ替えパネルは、毎日持ち歩く超身近な製品だからこそ大きな魅力
 A3014Sは、着せ替えパネル対応ということで、目下ヒジョーに人気のある端末となっている。ソニーエリクソンというブランドも人気を増幅させている要素になるかもしれない。

 外見的な良さとしては、まず形状のシンプルさがある。形状は抑えめのデザインで、カタチだけ見れば非常にシンプル……というよりストイックでおとなしい。色は、Platinum White、Azure Blue、Cosmo Blackの3種類があり、端末を開いた状態では各色でそれぞれ強めの印象があるが、閉じた状態では“カタチと色から来る強い個性”はあまり感じられない。端末のデザイン的個性を強めるのは、豊富な着せ替えパネルでネというスタンスだ(と思う)。

 って、当たり前のコトを書いているが、しかし、他の端末では、こういった“ユーザーが積極的に選べるデザイン性”ってのがあんまりナイよーな気がするのだ。例えば……と例を挙げると当たり障りがあるので挙げないでいく保守派の拙者だが、端末の形状的なデザインで既に個性が滲み出しまくりの製品は非常に多い。見た瞬間、メーカーがわかる。あのカタチにあの銀色のラインにあのカーブに……ああ○○製の新型かァ、みたいに。もちろん、A3014Sも、他端末との差異でソニーエリクソン製ってことがすぐにわかるが、ユーザーが積極的にデザインのバリエーションをコントロールできる点で大きく違うと思うのだ。

 ありがちな他メーカー製だと、まずは形状においてかなり個性的……というよりは思いっきり目立つアクがありがちだ。加えて、その個性を強く意味づけするようなカラーバリエーションが用意されていたりする。その先はナイ。カタチと色だけで、もうその端末からはスゴい個性が発散され始める。

 一方、A3014Sの場合、その形状は特に何かを主張しているようでもない。特に端末を閉じた状態では、白いの、青いの、黒いの、程度のイメージだ。ユーザーは、まずはベースカラーを選ぶ程度の感覚で買える。裏を返せば、色を選んだくらいでは、端末から滲み出る個性に縛られることはない。この点で、A3014Sは希有であって有り難い端末だと感じちゃったりする。

 形状と色で強い個性を発散している端末は、買う段で重大な選択を強いられる。それぞれの端末ごとに、デザイン的な強い個性があるからだ。ソレを買っちゃうと、ずーっとその印象のケータイを使うことになる。ケータイっつーモンは今どきにおいていつも手にする超身近な装置なので、ヘタするとケータイのイメージが服装や、あるいは人物の印象に与える影響も大きい。だから、えーとどの色にしようかうーんうーん、と迷う。迷うのが楽しいとも言えるが、これを“迷わされている”と考えるとちょっとムカついてきたりする。


 というのは、だいたいその形状+色から滲み出る端末の個性っちゅーモンは、端末を作るメーカーあるいはプロダクトデザイナーがあらかじめ端末に付帯させたイメージなのだ。いわばお仕着せ。そのイメージを良いと思う消費者なら問題ナシだが、「端末は良いが端末のイメージがイヤ」と思う消費者にとってはストレスや残念感や残尿感(←ホントに!?)にもつながる、“勝手にくっつけられたイメージ”なのである。端末性能を諦めてより好めるイメージの別端末を探すか、端末性能を取ってイメージの違和感を我慢するか。結局わしら消費者は妥協を強いられる。

 A3014Sの場合も、ある程度そんな妥協を強いられるとは思う。閉じた状態での形状・色彩が醸し出すイメージが希薄だとは言え、形や色は何かしらのイメージを喚起するだろう。また、開いた状態だと少々強めのイメージがあったりして、結局、A3014Sを持つことで、自分にある程度別のイメージが付着っていうかくっつくっていうか染みこんでしまうっていうか絡んでくる。

 しかし、A3014Sの場合、ユーザーが端末のイメージを積極的にテコ入れしていける。着せ替えパネルを交換することで、自分にマッチすると思えるイメージを模索していける。また、これは他メーカーの端末にも見られる機能だが、メニューの色を変えたり、イベント時の効果音をカスタマイズすることで、より自分に合った印象へもっていける。まあ、パネルやメニュー色や効果音を自分の雰囲気にマッチさせるっつーのはムツカシーとも言えるが、端末のイメージを自分が好めるもにに近づけられるコトのほーが意義深い。

 製品のデザインの話を何人かですると、メーカーさんおよびプロダクトデザイナーがかわいそーになるほど辛辣な発言が飛び出しまくる。「このカッコ悪ぃライン要らねー!!」、「ダサいっつーよりも逆に人を笑わせられる色ですな」、「この曲線は罪悪に近いテキトーさだよね」、とか。また、街角ではケータイに絵を描く商売をやってる人がいたりして、けっこう繁盛しているらしいって話を聞くと、やっぱり携帯電話のデザインがイヤだと思う人は少なくねーんだな、と再認識したりする。

 そんなところを考えると、A3014Sの着せ替えパネルを含めた製品イメージのカスタマイズ性の高さは、ぶっちゃけた話、愉快で楽しいというよりもむしろ有り難いと感じる。……ホントはもっともっと幅広いカラーバリエーションや、カスタマイズ機能が欲しいと思うわけだが、でも、お仕着せ甚だしい携帯電話の中においては、驚くほどユーザー寄りのスタンスで作られていると感じられるA3014Sおよび一連の着せ替えケータイだ。


ジョグ&POBox万歳!!

ジョグダイヤルは好みが分かれるところだが、ジョグダイヤルとPOBoxのマッチングと実用性の高さは“すげー使える”
 A3014Sはユーザーが積極的にカスタマイズしていける点でイカス!! てな話をした直後にこーゆーコトを書くのもナンだが、率直に言えばA3014Sのデザインは二の次と言える。後からどうにかできるから安心して二の次にしておけるとも言えるが、さておいてA3014Sの最強に強い魅力は、やはりジョグダイヤルとPOBoxだと感じる。CDMA2000 1x対応でGPS対応の最先端au端末に、あのジョグダイヤルとPOBoxが実装されているという点が、最も大きな魅力であり実力なのだ。

 ソニー製端末の、ジョグダイヤルとPOBoxのマッチングの良さと実用性の高さは、もー雑誌からネットまであちこちで何回も書かれているが、さらに上乗せして書くと、やはりどー考えても“すげー使える”ギミックだ。ホントにイイ。これ以降の文章を読む時間があるならばauショップに走って実機を触ってその実力を試すのが吉と言えるほど良い。

 auショップに走らず拙者の拙文を読み続けてくださる読者様のために続けると、ジョグ&POBoxの何がイイかって、日本語入力を最低限の手間で行える点。

 例えば俺のA3014S(ある程度学習済み)で、「齋藤です。メールを読みました」てな一文を書くと、テンキー押下回数は1回だけ。最初に3(“さ行”や“DEF”)を一度押した後は、ジョグダイヤルの回転と押下だけで前述の短文を入力し終えられる。「俺の最強に強まったメールは届いていますか?」の場合なら、テンキー押下回数は“1”を5回だけ(ってそんな文章ばっか書いてんじゃねーよ>俺)。ここまで少ない押下回数で文章が書ける日本語入力システムはジョグダイヤル&POBoxすなわちスピードメーラー以外にない。全然ない。まるでない。どこを探してもない。あ、短文登録とかすれば別か……ともかく、恐ろしいほど効率よく日本語を入力できるのだ。


 POBox(Predictive Operation Based On eXample)は、ユーザーが入力した語句から“その後続いて入力されるであろう文字や単語を列挙”する予測変換機能だ。テンキーから日本語を入力すると、その後に続きそうな単語やフレーズの候補がズラリと表示され、ジョグダイヤルを回して候補のひとつを選択し、ジョグダイヤルを押下することで入力確定となる。前述のように、辞書の学習がある程度進んでいて、常用するフレーズばかりを含む文章の入力ならば、数度のテンキー押下とジョグダイヤル操作だけで入力を終えられる。テンキーの押下操作が減る分、ジョグダイヤルの回転・押下操作が増えるが、ジョグの操作は回すことと押すことをスムーズに連続して行えるため、速度的にも感覚的にも入力効率がズゴーンと高まる。

 もちろん、初めて使うときや、ほとんど入力したことがないようなフレーズや語句を使う場合は、ジョグ&POBoxであってもあまり効率的には入力できない=テンキー押下だけでの入力とそーんなに効率が変わらなかったりする。が、一度入力してしまえば、辞書が入力候補やそのプライオリティを学習し、次からは劇的に入力効率が高まる。使えば使うほど辞書の学習が進み、ユーザーが使いがちな文字やフレーズを覚えていくので、最終的にはすげー長い文章でも数えるほどのテンキー押下で入力できるようになる。

 マジな話、やっぱり一度、ジョグ&POBoxを搭載した端末で日本語入力をしてみていただきたい。初めて体験する人ならたいてい、感動すると思う。ちなみに、インプレスTVのストリーミングビデオ放送の『スタパトロニクスTV』の9月頃の放送(恐らく9月11日放送分になると思うが詳細は未定)で、ジョグ&POBox初体験の人物の反応が見られる(予定)。実験体(!?)はアシスタントの南里緒さん。番組中でもけっこー驚いているが、オフレコでもかなり感動なさったもよう。

 てなわけで、まずはジョグ&POBox実装のau最先端機ということで魅力的であり、デザイン面のカスタマイズにおいてはダントツのおもしろみ・実用性を持つA3014S、俺にとって目下抜群にイケてる端末なのである。


・ A3014S製品情報(au)
  http://www.au.kddi.com/phone/cdmaone/a3014/a3014.html
・ A3014S製品情報(ソニー・エリクソン)
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/a3014s/index.html

2002/08/12 15:27

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