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名刺入れサイズで辞書21冊収録! ソニー「DD-IC700S」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


えーもー出るのぉー?

ソニーの名刺入れサイズ電子手帳「DD-IC700S」オープンプライス。店頭価格は2万5000円前後となる見込み
 ガーン!! ガガーン!! ガガガガガガーム!! 俺のソフトなハートをハードに傷つける新製品が出た。ソニーの新型IC電子辞書である。その新型は、DD-IC700SDD-IC500S。どちらも名刺ケースサイズで、実寸は100×72×13.9mm(幅×奥行×厚)、重量は乾電池(単4形アルカリ電池1本)を含んで109グラム。

 あーソレってソニーのアレでしょ名刺入れサイズの小さいシリーズでしょ? ソレの単なる新型でしょ? と思うでしょ!! 俺も思った。のだが、一連のソニー製名刺入れサイズIC電子辞書とはひと味違うのである。

 ソニーの名刺入れサイズIC電子辞書で、現行機種となっているのは、上記の新型2機種を加えて全5機種。上記以外の機種としては、DD-IC1000DD-IC2000DD-IC2050がある。各機種の特徴は、DD-IC1000が多くの人が必要十分だと感じるであろー6冊の辞書を収録しており、DD-IC2000はコンパクトサイズながら広辞苑を含む7冊の辞書を収録し、DD-IC2050はもはやけっこー古い機種だっつーこと(失礼!?)だ。ちなみに、俺はさらに激古のDD-IC200という機種を持っているが、この機種の特徴はそーとー古くてけっこー遅くてヒンジ部がわりとヘナヘナになりがちだがしかしバックライト付きだけどもう生産完了だっつーことで、なんだか書いてて悲しいからこのへんでよしとこう。

 で、さて、新しく出たDD-IC700SとDD-IC500S。これらを従来のソニー製名刺入れサイズIC電子辞書と比べると、これが極端なほど魅力的。ナンと!! 名刺入れサイズなのに!! 21冊も辞書が入っていやがるのダ!! 従来の名刺入れサイズ製品は、多くても7冊。具体的にはDD-IC2000で、広辞苑、逆引き広辞苑、新英和・和英中辞典、漢字字典、四字熟語早引き辞典、暮らしのことわざ早引き辞典の7冊が収録されていた。なのに新型はイキナリ、21冊っ!! 名刺入れサイズなのに21冊ッ!!

 まあ、電子辞書の収録冊数が急激に増えている昨今、名刺入れサイズの製品も多数の辞書を収録するだろうということは予測できていた。が!! いきなり従来の3倍以上の21冊かよ!! と。加えて!! 俺も愛用中の“業界最多21冊の辞書を大収録”のDD-IC7000と同等の冊数かよ!! それなのにサイズは超小型かよ!! ガーン!! ガ、ガ、ガ、ガーン!! このあたりで俺のナイーブなハートが滅亡寸前になったと言えよう。……まあ、辞書内容においてDD-IC7000の方がコッテリ感があるあたりが少々の救いではあるが。

 でも……、うっそぉ~ん!? そんな強力な新型出しちゃダメ!! ていうか欲しぇーッ!! と悶々としていたら、ソニーさんか速攻でDD-IC700Sを貸してくれたので早速試用。その感触などをお伝えしていきたい。なお、DD-IC700Sに関する詳細は製品紹介ページをご覧いただきたい。


DD-IC700SとDD-IC500Sの棲み分け

名刺と並べてみた。ホントに名刺入れサイズ。これで辞書21冊収録!!
 DD-IC700Sの特徴は、名刺入れサイズで小型・軽量ということと、このサイズでありながらセンタージョグダイヤルによる操作を可能にしている点。外見的にも最近のソニー製IC電子辞書と同じく、シルバーボディのスッキリとシンプルなデザインとなっている。ボディ表面はプラスチックだが、液晶の裏側の部分はアルミ製で、見た目も触れた感じも高級感があってナイス。

 収録された21冊の辞書は、広辞苑第五版、新英和・和英中辞典などビジネスや学習に適したものから、知恵蔵や暮らしのことわざ早引き時点など日常に役立つものまで豊富だ。ちなみに、同時発売されるDD-IC500Sにも21冊の辞書が収録されている。両機にはビミョーに違う辞書が収録されていて、DD-IC700Sが一般使用からビジネス用といった傾向の辞書が、DD-IC500Sには特に英語を多用する学生やビジネスマン向けの辞書が収録されている。参考までに、以下に両機に収録されている辞書をリストアップしてみた。

DD-IC700S・DD-IC500Sに共通して収録されている辞書
研究社 新和英中辞典 第四版
研究社監修 カタカナ発音英単語検索辞典
学研監修 漢字字典
学研 カタカナ新語実用辞典
学研 暮らしのことわざ早引き辞典
学研 四字熟語早引き辞典
学研 世界の名言・名句
DHC 英会話とっさのひとこと辞典
三修社監修 ペラペラ 英米旅行会話
三修社監修 ペラペラ ドイツ旅行会話
三修社監修 ペラペラ フランス旅行会話
三修社監修 ペラペラ スペイン旅行会話
三修社監修 ペラペラ イタリア旅行会話
DD-IC700Sのみに収録されている辞書
岩波書店 広辞苑*第五版
岩波書店 逆引き広辞苑
朝日新聞社監修 知恵蔵2002
研究社 新英和中辞典 第六版
学研 全国方言一覧辞典
学研 もっとうまいeメールの書き方
PHP 経済用語事典
NTT出版 パソコン用語知ったか辞典2002
DD-IC500Sのみに収録されている辞書
Oxford University Press オックスフォード現代英英辞典 第六版
Oxford University Press オックスフォードコンサイス類語辞典
研究社 リーダーズ英和辞典 第二版
岩波書店 岩波国語辞典 第六版
学研 英文手紙用例辞典
学研監修 世界の料理・メニュー辞典
研究社 コンピュータ英語情報辞典
講談社インターナショナル 英語で話す「日本」Q&A


 日本語を中心として柔軟に使えるDD-IC700S、より高度な英語を使いこなすためのDD-IC500Sという感じで、じゃっかんニュアンスが違う収録辞書内容となっている。が、両機とも日常の使用からある程度専門的な使用までに十分使えるオールマイティさを備えている。やっぱり21冊も入ってると用途を選びませんな。


小型で強力なDD-IC700S

液晶部を開いても片手でラクラク持てるコンパクトさ
 さて、DD-IC700Sの使用感だが、まずやはりイケてるのがそのコンパクトさ。これまでは「多数の辞書が入ってるから多少デカくてもいいや」とか「小型だから冊数はガマンしよう」てな言い訳を自分にしつつ、DD-IC7000DD-IC200を使っていた俺だが、大収録冊数とコンパクトさを両立させるDD-IC700Sだと、そういう言い訳が無用になるってのが気持ち良い。

 これは使い方や使用頻度に大きく関わることだが、俺の場合はこういった単体の電子辞書においてはサイズのプライオリティが高い。というのは、仕事中はコンピュータにインストールした電子辞書ソフトを使うから、単体の辞書をほとんど使わないのだ。PCの前から離れた時に単体のIC電子辞書を使うわけで、つまり、家ん中をうろついて使ったり外に出て使う場合はたいてい電子辞書なのだ。PDAに辞書をインストールして使う、って手もあるが、ていうか数度やったが、ストレージの問題であんまり豊富な冊数の辞書を持ち歩けないし、電子辞書専用機と比べると使い勝手で劣る。

 収録辞書数の多い電子辞書専用機なら、デカくてもPDA程度だし、電源オンで即使える。また、名刺入れサイズくらいに小型ならば、常時携帯するにも何ら問題はない。いつでもどこでも即&たっぷりのデータから単語を調べられるという点で、俺の使い方においてはDD-IC700Sはすっげぇ快適で強力なIC電子辞書だと感じるのだ。

 個人的には、DD-IC700S買って、手持ちのDD-IC7000を手放そうかなァなんて考えたりしている。実用上、両機ともおおよそ不便を感じないだけの種類の辞書が収録されている。両機とも他メーカーの電子辞書と比較すると、さほど動作が速くないというかやや遅めではあるが、インクリメンタルサーチやジョグダイヤルがあるので実用上のクイック感は十分だとも感じた。

 インクリメンタルサーチは、最小限の文字入力で目的の単語を発見しやすくするサーチ方法だ。文字を入力する毎に、その文字にマッチする単語のみを絞り込んで表示してくれる。なので、適当に単語が絞り込まれたところで、表示の中から目的の単語を選択し、意味を表示させられる。単語のスペルを全て入力する必要はほぼ皆無。加えて、ジョグダイヤルを使うと、その単語一覧からクイックに目的の語を選び出せる。インクリメンタルサーチとジョグダイヤルの組み合わせは、なんかこう、ソニー製携帯電話端末におけるPOBox&ジョグダイヤルのような感覚で、文字入力の面倒くささを激減してくれている。


辞書9冊を串刺し検索可能 インクリメンタルサーチもサポート

 少々話が逸れたがともかく、俺の使い方においてDD-IC7000とDD-IC700Sは、ツールとしての実用性があんまり変わらないのだ。が、DD-IC700Sのほーがずっと小型。この携帯性が実にすげぇまったく非常に良い。

 例えばテレビやビデオ映画を見ながら使う。「あれ? あの単語ってそーゆー意味なのか?」と思ったらDD-IC700Sをパカリと開いて調べ物。間もなく単語に関するモヤモヤ解消。ひとつ利口になった気分!! あるいは持ち歩いて使う。新聞や本を読んで不明な単語を引く。旅行に出かける時にも良さそうだ。ポケットにも小さなバッグにもスッポリ……というかコッソリという感じで忍ばせられる。小型でありかつ収録辞書数が多いと、違和感なく日常的に辞書を利用しまくれるってのがイイ。


ヘビーユーザーには向かないかも!?

コンパクトなだけにキーボードは押しやすいとまではいかない
 名刺入れサイズのヤケクソな携帯性の良さは快感でもあるのだが、しかし、ユーザーによってはこのサイズのIC電子辞書は向かないかもしれない。

 ぶっちゃけた話、DD-IC700Sは超コンパクトであるかわりに、キーの押しやすさは今ひとつだ。また、画面に表示できる文字数も少ない(12ドットフォントで全角20文字×9行)。それと、非常に細かい話だが、液晶画面の反応がすこーし遅めで、ジョグダイヤル等の追従性もびみょーに遅い感覚。ビシッ、シャキッ、スパッというスピーディさはない。速度的に実用上さほど問題ない範疇であるが、やや押しにくいキーボードと表示文字数の少なさとほんの少しのトロさについて、気にするユーザーはけっこー気にするだろう。

 率直なところ、例えば難解な英文を次から次へと解読しなきゃなんないよーな人には向かない。難解な英文なので、わかんねー英単語がビシバシ出てくる。出てくる度にDD-IC700Sで調べる。と、キーが小さいので入力効率が悪く、表示文字数が少ないゆえスクロール表示の手間もかかり、そのスクロールがスコーンと高速でキマらないのでイラついて難解英文書物を燃やすことにな……りはしないが、もっと快適な電子辞書が欲しくなるかもしれない。

 要するに、ヘビーユーザーのハードな使用に完全対応するほど、ハードウェア的使用感はスムーズではない。内容的には十分だと感じるし、ジャンプ機能やワイルドカード検索など検索機能もほぼ万全だし、ポツリポツリと単語を引く程度ならば使いにくいとは感じない製品なのだ。が、ヘビーにハードに使い込みまくるという向きにとっては、やはりこのコンパクトさが仇となると思う。

 1日何度か使う程度ならばDD-IC700Sはバッチグーな超コンパクト・高性能IC電子辞書だと思う。けれど、1日に何十分も何時間も使うのならば、キー操作感でより優れたDD-IC7000……と言いたいところだが、実際は速度もキー押下感も抜群でありかつ使いたい辞書のみを収録した(安価な)製品を選ぶのが賢明と言えよう。

 電子辞書は必要だが使用頻度はそーんなに高くなく、でも使うとなったら細かく調べたり幅広く調べるという、例えばビジネスユーザーなんかには、こういう高携帯性・高機能な製品がジョリーグッドである。また、いつでもどこでも好きなときにラクしつつしかし執念深い細かさで単語を調べたいという欲張りユーザーにも向くと思う。そんな意味を含めて、俺はDD-IC700Sを非常に気分良く使えた。やはり豊富な数の辞書を、場所を厭わずに活用できるってのは非常に愉快でありすげぇ便利だと感じる。


・ 「DD-IC700S」製品情報(ソニー)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DD/IC700S/index.html
・ 「DD-IC500S」製品情報(ソニー)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DD/IC500S/index.html

2002/09/09 11:08

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