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キた!! Windows版iPod!!
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


iPodとの距離

一時期iPodのためにMacそのものも購入しようかとまで考えた俺。ガジェットというよりむしろオブジェと呼びたいカンジのブツなのだ
 初めてiPodに触れたのは、8カ月ほど前。自称落書き番長の寺田克也氏宅であった。寺田氏が「コレですよコレがイイんですよ」と見せてくれたそれは、まずガジェットとして……いやガジェットって感じよりもむしろオブジェとして俺をドキンとさせた。

 美しい!! と言えば話は単純になるが、iPodはそのよーな単純な一言では言い切れないプロダクトであった。まずその外見が実に個性的であった。個性的と言うと斬新で目立って前へ前へと出てくるデザインが浮かぶが、iPodのデザインは冷静で禁欲的で、そしておだやかであった。プロトタイプかと思わせる素っ気ない第一印象だったが、しかし、見れば見るほどに惹き付けられた。寡黙だが抜け目なく、抜け目がないがひねくれてはいない。裏返すとピッカピカに光っていたりして、そのツルリとした面に触れると指紋がついちまうが、なーんだかミョーに妖艶であったりもする。んむむ~iPod。その外見を見、触れ、もう非常に最強に欲しくなってしまった。

 さらに触ってみると、意外なほどの操作性の良さがわかった。大きなボタンとクリクリ回るスクロールホイール(回転式:古いモデルだからネ!!)、レスポンスの良さ。あぁなるほどこれならリモコン付きヘッドホンが不要なわけだと思った。重量はやや重いが、しかし、その重さがデザインを引き立たせているような気もした。良い手触りであり、装置としての使い勝手も良い。

 そんなハードウェアを手に持ち、好みの音楽を聴き、空を見上げて流れる雲を追ったりする近未来の俺を思い浮かべたら、そうできない現在の俺が相対的にとても残念なヤツに思えた。ので、寺田氏にアレコレと話を聞いた後、よっしゃ一発買うかこの素敵な装置を……でもコレはMacintoshコンピュータ用の装置なのだ。

 Macは持っているのだが、最近はぜーんぜん使っていない。一瞬、iPodのためにMac環境を充実させてみようか、と思ったが、そのよーなことを考え始めると新しいMacが欲しくなってしまうし、新しいMacに関してしっかり勉強したくもなるし、でもその頃は新型デジカメ多機種にハマり中だし締め切りもたくさんあるしで、ん~やはりiPodに敷居の高さを感じるWindows野郎の俺なのであった。


 そんな俺に朗報!! MediaFour社からXPlayというソフトがリリースされるという話だ。XPlayは、WindowsマシンからiPodを利用可能にするソフトで、すなわち!! Windows野郎の俺であってもあの美しくて素敵で便利でたまらねぇiPodを即使い始められる!! iPod買うしか!! XPlayも買……あれ? MediaFourってMacDriveのメーカーですな。んむむむむむ~。んむ~。どうしよう。

 MacDriveは、Mac用のHDDやリムーバブルメディアをWindowsマシンで読み書きできるよーにする非常に便利なソフトウェアで、俺もユーザーなのだが、俺にとってはどーも一癖あるソフトウェアなのだ。詳細は割愛するが、とても我が強く、俺の環境をいろいろと不便にしてくれちまいやがるのだ。なので、必要時のみインストールし、使用後は即アンインストール、を繰り返しつつ使っていた。

 Mac OSで採用されているファイルシステムであるHFSをWindowsから読み書きできるようにするという点において、XPlayもMacDriveは似たような動作をするソフトウェアだ。しかも同じMediaFour製品!! となると、これを俺のWindowsマシンにインストールすると、MacDriveをインストールした時とおんなじよーな不便が……いやそうなるだろうなぁきっと。だからXPlayはぜひインストールしないでいきたい!!

 iPodは遠のくばかりであった。


キた!! Windows版iPod!!

 考えるほどに欲しくなるiPodだったが、どーも手が出しにくい。いっそiBookと一緒に買ってMP3専用Macを……と思っていたところへ、今度は本物の朗報!! iPodの新型が登場するとともに、何とWindows版も用意されるというではないかホントかよアップル!! ニュースリリースに目を疑った俺だったが、ホントにWindows版iPodが発売されたので激速攻で注文を入れた。よっしゃこれで2002年の夏の俺はハッピーなiPod野郎だゼ!! と。

 8月後半になってWindows版iPodの発売日が延期されたものの、秋っぽい風が吹いた頃、正真正銘本物のWindows版iPodが手元にやってきた。てなわけで、早速使用……する前に、何度かニヤついた俺であった。

 俺にとっては久々のアップル製品となるiPodだが、まずそのパッケージに、本来(!?)のアップル社らしい気品が感じられた。まあ単なる箱なのだが、キレイ。もちろん、外面に「Windows対応!!」とか「大容量10GB HDD搭載!!」などといった激安フィーリングの煽り文句など全然ない。素っ気ないほどシンプルだが、捨てずに持っておきたいって気にさせる。パッケージの外帯(!?)を外すと、直方体の箱がふたつに割れる。ちょいと洒落た箱だ。そしてそこに鎮座するiPod!! シュリンクパックされた付属品!! なんつーかこう、ハードウェアの良さを、パッケージのギミックで演出している感じだ。このあたり、プロダクトを手に入れるユーザーの喜びを微妙にくすぐってくれる。

 で、iPod。

 本体を箱から取り出した後、電源も入れず充電もせず、まずはじっくり堪能しちまいました、その触り心地とデザインを。記憶していたほどズッシリとした重量はなく、意外に軽いという印象だ。が、そのデザインには「ここまで良かったっけか!?」と思わせられた。

 漂白したような純白で、前面パネルは厚手でツルツルのアクリル樹脂に覆われている。背面は、ご存じ、鏡面仕上げのステンレス。ピッカピカ。滑らか。つめた~い触り心地。前面も背面も非常にシンプルで、素材感を愉しめる見栄えなのだが、それをさらに引き立てているのが、記号や文字の少なさだ。必要最小限の文字しか刻印されておらず、最低限意味がわかるくらいまでの記号しか描かれていない。すなわち無地のTシャツみたいな感覚なのであって、胸にデカくブランド名が書かれたTシャツの対極とも言える。どシンプル!!


 iPodを手に持ち、眺めたり触ったり嗅いだりなめたりしていると、より強い確信が持てる。個人的な意見ではあるが、現在の多くのコンピュータ系プロダクトは、無意味にデザインし過ぎだと思うのだ。謎の三次元曲線、ライン、色、エンブレム、マーク等々。全部が全部ダセぇとは思わないが、しかし、誰がどう必要としているのか不明な要素が、どーゆーわけかビッシリたっぷりドッサリとこびりついた製品が多い。風潮として、そういうデザインがなされたプロダクトは“デザインをされている感が高い”ってことだろうか、消費者側も有り難がったり何となく買ったりしているフシがある。デザインにより、デジタル系ハードウェアの要である機能・性能的魅力が減退している場合すらあるのに。……もしかしたら、デザイナーもユーザーも、課長も部長も社長も店長も電通も博報堂も、誰も求めていないデザインが、漠然とある風潮によって一人歩きしているよーな気さえする。

 iPodは、そのよーな流れや風潮と、きっぱり縁を切っているように見える。必然性がない要素は要らない、と言い切っているような気がする。まあそれでも世の中は複雑怪奇なものゆえシガラミありまくりなわけで、iPodが生まれる過程で、最初の理想は多かれ少なかれ方向性を変えられてはいるのだろう。しかし、それでもなおiPodは痛快だ。シンプルでプレーンだが、ヤケに美しく、強い。

 とか思ってiPodいじくってたら鏡面仕上げが指紋だらけになっちまいました。フキフキ。おおっ!! 美しい!! あ、また指紋。フキフキフキ。んむむ!! またもや美しい!!

 とりあえず電源入れる前に大満足の俺なのであった。


10GBモデルを買いました

iPodの容量は5GB、10GB、20GBの3種
 新型iPodの詳細についてはアップル社の製品紹介ページをご覧いただくとして、新型のiPodはご存じのとおり3機種が存在する。HDD容量違いで、5GB、10GB、20GBモデルとなる。各機種の仕様はココにあるとおり。俺が買ったのはWindows版の10GBモデルだ。

 10GBモデルを選んだのには理由がある。3機種は微妙にサイズが違い、具体的には以下のようになる。


高さ厚さ重量
5GBモデル101.661.419.9185
10GBモデル101.661.418.4185
20GBモデル101.661.421.4204


 10GBモデルが最も薄くて軽いモデルなのだ。5GBモデルが最薄でもよさそーなモンだが、5GBモデルはスクロールホイール(前面のリング部分)がタッチセンサー式ではなく機械的に回転する方式なので、その分厚いものと思われる。

 それと、10GBモデルと20GBモデルには、リモコンとキャリングケースが付属する。リモコンだけもしくはキャリングケースだけが付属するなら、たぶん価格面で5GBモデルを買っていただろう。The Apple Storeでの価格は、5GBモデルが3万6800円、10GBモデルが4万7800円、20GBモデルが5万9800円。MP3プレーヤーとしては、iPod、高いのである。

 また、MP3プレーヤーとして使うとなると、ハッキリ言って容量が5GBもあれば十分なのだ。ビットレート160kbpsでエンコードした場合、1枚の音楽CDは平均して60MB前後の容量になる。5GBのiPodになら80枚くらいの音楽CDが入る。音楽を持ち歩くハードウェアとしては、十分すぎるほどの容量があるのだ。

 十分な大容量と十二分な大容量の違いと、1.5mm程度の厚さの違い。ぶっちゃけ、どっちでもイイのである。どっちでもイイなら安いほーでイイじゃん、と決断すると思うのだ。

 だが、リモコンとキャリングケースの両方が付属するとなると、5GBモデルにするか10GBモデルにするかやや考えてしまう。

 iPodはリモコンでの操作よりも本体のスクロールホイールを中心とした操作のほうが絶対イイはずだと予測できまくった。なので、要らないっスよリモコンは、と。リモコンなんか要らない、と考えると、つまり操作は常に本体前面のボタンで行うゆえ、ケースも要らないのだ。ポケットかバッグに入れ、時々取り出して操作しつつ見せびらかして、スマートに使うのが良い。

 とは思うが、実際にiPodを触ってみるとそうとも言い切れない。前述、寺田氏のiPodを触らせてもらった時は、その美しさにカンドーしたが、でも少々心配なこともあった。iPodは表側も裏側もツルツルピカピカなので、実際の使用ではすぐに傷がつくということ。また、触った感じもデザインもツルリとしているので、スルリと落としてしまいそうだ。

 となれば、実使用上、iPodの美しさを末永く保つために、専用のケースかなんかを調達したいところ。傷や衝撃から守るのダ!! けど、ケースに入れると本体前面の超便利な操作系へのアクセス性が鈍る。じゃあ結局リモコンが便利だろー、とか考えていくと、最初から専用リモコン&専用ケースが付いたモデルがいいかも~と思うわけで、これは最薄モデルをスンナリ選ぶ後押しにもなる。ん~ん~ん~、約1万円出すと、薄くて、リモコンで、ケースで……あ~じゃあ出すよ1万円!! というわけで、10GBモデル。正当っぽい理由に後押しされつつ10GBを買わされたとも言えよう。


Windows版10GB iPodの使用感

iPod専用ケースとリモコン
 さて、ようやく実際の使用感のレポートなど。

 iPodを使い始めてまず感激したのが、MP3ファイル等転送時のスピードだ。iPodはコンピュータとIEEE1394接続され、またiPodの記憶メディアはHDDであるため、MP3等データの書き出しが超っ速!! 具体的には、音楽CD5枚分のMP3データ(ビットレート160kbps)、容量にして約310MBをPCからiPodに転送するのに、約55秒しかかからなかった。USB1.1接続のソリッドオーディオプレーヤーとは比べものにならない速さなのである。

 それから、ギガクラスの容量ってのはやはり心強い。10GBモデルならば、少なく見積もっても100枚以上の音楽CDを入れられる。ビットレートを低めにするなど工夫をすれば200枚以上イケる。実際はそーんなにたくさんの音楽を詰め込まないものの、iPodはIEEE1394接続の外付けHDDとしても使えるので、大切なファイルを持ち歩くストレージとして使いつつも多量の音楽を持ち歩ける。やはり大容量ってのは何かと都合が良い。

 ポータブルオーディオプレーヤーとしての操作性は、まずタッチセンサー式のスクロールホイールが便利。iPodのメニュー階層は、単純な機能の製品としてはやや深く、使用開始当初は少々のまどろっこしさを感じた。が、ホイール、中央の丸いボタン、上部のmenuボタンだけでほとんどの操作がこなせるので、階層メニューの全体像を把握してしまえば、非常にクイックに操作できるようになる。

 ただ、最初は少々戸惑うかもしれない。俺の場合、使い始めた時には、旧機種や新型5GBモデルで採用されている回転式のホイールのほーが操作性がいいかも~と思った。てのは、スクロールホイールのタッチセンサーがけっこー敏感で、センサーのフィーリングを体得するまでは意図していないメニューを選んでしまいがちだったのだ。でもまあ、半日しないうちに使い慣れた。基本的には回転動作でメニューから項目を選ぶだけなので、きっと誰でもすぐ慣れると思う。

 曲の再生は単純明快で、PC側で設定したプレイリストを指定したり、それぞれの曲を指定して聴くブラウズ再生ができる。曲の選択は、アーティスト名、アルバム名、曲名、ジャンル名、作曲者名など、IDタグに埋め込まれた情報から絞り込んでいける。シャッフル再生もできるわけだが、例えば音楽CDを20~30枚以上入れてシャッフル再生させて一日中聴いたりすると、一度もおんなじ曲が流れなくて愉快っていうか有線放送みたいっていうかまさにジュークボックスっていうかあぁHDDって有り難いなぁと実感できたりする。

 再生時間は10時間となっているが、まあ耳が疲れるほどずっと聴いていても1日は十分持つという感じだ。ただ、出張や旅行に出るとなると、2日目、3日目はどうかわからない。でも、iPodのACアダプタはよくできていて、超コンパクトデジカメよりも小さく軽く、収納性も良いので、バッテリー系については不都合や違和感はほどんどないと思われる。


 それから、肝心の音質だが、個人的にはかな~りイイと感じた。試したのはビットレート160kbpsのMP3サウンドだが、まず付属のイヤホンで聴いてみて「ん、イイ感じ」と思った。MP3プレーヤーの付属イヤホンと言えば音質がイマイチってのが常識となっていたりして残念だが、iPod付属のヘッドホンは、ヘタな単体売りイヤホンよりもイイ音を出してくれる。ただ、低音と高音がやや弱い感じではある。

 次に、少しだけ高価な単体売りイヤホンを試してみた。支障があるのでメーカー名は秘匿していきたいが、ええっ6000円もしたのにダメじゃんコレ!! てな事実が発覚して悲しい。

 さらに、まともなオープンエアタイプのヘッドホンを使ってみた。付属のイヤホンよりもずっとイイ音で高音や低音がバッチリ鳴る。なるほど160kbpsのMP3データはイイ音だぜと納得できた。

 ついでに、気合い入れて音楽鑑賞ができる密閉型のヘッドホンを試したみたら、んむむむ!! 非常に音がイイ!! グレイト!! とりあえずは難点ナシ!! と思える音質で聴けた。

 使うイヤホンやヘッドホンによって再生できる音のクオリティが全然違う、ってのは当たり前の話だが、イヤホンやヘッドホンの品質の違いにちゃんとついてくるiPod自体の音質も大したモン級ではないだろうか、とか思った。密閉型ヘッドホンでじっくり聴いてもアラが出ないMP3プレーヤーってのは、ちょいと珍しい。

 それから、iPodにはイコライザが内蔵されていて、その種類は20種類以上。細かな音質調整はできないプリセットのイコライザだが、その効果はわりと地味。付属のイヤホンでは、イコライザを変更した時の音の差がいまひとつわからないかも程度の微妙な音質変化だ。が、性能の高いヘッドホンを使えば、イコライザの効果がハッキリわかる。ハデな効果を出すイコライザではないようだが、しかし、音をいじりすぎないという点で、良い加減のイコライザだと感じた。が、正直言って、元のCDの音が悪かったりエンコード時のビットレートがかなり低い場合などを除いて、iPodはイコライザ[なし]の設定がいちばん心地よい音だと思う。


ソフトウェア、その他の機能

 PCからiPodに音楽を転送するときは、付属のMUSICMATCH Jukebox Plusソフトウェアを使う。ソフトウェアのインターフェイスや機能は、人それぞれ好みがあると思うが、個人的にはこのMUSICMATCH Jukebox Plusは「最初はややわかりにくいが、慣れてみれば便利に作られていると感じるであろー」という印象を持った。

 MUSICMATCH Jukebox Plusは、わかりやすいソフトウェアだとは思わなかった。ていうか、最初は、なんだか見にくいインターフェイスだと感じた。例えば複数開くウィンドウの関係性が直感的に掴めないし、表示されるオーディオファイルリストがWindowsのファイルとフォルダのイメージから少々離れたニュアンスだったり、設定項目が多かったりする。が、ひととおりの操作をザッとこなしてみると、基本的にはユーザーに負担をかけないお手軽ソフトであることがわかる。マニュアルを読まずに挑戦だァ~なんて気を起こさずに、電子化されているiPodヘルプをザッと読んで使うなら、非常に楽勝であり便利なソフトだと言えよう。

 iPodはMP3等の曲の再生だけでなく、簡易的なアドレス帳機能やスケジュール管理機能を持つ。“簡易的”というのは、iPod自体ではアドレスやスケジュールを編集できないから。閲覧だけできる、アドレス・スケジュールブラウザとして使えるというわけだ。

 使い方は簡単で、まずMUSICMATCH Jukebox Plus上でiPodをIEEE1394接続HDDとして使える状態にする。この状態でPCにiPodを接続すると、iPodがリムーバブルディスクとして認識され、また、ディスク内に[Calendars]や[Contacts]といったフォルダが見える。これらのフォルダに、vCalendar形式ファイルやvCard形式ファイルを入れてやれば、iPod上のカレンダーにアドレス帳にデータ(ファイル)が登録される。ちなみに、vCalendar形式ファイル(.vcs)やvCard形式ファイル(.vcf)は、わりと多くのスケジューラ系ソフトから生成できる。例えばMicrosoftOutlookやMicrosoftOutlookExpressから簡単に取り出せる。

 iPod上でアドレスや予定のデータを見るのは、そのスクロールホイールの使い勝手もあって、非常にラクで良い。メーカーも製品も全然違うが、ソニー製のジョグダイヤル付きケータイで電話帳や予定表を見るような、あるいはそれ以上のスムーズ感がある。vCalendar形式ファイル(.vcs)やvCard形式ファイル(.vcf)には、メモの項目があって、メモ部分にはテキストを書き込めまくりなので、うまく使えばiPodで長めのテキストを読んだりリストを表示することも可能だろう。単なるMP3プレーヤーとしても非常に快適なiPodだが、連絡先や予定表などをスムーズに閲覧できる端末としてもけっこー使えるのであった。


 ひとつ残念な点を挙げるとすれば、まずiPodでは.wma(WindowsMediaAudio)ファイルは再生できないという点。iPodで再生可能なサウンドフォーマットでWindowsでよく使われるものとしては、.mp3(最大320Kbps、VBR対応)と.wavあたり。せっかくWindows対応なのだから、Windowsユーザーが目下最も生成しまくり中の.wmaも使えて欲しかった。

 それ以外の点では、おおむね非常に満足であり、部分的には感動を伴う満足感が得られた製品である。MP3プレーヤーというカテゴリにおいて、操作感や音質や、そしてその外見など、最強と言える面を多々持つ逸品だ。コンピュータ内に音楽をためこみ、外出時等にこれら音楽を快適に聴きたいというなら、iPodというスゲェ太い選択肢は見逃せないと言えよう。


・ iPod製品情報(アップルコンピュータ)
  http://www.apple.co.jp/ipod/

2002/10/21 15:42

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