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使えるスタンプで節約&効率UP!!
「スタンプクリエーターSC-370PC」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


スタンプクリエーターSC-370PC導入

ブラザーの「スタンプクリエーターSC-370PC」。標準価格2万9800円
 ハンコやスタンプのことなら俺に押させろ!! てなくらい捺印行為を好む俺である。捺印はいい。実に良い。……あのペタンという感触がたまらねえ!! ペタンと押しただけでこのヤバい契約が成立してしまうんだ!! という緊迫感もたまらねえ!! そして押し当てるだけで印字されるというのがまたいい──個人用印刷機としてのプリンタに通じる良さがある!! 極めつけに素晴らしいのが、一度押下するだけで、コンピュータすら、いや電気すら使わないのに、非常に多くの文字列を一気に印刷することができるという点だ!!

 って、当たり前のコトにコーフンしている俺は、つい最近スタンプの良さを再認識したのであった、ブラザーのスタンプクリエーターSC-370PCによって。

 スタンプクリエーターは、パソコン上でデザインした印面をそのままスタンプ化できるという製品。製品には専用の印面デザインソフト(P-touch Editorなど)が付属し、これを使うと例えばハガキ印刷ソフトのような感覚で簡単にスタンプをデザインできる。使うスタンプは専用のもので、インクを内蔵したスタンプパッド部とグリップ部からなる。で、このスタンプをスタンプクリエーター本体にセットし、専用デザインソフト(だけでなく印刷可能なアプリケーションからでもOK)上のデザインをスタンプクリエーターに対して出力(印刷)すると、アラ不思議!! 画面上どおりの印面を持つスタンプができちゃったヨ、と。

 その仕組みは案外シンプル。スタンプクリエーターはプリンタとしては熱転写式で、熱で感熱紙に印字するかわりに、熱でスタンプパッド表面の薄膜を溶かす。パッド上の溶けた部分だけからインクが染み出す。ので、一般のスタンプと同様に、紙に対してペタペタと印字っていうか捺印ができるというわけだ。


 ブラザーのスタンプクリエーターと言えば、スタンプを多用するオフィスのコスト減を実現する製品というよりはむしろ日本中に点在するスタンプマニアの必携アイテムだが、捺印大好きな俺は当然、以前から使っていた。機種はスタンプクリエーターSC-200PC。すげー古い機種であり現在はとっくに生産完了品となっている。

 さておき、そのSC-200PCを使って地道にスタンプ制作活動を続けてきたのだが、支障が出た。スタンプを10個程度作らなければならなくなった。しかも、比較的に文字情報の多いスタンプをだ。となると、SC-200PCはヒジョーに使いにくいどころか苦痛である。

 前述のとおり、SC-200PCは熱転写式のプリンタである。その印字解像度は180dpi。一方、SC-200PC等スタンプクリエーターに使えるスタンプパッドはココにあるとおり。印面はあまり大きくない。180dpiのプリンタで、これら印面サイズに印字するには、限界がある。あまり細かい文字は入らないのであり、スタンプ上の文字量がけっこー限られる。例えば30×9ミリのスタンプに住所氏名電話番号を入れ込むのは……かなり難しい。

 いや、できないわけではない。SC-200PCの“解像力”を最大限に生かせばよい。グラフィックソフト等で印面サイズに合わせた180dpiの画像(印面デザイン)を作り、さらにその細部を“スタンプ時に滲んだり潰れたりしないように修正”し、SC-200PCに出力すれば、非常に細かい文字でも潰れにくくなるのだ。が、その作業はかな~り面倒だし神経を使う。

 で、その作業を10回程度繰り返さなければいけなくなったと知り、つまり来週締め切りの128ページのムックを突然1冊丸ごと任されたような気になった俺は、SC-200PCよりラクで効果的な製品を選んだ。それがSC-370PCなのであった。なお、スタンプクリエーターSC-370PCの詳細についてはブラザーの製品紹介ページをご参照いただきたい。


凄いぞ360dpi!! 美しいぞSC-370PC!!

 SC-370PCは、前述のSC-200PCや、あるいはSC-360PCなどと同じシクミでスタンプを作る“スタンプ制作専用プリンタ”だ。専用ソフトと専用スタンプを使って、自由自在な印面デザインのスタンプを作りまくれる。

 俺がこの製品を買った理由はふたつあって、ひとつは印字精度が高いこと。具体的には、SC-360PCと同じく360dpiある。こないだまで俺が使っていたSC-200PC(180dpi)の倍!! 小さな印面のスタンプにも、細かい情報を詰め込めるのである。

 もうひとつの理由は、USB接続だから。プリンタ系の製品でUSB接続ってのは、今時当たり前であり当然であり、ていうかUSBじゃない場合ってどーやってパソコンとつなぐの? てな時代なのだが、これまでのスタンプクリエーターはUSB接続じゃなかったのだ。SC-200PCとSC-360PCはななな何と9ピンシリアルことRS-232C接続!! SC-360PCは1998年発売、SC-200PCは1995年発売なので、まあしょーがないっていうかフツーではある。が、ついこないだ、SC-370PCが発売される2002年8月21日まで、SC-360PCは現行製品だったんだからブラザーって会社はある意味スゴいっていうか……んむむ~。


 ともあれ、印字精度が高くなり、USB接続でラクになり、しかもスタンプいっぱいつくらなきゃの俺ゆえ、迷わず購入した。

 そして早速使用。で、いきなり結論から言えば、最新型スタンプクリエーターSC-370PCはドエラく実用的だ。

 まず驚いたのが、あ、これはSC-360PCユーザーにとっては当然のことなのかもしれないが、360dpiってことの気持ちよさ。今時360dpiのプリンタで驚く人はないが、スタンプやハンコの世界となれば話は別。例えば“齋”の字をハンコ化した場合、かなり精密に作ってもらってもせいぜい5ミリ角程度までにしかならない。もっと小さくしてチョと言うと店員に「これ以上小さいと滲んで潰れちゃいますよ」と言われる。だが、SC-370PCの場合は“齋”の字を3ミリ角程度にまで収めることができる。また、単純な書体を使えば文字の細部まで判読できるのだ。ついでに、その横にルビを振ることも可能だったりする!! すげぇ高精度なスタンプ!! を、自分で作れてしまう!! くわッ!! 俺はやるぜ俺はやるぜ俺はハンコ量産大作戦!! てなわけだ。

 まあ、実際はそーんなに細かな字が入るスタンプを作るケースは少ない。ていうか俺しか作んないかもしれない。読みにくいから。だから「こーんなに小さい字のスタンプが作れる!!」という点では、360dpiの解像度はあんまり意味がない。が、実際は他の点に大きなメリットをもたらしてくれた。

 例えば、写真等を比較的に精細にスタンプ化できること。ブラザーによるサンプル印字を見て頂けると話が早いが、あーんな感じで写真をスタンプ化できる。……いや実際はもうちょっとキレイにスタンプ化できたりする。あのサンプルは暗めの写真をモトにしたのだと思うが、画像の明るさを調整したり、あるいは十分明るい写真を素材として使えば、かなりクリアな“写真スタンプ”が作れる。

 それから、書体の再現性がより高くなったこと。SC-200PC(180dpi)のときは、凝った書体を使ってスタンプを作っても、文字が小さいとあまりそのフォント的ニュアンスが出せなかった。書体に凝ると読みにくくなるだけ、ってな感じだった。が、SC-370PCだと、小さな文字ででもその書体がしっかりわかる。

 てなわけで、より美しいスタンプを作れるようになったSC-370PC(および同解像度のSC-360PC)なのであった。


ラクだぞSC-370PC!! 便利だぞP-touch Editor 3.1!!

P-touch Editor 3.1は、多機能なわりにイージーだ
 スタンプクリエーターSC-370PCでスタンプを作るときは、まずパソコン上で印面をデザインする。SC-370PCにはそのためのソフトが2本同梱されている。P-touch Editor 3.1と、Stampcreator Expressとなる。

 このうち、Stampcreator ExpressはSC-370PC等スタンプクリエーター専用のソフトとなる。ウィザード形式でスタンプのデザインを決めていくソフトで、使い方はチョー簡単。一覧から好みのデザインを選び、文字部分を適宜変更すれば、終了。SC-370PCの印字速度は、最小サイズのスタンプで約26秒、最大サイズのスタンプだと約75秒で済むので、Stampcreator Express上でのテキスト入力等の手間を含めても3~4分あればスタンプが完成するだろう。

 もう1本のP-touch Editor 3.1は、ある程度凝ったスタンプを自作する場合に向く。P-touch Editor 3.1では、単に文字だけが入ったスタンプから、文字と写真とクリップアートとモンタージュ画像と図などが入り交じった凄まじいスタンプまで作れる。

 例えば文字を入れる場合、パソコン上にあるフォントを自由に使えてサイズやスタイルを細かく指定できるのはもちろん、字間や行間、縦組み横組みの設定もできる。さらにアレンジテキスト機能を使えば曲線に沿って文字をレイアウトすることまで、なんかAdobe Illustratorっぽいテキストレイアウト処理もできてしまう。また、前述のStampcreator Expressで使える“あらかじめ用意されているデザイン”や膨大な数のクリップアートをそのまま流用できたり、モンタージュ機能で似顔絵イラストを作れたりもする。

 P-touch Editor 3.1の使用感は、多機能なわりにイージーだ。名刺印刷ソフトや、あるいはラベル印刷ソフトなど、そのテのソフトを使ったことがあるユーザーならばマニュアル不要。何となく遊んでいれば使いこなせるだろう。ちなみにこのP-touch Editor 3.1、ブラザーの電子文具系製品にも使える。例えばラベルプリンタのP-touch 9300PCのラベルデザインソフトとしても利用できる。

 最大に便利になった点ではあるけれどマクロ的視野に立てば「ソレがフツーでしょ」と言える点こと“USB接続対応”だが、まあこれも非常に便利。これまでのスタンプクリエーターは前述のようにRS-232C接続だったので、思い立った時に即つなげて使うってのには不向きだった。が、USB対応になったので、いつでも即つなげて使えて便利。……ってどう書いても今時フツーのコトになってしまうが、競合製品ナシのスタンプクリエーターにおいては大きな進歩なのである。


使えるスタンプで節約&効率UP!!

スタンプクリエーターのメリットは安くて速いこと。オリジナルなスタンプを注文するとけっこう高いのダ!
 スタンプクリエーターのメリットは、まず安くて速いこと。

 ネットで“ハンコ”とか“スタンプ”とか“オリジナル”をキーワードに検索すれば一目瞭然だが、注文して作るスタンプはけっこー高い。内容が細かければ細かいほど高い。また、注文してからモノが届くまで、少々時間がかかる。即日ってのはまず無理だ。リアルショップで即日完成のオリジナルスタンプ作成サービスってのもあるが、これも価格面ではあーんまり安くない。

 スタンプクリエーターの場合は、この消耗品一覧にあるように、最も高いものでも1800円。SC-370PC自体はメーカー価格で2万9800円で、スタンプ作るためだけの装置にしちゃァ高いが、スタンプ自体が安い。スタンプを作れば作るほどスタンプ制作に関わるコストが下がるわけだ。また、前述のように数分でできちゃう点も大きなメリットだ。

 ちなみに、スタンプクリエーター用のスタンプは、グリップ部とパッド部からできている。最初はその両方が必要だが、パッドが消耗(2000回程度捺印するとインクが薄くなるヨ!!)したら、パッド部分だけ買えばよい。パッドだけだと、最も高いものでもメーカー価格1200円となる。

 さて、こういうコスト減は、ある程度スタンプを作る必要があるユーザー──オフィスやグループにとってのメリットなのだが、じゃあ個人には関係ないかと言えばそうでもない。スタンプがあるとないとで変わるコトってのはけっこー多い。

 例えば郵便物の類。こーゆーモンには必ずや自分の住所氏名を“書く”ことになる。年賀状てなことになればプリンタで量産するという手があるが、数通の郵便物を出す場合はプリンタでどうこうするよりも手っ取り早く手で書いてしまうだろう。「手っ取り早く手で書いちゃえ」と思って書くわけだが、しかし、実際書くとわりとストレスがたまったりして。

 ああ私はこの同じ内容の文字情報をこれまで何度書いてきたのだろう? と。そしてこれから何回も、いや何十回何百回いやいや何千回も書くのだわ。1回書いて30秒かかったとして……1万回だと……83時間!! 3日間ぶっ通しで自分の住所氏名を書き続けるんだわ!! いやっ!! いやよそんなのお肌が荒れちゃう!! そこでお嬢さん!! スタンプなんですよ住所氏名スタンプで効率アップなんですよこれなら1秒未満で住所氏名記述終了なんですよ1回0.1秒くらいで終了なので1万回でも16分だから手書きと比べると4984分もお得っていうか肌荒れナシ!! ってなんか話がよじれてきたが、要するにスタンプをペタッとやったほうがラクだし効率がイイということだ。


 大袈裟に聞こえるかもしれないが、実際に拙者はスタンプによってかな~りラクになっている。郵便物の類はもちろんそうで、住所氏名に内容物を示す文字列まで、全部スタンプ。請求書とか納品書とか契約書とか、そういうのも全部スタンプ。スタンプの一部を修正しないといけないケース──電話番号が変わったとか書類のフォームサイズが変わったなどした場合でも、即対応できるし安くできる。スタンプクリエーターは効率の面でも便利さの面でも、あと遊べる装置としても、俺の必需品となっているのだ。


ヘビーユーザーの要望・文句・グチ

 ただこのスタンプクリエーター用のスタンプに関して、少々の難点がある。細かい点だが、この製品を常用している俺にとってはけっこー気になる難点。

 ひとつはインク。このインク、少々乾きにくいのだ。普通紙等ならスッと乾いてくれて問題ナシだが、やや光沢があったり密度が高かったりする紙だと、捺印後数分してもまだ乾ききっていないことがある。これはSC-200PCの頃からそうだったのだが、そろそろガーンと改良を入れて欲しい。……ただ、SC-200PCの頃のスタンプと現在のスタンプが同じ=消耗品として継続して販売しているところは、ハードウェアを長く活用できているってことでナイスではある。

 印面がやや特殊な点も難点……というか要注意点だ。普通のスタンプとは違い、文字があるところが出っ張ったりはしていないのがスタンプクリエーター用のスタンプ。スタンプ作成後も、印面の見た目は真っ平らなのだ。なので、印面に汚れが付くとけっこー困る。例えば半乾きのインクなどの上にスタンプすると、印面にインクが移ってしまう。その状態でスタンプすると、移ったインクも全部キレイにスタンプされてしまう。印面に糸くずや埃などゴミが付いた時も、それを除去するのにも一苦労する。凸版のスタンプならほとんどそういう問題はほとんどないのだが、スタンプクリエーター用スタンプの場合は若干注意が要る。

 スタンプのインク色がまだ3色しかないのも残念。黒と赤と青しかないのだ。まあそれで事足りるし、だいたいは黒で、たまーに赤があればオーケーという感じだ。が、安価にスタンプ作りを楽しめる製品ゆえ、やはりもっと“キワモノ的な色”も欲しいところ。黄色とかオレンジとか紫とか、そういう、遊びに使えるような色が欲しい。


 スタンプクリエーターでは、スタンプ面への印字(刻印)と、そのスタンプの印面を示すシールを印刷できる。スタンプの柄の部分に、スタンプ内容を示すシールを貼って便利に使うのだ。それは良いのだが、シール自体がちょいとチープ。モノとしてはシール型感熱紙という感じで、時間が経つと少々印字が薄くなったりする。P-touch 9300pcのラミネートテープのような材質のシールがあると嬉しい。

 そんなわけで、独自のスタンプゆえ、一般のスタンプとは少々違った難点があったりするわけだが、でも大した問題じゃないと言えばそうだ。高品位なオリジナルスタンプを安価に即作れるという点では、唯一無二の製品であり、非常に良くできていると思う。


・ スタンプクリエーター SC-370PC製品情報(ブラザー)
  http://www.brother.co.jp/jp/label/info/sc370pc/sc370pc_ove.html

2002/11/18 16:14

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