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楽し~っ、そして便利っ!! 「ブラザー M Print MW-100e」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


GENIOを紹介しようと思いましたが……

東芝「GENIO e550C」。店頭価格は65,000円程度
 2001年の夏に東芝のGENIO e550を買って地道にも便利に使い続けてきた俺は、今年の春先、e550の進化版であるGENIO e550cを購入。

 e550とe550cを比べると、プロセッサがStrongARM 206MHzからXScaleのPXA255 400MHzになったっていうか高速になり、RAMが32MBから128MBに増え、常用PDAとして結局最後にゃぁいつも感じる容量と速度のストレスからわりと解放された。また、e550cはカメラ付きモデルで、このカメラがビジュアルメモ撮影用にけっこー使えるブツで便利。
 PC上ではOutlook 2002を常用している俺ゆえ、スケジュールや住所録等のちょいとしたデータを持ち出して利用するには非常に便利なGENIO e550cとなっている。Pocket PCとしては定番となり、また実力も十分OKなGENIO e550cだが、しかし、突然のSigmarion IIIの登場で影が薄くなっちゃったりしてますな。やや残念。

 なので今回は俺がこの愛すべきGENIO e550cをビシッと大紹介しようと思ったが、もっと大紹介したい製品があったのでソチラをメインに紹介していきたい!! モノとしてはブラザーのモバイルプリンタ、M Print MW-100eである。


意外に使えた超小型熱転写印刷装置

ブラザー「M Print MW-100e」。ブラザー直販サイト価格31,500円
 M Print MW-100eは、A7サイズの専用感熱紙に印字するサーマルプリンタだ。本体サイズ等は10×16×1.75センチで質量は300グラム(電池・用紙含)。電源はACアダプタか内蔵リチウムイオン電池で、インターフェイスはUSB 1.1およびIrDA 1.2(赤外線)。

 ハガキの半分のサイズの紙に印字、ジャケットのポケットに入るくらいのサイズ・重量、電池内蔵、赤外線サポート。つまりコレは、手軽に持ち歩いて必要な時にビビビッと印刷するポータブルプリンタなのである。そして対応OSはWindows98/98SE/Me/2000Pro/XPに加えてPocket PCとPocket PC2002!! すなわちGENIO e550cみたいなPDAから、モバイルでプリントできるっちゅー製品なのだ。

 印刷装置に興味があり、さらに小型印刷装置には強い興味があり、とりわけ超小型のサーマルプリンタにはまっしぐらな興味を示してやまない拙者は、もちろん即購入。で、使ってみたらこれがサイバーなフィーリングであり、かつ、意外なほどに実用的。

 実は最初、「サイバーな製品なので、同じく超小型サーマルプリンタには目がない船田戦闘機さんに見せびらかそう」と思い、興味本位で買った。が、実際に使ってみると、もしかしたらA4のインクジェットより便利かもと思える場面が多々ある。本体と同時に購入した予備のペーパーカセット(用紙50枚入り)×3袋はすぐに使い切ってしまった。結論から言うと、俺の印刷潜在需要を強力に掘り起こしてくれまくり。ニッチだが非常にナイスな製品となった。

 さておき、MW-100eは、プリンタとしてはフツーなので、前述の対応OS下に付属のドライバをインストールすれば、他一般のプリンタと同様に扱える。つまり印刷機能を持つソフトウェア等から自由に印刷可能。テキストエディタやワープロソフトから文書を印刷しても、画像ブラウザから写真を印刷してもよい。ドライバにはA4→A7縮小印刷機能(後述)があるので、印刷サイズがA7だからと言っても特に面倒な点はない。

 ただし、いくつかの制限がある。MW-100eはA7サイズの専用紙しか使えない。最大でA7サイズ=ハガキの半分の紙にしか出せない。用紙は専用のペーパーカセット(紙製)に収められ、カセット単位で売られており、A7の用紙以外にも、ラベル紙、1/2や1/4のカットラベル紙、複写紙などがある。

 それから、MW-100eはモノクロ印字しかできないという点。印字解像度は300×300dpiとまあまあ高いが、色や階調をプリントするのには全然向かない。またサーマル式なので、レーザープリンタのようなクッキリ感にも少々欠ける。


いくつかの難点

 制限のついでに難点をいきなり書いてしまうと、もーちょっとだけ小型化して欲しかった感じ。MW-100eはハガキとだいたい同じ大きさで、厚みはPocket PC程度。重さや厚みはおおよそ満足できるが、これが例えばGENIO e550cと同じ大きさだったら、使用感と携帯性がより高くなったと思う。

 ……現状の大きさだと、屋外でPocket PC等から印刷するとき、MW-100eを手に持ったままの印刷ってのがやりにくい。片手に持つということ自体がやりにくい大きさであり、表面もツルツルしている。比較的に手の大きな俺でも、何度も落としそうになってヒヤリ。なので、手の小さめの人には扱いにくいよーな気がする。まあテーブルかなんかの上に置きゃぁいいだけなんですけどね。

 それから、印字速度はまあだいたいイイとは思うが、やはりもっと高速であれば嬉しい。例えばPocket PCから印刷する場合、スケジュールを印刷すると10~15秒程度かかる。JPEG画像の印刷には40~45秒程度かかる。印刷にかかる時間は印刷設定や文字数や画像の内容にもよるが、印刷時間自体は「まあこんなモンだろう」と思える範囲だ。

 しかしPDA側のIrDAの問題かドライバの問題か、PDAとMW-100eが接続するまでに10~15秒程度かかったりする。印刷開始までにちょいと待たされる感じがあるわけですな。15秒くらいで終わるハズの文字印刷に、10秒以上の待ち時間があると、微妙にストレス。このあたりの高速化がなされると、さらに便利&快適に使えると思う。

 でも、MW-100eに対して感じる違和感や難点は、持ちにくいとか少々印刷時間(の前の待たされ時間)が長いという程度。特殊な装置ゆえ本体実売価格が高いってのもあるが、他には実使用上の難点は感じられない。

 Pocket PC上で使うソフトウェアの細かな部分がわかりにくいとか、ペーパーカセット交換時にフタが(つるつる滑るので)開きにくいとか、交換時に切ったり折ったりするペーパーカセットが微妙に使いにくいとか、小さな難点はある。でも許せちゃう範囲の小ささで、それ以上に後述の利便や楽しさがデカいMW-100eだ。


楽し~っ、そして便利っ!!

 MW-100eを使い始めた時の印象は、実に楽しいっちゅーコトである。薄くコンパクトなボディからプリントが出てくる楽しさ、A7という小さな感熱紙に300dpiの精細さで印字される楽しさ、そして接続性の良さからくる楽しさだ。これらの楽しさが三位一体となり、わりといつでもどこでも楽しいっスよマジで。

 サイバー感的愉快さは、一見何だかわからねえ板っ切れ的デバイスから、ジッジジジッジッジジッてな感じで、キレイなモノクロ印刷物が吐き出されるという点だ。カラーインクジェットプリンタを初めて買うと、たいてーの人は何だか嬉しくて楽しくて、印刷の必要がないのにカラーで印刷できるドキュメントを無理に印刷して喜んだりする。あれと同じよーな楽しさだ。まあ、このあたりは、ハードウェアマニア的な喜びなので、普通の人にはカンケーナイかもしれない。

 A7というサイズに300dpiで印字される楽しさは、これまたサイバーでマニアックで愉快なんですけど、そーゆー話をすると印刷マニアだけが喜べる記事になっちゃうので割愛。さておき、300dpiはイイけどでもA7でしょ小さ過ぎない!? と言う人が多いと思う。が!! A7サイズは意外なほど使える!! A4より便利なサイズであることも多い!! これホント!! ていうか俺の場合はそうで、A7サイズってのはいろんな場面で正解的サイズなのカモと感じている。

 俺の場合、基本的には紙が好きでない=情報はなるべく電子的な状態で扱いたいと考えているが、でも、どーしてもやっぱり紙のほーが便利という場面がある。

 例えば買い物に出かけるとき。買うべきモノの型番や名称等のリスト、ショップの連絡先や営業時間や地図などは、PDA内にあってもいいが、紙の状態のほーが便利。PDAを取り出して電源入れて画面タップして情報見るよりも、ポケットから覚え書きを取り出して見るのが手っ取り早い。

 他、情報を誰かに手渡したい場合、メールするとか、PDAからPDAへビームするとか、口頭で伝えるってのもあるが、紙で渡しちゃえば手早いし問題ナシというケースが圧倒的に多い。「えーとこの部署のこの人なんですけど、連絡先とかはコレです」とか言ってPDAの画面見せたりするよりも、必要な情報を紙にして渡したほーがスムーズにコトが運ぶことが多いと思う。

 そのよーな時!! そのよーな全ての時において!! MW-100eは役立ちまくり!! MW-100eであらかじめ印刷しておいたA7の紙の買い物リストを、ポケットから取り出して、ノープロブレムでパーフェクトな購買行動敢行!! 「今その人の連絡先渡しますネ」と、PDAとMW-100eを赤外線接続して個人情報を印刷&提供!!

 A7という大きさの紙は、使う立場でも、渡される立場でも、利便性が高い。A4と違って、折らずにポケットに入る。財布にも入っちゃうんですな。半分に折れば名刺入れにもスッポリ。手帳に貼るにも資料に添付するにも良い大きさだ。また、300dpiでの文字印刷だと、30文字×40行程度の文字数までなら十分鮮明に見える。読みやすさ的には、Pocket PC 1画面分程度の文字数が適当だと思うが、やろうと思えばWebページをモノクロ印刷し、Webな情報を出先で活用ってことも可能だ。


 試しにちょいと、ハガキの1/2の紙を作ってみて欲しい。ソコに、日本語で1200文字程度の情報を収められるのだ。けっこーいろいろ用途が見つかりませんか? 感熱紙なので、長期保存には向かず、パウチなど熱処理にも向かない(熱が加わると最強に黒まるヨ!!)が、A4サイズの用紙ではやりにくいこと、やろうとは思えなかったことを、やりたくなっちゃうサイズなのである。

 ちなみに、用紙はMW-100e専用紙各種となり、どれも感熱紙。感熱紙というと、FAXのアレ、すなわち印字後にクルクルッと丸まっちゃう紙を連想する方が多いと思うが、MW-100e専用紙はカールしないので扱いやすい。

 上のほーで“色や階調をプリントするのには全然向かない”と前述したが、300dpiの印刷解像度があるので、写真を印刷してもまあまあ汚くはないグラデーションが出てくれる(印刷時にディザ等の指定をする必要がある)。俺の場合、この最強に強まったMW-100eと、同じく最強に強まったGENIO e550cの威力を見せつけるべく、e550cで撮った写真をMW-100eでモノクロ印刷して人に見せるが、多くの人は「へぇ~モノクロでもけっこうキレイに出るもんなんですねぇ」と微妙に驚いてくれる。……とは言え、まあ参考用としての写真印刷って感じですな。観賞用ってほどのクリアさ・精細さはナイのであった。


モバイルでもデスクトップでも

 MW-100eは、前述のように、WindowsパソコンやPocket PCと接続して使える。

 Windowsパソコンで使う場合は付属のプリンタドライバをマシンにインストールする。MW-100e専用プリンタドライバでは、A4→A7縮小機能を使えるので、多く扱われるA4サイズのドキュメントを開き、ほぼ設定変更することなくA7サイズのドキュメントとして印刷できる。

 また、専用画面キャプチャ編集ソフトの『スポットスナップ』(Windowsパソコン用)を使うと、画面上に表示されている情報を自由に印刷可能───表示部分を範囲選択し、A7サイズの上にどうレイアウトするか、文字を付加するかなどを設定して、わりと綺麗な印刷物を手軽に作れる。例えば、ショップの地図や連絡先などをウェブページで見つけた場合、地図の部分と連絡先の部分だけをA7サイズにレイアウトし直して印刷するようなことができる。

 Pocket PCおよびPocket PC2002端末でMW-100eを使う場合、専用の印刷アプリケーションをPDAにインストールする必要がある。アプリケーションはそれぞれ、クリップボードの印刷、スケジュールの印刷、メールの印刷、メモの印刷、画像ファイルの印刷、仕事の印刷、連絡先の印刷、画面キャプチャの印刷がある。画面キャプチャの印刷を使えば、印刷解像度はやや荒目に見えるが、表示可能な情報はナンでも印刷できる。

 さらにボーナスソフトウェアのPrintPocketCE for Brotherを使えば、PocketWordやPocketExcelからの印刷もできる。なお、ボーナスソフトウェアとしては、Palm OS用のIrPRINTも付属する。これを使うと、Palm OS端末から標準PIMデータの印刷およびDocumentsToGoデータの印刷が行なえる。


 実際の活用方法としては、人によってイロイロだと思うが、サンプルとして拙者の活用法などを少々挙げてみよう。まず前述のように、PDAからの印刷をよく行なう。仕事の打ち合わせなんかの時に、相手の連絡先などをA7の紙に印刷しておく。そうすると、歩きつつ番地を見たり、電話したりする場合に、いちいちPDAを出さなくて済む。座ってない時はやっぱり紙が便利ですなというわけだ。


 それから、間違えてはマズい伝達事項等をあらかじめ印刷して利用。例えばですね、インプレスTVNew Products Reviewなんかの収録時、製品型番や機能名を言い間違えちゃうとマズいわけですよ拙者の場合。そんな時に、MW-100eで間違えそーな製品名とか機能名とかスペック数値なんかをA7サイズで印刷。その小さな紙=カンニングペーパーとでも言おうか、を、ポケットに忍ばせて閲覧。A4の紙じゃぁ収録中に目立つし、収録時にいちいちPDA出してデータ見るわけにもいかないゆえ、MW-100eからの印刷物が好都合なのである。

 別売のラベル紙は、裏側がシールになっており、また、A7サイズ、A7の1/2サイズ、A7の1/4サイズが選べるので、工夫次第で便利に使える。例えば1/4サイズのカットラベルを使ってPDAから連絡先を(宛名の内容で)印刷すると、印刷後のカットラベルを封筒に貼るだけで宛名書きが不要で郵便を出せて便利。大きめのフォントで文字印刷すれば、簡易的なラベルを作れて紙資料整理なんかに役立ったりする。

 てなわけで、最初は“ある種のオモチャ”だと思って買ったMW-100eだったが、フタを開けたら意外や意外、場面場面でよーく役立ってくれており、仕事の効率を高めてくれるビジネスプリンタであることが判明。とりわけ臨時的にデータを印刷・閲覧するという場合には役立つので、そのよーなプリンタを探している人は一度試してみるといいかも。



URL
  M Print MW-100e製品情報(ブラザー)
  http://www.brother.co.jp/jp/mwprinter/mwprinter1.html

2003/06/23 16:05

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