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色がヤケにすげぇ好きっ! 「オリンパス E-300」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


思わず速攻買いしたE-300だけど……

オリンパスの一眼レフデジカメ「E-300」。8メガピクセルの静止画専用フルフレーム型CCDを採用することで、豊かな階調表現を実現したという。レンズセットで店頭価格は9万円前後
 実はオリンパスのデジタル一眼レフカメラE-300を予約購入してた俺なんですけど、12月のアタマにモノをゲットした拙者なんですけど、開梱一発、比較的にガックリしたワシであった。

 E-300を買った理由はいくつかある。

 例えば、より軟弱なスタンスでオリンパス製フォーサーズシステムデジカメを楽しめるであろーと考えたからだ。具体的には、E-1との比較になるわけだが、E-300のほうがよりコンパクト=手軽に持ち歩けそうであり、E-300には撮影モードとして初心者向けっぽいシーンセレクトモードがある=操作性・インターフェイス系もお手軽色を強めているのであろーと思われ、つまりはプロ指向の強いE-1と比べたら、もっと気楽に写真を楽しめそうだと感じたのだ。

 それから、オリンパスの製品紹介ページでE-300の機能などを見ていくと、基本的な部分はE-1と同様に十分高性能だと感じられるが、E-1にはなかった“すげー便利そうな機能”が備わっているという点。具体的にはポップアップ式の内蔵フラッシュだ。ていうかデジタル一眼にポップアップフラッシュなんて要らねーよとか思ったりする俺ではある。が、E-300のポップアップフラッシュは外付けフラッシュ(FL-36等)と“同時に使える”というのが良い。詳細は後述するが、フラッシュでの多灯撮影時にポップアップフラッシュを補助フラッシュ的に使えるからだ。

 あと、一眼レフカメラのOMシリーズ時代からのオリンパスファンなのでフォーサーズシステムデジカメをぜひ応援していきたい……というのは微妙に建前で、E-300が非常に安価なデジタル一眼であること。俺が買ったのはE-300レンズセットだが、コレ、実勢価格で9万円前後だった。最近ではもっと安価にて手に入るらしい。十分高品質と思えるレンズ、高度な機能を備えたボディ、このセットがラクに10万円を切る。これはお買い得感が高い。

 でまあ、こりゃ絶対買うでしょと思って買って、発売日にモノが届いてコーフンした俺なのだが、実機を触った瞬間、なんかこー萎えたのであった。


小さくなく軽くないE-300

 萎えた理由は、E-300および付属レンズ(ズイコーデジタル14-45mm F3.5-5.6)一式が、軽くも小さくも感じられなかったからだ。E-300の箱を開けた途端にボディとレンズを合体させた瞬間、「?」と。想像していたよりも大きく重かった。

 微妙に焦って手持ちのE-1と比べると、まあ見た感じは小さいし、数値的にも“E-1>E-300”というサイズ・質量なのだが、持った感じ触った感じはどちらも似たようなモンであった。ていうか同時期に購入したコニカミノルタDiMAGE A200と比べたりすると、A200は(レンズ交換できないけど)圧倒的っていうかオモチャみたいに小さくて、複雑な悲しさがこみ上げたりした。

 まあ実機に触れずスペック買いした俺が悪いんスけど、もっと軽快に持ち歩けるE-300かと思い込んでいた。あぁ残念。てな肩すかしを食らうと同時に、E-300がイマイチな一台に思えてきた。ていうか、E-300とE-1を比べると、E-1のほーがイイ感じなのである。

 例えば、これはE-1慣れしているから感じるコトなのかもしれないが、E-1の方がよりクイックに操作できる。ボディ質感もホールド感も良い。防塵・防滴性能だって高いし……あーもーヤんなってきた。E-300はとりあえず箱にしまってお蔵入り!! というハコビになった。

 しかし、その箱を見るにつけて、我ながら残念な奴であり、それ以上に使われないE-300が不憫である、と感じるように。残念なオーナーと不憫なデジカメの関係からは、肉体にも精神にもよろしくないオーラが生じるのだ。その関係が続き、日が経つにつれて、オーラの邪悪度は増し、俺に強いストレスを与えた。

 とまあソコまで深刻ではなかったが、せっかく買ったんだから一度くらい使わないとねぇ、そうだ使おうポジティブにな!! と心機一転使い始めた。ら、E-300の良さが理解でき、E-300で得た写真にも満足でき、初めてE-300レンズセットのコストパフォーマンスの高さをすげー実感した俺であった。


E-300の色、好きっ!!

 E-300を使っていて最強に良いと感じるのは、その発色傾向である。俺、このカメラの発色、かなりヤケにすげぇ好き。

 E-300も他のデジカメと同様、発色や描写を細かくコントロールすることができる。彩度やシャープネス等を調整しつつ撮れるってわけですな。またレンズ交換式のデジカメなので、使用するレンズによっても描写・発色の傾向が異なってくる。てなわけで、ココでは発色や描写の設定をデフォルト&付属レンズ(ズイコーデジタル14-45mm F3.5-5.6)で使用したことを前提に、E-300における俺的画質傾向印象を書いてみたい。

 俺とかって空とか雲とか撮るの好きなんで、デジカメ買うといつも地べたより天空が多く入った写真を撮りがち。E-300でもそうしたわけだが、ややや!! この空の色はッ!! 濃い目で階調が滑らかで、ひひひ非常に非常に非常に好ましいッ!! と感じた。


逆光での空&雲写真。ハイライトから濃いブルーまで非常に滑らかな階調で発色している。中央の雲の明暗もイイ感じ 空を含めて高めのコントラストを持つ被写体を撮ると、E-300の持ち味が発揮されるよーに思う。逆に、明るめでコントラストも低めの部分にはシャッキリ・クッキリ感が少々足りないかも!?

俺的には、微妙にアンダー気味で撮るとE-300独特の発色を楽しめると感じた。発色は強く豊かだと感じるが、ビデオ的でもCG的でもなく、それはなんかこーリバーサルフィルムに近いような気がする

 その発色を実感した途端、いろいろな被写体を撮り始めたのだが、撮るたびに喜べたりするデジカメですな、E-300。空を撮ればディープに真っ青に出るし、赤や黄色もガッツリ出る。その発色はまるで偏光フィルタを使って撮ったよーな印象だ。


あーコレ、内蔵フラッシュ炊けばよかったぁとか思ったが、ともあれ非常に豊かな発色だと感じた。店内に目を向けたあとに外を見ると眩しいほどの晴天日だったが、暗い部分も明るい部分もよく描写・発色していると感じた 色味の多い被写体を撮ると、他のデジカメにはちょいとない鮮やかさクリアさを持つ写真が得られる。またそういう被写体だと、解像感も非常に高い感じ

 E-300でイロイロ撮ると、写真の出来上がりがいちいち楽しみになる。てのは色鮮やかに撮れるから。どういう色の被写体を撮ってもキレイであり、ダイナミックなイメージが得られる。しかしその発色には、単に色を塗りたくったとか、擬似的とか、そういう違和感はあまり感じない。一昔前のコダック製デジカメのそれよりもナチュラルだが、一昔前のオリンパス製デジカメよりもコッテリとした色が出る。けど、そこには“作り物”という後味がほとんど残らない、と思った。


こういう色も(拙者の)期待通りに出る。濃過ぎず淡泊過ぎずの色合いがブラボー!! グラデーションもハラショー!! 画面上方両隅の暗さはレンズ性能!? ともあれ、発色・解像感とも良好だと感じる こういう深みのあるグラデーションを撮らせたら、E-300は俺的デジカメ史上でもトップクラスの実力派である。E-1も非常に良かったが、空&雲写真においてはE-300の方が上かも!? と思ったり

 色のコトなのであくまでも見る者の主観であり好みなわけだが、E-300の発色は、非常にリバーサルフィルムに近いとか思った。鋭い発色がありつつ粘り強い明暗階調がある。まあフィルムによっても違うわけだが、ビデオ映像やデジカメ画像ではあまり見られないダイナミックな描写・発色をしがち。こういう発色傾向が好きな人はすげーハマるデジカメだと思う。


E-300とA200

 唐突だが、E-300とコニカミノルタDiMAGE A200の発色を比較してみた。アカラサマに発色が違い、ちょっと愉快っつーか興味深かったので、そのサンプルを提示しておく。

 なお、撮影条件としては、基本的には両機ともデフォルトの(画質・発色等の)設定とし、ほぼ同時刻に同じ被写体を、なるべく近い構図で撮ったものとした。ていうかなんか大雑把ではあるが、ご参考までに。





左がE-300による写真、右がA200による写真となる。各機の画質・発色等の設定は工場出荷時のままで撮影した。


 俺思うに、A200の発色は、至ってナチュラルというか素っ気ないというか、禁欲的なほど中庸を保っているよーに思える。E-300のほーは、ハッキリ言って若干の演出が加わっていると思うのだが、俺が「そうそう、こういう色だったハズ」と思いたい色を再現してくれている。で、どちらが好きかと言えば、ケースバイケースではあるが、E-300の方をイイと思ってしまうコトが多い拙者である。

 でもまあ、繰り返すが、両機とも発色や描写を設定により細かくコントロールできるデジカメなので、それら設定を変えていけば、幅広い描写制御が可能である。また、これまた多くのデジカメと同様に、撮影時の露出値によっても発色や描写がかなり変わってくる。デフォルト&拙者的撮り方だとこーゆー色になったけど、ユーザーの使い方次第、こーゆー結果に絶対なるってコトじゃないヨ、と。


E-300とFL-36

 少々前述したが、E-300は内蔵フラッシュと外付けフラッシュを同時に使えるという点でも魅力的だ。

 と感じた俺の場合、ココは一発純正フラッシュのFL-50を買うだろ!! とか思ったが、ちょっと高いので、プチ手頃感のあるFL-36を買った。価格的には、より手頃感ありまくりのFL-20という製品もあるが、これはバウンス撮影ができないのが残念ゆえ手を出さず。

 FL-36に関する詳細はオリンパスの製品紹介ページをご覧いただきたいが、コレ、2万円前後で買えるわり&小型であるわりにはかな~り実用性が高いフラッシュだと感じる。例えば、発光部が正面だけでなく、上に90度、下に7.5度、左に90度、右には180度(つまり真後ろ)、角度を変えて向けられる。天井や壁を使ったバウンス撮影を楽しめるのに加え、近接撮影や背後の壁等を使ったフラッシュ撮影にも使える。対応画角は35ミリカメラ換算で24~85ミリ、FL-36内蔵のワイドパネルを引き出して使えば、16ミリや20ミリの広角撮影にも使える。

 で、E-300とFL-36を組み合わせてウチのねこちゃんを撮ってみたので、ご参考までに。ていうか撮影するたびにねこちゃんが動くので、違う角度からの写真になっちまっててすみません。





 左がE-300の内蔵フラッシュのみでの撮影結果で、右がE-300の内蔵フラッシュとFL-36を同時使用した撮影結果だ。なお、同時使用時のFL-36は天井に向けてバウンス発光させている。

 んで、俺的印象から言えば、デュアルでフラッシュを使えるのはやっぱり便利ですな。違和感のある影が出ない(というか消せる)し、フラッシュによる影が出にくい状況下でも画面全体の明るさが不均一にならないし。当然だが、十分な光量を使って良好な写真が得られるわけだ。

 内蔵フラッシュを使うと(人間の場合は)赤目になったりするが、内蔵フラッシュの赤目軽減発光機能(E-300内蔵+FL-36撮影時でも使えるヨ)を使ったり、被写体との位置関係・角度を変えれば問題ない。それと、内蔵フラッシュにより、例えばバストアップ人物の目の中にキラリと光る一点を出せる(つまりキャッチライトとして使える)のも良い。上の写真の場合は、ねこゆえに赤目ならぬ緑目になってるっぽいが、キャッチライト入りのねこ様はイキイキ度64%UPな感じで好印象と言えよう。

 なお、E-300の内蔵フラッシュは、本発光前に露光調節等のためと思われる長めで連続的なプリ発光を行なう場合がある。かなり長め強めの連続発光なので「あ~これじゃあねこちゃんの真ん丸瞳孔が細くなったり目を閉じちゃったりするかも~ねこ写真向けじゃないかも~」と思った。が、実際はそうならず、ウチの“フラッシュ発光に敏感なねこ(グレーの方)”でも、しっかり瞳孔も目も開いた状態で写った(上の写真のとおり)。一度目を閉じてからまた開いた状態で本発光が行なわれるからか!? ともあれ、ねこをフラッシュ撮影しまくる人にも向いてるかも!? って、ねこ愛好家のみに向けた情報でした。


比較的に容易に使え、処理速度も高速

 フツーのレビューと順序が違うが、最後に携帯性や操作性などについて少々。

 まず携帯性だが、最近の小さめのデジタル一眼と比べると、同等程度か若干劣る感じ。ペンタックスのアレとかと比べると、レンズは総じて大きめだし、ボディも厚めでボッテリ感アリ。軍艦部(カメラ上部)のペンタプリズム部がナイので、バッグ等への収納性は少々高いが、見た目ほど軽快・コンパクトに持ち歩けるという印象にはならないと思う。

 デジタル一眼レフカメラとしての操作感は、まずE-1とかと比べると、慣れればE-1のほーがイイと思う。が、E-1は慣れるまでに若干の情熱が必要であり、最初から比較的に容易に使えちゃうという点ではE-300が圧勝かもしれない。てのは、ある程度デジカメ慣れしているユーザーならば、ボタン類を見ただけでその機能がわかるし、実際に設定や操作ができてしまうくらいの“間口の広さ・敷居の低さ”がある。

 また、他社製デジタル一眼と比べても、イージーユースだと感じる。恐らくソレは、設定情報等が(設定関連ボタン等使用時は)いつも本体背面の液晶画面に表示されるからだろう。ボタン位置は指で覚えちゃうし、元々フィルム一眼レフユーザーなんだよね~、てな人の場合、あるいは軍艦部に液晶表示がなくて使いにくいと思うかもしれない。が、本体背面の液晶画面への情報表示は非常にわかりやすく一覧性も良い。個人的にはコンパクトデジカメの感覚で(設定等表示を)見られて扱いやすいと感じる。

 ボタン類の大きさや配置もイイ……というか、これも戸惑わない仕様になってますな。前述のようにパッと見、どの機能がどのボタンなのかがわかりやすいし、設定等は本体背面のみを見たり触ったりしていけば済ませられる。常にファインダーに接眼しつつ設定を変える、みたいな使い方には向かない(そういう向きにはE-1がマッチするだろう)が、これからデジタル一眼の世界へ!! という人にとっては非常に使いやすいと思う。

 それから、起動時間や処理速度に関しても十分に高速だと感じた。総じて「遅い」とか「なかなか終わらない」って感じがしない。とりわけ快適なのは画像の再生。一枚の画像の拡大・縮小表示から一画面に16枚まで表示できるサムネイル表示は、ダイヤルと四方向ボタンのみで操作でき、かつ、非常に高速である。サムネイル表示から最大拡大表示まで、ダイヤルをクリリッと回せば一瞬で行なわれるという感覚だ。

 てなわけで、E-300、購入当初の印象は悪かったものの、使ってみたらスゲぇイイ発色してくれるし、わりあい気軽に使えちゃうし、実は挙動も高速だったりして、コストパフォーマンスが非常に高いデジタル一眼だと感じる。でも俺としては、ぜひ次の機種はぜひもっとぜひ小型化してぜひ世界最小デジタル一眼としてぜひ世の中をぜひギャッと言わせて欲しいとか思う。

【編集部より】
デジカメの解像度が数百万画素レベルとなり、HTMLページで撮影元画像を掲載するのが難しくなりました。そこで、元画像をご覧になりたい方のために、撮影例データをまとめてダウンロードする圧縮ファイル(ZIP圧縮、76.2MB)をご用意しました。こちらからダウンロードしてください。



URL
  オリンパス「E-300」製品情報
  http://www.olympus-esystem.jp/products/e300/

2005/02/07 16:22

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