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進化型Hi-MDで欲望再燃!! 「録再型Hi-MDウォークマン」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


キた!! Hi-MD!! と思ったが……

紙資料デジタル化計画により1999年に自宅に導入したソニー「DATA EATA」。記録媒体にMD DATAを採用していた。「DATA EATA」って何か思い出せない人はリリースを参照してほしい
 2004年の1月に、ソニーが新しいMD規格のHi-MDを発表した。ソレを見た時ちょっとドキドキした俺である。実は隠れMDファンのわしであり、こっそりと据え置きMDデッキ持っており、MDLPが出た時も録再機買ったし、驚くなかれMD DATAメディアも使ってるっていうかDATA EATAユーザーだったりする。

 MDの何が良いかと言えば、サイバー感が高い点が良い。いや現在ではむしろデッドテック感の方が高まっているが、その点も含めて良い。小さな光学ディスクにデータが入る。モノとして好きであり惹かれる。

 が、MDの主な用途である音楽録再に関して、ATRACというコーデックは好きでない。ある程度ビットレートの高いATRACサウンドなら、音としてまあフツーに悪くないとは思う。けどATRAC2やATRAC3の低ビットレートのサウンドは、音楽聴いててミョーな感じしまくり。狭い部屋ん中で小さなスピーカー置いて大音量サウンド鳴らしてる……みたいな。

 というわけで、MDというメディアは好きなのだが、その利用方法において残念感を多々感じていた。要は、音楽用メディアとして、そのポータビリティは既にメモリオーディオ系製品が勝る。だってHDDタイプのMP3プレーヤーとかだと、320kbpsとかのMP3サウンドを多量に持ち歩けるじゃないスか。しかも小型軽量だったりするし。

 また、データメディアとしてMD DATAがあるが、これには(容量はさておき)サイバー感において一筋の光を見たよーな気がしたものの、事実上ほとんど普及していない。コレってなくなっちゃったんでしょーか? MD DATA2なんてのもあったような気が。ていうか俺のDATA EATAは滅亡しつつあるハードウェアなのかーッ!? って今はほぼ使ってませんけど。

 あ~あ。MDは終わっちゃうのかなぁ。と思っていたところへ、Hi-MD。従来のMDの容量は140~177MBだったが、Hi-MDメディアは1GB!! 音楽用にもPC用にも利用可能!! しかも従来のMDをHi-MDフォーマットすると倍の容量を持つメディアに!! む!! これなら高ビットレートのATRACで音楽を……ええっ!! リニアPCM!? マジかよ!! すなわちHi-MDでは、糞忌々しい非可逆圧縮ではなく、麗しの非圧縮オーディオファイルを再生・録音可能!!

 イカス!! MDがイキナリ大容量化であり高汎用性化!! くわッ!! 俺ワールドには今!! MDが再び返り咲いた!! ……とか思ったんですけど去年は。

 より多くの情報を得るとともにビミョーな感じがしてきた。例えば出てきたポータブルHi-MD録再機。確かにHi-MDであり1GBでありリニアPCM録音可能でありPC用ストレージとしても利用可能だった。が、リニアPCM録音したファイルをPCに転送しても、ファイルがOpenMGデータなのでフツーの波形編集ソフトで扱えない(※注)。またPCとの接続がUSB1.1なので、転送速度もあまり速くない。まあ転送速度は我慢するとしても、録音したデータに強烈な縛りがあるのは、んー残念感高過ぎ。一気に頂点まで登りつめた俺のHi-MD欲は、フッと消滅してしまった。

(※注::MZ-NH1用のOpenMG→WAV形式プログラムは2004年11月10日に公開され、同プログラムをダウンロードすることにより、OpenMGからWAV形式への変換が可能になりました。なお、MZ-RH10・MZ-DH10Pからは、製品同梱のプログラムによるWAV形式保存が可能です。)


2005年の進化型Hi-MDで欲望再燃!!

ソニー Hi-MDウォークマン「MZ-RH10」。ATRAC3plus/リニアPCM/MP3形式に対応。店頭価格は3万円台前半程度
 ところが2005年に入ったら、俺的にビミョーだったHi-MDが嬉しい進化を遂げた。具体的にはMP3形式への対応と、リニアPCM録音時のファイルをWAV形式に変換しての保存が可能になった。この2点により、俺ワールド内のHi-MD価値が再度急高騰した。

 例えばHi-MDの録再機があれば、ソレは容量1GBのMP3プレーヤーになるわけですよ。Hi-MDメディアは交換可能なので、1GBリムーバブルストレージ対応のMP3プレーヤーなわけですよ。1GBのフラッシュメモリ vs Hi-MDメディアだったら、Hi-MDメディアが激安圧勝なわけですよ!!

 あとHi-MD録再機なら、マイク入力等のアナログ録音時に限られはするが、リニアPCM録音(44.1kHz/16bit)したデータを何の規制もナシにWAV形式ファイルとして保存できる。Hi-MD録再機にマイクつなげて生録とかして、PC上で一般的な波形編集ソフトを使って自由にいじくれるんですよ!! もちろん音楽CDを非圧縮のままHi-MDに入れて持ち歩いて聴ける!!

 ちなみに、Hi-MDメディア(1GB)1枚に対してリニアPCM録音ができる時間は約1時間34分。Hi-MDメディアは従来のMDメディアと比較するとまだまだ高価だ。2005年3月現在では、Hi-MDメディアが1枚600~700円。対して従来のMDメディアが1枚100円前後。しかし、リムーバブルな生録用メディアとしてはコストパフォーマンスが高いように思われるし、音楽CDを最高にイイ音で聴く欲望も比較的に安価にて叶う。

 さておき、条件は揃った。買うしか。ポチッとな。早速購入したのがHi-MDウォークマンMZ-RH10である。オレンジ色のを買ってみた。てなわけで、以降はMZ-RH10の使用感等をザックリ書いてみたい。なお、MZ-RH10の詳細についてはソニーの製品紹介ページをご覧いただきたい。


綺麗な表示で操作感も上々

「MZ-RH10」は4色のカラーバリエーションをラインナップ
 MZ-RH10は、去年出た録再型Hi-MDウォークマンMZ-NH1の後継機種的モデルだ。Hi-MD対応で録再対応となると、これら以外にMZ-DH10Pがあるが、このモデルはマイク端子等の外部入力端子を持たないので、PCとUSB接続しなければHi-MDメディア等に音を録音できない。

 さて、MZ-RH10を使って印象に残っている点を片っ端から。

 まず、有機ELディスプレイの表示がキレイだし見やすい。暗いところではクリアに見え、明るい場所でも視認性が良く、もちろん日本語表示可能。曲名やメニュー等は項目名+内容で合計6行の表示となるが、細かなアイコンも見やすく、表示設定も比較的に自由度が高いので、MZ-RH10の多彩な機能を無理なく扱える実用性を感じる。

 それを取り巻くインターフェイスも比較的に使いやすい。やっぱジョグダイヤルはイイですな。特にフォルダ階層とその中のファイルを扱うような場合、左右押して階層変更で回してスクロールして押して決定、これを指先のみで素早く行えるのは快適だ。

 しかし、ジョグダイヤル以外のボタンはちょっと小さ過ぎって感じかも。またボタンの位置関係もビミョー。ボタン数自体は少ないが、位置と機能をすこ~し覚える必要がある=多用するボタンが押しやすい位置にあるという印象ではなかった。じゃあ操作はリモコンで……と思うわけだが、付属リモコンは液晶が若干貧弱でありボタン位置も少々「?」。んーむ。わりとデザイン優先って感じのMZ-RH10かもしれない。

 MZ-RH10でぜひ生録をしていきたい!! てな考えもあった俺だが、マイク経由のアナログ録音の操作に関しては、ぶっちゃけ使いにくい。第一ボタンが小さすぎて押しにくいし、レベル調整等を行う時も小さいボタンを押すのが面倒であり、メニュー呼び出し・設定にも煩雑さを感じた。


 実はMDレコーダーとしてMZ-B100MZ-B10も使っている拙者だが、なるほど録音専用機は使いやすく設計されているなぁ、と。そういう観点からすると、MZ-RH10は“生録も一応できる音楽再生用機材”てな印象である。ていうかぜひHi-MD対応のMZ-B100・MZ-B10後継機を!! 即買いしますんで!!

 なお、MZ-RH10によるリニアPCM録音は特に問題なく行えた。MZ-RH10本体にはマイクが内蔵されていないので、プラグインパワーマイク等を接続しての録音になる。音質は……当然だがマイク次第って感じですな。あと、これはあくまでも私見だが、MZ-RH10ってディスク回転・シーク音がけっこーデカめなよーな印象。なので、端子に直づけするタイプのマイクを使うと、ディスクの音が入りまくりで困りんぐだと言えよう。

 マイク等を使ってアナログ録音したリニアPCMデータは、MZ-RH10付属のソフトであるSonicStage経由で、WAV形式ファイルとしてPC上に保存できる。手持ちの波形編集ソフト等で自由にいじくれる。ただ、MZ-RH10および他のPC接続可能型Hi-MDウォークマンって、全部USB1.1なんですな。MZ-RH10→PCへのデータ転送はそれなりに時間がかかって少々残念。

 あ、あと、MZ-RH10には充電台が付属するが、これは文字通り充電専用の“置き台”としてか使えない。USB接続のためのクレイドルではない。なお充電については、付属のACアダプタと充電台を接続した状態でMZ-RH10を乗せればOK。あるいは、MZ-RH10本体にACアダプタを直づけしても行える。

 けど……やっぱ結局アレでしょMP3野郎とか狙った製品でしょMZ-RH10。ある意味MD離れ阻止製品でしょMZ-RH10。だったらやっぱり充電台がUSB接続クレイドルにもなって欲しい。ならなくても、充電台に本体を乗せた状態で、USBケーブルをつなげるようにして欲しい(MZ-RH10を充電台に乗せた状態ではUSBケーブルつながんないヨ)。

 きっと充電台兼USBクレイドルとしなかったのは、コストダウンのためなのであろー。けど、ソレって今時的クレイドルとして中途半端感が漂う。どーせなら別売にしちゃえばいいのにとか思ったりした。


これイイよ便利だよHi-MD!!

 お次は、肝心要の、ポータブルオーディオ的使用感。

 MZ-RH10への楽曲等録音は、単体で使う場合は本体の光入力端子かアナログ入力端子から行う。手持ちのアナログ音源からの録音や、光デジタル出力を持つ機材からの録音ができる。また、PCとUSB接続した場合は、付属ソフトのSonicStage経由で録音(というかHi-MDに対するファイルの書き込み)行なう。

 久々にSonicStageのような楽曲転送&著作権保護系のソフトを使ってみた俺だが、便利ですなSonicStage。MZ-RH10に転送できるファイルは、モーラ等からダウンロード購入した曲、音楽CDからのデータ、WAVやWMAやMP3等PC上にあるオーディオファイルとなる。このうち、ATRAC形式に変換せずにMZ-RH10へと転送できるのはWAV(44.1kHz/16bit)とMP3のみだ。

 ともあれ、オーディオ関連のファイルは全てSonicStage経由でMZ-RH10することになるが、単にファイルをSonicStage上にドロップし、転送する曲を選ぶだけでイケちゃうのでラク。あらかじめアーティスト名等データを含んだMP3ファイルなら、自動的にアルバム毎にフォルダ分けされてMZ-RH10に入る感覚なので、ある意味プリミティブなMP3プレーヤーと比べると自由度は低いもののお手軽で便利であった。

 ただ、前述のようにPCとはUSB1.1での接続となるので、転送速度はゆっくりな感じ。正直、サクッと曲を転送してスグに出かけるゼ!! なんて時にはイラつく程度遅い転送速度である。もー何でUSB2.0対応じゃないのよぉ~。もーなんかー。てな気分だと言えよう。

 しかし、常用してみたらその印象が大きく変わってきた。転送速度の遅さはそーんなに大きな問題だと感じなくなったのだ(MZ-RH10に対する曲の転送に関してですけど)。

 てのは、Hi-MDの容量。1GBなのである。かなりの数の曲が入るのだ。ソニー的には“最長約45時間(約675曲)の音楽録音が可能”なのだが、まあソレはATRAC3plusの48kbpsでの話。俺的にはそのようなヤバげなビットレートで聴く気になれない。ていうかATRACあんまり好きじゃないんで、手持ちのMP3/320kbpsファイルを転送するんですな。かなりイイ音。なのに、けっこーな曲数が入る。


 具体例を見よう。実際に、17曲入りのベスト盤的音楽CDをMP3/320kbpsファイル化したら、ファイル容量合計が約150MBになった。この計算だと、1枚のHi-MDにこの音楽CDが6枚以上入る。で、このベスト盤のMP3ファイルをMZ-RH10に転送するのに約3分23秒かかった。6枚分(Hi-MD満タン分)入れようとすると20分以上かかりますな。

 やはりUSB2.0対応のMP3プレーヤー等と比べると、転送時間がちょい長くかかるのだ。だが、Hi-MDの場合はメディア自体がリムーバブルであり、フラッシュメモリ等ストレージと比べると非常に安価である。ので、結局、一度転送したらソコで作業完了ってなるパターンが非常に多いんですな。

 新たに転送って場合は、新しいHi-MDメディアを使えばいいだけ。容量の上限が決まっているメモリ等内蔵型プレーヤーなんかだと、以前に転送した曲を消して、メモリ等上の容量を空けて、そこに新たな曲を転送するような“やりくり”が必要になる。リムーバブルメディアであるHi-MDの場合、それとは根本的に利用スタイルが異なる。転送したら終わり。容量足りなくなったら新たなディスク。“やりくり”は基本的に不要になる。

 その使い勝手を体感し、音楽用メディアとしてのHi-MDがかなり好きになった。ついでにSonicStageでPC上の全音楽データを管理しちゃおうかナって気にもなった。NetMD時代のMDウォークマンはいろいろな面で「コレだとMP3プレーヤーに負けんじゃない?」と感じさせたが、Hi-MDは一連のメモリオーディオ系製品と戦えるかも!! と思ったり。

 あとアレですね、Hi-MDの容量なら、音楽CDをリニアPCMファイルとしてそのままMZ-RH10で聴くってのもアリですな。ATRAC3plusのビットレートのうち256kbpsは確かに音がイイ。のだが、やっぱ聞き比べると音楽CD非圧縮状態のほーが開放感があるし自然だし心地よいわけですよ。音にこだわる人は、1枚のHi-MDにCDを非圧縮で入れて聴くのがナイスと言えよう。……それでも1枚半くらい、場合によっては2枚のCDを入れられるHi-MD。やっぱ大容量というのは偉大である。


Hi-MD PHOTOって、どんな感じ?

Hi-MD PHOTOにも対応した、ソニーのデジカメ内蔵Hi-MDウォークマン「MZ-DH10P」。店頭価格は5万円を超える程度
 そうかわかった、容量が足枷だったんだ。あとリニアPCMやMP3が新たなキーワードってのは確かであった。汎用性高いじゃんHi-MDとMZ-RH10!! 使えるよこれ!! と気に入り始めると、あばたもえくぼ。録再型Hi-MDウォークマンがなんか凄く良いハードウェアに思えてきた。

 だったらもうひとつの録再型Hi-MDウォークマンことMZ-DH10Pも買うだろ>俺!! 買ってHi-MD人間になってしまえ>俺!! Hi-MD超サイバーとか叫ぶヘンな人と化してしまえ~>俺!! と一瞬テンションが上がったが、Hi-MDウォークマンはまだ少々お高いのだ。前述のMZ-RH10が3万円前後で、MZ-DH10Pとなると5万円前後。てなわけで、興味本位でメーカーからMZ-DH10Pを借りてみることに。

 ちょいと前に、Hi-MDの規格が拡張された。具体的にはHi-MDをデジカメ画像管理のために役立てようというHi-MD PHOTO規格だ。これに初めて対応したのがHi-MDウォークマンMZ-DH10Pである。ウワサのデジカメ内蔵Hi-MDウォークマンですな。なお、MZ-DH10Pは音楽も聴けて写真も撮れるHi-MD機器ってコトで、Hi-MD PHOTO規格に加え、MZ-RH10と同様のHi-MD AUDIO規格にも対応することになるが、ま、デジカメ機能付きのHi-MDウォークマンってコトですな。


 MZ-DH10P、録再型Hi-MDウォークマンとしての使い方は基本的にMZ-RH10と同様だが、単体では録音できないとかジョグダイヤルやディスプレイが違うといった違いはある。で、気になるデジカメ機能だが、コレけっこーしっかりデキてます。

 130万画素なんで、今時的ケータイ画質!? とは思ったが、画質やAF挙動や操作性は明らかにMZ-DH10Pの方がイイ感じ。マクロモードや露出補正機能、ホワイトバランス調整やフラッシュのオンオフ等、基本的なコトは一応できるデジカメ機能で、なんかこーサイバーショットUを思わせる使い勝手だ。ただし、記録メディアがHi-MDなので、ていうかディスクなので、撮影開始時や画像保存時に少し時間がかかる。一般的なデジカメやケータイのデジカメ機能と比べると、起動や保存が遅めですな。

 ハイファイサウンドを持ち歩いて聴けて、さらに写真も撮れるMZ-DH10Pなのだが、何に使うのこのデジカメ機能!? と思ってしまった。例えば、録音した音楽CDのジャケットを撮影してアルバム(フォルダ)に貼り付ければ、MZ-DH10Pで曲を再生する時等に、液晶画面上にジャケットを表示させられる。あるいは、音楽再生時にHi-MD上の画像をスライドショー表示することもできる。ちょっと楽しい。が、それだけ? 微妙な疑問色を含んだ目で、このけっこー高価なMZ-DH10Pを見つつも、しばらく使ってみたら、あ、そうか、と納得した。

 ひとつは、デジカメよりも携帯しがちになるMZ-DH10Pであること。Hi-MDウォークマンはポータブルオーディオであり、通勤時とかに音楽聴くわけですな。と、同時にデジカメを持ち歩くことになる。すると、何となく「あっ」とか思った瞬間に、すぐ撮影できる。ケータイのデジカメ機能と同様、常にデジカメを懐に忍ばせている感覚なので、例えばブログで写真入り日記を付けている人なんかには便利なアイテムになるだろうし、ビジュアルメモ機器として何かと好都合な存在になる。


メモリカード10種に対応のHi-MDウォークマン専用メモリーカードリーダー

ソニーのHi-MDウォークマン専用メモリカードリーダー「MCMD-R1」。メモリースティック、CF、SD、スマートメディアにも対応する。店頭価格は8,000円前後

Hi-MDウォークマンとMCMD-R1を組み合わせると、非常にポータビリティの高いフォトストレージとして利用可能となる
 MZ-DH10Pと同時に借りたMCMD-R1という製品もユニークであった。コレ、Hi-MDウォークマン専用メモリーカードリーダーなのである。デジカメで撮った写真(メモリーカード)を、Hi-MDウォークマンと接続したMCMD-R1に挿すと、Hi-MDへデジカメ画像を転送・保存できる。けど、ソニーでデジカメ関連でメモリーカードリーダーと言ったらメモリースティ……ええっ!! このMCMD-R1って10種類のメモリーカードに対応じゃん!! SDメモリーカードにも!! xDピクチャーカードにまで!! どうしたんだソニー!! 急に心が広くなったのかソニー!! Hi-MDのMP3対応と言いカードリーダーのメモリースティック以外対応と言い、今年のソニーはある意味画期的なのかーッ!?

 さておき、Hi-MDウォークマンとMCMD-R1を組み合わせると、非常にポータビリティの高いフォトストレージとなるわけだ。USB1.1対応の機器なので、512MBのデータをバックアップとかなるとそれなりに時間がかかるわけだが、しかし、汎用的なリムーバブルメディアであるHi-MDやMDを、データストレージと使おうとする姿勢はすげく高く評価したい。

 ちなみに、Hi-MDウォークマンとPCをUSB接続すると、Hi-MDメディア等上の全てのファイルをファイルエクスプローラで扱える。PCからはHi-MDウォークマンが単なる外付けHDDとして見えるのだ。すなわち薄型小型のMOみたいな感覚で扱える。

 従来のMDメディアでもHi-MDとしてフォーマットすれば300MB程度の容量のリムーバブルストレージとなるってコトを考えると、ちょっと良くなくなくなくないですか? Hi-MD規格。確かに、USB1.1接続でありかつHi-MDウォークマン上での書き込み速度等も速いとは言えない。のだが、録再型Hi-MDウォークマンが、同時にPC用の汎用ストレージとなり、メディア自体もさほど高価ではない。これはなんか、近未来に広がりが見え隠れするフィーリング!!

 例えば、USB2.0接続のPC用Hi-MDドライブが発売されたりなんかすると、世の中的には大容量はDVDでちょっとしたデータはHi-MD、みたいなノリになるのかも!? あるいは、Hi-MDを記録メディアとしたサイバーショットが出たりすると、きっと日本じゃ売れなさそうだけどアメリカとかで大受けするのかも!? ていうかHi-MD対応のMPEG4動画カメラとか出せば買うし俺!! Hi-MDハンディカムとか出してくれよ!!

 てなわけで、Hi-MDの近未来を予感させるMZ-DH10PとMCMD-R1。俺的には現在のところオーディオ用として非常に便利だと感じられるHi-MDではあるが、ぜひデジカメやビデオカメラや、もちろんより本格的なPC用ストレージとしてガンガン突き進んで欲しい。



URL
  録再型Hi-MDウォークマン「MZ-RH10」製品情報(ソニー)
  http://www.ecat.sony.co.jp/audio/walkman/products/index.cfm?PD=20349&KM=MZ-RH10
  デジカメ内蔵録再型Hi-MDウォークマン「MZ-DH10P」製品情報(ソニー)
  http://www.ecat.sony.co.jp/audio/walkman/products/index.cfm?PD=20299&KM=MZ-DH10P
  Hi-MDウォークマン専用メモリカードリーダー「MCMD-R1」製品情報(ソニー)
  http://www.ecat.sony.co.jp/audio/walkmanacc/acc/index.cfm?PD=18088&KM=MCMD-R1

2005/03/28 18:21

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