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テキトーに選んだけど超良かったW31SA
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


テキトーに選んだけど超良かったW31SA

「着Flash」やSD-Audioに対応した三洋電機製のCDMA 1X WIN端末「W31SA」。ボディカラーは左から、スティルホワイト、クールミント、ソウルレッド
 カシオから発表されたau向け携帯電話端末ことG'zOne TYPE-R見て物欲モードに激移行した拙者。耐水・耐衝撃性能を持ちつつ電子コンパス内蔵でEZナビウォーク対応。こりゃアウトドア向き!! そりゃ欲しい!! と思ったが、なんか7月下旬発売だそうで。あらま。速攻で買おうと思ったのに~もーなんかぁ~。燃え上がった物欲は行き場を失ってウロウロと。

 じゃあG'zOne TYPE-Rが出るまで、何か他の端末に機種変更しよう。使い始めてそろそろ1年経つA5505SAに倦怠感アリだし、そうだ、機種変更しよう機種変!! てなわけで、とりあえず的に機種変して買った機種が、auの三洋製端末ことW31SAであった。

 最近は何だかんだでパケ代使いがちなんで、替えるならCDMA 1X WIN端末にしてみようと考え、スライド式がおもしろそーかな~と思い、選択肢として挙がったのがW31SAW31S。両機を調べ、いじくり、嗅いだり舐めたりしていたら、なんかW31SAの方が香ばしかったのでコレに決めた。

 ていうかW31Sはちょっとデカかった。音楽系機能とかデジカメ系機能とか良さそうで、ソニエリなのでPOBoxも使えて良さそう……とは思ったが、ミョーに厚めであった。実はドコモのプレミニとかにかなり惹かれていたりする俺なので、なるべく小さい端末がいいかもな~と思っており、その思いをauにぶつけると、W31SよりもW31SAなのであった。

 すなわち、やっぱ結局はG'zOne TYPE-Rまでの一時しのぎ物欲なのであり、考えがいい加減なのであり、ノンポリであり、ある意味ダメな俺であってスマンスと言えるが、しかし!! そんな惰性と妥協と適当さで選んだW31SA、使ってみたらコレが非常に良かった。かな~り好きになれた。

 てなわけで今回は時期はずれのW31SAレポートをば。なおこの端末の詳細に関してはauの製品紹介ページSANYOケータイアリーナをご参照いただきたい。


小さいまま使えてナイス!! でもテンキーが……

 W31SA、まず良かったのはサイズである。約49×98×23mmで質量は約117g。WIN端末としては、ずいぶんスリムでありコンパクト。ていうか今時のケータイとして、二つ折り端末とかを含めて、かなり小振りな端末だと言えよう。携帯時も使用時も非常にコンパクトな状態で扱えるのが良い。

 スライド式端末なので、使用時にはスライドさせてテンキー部分を引き出したほーが便利……とか思い込んでいたら、閉じた状態でも十分OKであった。結論から言えば、文字入力や数値入力、サブメニュー等のショートカット操作なんかをしたい時以外は、だいたい閉じた状態で使える。使えるだけではなく、けっこー快適に活用できる。

 この時点でスライド式端末は良いと思った。と言うか、二つ折り端末の面倒さを知った。最近の二つ折り端末ってデカいし。開くのもやや面倒だし。この機種の前まで使っていたA5505SAは、折り畳んだ状態でもわりあいイロイロな操作ができたが、W31SAとは比べものにならないし。日常的手っ取り早さにおいて小さなスライド式端末ことW31SAは非常に便利だと感じている。


W31SAは、本体上側をスライドするとキーボードが現われる仕組み。このため、キーは小さめで指が太いユーザーでは打ちにくいかも

 ただ、W31SAには、もーなんかマジで疲れちゃうよーな難点があった。それはテンキーの押しにくさである。実はA5505SAのテンキーも押しにくい(押下感が少なく押下ミスをしがちだと感じた)ものだったが、W31SAのそれを遙かに上回るっていうかむしろ下回る。すなわちW31SAのテンキーは超使いにくい。何しろキーの上下の隙間がなさ過ぎ。キー自体も小さく、押下感は“ウッカリ押せちゃう軽さ”である。これを親指で押すことになるわけで、特に太めの親指を実装する俺にはテンキー操作が苦痛である。爪の長い女性もきっとヤーネーと感じるであろー。

 けど、許せる。てのは、実際にテンキー操作が必要になるのは、メールを書いたり4桁の暗証番号入れたりする時程度だ(俺の場合)。主にケータイではメールの受信ばかりしている俺なので、例えばたまったスパムを一気に消去する時に四桁の暗証番号入れ損ねてムカつく程度。他の操作はだいたい、閉じた状態で行うので、いつもはテンキーの使いにくさを忘れていられる。

 ちなみに、閉じた状態でのボタン操作感、つまり端末表面に並ぶボタンの操作感は非常に良好だ。小さいながらも押下感は良いし、4方向ボタンやクリアボタンを初めとする主要ボタンの位置もナイス。また、ボタン操作時のメニューの反応も良く、操作全体にストレスを感じない。ついでに、三洋製端末独自のボタン長押し系操作やショートカット方面機能も便利で、例えばキー操作無効化や一時解除を決定ボタンで行えたり、4方向ボタンの上で呼び出せる待ち受けランチャーメニュー、それからテンキーの長押しだけで多量のアドレス帳登録の中からサクッと目的の相手を探せる時短検索など、(使い慣れれば)本来はタルい操作を面倒最小限で行なえるようになる。

 てなわけで、基本的には閉じたまま使いまくれるW31SA。考えてみれば、閉じたまま、電話したりコンテンツ観たり写真撮ったりラジオ聴けたり録音できたりするわけだ。そんな操作を7つ(+2つ)のボタンだけでこなせる。し、ストレスもない。W31SAは非常に優れたハードウェア・ソフトウェアインターフェイスを持つ端末だとも言えよう。


オーディオ系機能もイカシてる

W31SAは音楽機能に力の入った携帯電話だけあり、イヤホンも標準で付属する
 三洋製端末と言えばFMラジオでありEZナビウォークだろやはり、と考えていたが、EZナビウォークに関しては電子コンパス非搭載なので悲しいと言える。アレですか、電子コンパス入れると厚くなっちゃうんスか?

 電子コンパスの件については残念感がプチ残るが、FMラジオはヒジョーにイイ感じであった。まずFMアンテナを内蔵していること。それからけっこーステレオ感の高いフロント3Dサラウンドスピーカーってのを実装していること。つまり、イヤホンつながずに本体のスピーカーからFM放送を聴けるんですな。これは単純に楽しい。

 ていうかA5505SA使用時、イヤホンつながないとFM聴けないってのが残念でならなかった。聴けば暇つぶしになる&意外な曲とか発見できて楽しいFM放送だが、線を一本つなぐという些細な手間があるゆえ「FMは……いいや別に」と思わせる大きな足枷になっていた。W31SAには、これがない。聴きたいと思った瞬間、いきなり聴ける。

 ちなみに受信感度だが、これはまあ受信環境(地域や場所)によるわけだが、まずまず上々という感触。付属のイヤホンを接続すると受信感度が高まるそうだが、ぶっちゃけ、受信状況悪い場所だと何やってもそーんなに変わらないという印象だ。

 なお、FM放送は録音もできる。1回につき最大60分までで、内蔵メモリにのみ録音可能だ。また、後述の音楽再生機能と同様、FM放送受信時や録音したFM放送の再生時に、メールの送受信やEZwebコンテンツ閲覧、本体機能設定等操作を行える。FM放送やminiSDカード内の楽曲をBGMとして聴きつつ端末を利用できるってわけだ。


 W31SAは、今時の端末らしく、ミュージックプレーヤーとしても活用できる。SD-Audio対応ってコトで、SD-Jukeboxおよび著作権保護機能付SDリーダー・ライターを使い、パソコンからminiSDカードに音楽を入れ、W31SA上で再生することになる。あるいは、ネットで流行ってる偽(中略)強引に再生しちゃう手もあるが、ところで、auショップでSD-Jukeboxと著作権保護機能付SDリーダー・ライターも売っといておくんなさいよと思った。このセットとかを。同じくミュージックプレーヤーになるW31SにはUSBケーブルやSonicStageが付属ゆえ楽勝で音楽を楽しめるのに、W31SAで音楽聴く場合はソフト等を要自力調達ってのが面倒だ。

 でまあ、SD-Audio対応であるための手間を乗り越えれば、以降はW31SAをポータブルオーディオとして楽しめる。で、ここでもやはり、ステレオスピーカーを搭載しているってのが愉快。イヤホンをつなぐことなく、前述のフロント3Dサラウンドスピーカーから音楽を聴けるのだ。またこのステレオスピーカー、そのサイズからはちょっと想像できにくいステレオ感と音質の良さがある(と言ってもソレナリですが)。案外よく出る低音と、左右に鋭めに分かれる高音は、なかなか。2~3人で端末を囲んで聴く場合でも十分な音量が出る。イヤホン不要で楽しめるポータブルオーディオとして十分遊べると思う。

 あとW31SA、ICレコーダーとしても使えますな。音質は高品質・標準の2種類(フォーマットはAAC)だけで、マイクは端末内蔵マイクからになる。録音時間は本体のメモリ約40MBに、標準で最大5時間、高品質で最大1時間40分。miniSDカードにも録音できる。音質的には、標準だとガサついた感じでボイスメモ専用って感じだが、高品質だとわりあいクリアで良い音だ。咄嗟の議事録音やボイスメモには十分役立つICレコーダー機能だと言えよう。

 オーディオ系機能の全体的な印象としては、各機能ともわりあい簡素ながらも十分実用レベルに仕上げられている。また、前述のフロント3Dサラウンドスピーカーの存在。その音質の高さと音量的実用性が、これらオーディオ系機能を積極的に使う気にさせる大きな要素だと思う。


FMラジオ機能搭載 FMラジオを内蔵メモリに録音可能 ミュージックプレーヤー機能で録音したFM放送を再生中の画面。プレーヤーのスキンも変更可能だ

いろいろ使えるデジカメ系機能

 コンパクトで実用性の高い端末であり、電子コンパスはないけどEZナビウォーク端末すなわち電池地図的にも活用でき、オマケにポータブルラジオ・オーディオとしてイヤホン不要でも使えるW31SA。この時点で既に満足している俺だったが、W31SAのデジカメ機能もちょっと良かった。

 W31SAには撮像素子として133万画素CMOSを使ったデジカメが実装されている。またこのデジカメ、AF機能付きでピントがピシッと合う。ついでに、約11センチ~無限遠までAFが効くので、スナップも近接撮影も意識することなく楽しめる。ほか、コントラストや明るさを4方向キーで調整できたり、AFロック的機能(オフフックボタン使用)を使えたりする。自分撮りはちょっと無理っぽいが、カメラ付きケータイとしては十分な機能を備えている。

 てなわけでいろいろ撮ったりしている。で、画質的印象を言えば、ビミョーに薄いっていうか地味目な発色ではあるが、ケータイの133万画素デジカメとしてはずいぶんクリアな感じ。特にAF機能のおかげで、クッキリ感のある静止画が得られる。ふーん、AFが使えると133万画素あたりでもけっこー満足できる画質になるんだなぁ、とか思った次第。

 デジカメ内蔵ってことで、QRコードを読んだりすることもできるが、おもしろいのはOCR機能だ。例えば名刺等から電話番号やメールアドレス、URL等を読み込んで、それらを文字列として端末に入力することができる。また、英単語を読み取ることも可能で、読み取った英単語の意味を内蔵の電子辞書で即時調べられる。

 使い方は簡単で、カメラ機能からキャラクタリーダーを選び、読み取る対象(カメラde辞書、メールアドレス、URL、電話番号、もしくは自動)を選ぶ。で、カメラで文字を写せばいい(撮影する必要はなく画面上に対象を捉えれば自動的に認識する)。ちなみに、ある程度鮮明な印刷物等対象であり、光量が十分あり、かつ、手や読み取り対象がプルプルしなければ、けっこー高い認識率で機能してくれる。

 このOCR機能、最初はオマケ的機能かナとか思っていたが、名刺や印刷物や画面上からメールアドレスや電話番号をサクッと端末に入れる場合に役立っている。端末に向かってメールアドレスや電話番号が入ったメールを送信したほうが確実(読み取り時に誤認識する場合もあるので)だが、急いで行動しなきゃいけないわ手元にはケータイしかないわって時には非常に便利だ。特に、テンキーが押しにくいW31SAにおいては、とか言うとイヤミかもしれないが、カメラをより積極的に利用した実用的な機能として十分評価できる。

 てなわけで、何となく買ったけど、使い始めてみたらかなり便利でありかつ機能も豊富であったW31SA。記事中、細かな難点も指摘したが、トータルで考えれば成熟度の高い機能を多々持ち、また機能・操作性のバランスにおいても優れた端末だと思う。これでテンキー押しやすくて防水で電子コンパス入ってたらG'zOne TYPE-R買わないかもしんない、とも思った。


カメラ機能のメニュー。静止画はPictBridge対応プリンタでダイレクト印刷も可能 動画撮影時のサブメニュー。フレームや特殊効果の機能も搭載 カメラを使ったOCR機能も搭載する


URL
  auのW31SA製品情報
  http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w31sa/

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