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ヒジョーに楽しい! AKAI professionalのMPC1000-BK
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


「MPC2500 → MPC1000-BK」とした拙者

AKAI professional MPC1000-BK。MPC1000に新OSが搭載されて増設メモリが付属になっているモデル、てな感じ。MPCシリーズの中で最も小型でヒジョーにカワイイと言えよう
 2006年初頭にAKAI professionalMPC2500購入し、ポチポチと使っていた俺。

 MPC2500は、いわゆる……ん!? 何だろコレ? MIDI鍵盤としてパッドを搭載したシーケンサーにサンプラーが内蔵された電子楽器、と言えばいいのだろうか? ソチラ方面の方には“MPC”で通じる音楽機材だが、とにかくそのMPCシリーズのわりと新しい機種であるMPC2500をイジって楽しんでいた。が、もっと良さそうなMPCを見てしまったMPC1000-BKである。

 MPC1000-BKは2005年末に発売された最も新しい(と一応言える)MPCシリーズとなるが、コレを見た途端、非常に欲しくなった。次いでMPC1000-BKを持ち上げてみたら、もう急激かつ猛烈かつ末期的に欲しくなったっつーか購入を決めた。そしてこの購入意欲を徹底的に増幅させるべく!! 隣に立ってたシンセマニアのUくんに!! 「我々に必要なのはコレだろ!! これッ!! キミはMPC2000XLとMPC2000を手放してコレを買いたまえ!! わしもMPC2500手放してコレ買うから!! 俺も買うからキミも買えッ!!」と言った後の記憶は定かでない。

 が、意識が戻ると俺の机上には史上最強にイカシてるMPC1000-BKがカッコ良い角度で置かれており、既にいくつかの音ネタがサンプルされており、パッドを叩いたらこれまた最強に気持ちよい音が出たんだよねぇ~知ってたUくん!! と電話したら、Uくんの机上にも同じく史上最強にイカシてるMPC1000-B(以下略)。

 ところで、なぜ拙者は“MPC2500 → MPC1000-BK”へと乗り換えたのか? MPCシリーズの利便やナイス度は後述するが、実はMPC2500もMPC1000-BKも、機能的にはまぁだいたい同じよーな機材なのである。しかし、そのサイズ・質量がまるで違う。


上部面積は一般的なA4カタログとほぼ同じ サブノートPC(VAIO typeT)と比較したところ(上面) サブノートPCと比べるとけっこー厚め。サイズは幅330×奥行き228.2×高さ75.5mmで、質量は3.45kg。容積的にはA4ノートPCくらい? 重さはゴージャスなA4ノート程度


 ノートPCに例えれば、MPC2500がA4ファイルサイズノートで、MPC1000-BKがB5サブノートって感じの違いがある。この違いだけで、拙者は猛烈にMPC1000-BKのほーを好んだのであった。


ヒジョーに楽しいMPC1000-BK……の前に

 で、MPC1000-BKなんですけどコレ使うようになってから連日のようにパッド叩いてMIDIイベント打ち込んで気づいたら東の空が明るくなる拙者の音遊び生活だが、そんな話の前に、MPC1000-BKとは何か? を少々ご説明したいと思う。

 MPC1000-BKは(他のMPCシリーズと同様に)、MIDIシーケンサーとサンプラーが合体した音楽機材だ。

 サンプラーは、色々な音をデジタル録音して、音階を付けたりして鍵盤を使ったりして、録音した音を発音させ演奏する機械。他の楽器(音源)と違い、基本的には自ら音源らしきものは持たず、また音を合成したりもしない。外部の音を録音し、これを音源とする機材だ。一般に言われる楽器や音源とは微妙に違う音楽機材である。

 MIDIシーケンサーは、MIDI対応音源を自動演奏させる機械だ。まずMIDI対応の鍵盤やパッド等からの入力(タイミングや強さ等)を記憶する。次に記憶したデータをMIDI対応音源に対して出力することで、音源の音を連続して出させる=自動演奏させるというもの。

 で、MPC1000-BKには、サンプラーとMIDIシーケンサーが入っている。サンプラー部に蓄えた音を、MIDIシーケンサーで自動演奏させることができる。また、MIDIデータ入力用インターフェイスとして16個のパッドを備えている。パッドを叩けば(各パッドに割り振られたサンプリング音)がリアルタイムで鳴るし、パッドを叩いたタイミングや強さ等の情報(MIDIイベント)をシーケンサー部に記録すれば、サンプラーの各音を自動演奏させることができる。


サンプラー部に録音・保存されたサンプル(音)は、パッドを叩くことで再生される。もちろんパッドはキーベロシティ(押下強弱に対して音の大きさ等が変化する)対応だ ロケート部にあるキーを使えば、テープレコーダーのような感覚でパッド演奏を録音(MIDIイベントとして記録)していける メインの表示。現在選んでいるシーケンス、トラック、プログラム等を一望できる

 てコトなのだが、実際どーゆーふーに使われるのか? 活用範囲は非常に広いと思うが、例えばリアルな音を出すドラムマシン(リズムマシン)として使える。プロが演奏したドラムの音を個別にサンプリングし、パッドに割り振り、パッドを叩けば、プロ級サウンドでドラムの音を鳴らせる。鳴らす音色やタイミングや強さをキッチリ決めれば(←これが難しいが)、世界トップクラスのドラマーと同じ演奏を行える可能性さえある。

 MPC1000-BKの音源となるのはサンプラー=色々な音を録音して音源にしちゃう機械なので、ドラムマシン以外にも様々な使い方があるっつーか使われ方をされている。ドラムの音も入るし、ベースの音も入るし、ピアノやギターやサックスや……ていうか何でも音源として使える。チョー長いってんでなければ(合計サンプリング時間の限界があるため)、わりあい長いボーカルも入る。で、これらの音を自由なタイミングで出せて、ある程度音階を調節しての発音も行える。そしてこれらを自動演奏させられる。

 というわけで、元になる音とアイデアと演奏(パッド打ち込み)テクがあれば、MPC1000-BK一台でかなり自由に音楽を作っていけるのだ。しかも一人で。さらにウチん中で。いわばハウスミュージック(古)生成に良く向く機材ですな。


MPCシリーズの良さ

 AKAI professionalのMPCシリーズは、どの機種もサンプラーでありMIDIシーケンサーでもあって16個のパッドを持っているという、複合機材だ。MPCシリーズと同様の発想で作られた機材は多いが、それらも含めて、MPC系機材の良さっつーのを感じる。

 ぶっちゃけた話、MIDIシーケンサーとサンプラーとパッドorキーボード等のMIDIコントローラーがあれば、MPC系機材と似たような使い方ができる。今時的DAWソフトを使えば、サンプラーもシーケンサーもシンセサイザーもリズムマシンも入っていて、MPC系機材よりも高度な活用ができたりする。

 もっと言えば、MIDIシーケンサーとサンプラーとキーボードと……みたいにバラの機材のほーが、各機材が高機能だったり、組み合わせの自由度がずっと高かったりする。DAWソフトなら、ほぼ全ての機材がソフトウェアなので、組み合わせの自由度が超高いし各機材の制御を激細かくかつ見やすく行えたりする。

 てな現実を机上にて思いめぐらすに、物理的な機材ならバラで買ったほーが良さそうだし、ひとりor少人数でイロイロなアイデアを詰め込んだ音楽を作るんならDAWがラクだし現実的、などと思えてくる。

 いや実際、拙者も物理的な機材を少々使っていて、DAWも使用中だ。時には物理的な機材を組み合わせて遊んで「あーやっぱバラのモジュールはイロイロできるなぁ」とか「DAWってやっぱ効率的だしラク」と思うことが少なくない。のだが、そーゆー状況ではなかなか出くわさない“良さ”が、MPC系機材には確かにある。

 もーかなり単純な話で申し訳ない気もするが、MPC系機材、特にMPC1000-BKは、手っ取り早くて敷居が低いのが良い。思い立ったら機材の電源入れて音色ロードしてパッド叩けば音が出る。ちょいと気が乗ったら、そのまま演奏を録音できる。これだけのコトだが、コレが実に良い。誤解を恐れずに言うと、手近にある小さな生楽器に(他機材と比べて相対的に)近い感覚で楽しめる。

 例えば、ハーモニカでもリコーダーでもウクレレでもカリンバでも何でもいいんですけど、何か音出そうと思う間もなく音を楽しみ始められる感覚。そのまま調子コイて好き勝手に演奏しつつミョーに没入していくという体験。そこから生まれたり生まれなかったりするノリを殺さないまま、遊び続けられますな。


拙者が愛用中のカリンバ。イジってるだけでアフリカンな気分に!! 音が出るオモチャとしてヒジョーに愉快である 本体とヘッドホンがあれば使えるMPCシリーズ。この手軽さがイイのであり、なんかちょっとカリンバとかにも似た愉快さがある

 MPC1000-BKは電子的な楽器なんで、多少の下準備が要る。取り出して、置いて、ヘッドホンなりをつないで、電源を入れて、音をロード(サンプラー部に読み込む)して、パッドを叩いて楽しむ。もともと音源を持たない機材なので、あらかじめ好みの音をサンプリングし、読み出せるようにしておく等の準備も必要だ。って書くと長い準備が要りそうだが、感覚的には前述のとおり、ソコに置いて電源入れたりしてパッド叩けば楽しく浸れる、と。

 常々電子楽器やDAWを使って演奏しまくり中の人なら話は違うと思うが、時たま機材やDAWで遊ぶユーザーの場合、遊ぶ前にけっこー面倒な思いをしているのではないだろうか? 物理的な機材なら、設置や接続から始まってMIDIチャンネル等々の設定を思い出しつつやって、さぁできた、音を出そう、って頃にはプチ疲れているような気が。DAWの場合も、ソフトウェアの操作や音色の準備を済ませ、脳内にある音楽的イメージを音として再現するまでに、けっこー手間がかかりがちだ。

 そういう意味で、MPC1000-BKは手っ取り早くて敷居が低い。フツーにいきなり音を出せる感じ。すぐ音を楽しめる感覚なので、自らノッていきやすい。特に、好きな音を自由に、16個のパッドを叩いて鳴らせるという、作法・しきたりの無さは、なんつーかプリミティブな生楽器に通じる即時性がある。


パッドを叩けば、そのパッドに割り振られた音が出る。打楽器感覚でサンプラーサウンドを遊べる その気になったら録音。演奏通りに記録することも、打鍵タイミングを補正しつつ記録することも、一音一音順番に入力することもできる

 すぐに触れられて音が出せて遊べる、ということは、単にラクで楽しいってのもあるんですけど、それとは違う意外なメリットを生んでくれているように思う。例えば、ホレ、口笛とか鼻歌とか、それから指で机なんか叩いてリズム出したりとか。そゆこと、わりと多くの人がしているだろう。また、そんなふーなコトしていて、ふと、あっ今のなんかスゲぇいいフレーズorリズム!! とか思う瞬間があるのではないだろうか……あるからヤッちゃうんですよね肉体オンリーの即興演奏(!?)を。

 これらとやり方や手軽さが同じ、とは行かないが、MPC1000-BKには、そんな即興性があると思うのだ。その時のテンションあるいは惰性に任せ、両手の指が動くままに叩いていると、思いがけず、自分の中にはありそうもなかったリズムパターンが聞こえたりして。その流れで叩き続けていたら、ややや!! ヤケにイカシたサウンドが今ココで出た!! そしてそのまま録音!! 再生したら、こりゃ素晴らしい!! デビューはニューヨークかベルリンか!? でも翌朝聴いてみたらダメだこりゃ、と赤面したりして。

 ともあれ、MPC1000-BKの手っ取り早さと敷居の低さが、新たな発見・発展に強くつながるケースが少なくないと思し、それ以前に、好き勝手にパッド叩くだけで十分に楽しめる機材だと感じる。


MPC1000-BKで宵っ張りしちゃう理由

 パッド叩いて楽しい、コーフンできる、新たな思い付きが生まれる等々の良さは、MPC1000-BKに限らず他のMPCシリーズでも同様だし、他社のMPC系機材でも似たような感じだと思う。が、MPC1000-BKを手に入れてからというもの、ナゼか毎晩のようにパッド叩きマニアとなって夜が明けがちである拙者。なんでかしら? と考えてみると、MPC1000-BKは容易に使える機材でありかつ、けっこー深く使えたりもするマシンなのだ。

 まず容易に使えるという点。前述のように、何しろもー小さいという点が素晴らしく良い。ですぐ取り出せて、場所を取らずに楽しめる。シーケンサーとサンプラーとパッドが合体したマシンなので叩いて遊んでソノ気になったら録音するって場合に、全体的に話が早いMPC1000-BKである。


厚手のA4ファイルサイズ、といった感じなので、このとおり、本棚なんかにもサクッと収納できる 気が向いたら机上に出して遊ぶ。少々のスペースがあれば設置できるのは大きな強みだ 遊び中に編集者から電話があったりしたら、このよーに立てたりしてどかすこともできる

MPC1000-BK買って感動したのは、拙者常用のA4ファイルサイズ対応のバッグにすっぽり収まったこと。常時携帯には少々重めだが、可搬性は非常に優れている MPC1000-BKがスッポリ入ったの図。さらにACケーブル、MIDIケーブル、ステレオイヤホン、ポータブルオーディオプレイヤー等を入れて持ち歩くと、いつでもどこでもサンプル作成可能であり演奏も可能であって曲作り可能!! すニャらしい!!

 これに加え、もっと遊ぼう!! と思った時、つまり、新たな音をサンプリングしたり、これをエディットしたりパッドに割り振ったり、あるいはシーケンス絡みのやや高度めの機能を使う段になっても非常に扱いやすいMPC1000-BKなのであった。

 例えばサンプリング~パッドへの音の割り振りまで。いろいろな方法があると思うが、俺の場合はiPodからの音をサンプリングしてそのままパッドに割り振って遊ぶことが多かったりする。実際の手順はiPodとMPC1000-BKを接続し、MPC1000-BKをレコードモードにして、サンプリング(iPodからの音をMPC1000-BKに録音)する。


ステレオケーブルでMPC1000-BKとiPodを接続したところ。この後、[MODE]ボタン→[RECORD]ボタンの順に押していけば、サンプリングの準備完了 サンプリング(RECORD)モードの表示。段階数が多くて比較的に追従性の高いレベルメーターが便利。スレッショルド設定を調整可能だが、デフォルト値で大抵は間に合う

 録音した音は様々に編集可能だが、サンプル編集の基本となるスタート/エンド・ポイントの作成が思いの外ラクでナイス。具体的には、画面表示を見つつ、ふたつのスライダーを操作すれば、録音したサンプルの必要な部分のみを抽出できる。その一連の作業から、使わなかったサンプル部分をメモリ上から消去することもできる。他、サンプルの部分削除、反転、タイムストレッチも可能だ。


サンプリングしたサウンドを編集しているところ。表示解像度はやや低いが、波形がグラフィカルに表示されるので操作しやすい 本体左側に見えるふたつのスライダーがQスライダーだ。各スライダーの上部にある[AFTER]ボタンを押しながらスライダーを動かすと、サンプルのスタートポイントとエンドポイントを手早く指定することができる

波形を拡大表示したところ。細かい編集をする場合に便利 波形の中のレベルが低い部分は、対数表示にすることによって見やすく拡大したような状態で表示できる

 あ、あと、サンプルのオートスライス(一連のドラムフレーズなんかを個々の音に分解すること)やパッチドフレーズ化(タイムストレッチを使わずに一連のドラムフレーズ等をテンポ可変にすること)もできる。このあたりの機能を使ってみると、今時的サンプラーとして十分高機能だと感じる。

 パッドへサンプルを割り振るのも簡単ですな。MPC1000-BKをプログラムモードにして、サンプルを割り振りたいパッドを叩き、画面表示を見つつ割り振るサンプルを指定する。これを繰り返していけば、ひとつのプログラム──サンプルとそのサンプルが割り振られる組み合わせができあがる。


[MODE]ボタン→[PROGRAM]ボタンの順に押すと、パッドにサンプルを割り当てるプログラムモードに入る。基本的に、モード切替操作は、[MODE]ボタン→パッドのどれか、という順で押していく。パッドは演奏用のみならず、モード切替や文字・数値入力にも使われる プログラムモードでの表示。パッドを叩いてダイヤルを回す、という操作を繰り返して、スムーズにプログラムを作成できる

 もっと遊ぼう!! と思った時に、重い腰を上げる感覚ではなく、すぐにサンプリングやパッドへの割り振りを済ませられるのが良い。また、そーゆー操作を手早く行えるので、MPC1000-BK内にどんどんサンプルが増えていくわけで、そうなると翌晩のMPC1000-BKに対する遊びたい欲がもっと高まるから、ワールドカップとかよりもむしろMPC1000-BKで寝不足になっている梅雨の拙者であった。

 MPC1000-BKの使いやすさとして、WINDOWキーの存在もある。MPC2500にもある便利ボタンだが、コレ、操作中に“その操作やデータに付随するより細かな処理や表示が可能”というコトを示すボタンなのだ。このWINDOWボタンが光った時、とりあえず押下してみると、新たなウィンドウが開いて使用可能な機能が表示されたりする。それら操作が必要なら、そのまま処理に入り、不要なら再度WINDOWボタンを押してウィンドウを閉じればよい。


超便利なWINDOWキー。これが点灯したら、現在のモードや選択項目に関し、情報が得られたり関連操作が可能であることを示している。光ってたらとりあえず押しとくと、徐々にMPC1000-BKの使い方が学べちゃったりする メイン画面表示でシーケンス部を選択しているときにWINDOWキーを押すと、シーケンスの削除やコピーやリネームができる ロードモード(各種データをMPC1000-BKに読み込むモード)等でWINDOWキーを押すと、ストレージ内のファイル・フォルダの階層表示が表示される

 このWINDOWボタンがあることで、ぶっちゃけ、MPC1000-BKを使うにあたって覚えるべきコトがかなり減る。あれぇ~あの機能ってどのボタンから呼び出すんだっけぇ~的なコトが、一昔前のMPCにはあったよーな気がするし、Sシリーズサンプラーにはもっと多かったような気がするが、ともかく、ちょっと迷ったらWINDOWボタンを押す!! と、マニュアルを開かずにデキた~、というケースが非常に多くなってラクだと感じる。


PCとの親和性もOKな感じ!!

 でまあ、サクッと使えて、サンプリングやプログラミングもラクなMPC1000-BKなのだが、パソコン野郎にとって、さらにナイスな機能がある。それは、MPC1000-BK(およびMPC2500)を、USBマスストレージクラスのデバイスとして、パソコンから認識できるということ。

 MPC1000-BKにはCFカードスロットがあり、例えば録音したサンプルやパッドへのプログラム、あるいはシーケンスデータ等を一般的なCFカード型のフラッシュメモリに保存しておける。また、別途KIT-HDM10(ハードディスクマウントキット)を使えば、2.5インチのIDE HDDを内蔵して、データ保存用として使える。


MPC1000-BK本体前面にはCFカードスロットがある。一般のCFカードをストレージとして使える。最大2GBまでのCFに対応する 2.5インチATA HDDを内蔵することができる(要KIT-HDM10)。内蔵可能なHDDの対応表はココにあるとおりだが、なんかフツーの100GBとかのも入りましたヨ、拙者の場合

 MPC1000-BKとPCとUSB接続すると、前述のとおりMPC1000-BKをPCからマスストレージクラスのデバイスとして認識できる──CFカードや内蔵HDDを外部ストレージとしてPCに認識させられる。すると、HDDやCFカード内に保存したサンプルやプログラムを、ファイルとしてPCから扱えるようになる。


本体背面にUSBコネクタがある PCとUSB接続する場合は、LOADもしくはSAVEモードにし、F4キー(USBボタン)を押す

 てなわけで、このUSB接続機能を使うと、まずMPC1000-BK内に保存したサンプル、プログラム、シーケンス等をPC上にバックアップ保存できるんですな。それに加え、MPC1000-BKのパッドに割り振りたい音として、PC上にあるサウンドファイルを使えたりもする。


Windows XP搭載のPCからMPC1000-BK内のHDDにアクセスしたところ。MPC1000-BK内蔵HDDが外部ストレージとして認識されてますな。この状態でファイルのコピー等操作が自由に行なえる MPC1000-BK内のHDDに保存された .wav ファイルを見ると、16ビット44.1kHzのPCMファイルであることがわかる

 MPC1000-BKで扱われるサンプルは、16ビット44.1kHzのPCMファイルとなる。ので、例えばPC上でこれに合ったサウンドファイルを作成して、MPC1000-BK(のHDDやCFカード等)にコピーしてやれば、自由にパッド叩いて演奏して音出しまくれるっつーわけだ。ま、今時的でありかつPCとの親和性を少々重視したサンプリングorレコーディング方面機材としてはフツーなコトなのではあるが、MPCでコレができるというのは、なんつーかAKAI製品を多用してきたユーザーにとって大きなメリットだったりする。

 ちなみに、iPodからの音をMPC1000-BKにサンプリングしがちな拙者、とか書いたが、そうして遊んでいて、さらにノリにノッて来ると、こりゃちゃんと一曲作ろう!! とか思って、まずはPC上でサンプルサウンドを編集し、これをMPC1000-BKにコピーして、世の中に発表しても著作権的に文句言われないよう対策する俺なんスけど、現在のところ世の中に発表する前の前の前の前の前の(中略)のもっと前の段階で手こずっております。

 てなわけで、MPC1000-BKをかな~り気に入っている拙者なのだが、多少難点と感じられる点もある。例えばグリッド表示でのMIDIイベントエディットができないとか少々。でもまあ、このテの機材としては非常に扱いやすいし、何しろ単体でずいぶんイロイロなコトができるし、あとマジ小さいし、(MPC2500と比べると)かな~り安い気がするんで、全体的にオーケーだと思う。

 最後に、本文中で“手っ取り早い”とか“容易”とかって書いてる俺だが、ぶっちゃけ、この手の機材はマジでホントに初めてって人にとっては、カンタンとは言い難い機材である。使えばじきに慣れて「あら便利」と感じられるとは思うが、本格的な初心者が買ってイキナリ使えるほどは家電化していない分野の機材でもある。


表示は効率的でわかりやすいほうだと思うが、初心者フレンドリーという観点からするとスゲくわかりにくく難解に見えるかも 操作部もシンプルで扱いやすいほうだと思うが、初心者フレンドリーという観点からすると、やっぱある程度の慣れが必要かも


URL
  MPC1000-BK
  http://www.akai-pro.jp/pgs/right/product/mpc/right_prdc_mpc1k.html

2006/07/03 12:51

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