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やっぱバックアップでしょ!! 「1GBマイクロドライブ」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。



■ついに出てきた!! 1GBのマイクロドライブ

マイクロドライブ
ついに出た1GB マイクロドライブ。価格はShopIBMで4万9800円

 記念すべき2000年6月21日、IBMのウェブサイトにおいて「IBMマイクロドライブ第2世代」の存在が明らかにされた瞬間340MBマイクロドライブユーザーの俺は一瞬ムカッとしたけどやっぱりすぐにソレが欲しくなりまくった。やったァついに大容量なのが出てくるゼ!! しかもそのリリースをよく読むと、何やら“512MBのマイクロドライブ”も出荷されるよーな気配。いよいよ来るのか!! みんながポケットに大容量ハードディスクを忍ばせる時代が!! という感じで期待していた。

 が、どーも市場には現れない。なんでかしら? なんでどうしてどういうわけ!? と本連載の担当編集のクドーさんに八つ当たりしたところ、
「あっそうスかスタパさん1GBのマイクロドライブ興味あるっスかぁじゃあ借りてみましょうか~」
というふうに話が進み、ついに1GBのマイクロドライブをお借りすることができた。あーこんなモン借りちゃうと俺の最強だと思えていた340MBのマイクロドライブが2000年9月における4MBのSIMMみたいに感じられちゃうんだろーなぁ、とも思ったが、とにかく試用。

 なお、1GB版マイクロドライブについての詳細はココ(http://www.ibm.co.jp/oemj/storage/product/mdv96/mdv96a.html)を参照願いたいわけだが、一応、マイクロドライブについて簡単に説明しておこう。

 マイクロドライブは、CF+TypeIIという規格の、一般のCFより微妙に厚い記憶メディアで、42.8mm×幅36.4mm×高さ5.0mmで総重量約16g。このカードの中には500円玉大の極小とも言えるハードディスクが内蔵されているのだ。PCカードアダプタを使えばノートPCを始めとするパソコンに接続でき、一般のIDEハードディスクと同様にストレージとして利用できる。比較的多くのデジカメや一部のWindowsCEマシンでも使えたりして、大容量なのにすげーちっこいし読み書きも比較的高速なストレージとして便利な存在なのであった。



■すげぇ!! とは、思いませんでした


 さて、手元に届いた1GB版マイクロドライブを見た俺は、あまりの衝撃のあまり血圧が急上昇して卒倒して失禁して救急車に運ばれたりせず、「ふぅん……」と思っただけだった。全然衝撃無し。だって外見は340MB版マイクロドライブとまったくおんなじなんだもーん。ドライブ本体の340MBって文字が1GBって文字に置き換わってるだけって感じで、物理的に本体を手にした時の感動はあんまりなかった。


 だが、使ってみたらさすがに1GB!! 340MB版の3倍弱の容量!! ヤケに広大なストレージ空間!! 前述のプレスリリースには、『積み上げれば高さ50メートルほどにもなる書類(A4サイズで約50万枚)と同じ分量を記録できます』とか『300万画素クラスのデジカメで撮影した高解像度写真を約1000枚保存できる』とか書いてあるが、そういう具体的なコトよりもむしろ、俺は「うそぉ、この新しいマイクロドライブの中には以前のマイクロドライブが3枚くらい入っちゃうわけぇ!?」という点に驚いた。まあ当たり前なことだし、技術者さんに言わせれば大したコトないのかもしれないが、外見も外寸もすっかり同じなのに、容量だけ約3倍って……やっぱりなんだか凄まじいコトが起きてるんだなという印象を受けた。

 んー、なかなかヤルじゃん、IBM。そう思った俺だが、まあ、よくよく考えてみれば、マイクロドライブとてHDD。ポイントは容量と、そして読み書き速度であろう、とかなんとか思ったので、とりあえずベンチマークを取ってみた。ベンチマークテスト用に使ったソフトウェアは、HDBENCH。使用マシンはThinkPad 770X、OSはWindows 98 SE。ドライバはWindows 98の標準IDE/ESDIハードディスクコントローラ。比較対照用のストレージとして、SunDisk製80MB CFカード、Lexarの160MB(8倍速)CFメモリカード、340MB版マイクロドライブ、かなり古い製品だがエプソンのType III PCカード型HDD(260MB)、ThinkPad 770X内蔵のHDDの読み書き速度もチェックしておいた。以下がその結果だ。

【マイクロドライブとCFの速度比較】(KB/sec) *フラッシュメモリ
readwritecopy備考
SunDisk80MB1289429613*フラッシュメモリ
Lexar128MB(8X)12501209834
microdrive12921096812*ハードディスク
microdrive 1GB12631065861*ハードディスク
EPSON 260MB926906651*ハードディスク
770XのHDD638761325646*ハードディスク
(数字は毎秒何キロバイトのデータを転送できたかを表すので、数字がデカいほど快適ってわけだヨ!!)

 で、PCカードスロットに入れたストレージのベンチを取るってことで、ドライブやメディア本来の転送速度は現れないわけだが、ともあれ、ノートPC上でどの程度快適なのかちょいとわかる。結果、マイクロドライブをThinkPad770X上でフツーに使うと、そーんなに速くないのであった。実際、俺はしょっちゅう340MB版マイクロドライブを使っているのだが、特にその書き込み速度に速さが感じられない。まあ、ThinkPadの内蔵HDDと比べちゃいがちなので、マイクロドライブには悪いが、やはり“速くはない”のであった。とは言っても“遅いってわけでもない”って感じなのだが……。

 一方、容量については非常に満足できた。俺は後述するような、バックアップ目的でマイクロドライブを使っているのだが、1GBもあると、俺個人が作成したデータ類ならスコッと入る。1GBというのは、恐らく、多くの人のバックアップ目的を叶えてくれる容量だろう。



■やっぱバックアップでしょ!!


 1GBの容量の、PCにもデジカメにも使える汎用ストレージ。デジカメでの使用においては、いくらなんでも1GBまでは要らないでしょーという気がする。大容量CFで十分!? とか思える。まあ、怒濤の勢いで撮りまくりのデジカメマニアなら1GBくらいあったほうがいいかもしれないし、プロカメラマンが試し撮り(ポラ代わり)やネット媒体向けに使うには、1GBくらいあった方がいいのかもしれない。でもまあ、フツーはこんなに容量、要らないっスよね!?

 じゃあ何に使うかと言えば、俺の場合は前述のように、データのバックアップ。常用のノートPCにマイクロドライブを挿し、サクサクッとお手軽にバックアップを取るには、実に理想的なメディアだと感じる。挿せば使えるし、転送速度もある程度高速だし、1GBあればそーとーなデータが入るし、保管や携帯にも有利なコンパクトさを持つからだ。

 実際俺は、これまで毎月2~3度、マイクロドライブによる定期的なデータバックアップを行なってきた。バックアップを取るデータは、例えば書いた原稿や撮った写真や自作のリスト類、その他大切なデータなど。自分以外たぶん誰も持ってないと思われるデータや、盗用されちゃ困るデータだけをバックアップした。フリーソフトやニュースリリースやURLなんかは、最悪の場合、他の誰かが持ってるかネットで公開されているか調べられるので、敢えてバックアップは取っていなかった。まあ、ホントは、改めてネットでそれら各種のデータを入手するのはメンドーなので、バックアップを取りたかったのだが、340MB版マイクロドライブの容量がそれを許してくれなかったのだ。

 340MBというと、かなりデカい容量のカード型ストレージではあるが、バックアップ目的となるとちょいと手狭。テキストの他、静止画も動画もサウンドも扱う、いわゆるひとつのマルチメディア時代(死語)の現在においては、物足りない容量なのであった。


 が、今度は1GB!! これなら超必要なデータだけを厳選せずとも、「いちおーバックアップ取っとくかぁ」的な“必ずしもバックアップを取る必要がないデータ”も、ついでに保存できる。ストレージ容量の上限を気にする必要が(あまり)ないので、お気楽にバックアップ作業を行なえるのだ。

 ところで、バックアップを取る目的として、第一には“常用ディスクのクラッシュに備えて”というのがある。が、実際のところ、俺がこれまでに体験したHDDクラッシュは数度で、大切なデータがゾロッとなくなっちゃったというのはたったの一度きり。20年以上コンピュータを使い続けてきてこの程度なので、まあ、クラッシュ対策としてのバックアップは(非常に重要な行為だが)精神衛生上の効果の方が高いと言えよう。

 それでも俺はバックアップを頻繁に取る。というのは、最近はHDD上にけっこう大切な個人情報を書き込んでいるからだ。例えばネット上で使う各種のパスワードとか携帯電話番号、クレジットカードに関わる情報、口座に関わる情報、その他いろんな“俺に関する詳細かつ重要な情報”がHDDに書き込まれている。そのHDDがパソコンの中に入っている。

 で、もし、このパソコンが盗まれちゃったら!? 単にパソコンがなくなっちゃったというのなら、まあ諦めがつくかも知れない。だが、すげー重要な個人情報入りのパソコンが盗まれたとなっては、諦めるなんて無理。速攻で警察に電話したりして「どーか私の個人情報が悪人の手に渡りませんよーに!!」と祈るしかない。

 なので、俺は、そーゆー重要データ&俺謹製各種データを、マイクロドライブにバックアップするのだ。そして、数日出かけたりする時、つまり、もしかしたらドロボーが家に入るかもしれない時は、HDD上の重要データを全部根こそぎ削除し、削除した痕跡も消去し、バックアップデータ入りマイクロドライブをカバンに入れて安心して出かけるのである。

 もちろん、常用のコンピュータにはBIOSレベルでパスワードを設定しており、ドアの施錠もバッチリで、データ状態ではない重要書類・カード・印鑑等は銀行さんに全部預けたりしているのだが、その上さらに、超重要デジタルデータを身につけて持ち歩く。大切なデータを身近以外の場所には置かないようにすることで、俺に関わるデータセキュリティがすげー高まり、その結果、俺は安心して出かけられるというわけだ。だから、クイックに使えて、大容量で、手軽に携帯できるマイクロドライブは、俺に欠かせない常時携帯可能なバックアップメディアなのであり、今後も使い続けていきたいと思う次第である。





URL
  マイクロドライブ製品情報
  http://www.ibm.co.jp/oemj/storage/product/mdv96/mdv96a.html

2000/09/11 00:00

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