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プログレッシブ出力サイコーっ!!「松下 DMR-E10」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。



■それは夢のレコーダー……


 録画可能なDVDデッキ(DVDレコーダー)が登場した時、俺は即予約して買おうと思っていた。ぐわーッついに出たかそうか出たのかよしよし出たのかやったァ出たんだぜぇ~ッ!! そして型番を暗記してショップに出かけようとしたのだが、各方面からなーんか残念感ちょいアリな情報が。

 DVDの録画方式には確実な統一フォーマットがないとか、過渡的な製品だとか、流行らないとかイロイロ。正確な情報、不正確な情報、ガセネタ等々、混ざっていろいろ聞こえてきた。んむぅ~。DVDレコーダー、俺にとっては夢のような製品なのに……。

 だって!! ディスクだからテープみたいにクシャってデッキに巻き込まれたりしないでしょ~、DVDビデオのように超クイックな頭出しできるでしょ~、ディスク1枚で2時間とかイケるでしょ~。映像を再生するためのメディアとして絶対優れてるし、それに現在手持ちの数百本のビデオテープをダビングしちゃえば、テープの劣化とか画質の劣化とか気にしなくて済むしぃ~。あとあとハードディスクに録画するビデオデッキみたいに刹那的じゃなくてリムーバブルドライブだからメディア交換・保存できるし。俺にとっては、これまでのビデオテープ生活の鬱憤を完全に晴らしてくれる、それはそれは夢のような製品なのである。

 でもなーんかスグに手を出すと良くなさそうな印象。なので、半年ほど我慢していたのであった。でもやっぱ欲しい!! でも我慢。でも欲しい!! いや我慢。そんなを繰り返していて、こないだ、I社のD誌のTさん、つまりインプレスのDOS/V POWER REPORT誌の谷川編集長と話をした時。

 谷川さん、AV関係およびデジタル関係およびハードウェア関係っていうか電気が通るモノから通らないモノまで全般的にすっかり詳しく、DVDレコーダーの最近の状況というのを詳細に教えてくれた。結局、今スグ買っても(使い方によっては)オッケーであること、そして今かなりイケてるのはパナソニックのDMR-E10であることがわかった。

 そして、ふぅんそうなのか、と思ってDMR-E10について調べてみたら、コレは非常に良さそう。いいかもコレ!! と思ってカタログを貰って熟読してみたら、コレはすっげぇ良さそう!! いや確実に良い!! 良過ぎ!! でも我慢!! と思ったものの、もう我慢する理由はなくなっていた。谷川さん、とてもポジティブでわかりやすくDVDレコーダーについて説明してくれたのだ。それを非常にポジティブに受け止める俺!! そんなポジティブだらけの状態で、非常にポジティブな内容で埋め尽くされたDMR-E10のカタログ片手に、ポジティブな雰囲気のLAOXに行ったら店員さんもポジティブだったので、もちろん俺はポジティブにDMR-E10を買ったのだ!! ギャーッ、カード利用残高がネガティブな数値にっ!! 谷川さんどーしてくれんですかーッ話聞いたその72時間後にブツを手に入れちゃいましたよーッ!! キャッ!! いやーん!! ウシシ!!



■よっしゃ!! キたぜキたぜキたぜ!!


松下のDVDレコーダー「DMR-E10」。標準価格25万円。まだちょっと価格は高いが、頭出し不要の一発操作をはじめ、デジタルメディアならではの魅力がイロイロと。プログレッシブ再生の画質もグー!
 結論から言うと、DMR-E10は、俺をドガーンと満足させてくださりやがった製品であった。ボタン一発で録画し放題でディスク上の数々の映像をランダムアクセスな感じで再生し放題で画質的にも十分オッケーでサウンド的にもバッチシでプログレッシブで再生した時の、くぅーっ、このすがすがしい映像!! ありがとう谷川さんグレートな製品を勧めてくれて最強にありがとう谷川さんこんどいじくらしてあげますからね谷川さんっ!!

 ところで、現在のDVDレコーダーの録画方式は2種類あって、DVD-RAMに録画する方式(パナソニック陣営)と、DVD-RWに録画する方式(パイオニア陣営)がある。双方、メディアは別物なのだが、記録フォーマットは同じで、VR規格(DVDフォーラムで策定されたビデオレコーディング規格)で録画される。が、今のところは、DVD-RAMを使ったDVDレコーダーと、DVD-RWを使ったDVDレコーダーでは、メディアの互換性がない。DVD-RAMを使うDVDレコーダーで録画したメディアをDVD-RW方式のDVDレコーダーで再生するようなこと(その逆も)はできないのだ。しかし。来年あたりには、両メディアを読めるドライブがどしどし出てくるらしく、互換性の問題も今のところだけってコトらしい。

 ホントは、双方(もしくは両方)のメディアのDVDレコーダーが出揃い、再生機も両メディア対応のものが出てきてから買うのが正解だとは思う。だがしかし!! 俺は一時でも早く夢のディスク型ビデオデッキをいじくり倒すと同時に今にもご臨終しそうな古いビデオ映像を確実に保存したいんだよアニキ!! というわけで、DMR-E10を買ったのであった。ちなみに、DMR-E10すなわちDVD-RAM方式の方を選んだ(つーかパナソニック製を選んだ)のは、松下電器さんったら速攻でこーゆーのとか出して、録画した映像をパソコン上でアレコレできるというおもしろみがあるからだ。

 で、さて、DMR-E10の機能・性能等についてはココを参照願いつつ、まずはそのグレイトな点をご紹介したい。

 DMR-E10は、DVD-RAMに映像を(MPEG2で)録画するビデオデッキであり、DVDビデオプレーヤーであり、CDプレーヤーでもある。ビデオデッキとして捉えると、DVD-RAMにMPEG2データを記録(録画)するという点以外は、比較的高級なビデオデッキと同様。地上波・衛星放送チューナーやタイマーを内蔵し、各種ノイズリダクション系機能も豊富に搭載し、基本的な接続や操作もビデオデッキ感覚で行なえる。しかしながら、ディスクに映像を録画するって点が違うことで、まずその操作性が(テープ式デッキとは)まるで違う。もの凄く快適。楽勝感抜群。

 例えば、録画は前述のように録画ボタンを押すだけ。いやまあテープ式のデッキだって録画ボタン押すだけなのだが、DMR-E10はハッと思ったらオラッと押すだけで良い。テープのように、既に録画されている映像を気にしたり、あるいは巻き戻し・送りして録画開始位置を合わせたりする必要は一切ない。デッキにメディアが入っていて、録画可能な容量が残っていれば、何も考えずビシビシと録画ボタンを押していくだけで良い。録画の開始も素早く、ボタンを押せばほぼ即次の瞬間から映像を録画できる。ちなみに、録画したシーンなり番組なりはファイルとして保存され、録画した順番に並ぶ。

 再生も楽勝で、一続きに録画した映像を1本の“番組”とすると、DVDビデオソフトのチャプターを送っていくような感覚で番組をスコスコと見ていける。早送りやスローやコマ送りなどの再生も自由自在で、このあたりはさすがビデオデッキやDVDプレーヤーを作り慣れたメーカーって感じ。

 DVDレコーダーならではの再生方法としては、録画した番組をファイル名表示的に一覧できるプログラムナビ機能がある。リモコンのプログラムナビボタンを押すと、画面上に番組一覧が表示されるのだ。これら番組(ファイル)には漢字・かな・英語などでタイトルが付けられて、録画日や録画時間も表示されるので、すげー便利。例えばドラマのライブラリ作りなんかには最適だ。

 また、プログラムナビ(ていうかDMR-E10)には、番組の編集機能もあって、番組(映像)の一部分を削除することもできる。例えば番組中のCM部分だけを削除するようなこともクイックに行なえる。ただ、番組と番組をつなげたり、番組の(リスト表示順)を入れ替えたりすることまではできない。だが、DVD-RAMドライブとDVD-MovieAlbumLEを使えば、録画した番組をパソコンでかなり細かく編集することも可能だ。

 あと、プレイリスト機能というのもあって、これを使うと、ひとつの番組(ファイル)内の好きな映像を好きな順序で再生することもできる。オリジナルの映像には手を加えず、その映像の部分部分を自由な順序で再生できるわけだ。



■画質はどーなんスか!?

DVD-H1000
松下のDVDプレーヤーのハイエンド機、DVD-H1000。標準価格30万円。映画素材そのままに24プログレッシブで記録されたDVDソフトの画質を活かす、ハイクオリティなプログレッシブ変換機能搭載。出力端子もコンポーネント映像出力のほかS映像×2系統、コンポジット映像×1系統を装備

 DMR-E10は、同社のDVD-H1000という最高級DVDプレーヤーの画質を受け継ぎつつ、パナソニックのビデオデッキの画質系性能をも内包した、かなりの高級機。なので、画質も期待できるゼってわけで、いろいろ試してみた。

 まず、地上波放送を録画しての再生。俺の環境では、地上波放送、あーんまりキレイでなく、またケーブルテレビもそーんなに良いとは言えない画質。なので、DMR-E10で録画しても、なんつーか、ハッキリした判断ができない。が、とりあえずそんな環境でも、一応、画質の印象など。


 DMR-E10の録画モードは4種類あって、4.7GBのDVD-RAM(このメディアのみ使用可能)に約60分録画できる高画質モード(XP)、約120分録画できる標準モード(SP)、約240分録画できる長時間モード(LP)、それからMPEG2の記録ビットレートをシーンに合わせて自動的に変更するフレキシブルモード(FR)がある。

 一般の地上波放送を録画してみると、高画質モードではフツーのビデオデッキと同等かそれ以上という印象。S-VHSやHi-8ほどのクッキリ感・生々しさはない印象だが、十分鑑賞に耐える画質だと思う。MPEG画像特有の量子化ノイズもほとんど気にならず、当然滑らかに画像が再生された。

 標準モードや長時間モードでは、多少、量子化ノイズが見えてくる。なだからかグラデーションがある映像や、あるいはコントラストのハッキリした映像で、ちょい気になる感じ。それと、標準モードと長時間モードとの画質を比べてみると、なーんか、そんなに変わりがない印象もあった。たぶん、これは、ヘボいソースを録画したから細かいトコまでわかんないのだろう。電波環境悪くて参考にならずスマンす。

 でも、何日か使ってみた感じとしては、DMR-E10、十分ビデオデッキの代替えになると思えた。量子化ノイズ大っ嫌い、MPEG2サイテー、DVDも却下、というほどの画質指向の人には全然オススメできない“テレビ等の録画画質”だが、一般的VHSビデオデッキに3倍録画して一度観たら消しちゃうしーって方向の人には実に便利だし、画質も十分ナイスな出DVDレコーダーだと思う。

 ところで、前述のように、このデッキには可変ビットレート録画モードのフレキシブルモードがある。例えば手持ちの映像ソースが1時間30分ぶんあって、それを1枚のディスクになるべく高いクオリティでダビングしたいなんて時には、このモードが最適!! とか思っていたのだが、非常に残念なことに、このモード、予約録画時にしか使えない。うまいこと工夫すればダビング時にこのモードを使うことができるとは思うが、現実的には、任意の時間の予約録画をなるべく高い画質で残すための録画モードなのであった。

 俺の場合、テレビ録画よりもむしろ、BSとかで録画した古い映画のテープをDVD-RAMにダビングするためにDMR-E10を使っている。で、ダビング時の画質だが、これはまずまずナイスな線。ていうか、俺の場合、古いテープの画質がちょっと良くなる感じ。まあ、このソースとなるテープの画質があんまり良くないわけだが、テープ映像のチラチラ感やガサガサ感が、ダビング後は滑らかに修正されている印象。デジタルダブル3次元回路やTBCコレクターなど、DMR-E10に搭載された各種画質向上技術による現象だと思うが、見た目の画質がちょいと上がってくれて嬉しい。ただ、映像のキタナさが減る分、映像全体がほんの少しボヤケた感じにはなる。



■プログレッシブ出力サイコーっ!!

DVD-MovieAlbumLE
DVD-MovieAlbumLE。製品情報と試用版のダウンロードはこちら

 DVD-RAMを使ったビデオデッキとして、その操作のスムーズさ、それからまずまずオッケーな画質を知り、おおよそだいたい満足していた俺だが、DMR-E10をテレビ(ソニーのWEGA/DRX7)と繋いで市販のDVDビデオ映画を観たら驚いた。すんごくキレイ。

 DMR-E10はプログレッシブ出力(525p)がある。いわゆるD端子が付いていて、そこからインターレースじゃない映像信号が出ている。なので、プログレッシブ信号を再生可能な(D端子付き)テレビと組み合わせれば、一般のテレビ&DVDビデオでの試聴よりも、キレイな映像を堪能できるハズ!! と思って試したら、予想以上の結果。

 DMR-E10に搭載された画質向上機構によるところもあるとは思うが、インターレースがプログレッシブに変わるってのはこーゆーことなのかッ!! と膝を叩いたほど、画面上に現れる映像が鮮明で、滑らかで、密度が高い。まあ、再生する映画によってはモトから画質ヘボヘボであり、それをプログレッシブ再生したらよりいっそうヘボさが目立ったというのもあるが、わりと新しめなタイトルを再生してみると、どれもが新鮮に見える。うわーこんなにキレイな映像が入っていたんですねぇこのディスクには~、と、改めて嬉しくなった。そっかー、だからAVファンはプログレッシブプログレッシブと騒いでいたのかー、納得。今後は拙者もプログレッシブですよダンナ本当にイイんですよプログレッシブはやっぱこれからはプログレッシブなんですよ、と騒いでいきたい!!

 話は変わるが、DMR-E10は、デッキの細かな設定をGUIな感じで行える。リモコンの押下可能なジョイスティックを使って、画面上のリスト表示を見つつ、非常に細かい設定が行える。で、この設定を細かく変えることで、観られる映像がかな~り変わってくる。再生するDVDタイトルに合わせて設定したりなんかすると、そうそうこういう質感・臨場感で観たかったんですよーというジャストマッチな映像を楽しめる。まあ、かなりマニアックな部分であり、こーゆー設定類めんどくせーやりたくねーという人には苦痛かもしれない(設定デフォルトでもDVDなんかは十分高画質で観られます)が、凝った設定ができるビデオとして、マニア方面の人も満足できるのではないだろうかと思う。俺はこの設定、楽しみながらハマったりしているのであった。

 それから、前述のDVD-MovieAlbumLEを使えば、DMR-E10で録画したDVD-RAMディスクを、パソコン上で扱える(再生・編集等)ようになるのだが、現在のところ、俺、4.7GBのDVD-RAMを扱えるドライブを持っていないのであった。なので、実験できないのであった。残念&スマンす。しかし、俺はDMR-E10をメインデッキとして据えた!! そしてコレを使って手持ちの“保存版ビデオ”を全部DVD-RAMにダビングすべく頑張っており、もちろん、近い将来俺は4.7GBのメディアが使えてDVD-MovieAlbumLEがサポートしているDVD-RAMドライブを買ってしまうだろう!! ていうか買う!! いやむしろ買うしか!! 愉快で痛快なビデオライブラリを作るしか!! なので、パソコン上での映像の取り扱いについては、いずれ、きっと、たぶん、もしかしたら、ご報告する。





URL
  DMR-E10製品情報
  http://www.panasonic.co.jp/dvd/normal_section/html/director_section/dmr_e10.htm
  DVD-MovieAlbumLE製品情報&試用版ダウンロード
  http://www.cnc.hi-ho.ne.jp/cnc/p_fra05.html

2000/10/23 00:00

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