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モバイル性に優れるバスフィッシング用魚群探知機「HE-57C」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


バスフィッシング用の魚群探知機

HONDEXのバス釣り用カラー魚群探知機、HE-57C本体。本体の他、震動子(トランスデューサー)、水温センサー、本体取り付け用アルミ架台、専用遮光フード、取り付け用ネジ類およびヒューズ付き電源コード(2メートル)が付属する。一式揃って4万円弱で購入できる
 非常に唐突&場違い感が強いが、今回は新型の魚群探知機についてレポートしてみたい。モノは本多電子HONDEXブランドHE-57Cである。でも一応この魚群探知機、モバイル性が高いんですよホントですよ軽いし電池で動くし屋外でも見やすい4型カラー液晶実装だし(汗)。

 ところで俺とか釣りするんですけど、主に狙う魚はブラックバスだ。ブラックバスは川や湖沼に住む魚で、好奇心旺盛ゆえ手軽に釣れて、また釣れると引きが強いわジャンプはするわのダイナミックさゆえ、ルアーフィッシングの好対象魚となっている。

 ブラックバスを釣りたい人のために発売された“バスフィッシング専用の魚群探知機”が、このHE-57C。HONDEXからは他にもバス釣り向け魚群探知機が出ているが、HE-57Cは比較的に高性能でありながらも手軽&安価な機種となった。んで、発売直後からバサー(バス釣りをする人)に大人気のご様子。実は俺も発見直後に即買いであり、実際にHE-57Cを使ってみたらかな~りナイスだったというわけだ。

 ところで、魚群探知機とは何か? 魚群探知機を略して“魚探”と呼ぶが、これは文字通り水中の魚の群れを探知する装置だ。そのシクミに関してはHONDEXのWebサイト詳説されているが、超音波で水中の様子を探る装置なんですな。


HE-57Cの表示例。水底の起伏が断面図の状態で表示される。これを手掛かりに、水中の地形を推測する 画面中央の“ヘの字の小さな青い図形”は魚だったりするケースが多い。その右斜め上の“塊のような青い表示”は小魚の群れだったりするが、ゴミだったりもする

 ただ、バス釣りの場合、海釣り等とやや違い、魚探を使って水中の魚をダイレクトに発見するってイメージではない。結論から言えば、バス釣りにおける魚探の役割は、まず水底の起伏等=深度を探ること。深度を探りつつ、水底の地形を探り、さらに水温なんかも掴む。水底の地形はどんなかナ~という疑問を解消する装置が魚探、てな感じ(ただ、今時的魚探は感度が良かったりして、水中のバスやエサとなる小魚を探すことも比較的に容易である)。で、そういう使われ方に好都合でありかつ小さなボート等でもお手軽に使えるように作られたのが、このHONDEX HE-57Cである。


魚探って、どーやって使うの?

 川や湖沼の釣りのための魚探を使うには、魚探本体、震動子(トランスデューサー)、水温センサー、それからこれらを動作させるためのバッテリーが必要になる。一般的な(バス釣りに使う)魚探の場合、ボート底部やエレクトリックモーター(電気で動いて操舵可能な電動推進プロペラだヨ)に震動子等のセンサーを取り付け、ボートに積んだ12ボルトバッテリーとかから電源を取り、魚探本体を見えやすくて操作しやすい位置にテキトーに設置する。

 要は、使うには魚探本体に加え、センサー類やバッテリー等が必要になる。が、HE-57Cの場合、魚探本体に加えて震動子と水温センサーが付属している。また単3形乾電池8本で動作するので、買っ(て取り付け)たら即使えるのだ。ついでに専用遮光フード(←コレがあると晴天下でも液晶画面が超見やすい)も付属。ちなみに、電源コードも付属しているので、12ボルトバッテリーから電源を取ってもいい。


HE-57Cの背面コネクタ部。上から、電源コネクタ、震動子コネクタ、水温センサーコネクタとなる 単3形乾電池8本でも動作する。最大10時間の駆動が可能とあるが、液晶の明るさ設定や震動子の感度設定によってはそこまで電池がもたないケースもあるようだ。でも電池駆動って手軽でイイすね

 あとですね、写真のとおりHE-57Cはカラー液晶であり、液晶サイズは4型と小さいながらも非常にクリアな表示がなされる。モノとしてはTFTカラー液晶で、表示画素数は272×480ドット。最大11色表示だが、小型魚探としてはけっこーゴージャスな色数であり、画素数も比較的に高い。
 それとですね、HE-57C、かなり軽くて小さい。本体のみの質量は約700gで、サイズは高さ170×幅178×厚み63mm。やや大きめのタックルボックス(釣具箱)に入ったりするし、何かと荷物が増えたりする(ボートでの)バス釣りには有り難い仕様である。


サイズはこんな感じ。非常にコンパクトな魚探だが、電池室があるので厚みはそれなりにある。電池ナシだと超軽く、電池込みでも容易に持ち運べる質量だ


 必要な周辺オプション品全部付きであり、かなりキレイなカラー表示であり、しかも小型軽量なので、ウッこりゃ欲しいとか思って値札見たとたん購入しちゃった俺。HE-57Cの実勢価格は36,000円~40,000円弱あたり。既にエレクトリックモーターとバッテリーを持っているバサーにとっては、ヤケに安上がりな魚探なのであった。
 てなわけで早速手持ちのエレクトリックモーター+バウデッキにHE-57Cを取り付け、釣り場に出かけた拙者であった。


カラー表示の魚探は楽しい

 実は以前からちょこちょこと魚探を使っていた俺。だが、どれも古いタイプなので、今時的魚探ってのを体験していなかった。また、今年良く行った千葉県のダム湖では一度も使ったことがなかった。ので、今時的魚探をゼヒ!! 千葉のアソコで!! と人気のリザーバーに向かった。

 しかし結論から言えばHE-57Cデビューその日はボウズ(毛が一本もない→一本もない→魚が一本も釣れない=オデコとも言う)であった(悲)。魚探使ったからと言って急に釣れるようになるってわけでもナイのであった。魚探装備してても豪雨後の濁りには勝てないのであった(←若干言い訳)。


レンタルボートにエレクトリックモーターを装着したところ。青く見えるのがエレキ取り付け用のバウデッキと呼ばれる板。エレクトリックモーターは、水中部分までシャフトが伸び、その先に操舵可能な電動推進用プロペラがある。レンタルボートを使う場合、トランスデューサーや水温計はその推進プロペラ下部に取り付けるケースが多い HE-57Cを取り付けたところ。見やすく扱いやすい位置に取り付ければよい 拙者は“RAMマウント”を使ってHE-57Cが自由な向きになるようにしてる。バウデッキの固定金具~アーム~魚探架台真下の台座部分までがRAMマウント。魚探取り付けに向く汎用のRAMマウントはだいたい6,000円前後だ

 しかし、まずは何しろ、ある程度通い慣れた湖とかの中を、魚探越しに見ると非常に楽しいですな。魚探の画面を見ると、水底のデコボコがサクッとわかる。このあたりは急に深くなっている、ここだけ突然隆起している、この辺には何か人工的な物体が沈んでいる等々、水底の表情がわかっちゃう。

 魚探ナシで釣っていた時、このあたりはどの程度深いのか? とか、ここではミョーによく釣れるとか、この辺はルアーが引っ掛かるけど……みたいな印象を得る。で、実際に魚探を使ってみると、なるほど、そういうワケかと答え合わせができたりする。

 もちろん、新たな発見も多々ある。魚探の表示をよく見ていると、リザーバー(ダム湖)の場合なら川筋の痕跡や道路跡なんかも発見できる。で、そういう観察を続けていくと、「きっとこのあたりに魚が集まっているであろー」とか「川筋の痕跡があるから水の流れも良さそう」という想像が働き、うまくすればそれが釣果に繋がるというわけだ。ってボウズだったから偉そうに言えませんが……でも濁りの多い場所では、やっぱり魚探はいろいろな意味で強い味方になる。

 それから、カラー表示の魚探を初めて使ったが、モノクロ表示より色々な意味で見やすくてイイですな。単純に、パッと見、水底の様子が非常に掴みやすい。豊富な情報量を一目で確認できる感じ。


背景色3種類、表示配色6種類のうちから任意の組み合わせを設定できる 背景色を黒、表示配色を青系にしたところ こちらは背景色を白、表示配色をグレーのグラデーション系にしてみたところ

 HE-57Cの場合、非常に輝度の高いカラー液晶なので、かなり明るい状況下でもよく見える。真夏の晴天下みたいな状況でなければ付属の遮光フードは必要ないかもしれない(が、フード付けておくとHE-57Cを裸でクルマのフロアに積んだりしても液晶面に傷が付かなくていいですな)。



 HE-57Cにはバス釣りに便利な機能が多々ある。水中の小さな浮遊物の表示を除去するクラッター機能、水底(ボトム)を色で強調表示するクリーンライン機能等々。モノクロの魚探にもある機能だったりするが、こーゆー情報を色つきで見られると、やはりパッと見ただけで理解できてラクだ。
 バサーにとって単純に便利なのは、水底の質が硬いのかそうでないのかを一目で見られるハードボトムレベル機能。水底が石や岩といった硬い質だと数値が上がり、画面下部の色表示でも示される。泥等だと数値が下がり、画面下部の表示も弱くなる。バスは硬い水底(ハードボトム)を好むので、この機能は非常に実用的だ。



誰もが気にする“魚探+エレキ”の不安要素

 HE-57Cを比較的に衝動的なフィーリングで買った俺だが、購入時、ひとつだけ不安があった。それは使用中のエレクトリックモーターが影響し、魚探が正しく働かないかも!? ということ。

 エレクトリックモーターは、通称“エレキ”であり、前述のように電気で動く推進装置なんですけど、バス釣りで使われるエレキには変速機構の違いで2タイプある。ひとつは段階的に推進速度(プロペラの回転速度)が変わるタイプ、もうひとつは無段階変速タイプ。で、俺が使用中なのは無段階変速タイプである。

 無段階変速タイプのエレキは、プロペラの回転速度を細かく調整できる。ので、例えば一定の流れや風でボートが一定速度で流されるようなシチュエーションでも、ボートを水の上に静止させることができる(実際は完全静止ってのは難しいですけども)。段階変速タイプの場合、頻繁にエレキをオンオフする必要が出たりする。というトコロで、拙者は無段階変速タイプのエレキを使っている。

 が、無段階変速タイプのエレキの場合、魚探に悪影響を与えるノイズが出たりする。プロペラの回転速度を超頻繁な電源供給のオンオフで実現しているからだそうだが、拙者愛用の無段階変速エレキがHE-57Cに悪影響与えたらどうしよう~、と不安を感じていた。

 ちなみに、エレキが発するノイズが魚探に与える悪影響は、エレキ使用中に魚探画面が正しく表示されないというもの。魚探が壊れるわけではないが、エレキ使用中に魚探画面がザラザラノイズ一色になったりして、水底の様子が全然わからなくなったりする。普通、魚探はボートを移動させながら利用するものなので、移動中に使用不能ってんじゃぁ魚探の意味がナイのである。

 で、実際に無段階変速タイプのエレキとHE-57Cを同時に使用してみたところ、俺の環境では問題が出なかった。HE-57Cの震動子と水温センサーはエレキのモーター部に取り付け、エレキもHE-57Cも同じバッテリーから電源を取っていた。また、使用中にHE-57Cの感度調整も行ったが、どの感度でも画面にノイズが出る等のトラブルは起きなかった。

 けど、もしかしたら、他の環境では問題が出たりするのかもしれない。そのあたり、ぶっちゃけた話、実際使ってみないとわかんないってわけですな。ちなみにHE-57Cと併用したエレキはモーターガイド製の無段階変速エレキであるFW54V(36インチシャフト)だ。


多少トラブったが全体的に快適なHE-57C

 HE-57C使用中、トラブルのよーなコトを体験した。てのは、特定の場所もしくは環境で、画面に縦の縞が表示されてしまい、水底の様子が正しく表示されないのである。

 結果、オートレンジ機能(水底の深さに応じて画面表示を自動的に切り替える機能)をオフにし、さらに手動で感度調整を行ったら解消された。後になってHONDEX WebサイトのFAQにある現象と同様のものだとわかったが、なんか水底の硬さや水の中の汚れによって起きたり起きなかったりするようだ。ま、魚探を使っていくとオートレンジとかオフにしがちだし、感度も手動で調整した方が手っ取り早いので、拙者にとってはさほど大きな問題ではない感じ。

 非常に細かいコトを言えば、ボタン操作時の音が消せないのが残念。非常に静かな湖とかで使うと、けっこーこの「ピッ、ピッ」というボタン音が響き、なんつーかこう、大自然の中で電子音とは何事かーッ的な違和感&恥ずかしさがあったりして。

 それ以外は特に問題ナシですな。バスフィッシング向けのカラー魚探をなるべく安く手に入れたいという人にはかなりオススメな感じ。電池で動くし、電池込みでもけっこー軽いので、あるいはフローターや手こぎボートでの利用にいいかも。最大で水深60メートくらいまで表示可能なようだが、ワカサギ釣りなんかにも流用可能!? ワカサキやったコトないんでよくわからないが、非常に安価にて手に入れられ、機能的にもけっこー本格的なHE-57C。なかなかイイ感じっス。

  本多電子HONDEX製品情報サイト
  http://www.hondex.co.jp/


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