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ナゼか皆が“ハイ”になっちゃう!?
むやみに楽しい「サイバーショット DSC-T70」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


サイバーショットのT70を買いまして

ソニー サイバーショットDSC-T70。830万画素のCCD(Super HAD CCD)を搭載した薄型・コンパクトデジカメで、笑顔を認識・自動的にシャッターを切る機能で話題。実勢価格は28,000円前後
 秋口に取材兼旅行に行くコトになった。さぁ、街歩き用のデジカメ、何を持っていこうか、と思うや否や脳内に浮かび上がったのがソニーのサイバーショットDSC-T70だったゆえ、速攻で購入!!


 DSC-T70(以下、T70)を買った理由は、も~何度も何度もテレビCMで例の機能を見ていて、使ってみたかったから──顔を認識し、笑顔になると自動的にシャッターが切れるというあの斬新な機能が気になってしょうがなかった俺である。

 それからサイズ。約90×56.4×20.7mmで、質量はバッテリー等込みで約156g。携帯電話と同等か、それ未満の重さと嵩張り方なので、旅先を歩きつつ時々スナップを撮るという感覚で使うには良さそう。また、片手で扱いつつ撮るのに快適そうなレンズバリアやタッチパネルにも魅力があった。

 あと実勢価格。8.3メガピクセルで3型(約23万画素)のタッチ液晶で気になる新機能搭載で2万円台後半で買えちゃうんですな。最近、お手軽系デジカメに手を出していなかった拙者にとっては、「え? そんなモンなの!?」という価格と感じられた。

 ともあれ、そのよーなフィーリングでT70買って、旅の道中で使ってみたら、コレが実にナイスなデジカメなのであった。てなわけで、今回はT70の使用感等々をレポートしてみたい。


ある種の成功写真生成機能と言える“スマイルシャッター”

 T70を持って出かけ、まずトライしたのが話題の新機能ことスマイルシャッターだ。撮られる人の顔をT70が自動認識し、その顔が笑ったら自動的にシャッターを切るという“笑顔しか撮らない自動撮影機能”である。

 ちなみに、この機能を持つサイバーショット、2007年11月12日現在では、T70と、その上位機種であるDSC-T200のみ。2007年11月22日発売予定のDSC-T2にも搭載されるようですな。

 さて、この機能、想像上・店頭でプチ試用上では「なるほど便利そーな機能」と思っていた。要は、仏頂面の人物スナップが撮れちまう心配が少ないこと。意図しない限り、人物写真はある程度笑顔で撮りたいものであり、笑顔を自動検知・撮影してくれるっつーのは多くの状況下で高実用性であろーと考えていた。

 スマイルシャッター機能は、T70のシーン別撮影モードのうちのひとつで、このモードにすると、連続して6枚までの“笑顔人物入り写真”を自動的に撮影してくれる。このモードでは、ユーザーの意志ではシャッター切れないってゅーかなんか、T70さんによる自動笑顔認識&自動撮影以外できないもよう。


スマイルシャッター機能は、シーン別撮影モードのひとつ、スマイルシャッターモードとして実装されている。笑顔を自動認識し、自動的にシャッターを切る機能だ スマイルシャッターモードに入っても、シャッターを全押ししないと自動撮影が始まらない。一度シャッターを全押しすれば、以降、6回連続し、笑顔認識・自動シャッター押下が行なわれる。笑顔写真は6枚取ったら自動撮影を終了する

 なお、自動撮影モードに入るためには、シャッターボタンの長押しが必要で、自動撮影モードから抜けるためにもシャッターボタンの長押しが必要となる。また、6枚の笑顔人物写真を取り終えると、自動撮影モードから抜ける。

 実際にこの能で撮ってみると、というか、T70に自動的に撮影させると、ニャるほど!! ホントに笑顔になると自動シャッターが切れる!! などとT70の動作を興味深く感じつつ、自動撮影結果が確かに笑顔写真多々となる。つまんなそーな表情をしたスナップが激減し、こりゃイイや~と感じる。

 また、顔認識精度、認識速度や追従性も低くないっつーかわりと高め&正確。顔がヤケにハイコントラストになっちゃう状況だとか、あるいは極端に強い逆光とかでなければ、しっかり機能してくれる。ただ、ヒゲ面にはちょっと弱い? 拙者顔面に対するT70の笑顔認識率がビミョーに低い気がしたりして。

 ともあれ、前述のように、スマイルシャッターモードに入れば、後はT70のレンズを相手に向けてシャッターを全押し(スマイルシャッター機能を起動)するだけ。以降、T70が笑顔を捉え、自動撮影してくれる。顔にピントや露出を自動的に合わせ、その顔が笑顔になった瞬間に撮ってくれて、T70は手ブレ補正機構等も実装されている。ので、楽しげな表情をした人物入りスナップを超ラクして撮りまくれるというわけだ。

 他社のデジカメにある顔認識機能を使って撮った時の、ある種の失敗──ちゃんと撮れてはいるけど表情が暗い、楽しくなさそう、みたいな残念感が激減する機能として、実によくできている。


ナゼか皆が“ハイ”になっちゃうT70

 このように、スマイルシャッター機能には高い実用性があるんだが、しかし!! 実用性とか利便性とかという以上に!! 実際に使っているとメチャメチャ楽しい!! 撮る側も撮られる側も、スマイルシャッター機能を使っているうちに、無闇に楽しくなってくるのだ。

 さっきまでみんな疲れた顔してたのに、T70を囲んで数分すると、誰もが笑顔に!! ナゼか不思議とハッピーな気持ちに!! なぜこのような多幸感が!? 不思議に思って説明書をじっくりよんでもスマイルシャッター機能が生み出す精神的効用に関しては一切記述がないが、声を出して笑っちゃうほどの愉快感が得られる機能なのである。

 例えばですね、ドコソコで相手にカメラを向け、スマイルシャッター機能を使う。前述のとおり、T70は相手の顔を認識するが、相手が笑顔にならないと一向にシャッターを切らない。スマイルシャッター機能を使っている場合、手動ではシャッターが切れず、カメラが笑顔を認識してくれないと、何も起きないわけだ。

 そこで「このカメラさ、笑うと自動的にシャッター切るんだよ、だから笑ってみ」などと言う。すると相手が笑みを作っ……たその瞬間カシャッ!! 相手は「えっ? な!? うわ!!」と驚いたりしつつ、再度笑ったりした途端またカシャッ!! 相手がT70のシクミを理解し、頭上に浮かんでいた「?」が「!」に変わる頃、そのヒトがまた笑顔になるや否やT70がカシャッ!!

 そしてT70上に生成された画像を見ると、当然だが、どの写真も笑顔なのだ。ていうか笑顔写真だらけ。これを見ると、わりと多くのケースでその相手が「オレにもやらせて!!」となり、今度はこちらの顔をスマイルシャッター機能で撮る。笑うとカシャッ!! も一度笑えばさらにカシャッ!! んで、たいてーの場合、その相手は「うわーオモシロい!!」と喜ぶ。

 このあたりからT70を囲む面々のテンションが急変する。理由はよくわかんないが、T70を囲む全員が、微笑んだりニヤケたり口角上げて歯を出したりして、つまり楽しんでいる顔になっちゃってるんである。しかもT70内には「この人らに一体何があったのか!?」と思えるほど、連続&多数の笑顔写真が!! それ見てさらに愉快感が増しちゃったりするんである!!


スマイルシャッター機能を使うと、このよーにT70内は笑顔写真だらけになるのダ!! サムネイル表示見てるだけでも、なんか楽しくなったりする スマイルシャッターモードでは、相手にカメラを向けていれば、笑顔の写真だけ撮れる。連続撮影は6枚までで、わりとテンポ良く自動撮影してくれるので、成功笑顔写真ゲット率も高い。写真は知る人ぞ知るカメラマンのヤナーギー氏。笑顔認識機能に興味津々であらせられた 時には微妙にオカシな笑顔も撮れちゃったりする。写真は地獄編集者アカザー氏。スマイルシャッター機能がなくても常にテンション高めであらせられる

 ただし、スマイルシャッター機能で撮れた写真が全て“良い感じの笑顔”である、というわけでもない。時には笑い切れていない笑顔とか、くしゃみが出る直前的表情っぽい笑顔とか、微妙なはにかみ顔とかになったりもする。でも全体的に和やかな顔とはなる。

 ともかく、この笑顔発生現象、アレに似ている──笑っている人々の集団が醸し出す雰囲気により、こちらも何だか楽しくなっちゃうというシチュエーションだ。全然知らない人たちだけど、ホントに楽しそうに笑ったり盛り上がったりしている様子を見ると、不思議とこちらも楽しくなったりするじゃないスか。笑顔の連鎖現象。T70には、そんな状況を作り出す力があると感じる。

 あと蛇足ですけど、T70、カメラとしてもイイんですけど、新手のコミュニケーションツールとしてスゴいんではないか、と。例えば、顔なじみでない人とかと席をご一緒した時、双方の緊張とかでやや重めの空気が流れたりしますな。そこでT70のスマイルシャッター機能を実演して見せると、被写体が笑顔を作ることになり、次の被写体も笑顔を見せ、何だかんだでヤケに場が和んだりする。

 実際に旅先にてそんな状況が何度かあったが、誰もが驚き、そして笑顔を多々見せるようになる。その笑顔、T70をしまった後にも続いたりして。こんな使い方・楽しみ方ができる笑顔生成カメラことT70。スゲぇ!! こんなデジカメ見たことナイ!! と思う拙者である。


その他雑感

 って、笑顔自動撮影機能以外は“雑感”かよ>俺!! てな感じではある。T70のスマイルシャッター機能は、それほど斬新であり価値があり楽しめるわ便利だわで最強にスゴまった機能だと思う。けど、でも、他のコトもちょいと。

 使いやすく感じられたのは、縦に下ろせるレンズバリアとタッチパネルですな。右手で持ち、レンズバリアを下げれば撮影スタンバイ。慣れると電源ボタン押下の動作よりもクイックに使い始められるのが良い。レンズバリアを上げ(閉め)れば電源オフとなるが、レンズ部をわりと強固に守ってくれる点も安心感がある。なお、レンズバリア部のスライド感は、やや硬め。片手の指で開くにはちょっと重いという印象だが、バッグやポケットの中で不意に開いてしまわないという点では良い。


レンズバリアを閉じると電源オフで、開くと電源オン。レンズバリア=デカい電源スイッチと考えると、その扱いやすさがわかる。レンズバリアを閉じた状態でも再生モードは利用できる


 T70はタッチパネルでメニュー操作等を行なう。当初、やや強めに押さないとタッチ動作を認識してくれない点が「?」だったが、その後、誤操作しないという観点からこのタッチフィールが使いやすいと感じるようになった。爪の先やスタイラスで写真を加工したり落書きを加えられたりするのも楽しい。

 メニュー表示は、所々ちょっと使いにくい気が。ページ数が多い箇所があったり(つまり何度かページ切り替えを行なわないと目的の機能が現れなかったり)、機能を示すアイコンがややわかりにくかったり。また、タッチパネル操作ということでアイコンが大きめなのは快適だが、その分、一画面に表示されるアイコン(つまりボタン)が少なかったりする。しかし、まあ、一日二日使っていれば慣れちゃいますな。


T70の液晶はタッチパネルとして使える。指先やスタイラスで直感的に操作していける ホームメニューを表示したところ。指で押しやすいように、各アイコン(タッチするためのボタン)は大きめ。若干、情報表示密度が低い!? 撮影関連のメニュー表示。アイコンサイズから、一度に表示できる項目数が少ない感じ。カテゴリ数も若干多い気がするが、ま、タッチして選べるので総じてラクですな

 使用感としては問題ナイが、タッチパネル面が微妙に柔軟っていうか硬質でないのが気になったりも。前述のようにやや強めに押さないと反応しないパネルであり、押下して反応する瞬間、液晶表示が滲む感じ。けっこー柔らかそーに見えるパネルなので、神経質な人は「壊れちゃうんじゃないの?」とストレスを感じるかも。でも特に問題ないようなのでノークレーム・ノーリターンで、みたいな。

 機能的にはあまり凝ったコトはできないデジカメで、大雑把に考えれば“押すだけで簡単に撮れるカメラ”という位置づけのT70。そういうポジションのカメラにおいて、こういった本体の小ささ・軽さ・薄さはジョリーグッドですな。ただ、本体裏面右側が狭く、指を置けるスペースが少ないので、方手撮り時のホールド感は良くないし、なんか落としそうな感じ。拙者的感覚では、十二分に小さい本体で有り難いものの、もう一回り大きいサイズでもいいように思う。


auのEXILIMケータイと並べてみた。EXILIMケータイもスリムで携帯感は良好だが、T70はそれよりもコンパクトに持ち歩けるという印象がある メモリーはメモリースティックのデュオ(PROデュオおよびPRO-HGデュオ含む)に対応するほか、31MBの内蔵メモリを保つ。電池は専用・薄型のNP-BD1を採用している 拙者の手で持つとこんな感じ。男性にとってはちょいと小さ過ぎ系のカメラかも。持ち歩くのラクでイイすけどネ

 電池も十分保ちますな。メーカー公称の標準撮影可能枚数は約270枚(CIPA規格に基づく測定方法)となっているが、観光とかして1時間に十数枚撮るようなペースで歩きつつ、ここぞとばかりスマイルシャッター機能で遊んでも、一日中余裕で保った。2日程度なら充電せずに、4日くらいなら途中で1度充電が要る、というイメージであった。

 てなわけで、お手軽簡単デジカメとして十分な機能と良好な操作感を持つT70。そしてやはりスマイルシャッター機能の凄さ。笑顔自動認識&撮影機能は、ヒッジョーに楽しく便利……というか実使用感として画期的なので、ぜひ一度体験して欲しい。拙者はこの勢いでT200買っちゃいそうですよええマジで。



URL
  サイバーショットDSC-T70
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T70/

2007/11/12 15:57

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