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小さく持ち歩けるデジタルペン「MVPen」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


小さく持ち歩けるデジタルペン「MVPen」

 今回のネタは、最近巷でちょいと話題のデジタルペン、MVPen TechnologiesのMVPen(←音が出るページなので注意)だ。MVPenは、いわゆるデジタルペンのひとつ。手書きした筆跡を保存でき、これをPC上に転送・利用できるという製品である。


MVPenは、ペンとレシーバがセットのデジタルペン。手書きの筆跡(文字や図形など)をレシーバが保存し、そのイメージをパソコンに転送・利用することができる。実勢価格は1万円前後

 MVPenは2008年4月に発売された製品だが、当時の俺はぺんてるのairpenストレージノート2.0を使用していたのでスルー。しかし、その後のMVPen、わりと評判が良いようだった。また、価格の安さも魅力的。なので購入&使い始めてみた。


MVPenはこんな姿で売られていた!! なんかAmazonとかで特価セール的にディスカウント販売されていたので、つい購入 パッケージ内容はこんな感じ──MVPen、ユニット、USBケーブル、特製キャリーケース(と書いてあるけど紙の箱っス)、各種ドキュメント、ソフトウェアCD-ROM ケータイと比べるとこんなサイズ。ペンは16g、ユニットは80gなので、胸ポケットに入れての携帯も現実的だ。使用するには、このほかに紙が要る

 非常にシンプルな構成のMVPenですな。デジタルペンとしてのシクミやメリットはairpenストレージノート2.0に近い(同じ?)。だが、MVPen一式はペンケースに入っちゃうようなサイズである。MVPen一式をバッグに忍ばせて出かけ、あとは用紙があればどこでもデジタルペンできちゃう。

 手軽で邪魔にもならないMVPenなんだが、実際の使用感もナイスであった。コストパフォーマンス的にも優れているので、以降、MVPenの機能や使用感をレポートしてみたい。


MVPenと紙でメモをデジタル化

 MVPenの使い方は非常に簡単。ユニットを紙にセットして電源を入れたら、専用ペンで書くだけ。新しいページに書くときは、ユニット上のボタンを押せば、表示されたページ数がひとつ増え、書き始められる。

 また、ユニットをPCとUSB接続すれば、付属ソフト(NoteTaker)により、書いたり描いたりした筆跡すなわちメモなどのイメージをPC上で閲覧・利用できる。なお、対応OSはWindows 2000 SP4//XP SP2/Vista。Vistaのホームプレミアム以上のバージョンだと、OS側のペンタブレット機能を使うこともできる。


MVPen利用に必要なものは、ペンとユニットとお好みの用紙のみ。用紙サイズはA4を超えなければOK ユニットを用紙に固定したら、ユニットの電源を入れ、ペンで書くだけ。新たなページに書くときは、ユニット上のボタンを押す 付属ソフトのNoteTakerを使って、ユニット上のイメージをPCに転送・利用できる

 使っていてイイ感じなのは、ユニットの小ささと手軽さ。携帯性が良く、セットした紙からもズレにくいと感じる。

 ユニット裏面には3つの極薄クリップが付いていて、1枚の紙ペラ~25枚程度の薄手メモ用紙(リーガルパッドとか)を挟める。用紙へのセット位置は上部の中央/右端/左端で、右利きの人にも左利きの人にも対応している。ただし、Vistaと連携して使う場合は用紙上部中央へのセットのみに対応。なお、ユニットが対応する用紙はA4サイズまでで、記憶容量はA4サイズで50ページ分以上となっている。

 つまり、これから書くメモはPC上に転送しようとか、仲間とデジタルデータとして共有(データをメールで送信するなど)しようという場合、サクッと紙に挟んで、すぐにメモの記録を始められるってのが実用的だ。

 ちなみに、ペンもユニットも電源が要る。ユニットは内蔵バッテリーで動作し、USBバスパワーから充電できる。ペンはボタン電池(SR41×2)で、90時間の連続使用が可能とのこと。ペンのボールペン部としては市販のボールペン・リフィル(4C互換サイズ)が使える。書き味や色を手軽に変えることも可能ってわけだ。


ユニットの裏面には3つの極薄クリップがある。3箇所は別々に可動する──用紙へユニットを装着する位置によって使い分けるが、用紙中央上部へのセットは、3つのクリップを同時に使うと固定力が増す レポートパッド系の用紙だと、用紙上部中央へのユニット固定はムリ。Windows Vista環境以外ならユニットをページ左右上端に固定できるが、拙者はVista環境なので用紙を逆さまにして使っております ユニットのボタンや液晶パネルも非常にシンプル。現在何ページ目なのか、電池残量はどうか、MVPenの動作モードが何か(PC接続時)程度の表示しかないのでわかりやすい。なお、電源オンオフもページ送りも、液晶右側のボタンで行う

 ただ、難を言えば、このペンを使う場合、ある程度の筆圧が要るということ。ペン先が本体内に押し込まれるとペンの電源が入ってユニットに軌跡を記録するシクミなので、超軽く書いたり、書いている途中で筆圧がある程度弱くなったりすると、筆跡がトレースされず、線が途切れたりする。俺の場合、失敗のないように意識して高め筆圧を維持して書いいるが、これを長時間続けるとちょっと指先や手首が疲れますな。

 また、ペン先を好みのリフィルに交換できるのは良いが、軽く書いてもキレイに書けるリフィルとかに交換しても、結局はある程度の筆圧が必要なMVPenだったりするあたりはビミョーかも。

 さて、MVPenによる筆跡トレースの正確さだが、十分実用的~人によっては驚けるといったレベル。ある程度キレイに書けば、後述の手書き文字認識(テキスト変換)もわりとシッカリ行われる。

 てなわけで、MVPenの携帯性~平易さ、それから使い勝手、さらにデジタルペンとしての実用性あたり、納得できた拙者。価格的に考えても、非常に手を出しやすいデジタルペン製品だと感じる。


コナレた作りの付属ソフト

 MVPenには2本のソフトウェアが付属する。それぞれ、MVPenの筆跡(書いたメモなどのイメージ)をPCに転送・閲覧・編集・エクスポートするためのNoteTakerと、NoteTaker上の手書き文字を認識・テキスト変換するためのMy Script Notes Lite for NoteTakerだ。

 まずNoteTakerの使い勝手だが、なかなかコナレ感の高いソフトですな。例えばユニットからのデータ転送はワンクリックでサクッと行えるし、ファイルエクスプローラ風の階層表示は直感的で理解しやすい。メモをデスクトップに付箋として表示する機能があったり、複数のデータを同時に見比べる機能(ペーパーホルダ)があったりと、小技も効いている。


NoteTakerは、MVPenからPCへデータ転送したり、そのデータを管理・編集するためのソフト。手書きメモなどを画像ブラウザ的にサムネイル表示しつつ扱える 当然、1枚表示~拡大・縮小表示にも対応する 編集も可能。新たに書き込んだり、マーカーで印を付けたり、あるいはテキストを追記することもできる

メモをデスクトップに付箋として表示することもできる。予約日時になったら付箋が表示されるお知らせ機能(予約ノート)もある 複数のメモを同時に見比べる機能(ペーパーホルダ)もある。透明度も指定できるので、狭い画面上でもわりと扱いやすい 環境設定画面では、データの自動保存時間やユニット接続時の動作を指定できる。シンプルだが、ツボを押さえた環境設定機能だ

 それからMy Script Notes Lite for NoteTaker。上記のNoteTakerで扱う手書きメモをテキスト化するソフトですな。基本的にはNoteTakerと連携使用するソフト。NoteTaker上のメモを数クリックでテキスト化でき、そのテキストをテキストやWORDドキュメント、メールなどへもっていける。


My Script Notes Lite for NoteTakerはMVPenパッケージ用の手書き文字認識ソフト。NoteTakerから直接起動でき、メモをテキスト化し、テキストファイルやリッチテキストなどに変換できる。なおこのバージョンでは図形の変換が行えないなどの機能制限がある 手書き文字認識結果。“メモ”を“化”としてしまった。しかし、全体的な認識精度はわりと高いんじゃないだろーか、と思う。殴り書きやクセ字だとナンだが、意識して読みやすいように書けばけっこーシッカリと認識してくれる 認識結果はその場で修正でき、さらに、テキストファイル、WORDファイル、メールなどにエクスポートできる。ワンクリックで既定のソフトウェアが起動・OCR結果がペーストされるので、エクスポート時のシームレス感が高い

 このソフト、日本語認識精度もわりと高いようで、使えば使ったで便利だ。が、MVPen付属のバージョンは図形変換を始めとするいくつかの機能が使えないという機能制限がある。機能制限無しのバージョンへのアップグレードは19.95ユーロで行える。

 アップグレードしよっかな~、とは思ったが、その時点ではユーロはいまよりかなり高かったし、それに俺の場合は手書き文字のテキスト化ってそーんなに必要ないし──拙者の手書きメモは、忘れないための備忘な感じで、そのメモを見て、記事や企画やそのほかアレコレをまとめなおす。メモを参照して、新たにシッカリと書く作業を始めるというスタンスである。

 てなわけで、機能制限版のままであり、たまーに使う程度のMy Script Notes Lite for NoteTakerとなっている。でも、わりと使い勝手の良いソフトだとは思う。


MVPenを、どう使っているか

 前述のように、MVPenはユニット本体が小型で、どんな紙にもわりとセットしやすいので、購入後、けっこー多用している。やはり手軽さってのは常用につながりますな。

 さておき、拙者においてMVPenを使っていて「これまでの面倒が解消された」という使い方がいくつかあるので書いてみたい。

 ひとつは、もちろん、紙のメモの電子化。ま、デジタルペン製品はソコが目的なんだが、MVPenの場合は、まぁだいたいどんな紙にでも挟めるし、携帯性が非常に高いので、「とりあえずMVPen(ユニットとペン)だけ持って出りゃどうにかなる」という気楽さが良い。用紙すらも持って出ずにでかけ、誰かに紙1枚もらってMVPenでメモってこともできるからだ。

 あと、ポンチ絵を描いての伝達。このハードウェアのこの部分がこーなってあーなったら良くね、とかいう話を口頭やテキストで伝えるより、ちょいと絵に描いて伝えるほうがスムーズな場合がある。そんなとき、サクッと描けるMVPenは手っ取り早くて便利。


MVPenをPCとUSB接続し、ノートモードで使うと、このようなウィンドウが現れる。MVPen側の(紙の上での)描画が、PC上にも現れる。描きながらのデータ転送ができるんですな 描いているところ。視線はMVPen(紙のほう)に向けて描くわけだが、描いた結果をすぐに確かめられるのが便利 描いた結果は、NoteTaker上に保存できる。ので、そのままメールで送ったり、JPEGで出力したりして、イメージを利用できる

 MVPenをPCに接続した状態だと、前述のNoteTakerを使って“PC上にダイレクトに書く”ことができる。作業としては、紙にユニットをセットしてペンで描くのだが、描画結果が逐一画面上に表示されるのだ。ま、紙に描いてから、USB接続してPCに転送してもいいのだが、作業手順がいくつか減るので、MVPenによるポンチ絵描画をけっこー気に入っている拙者である。

 それから、意外と実用的だと感じたのが、トレース目的。例えばですね、雑誌にユニットをセットしてペンでなぞって描く。すると、写真とかのハードウェアや人物が、けっこーマトモな線イラストとして得られる。直に書き込めない素材なら、コピーしたものをトレースすればいいだろう。


雑誌のページ上にユニットをセットし、ビジュアル(写真やイラスト)の輪郭をペンでなぞって描いた結果。この程度のものなら、慣れていない人でも1枚1分くらいでトレースできるだろう。著作権に触れない利用に限定すれば(!?)、絵なんて描けない~!! という人でも、にわかイラストレーターなレベルに


 イラスト描いてどーすんの? ってのもあると思うが、例えば、プレゼン資料にちょいとイラスト欲しいってときあるじゃないスか。そんなときは、MVPen使ってよさげなビジュアルをトレースしちゃって流用。

 NoteTaker上では、メモの背景色を白にもできるし、手書き線の色も選べるので、イラストの輪郭線を描くのにはけっこー向く。例えば背景色を白として、線の色をパステル系の色にとかにしてトレース。その結果をJPEGとかでエクスポートし、画像処理ソフトでチョチョッと着彩すれば、意外なほどイイ味出しがちなプレゼン資料用挿絵を始めとするオリジナル(……なのか!?)イラストを作れる。

 とまあ、ご参考になったかどうか微妙に怪しいが、どれも手軽にチョイと使えるMVPenだからヤレてるコトだと思う。単なる文字のメモ書きのデジタル化に使っても役立つが、それ以外にもさまざまな用途があると思うので、興味のある方は一度実機に触れてみると楽しいかもしんない。



URL
  「MVPen」製品情報
  http://www.mvpen.com/

2008/10/20 11:06

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