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スタパトロニクスタイトルGIF
ボタン一発高速スキャン!! 高い実用性の「ScanSnap!」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


マジで紙を排除していくゼ!!

 2001年8月27日のスタパトロニクスMobileで、D-FAX導入のコトを書いた。そのときは導入して間もない頃だったので、いくつかの懸念があった。いちばん心配だったのが、D-FAXの電話番号にFAXを送れないケースがあるかもしれないってこと。

 D-FAXは、そのFAX番号として020から始まるポケットベルの電話番号が使われている。なので、例えば企業からD-FAXに対してFAX送信をする場合、その企業の構内回線の設定によっては020で始まる番号へ発信できない=FAXが送れないこともあるとのこと。また、携帯電話やPHSも020の番号には発信できないため、FAX送信者がモバイル環境って場合にはやはりD-FAXへのFAX送信は不可能な感じ。

 しかし、実際に使っていて、そういうケースはまだ一度もない。俺にFAXを送ってくるのはパソコン関連メーカーやパソコン関連出版社だが、どこからのFAXも現在問題なく受信できている。また、モバイル環境からFAXを送られるケースも皆無??ていうかモバイルな人はよほどの理由がなければFAXじゃなくてメールですな。

 てなわけで、D-FAXは現在のところまったく問題なくすげー便利に使えており、俺はもうD-FAXをメインに使っていくことを決めたゼという意気込み。受信はD-FAXで、そしてFAX送信はメガソフトのRVS-COM 2000でパソコンからダイレクトに送信!! これで俺のFAX環境はペーパーレスなのダッ!! D-FAXとRVS-COM 2000によりFAXはメール感覚で軽快に使えるメディアに進化!! いつでもどこでもFAX環境!! こりゃマジでとても痛快!!

 ……と思っていたが、ごくごくたまーに困ることアリ。というのは、手元にある紙資料をFAX送信するのが面倒だということ。例えば何らかの伝票をFAX送信したり、チラシやパンフレットの一部を誰かに資料として送信したり。FAXの原本が紙である場合、パソコンからこれを送信するとき、その原本を一度スキャンすることになる。FAX送信のためにスキャナを使う……アレかよあのギギギーッギッギッギっていうフラットベッドスキャナ登場かよ!! と。

 じゃあいいや据え置きのFAXにその原本入れて送信ボタン押……と考えたりすると、せっかくD-FAXとRVS-COM 2000で固めた快適FAX環境がぶちこわしな感じ。だいたいFAX専用機を排除するためにD-FAXなどを導入したのだ俺は!! 環境の逆戻りは絶対イヤン!! となると、やはりスキャナを使うことになるのだろうか……。


フラットベッドスキャナを動員!!

PFU 両面カラースキャナ ScanSnap!
直販価格4万9800円。PFUの直販サイト、PFU DIRECTで発売中
 わかったよああわかったもうわかったっていうかしょうがないからわかりましたよええ、といった心情で、押入に入れてあったUSB接続のフラットベッドスキャナを動員。で、試しにチラシなどをFAX送信してみた。つまり、スキャナでチラシをスキャンし、これをRVS-COM 2000で送信。

 でまあ、なんつーんですか、D-FAXとRVS-COM 2000とフラットベッドスキャナの組み合わせは、システム的には何ら問題はない。また、スキャンできる機材があれば、チラシ等をFAXすることも、FAXなんか使わずにメールしちゃうことも楽勝。ネット時代のFAX環境としては、これはかなりイケてますよ!! ……とは思ったが、それは机上の何とやら。理屈の上での話だ。

 実際にD-FAXとRVS-COM 2000とフラットベッドスキャナで作業してみると、まず何よりも強い憤りを感じるのが、フラットベッドスキャナの邪魔さ加減。最近のスキャナは薄いし、縦置きにできる製品もあるが、でもやはり15インチ液晶ディスプレイ的デカさは、たまにしか使わない装置としては納得できないサイズ。そうそう、そうなんですよ邪魔だから押入に入れといたんですよ拙者は。

 それから、スキャンの速くなさ。今時のスキャナだからそのスキャン速度もさほど遅くはない。が、速いわけでもない。ていうか齋藤さん強いて言えばどっちです遅いの速いの? と問われたら、遅いと言えよう。たまーにちょっとパッとピッと送る紙をスキャンするために、このようにデカく遅い装置を置くのはより納得できない。

 こんなんならFAX専用機使った方が手間なくてラク……なんて思いがちなイマイチ感であったが、でもFAX専用機はもう絶対に使わないと心に決めた俺は、もう紙資料とか送信しない人間になることに決め……ちゃうと仕事上ちょいと支障が出るしなぁどうしようかなぁむむむむ~。

 ああ俺の計画はいつもこうだ、もうチョイのところでたいてい何か障壁が現れ、スムーズに進むと思われた計画にブレーキがかかるのだ。もうイヤだ。FAXなんかもうダメだ。ていうかパソコンなんかもうダメだ。ていうよりもむしろ俺はもうダメだ。ダメでダメでしょうがねえんだよアニキ!! 今後はもうFAXとは縁を切っ……いや通信回線とは縁を切っ……いや電気が通るようなウゼぇ装置類とは縁を切って自給自足の無人島生活をしようかなぁと思っていたときに発見したのが、PFUのScanSnap!であった。


小型高速両面同時読み取りスキャナ

 ScanSnap!の詳細はPFUの製品紹介ページを見て欲しいフィーリングだが、この製品、一言で言えば“カラー原稿を表裏同時に高速スキャンできる小型スキャナ”といったところ。現在のところPFUダイレクトでのネット通販で買える製品のようだが、さておき、俺はコレを発見した瞬間ぐわっと購入した。4万9800円ってことで、スキャナとしてはかな~りお高い製品だとは思ったのだが、非常に強くてしょうがねえ魅力があったので、これだ!! と決め撃ち。

 ていうかですね、その販売ページの売り文句に「む!!」と思って大誘惑された。スキャン速度が速いこと、コンパクトであること、PDFファイルの出力も可能なこと、はがきや名詞をスキャンしてOCR処理ができること。なんか俺のスキャン欲をビシビシ満たしてくれそうな製品ッと感じて思わず購入ボタン押下ってわけです。

 そして早速使用を開始したわけだが、まず最強に良かったのがそのスキャンスピード。A4の原稿を1枚スキャンするのに4秒しかかからない。しかもカラー原稿を、両面同時にスキャン。ちなみにスキャン時の解像度は通常(高速スキャン)の設定で150dpi、ファイン(スキャン速度がやや落ちる)の設定で200dpi。写真類のスキャンにはやや向かない印象のdpi値だが、紙資料を保存・流用するためにスキャンするなら十分な分解能がある。

 スキャン後の画像だが、カタログや雑誌の切り抜きなどをカラーでスキャンし、その目的を「資料として閲覧する」という程度にとどめるなら、十分高いクオリティが得られると感じた。フラットベッドスキャナでのスキャンと比べると、原本の紙質などにより、スキャン画像がザラついて見えたり、あるいは直線であるはずの線がたま~に微妙に曲がったりすることはあるが、資料として扱う画像ならほとんど問題ないと言っていいと思う。

 で、十分高い分解能で、十二分高速にスキャンできるってことだけで俺の目的の大部分は達成された感じ。ScanSnap!なら、送りたい紙資料等をFAX送信するにしてもメール添付で送るにしても、思い立ったときにすぐ使えるスムーズさがある。またフラットベッドスキャナのように邪魔にならずいつも机上に置いておける。いわばかな~り満足。加えて、実際の使用感としてさらに嬉しいプラスαが感じられた。

 ひとつは、自動給紙である点。紙質にもよるが、コピー用紙程度の厚みのものなら50枚までセットできる。実際のスキャンも非常に簡単で、ScanSnap!本体右側にあるスキャンボタン(両面スキャンと片面スキャンの2種類)を押すだけ。原稿をセットしてボタンを押せば、数十ページにおよぶ紙資料も1枚のチラシも同じ感覚で自動的にスキャンできちゃうのである。スキャンした画像データ(PDF/JPEG)は、製品に同梱のScanbox Pro Manager for ScanSnapという画像ブラウザ上ですぐ閲覧できるのだが、スキャナと画像ブラウザの連携もスムーズ。高速であって両面スキャンであって自動給紙であったボタン一発であることが、やたら高い実用性を提供してくれるのであった。


ScanSnap!のスキャン設定ダイアログ。保存ファイル形式は、PDFも選べる 名刺、はがき、A6、A5、B5、A4サイズの用紙に対応

スキャンモードはA4サイズで150dpi相当のノーマルと200dpi相当のファインから選択可能 内容・用途に応じて圧縮率も選択できる

便利なScanbox Pro Manager for ScanSnap

ScanSnap!に付属する高機能画像ブラウザのScanbox Pro Manager for ScanSnap。D-FAXなどFAX画像全般に使われるTIFF-F型式をはじめ、マルチTIFF型式やJPEGなど多くの画像型式に対応している。マルチTIFFファイルの編集も可能。使用感も上々で実用的なブラウザだ
 前述のように、ScanSnap!には専用だけどかなりの汎用性のある画像ブラウザ、Scanbox Pro Manager for ScanSnap(以下Scanbox)が同梱される。ScanSnap!でスキャンした紙類は、PDFもしくはJPEGのカタチでデータ化されるので、これらのファイルを開けるアプリケーションやブラウザがあれば、特にScanboxを使う必要はない。

 だがScanboxは前述のようにScanSnap!との連携がなかなかスムーズ。であると同時に、このソフト、D-FAXを使うにもかなり便利に使える。

 ScanSnap!で連続して画像を取り込んだ場合、設定によって各画像がバラバラに取り込めたり、あるいはひとまとめのファイルとして取り込めたりする。バラバラというのは、つまり1面のスキャンに対して1枚の画像ファイルができる(JPEGやTIFFなど)。まとめてというのは、同時に取り込んだ複数枚の面をPDFやマルチTIFFなどのページ情報を持つファイルとして取り込めるということだ。また、どう取り込んだ場合でも、後で各画像を束ねてひとつのファイルにしたり、マルチTIFF内の特定のページだけを取り出して新たにファイルとして保存することができる。スキャンした画像は、ちょうど紙資料をファイリングしたり利用するときと同様の感覚で自由に綴じたり取り出したりすることができる。

 こういったことはWindowsについているイメージング(TIFF-FやマルチTIFFにも対応した画像ブラウザ)にもできるが、Scanboxは使い勝手が非常にこなれている。Windows上で扱える多くの画像ファイル形式に対応しているので、汎用的な画像ブラウザとして使えるし、画像の回転、傾き調整、ゴミ取り、二値化など、FAX画像を扱うときに必要な機能も揃っている。高速で高機能な画像ブラウザのACDSeeもTIFF-F画像が扱える点で、D-FAXなどで受信したFAX画像閲覧などに向くが、ScanSnap!で取り込んだマルチTIFF型式を開けない(1ページ目だけの表示となる)点で、Scanboxの方が実用的だ。

 んで、結局どーなのかと言えば、ScanSnap!とD-FAXを併用する環境では、FAX用画像ブラウザとしてScanboxがヒジョーに使い物になりまくりってことだ。ちなみに拙者の画像ブラウズ環境は、ScanSnap!を導入する前まではACDSee一本だったが、ScanSnap!導入後はACDSeeとScanboxを併用するようになった。個人的に思うに、ACDSeeは総合的な画像ブラウザとしてはすげぇ快適だし便利で、ホントはこれ一本で行きたいところなのだが、FAXをデータで扱うことにおいてはScanboxの方がずっと快適なのであった。


Scanboxから1枚の画像を開くと起動するビューワ。マルチTIFFなどを扱ったり、簡単な画像処理をすることもできる。画面は取り込んだマルチTIFFファイルを表示させたところ。画面左側にはページのサムネイルが表示される Scanboxを使って複数のスキャン画像をひとつのマルチTIFF型式ファイルにまとめたものをイメージングプレビューで開いたところ。複数ページをひとつのファイルにできるので管理しやすい

写真のスキャンはどうだろう!?

ScanSnap!のファインモード(200dpi相当)でスキャンしたサービス版プリント。もとの写真よりもややコントラストが高まり、彩度が少し落ちたようなイメージになる。ぶっちゃけた話、色鮮やかさが少々欠ける。しかし高速・連続にプリントをスキャンできる利便は大きい
 ScanSnap!は、そのスキャン速度と、自動給紙という点でヤケに便利なのだが、あ!! そうなるってぇと写真の紙焼きすなわちサービス版を連続で高速スキャンするのにもイイかも!! と思って試してみた。

 その結果はと言うと、まあまあでありまずまず。取り込みサイズははがきサイズとし、ファイン(200dpi相当)でスキャンしてみたが、紙の写真をデジタル化してメールに添付してお友達にあげる的用途ならばイケるのではないだろうか。ただ、発色や階調の出具合はフラットベッドスキャナには劣る印象。素材として写真を取り込んで凝ったレタッチや合成をするには、分解能もその画質的クオリティも物足りないという感じ。

 でも、写真を連続してガガガガガッと取り込める点は非常に快適だ。また、これはユーザーの価値観や好みによることろだが、見方によっては「この手軽さでここまでのクオリティの高いスキャンができるなら満足」ってことになるケースが多いような気がする。

 要するに、フィルムスキャナをゴリゴリ使う派には全然満足できない解像力であって色再現性だと思うが、レンズ付きフィルムでテキトーに撮って何となく見て楽しむようなライトなスタンスの人ならScanSnap!はかなり実用的だしお手軽な写真用スキャナとしても役立つだろう。ついでに思うのは、デザイナーがラフ制作感覚でネタをスキャンしていじったりするのにも便利そうである。


ScanSnap!のファインモードでスキャンしたサービス版プリント 同じくサービス版をファインモードでスキャンした画像

・ 「ScanSnap!」製品情報(PFU)
  http://www.pfu.fujitsu.com/sales/snap/index.html
・ オンラインFAX受信サービス「D-FAX」サービス情報(名古屋めたりっく通信)
  http://www.d-fax.ne.jp/
・ FAXソフト「RVS-COM 2000」製品情報(メガソフト)
  http://www.megasoft.co.jp/products/rvs2000/
・ スタパ齋藤常時出演中!! 「スタパトロニクスTV」(impress TV)
  http://impress.tv/it/article/stv.htm

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「名古屋めたりっく D-FAX」


2001/09/25 10:20

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