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立体視は愉快!! デジカメ画像で立体視写真作成
「I-Oデータ PLAY3DPC」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


立体視で気分一新!!

ずばり“デジカメで立体写真つくろ。”と大書されたI-Oデータの「PLAY3DPC」パッケージ。標準価格1万8000円
 デジカメやら写真やらで遊んでいると、時として、突然いきなり落ち込むことがあると言われている。数日前までは「撮るぜ撮るぜ撮って撮って撮ってさらに撮るぜーッ!!」と鼻息荒くシャッターボタンを押していた写真野郎が、本日は、自分の写真を見て、「ああ……なんてダメでヘボで糞未満の写真なのだろう。この画像を削除するためにハードディスクのヘッドを動かすのさえもったいないほど、これはどうでもいいゴミ写真だ……ああ」などと、急に自信をなくすものだと言われている。

 そして自己嫌悪に陥って自暴自棄になってふて寝したりやけ酒したりすると言われている。だが、数日もすると「そうかわかったやっぱ俺は写真を撮るぜ撮るぜ撮(以下同文)」とか言って元通りに元気になったりすると言われている。これが、いわゆる、ひとつの障害を乗り越えたってヤツであり一皮むけたってコトであり、こーゆー経験を繰り返すとカメラとか写真のスキルが高まるのだと言われている。

 だがしかし!! ブルーだし最低だし最悪だしどん底の気分のまま、そのまま復活しないというケースもある!! こうなったら最悪だ!! なぜならば!! そのよーな状況に陥った人物は、カメラを壊すし写真を焼くし画像データを削除するわで、ちょいとおまいさんそりゃもったいないですよって感じだけどソレをやめねえほど自暴自棄になっているから最悪だ!! 最悪はダメだ!! 最悪はよろしくない!! だからぜひ最悪の状況から適宜どうにか脱していって欲しい!! ていうか脱せねえから最悪なんじゃねえかおいコラてめえ大風呂敷広げっぱなしでトンズラかよふざけんな表へ出ろといった声が聞こえてくるので、拙者の脱出方法をご紹介したい。

 その方法は実に簡単……それは!! 写真を立体視することだ!!

 立体視すなわちステレオ写真???どーでもいいしオモシロくも何ともねえ写真でも、これがステレオ写真であるってだけでアラ不思議!! 何だかとても素晴らしく価値があってオモシロくてサイコーでハラショーでブラボーな写真に見えてきますよ!! これまで2次元であって平面であって薄っぺらかった写真が、いきなり!! ああっ奥行きがある立体的だ被写体が飛び出してくるッ!! というコーフンがあるのだ、ステレオ写真には。

 てなわけで今回はステレオ写真の話。


立体視は愉快!! でも立体視用画像は面倒

パッケージには、本体、ソフトウェアCDのほか、液晶メガネが2つ、赤青メガネ、補助電源USBケーブル、説明書、印刷サンプルが同梱されている
 ステレオ写真というのは、おそらく多くの方が既に体験済みだと思われるが、例えば2枚の同じような画像を並べて平行法や交差法で見ると立体的に見えるというアレ。一時はステレオ写真(立体視用画像)ばかりを載せた写真集なんかも出てましたな。ともあれ、まだご覧になったことがない方は、サーチエンジンなどで“ステレオ写真”や“立体視”をキーワードにそのテのページを検索する前に、このページの下のほうにある立体視用画像を見たりしていただきたい。

 ところで、ステレオ写真というのは、実はカメラさえあれば誰にでも作れる。作り方はわりと簡単で、同じ被写体をほぼ同じ角度から2度撮影する。1度目と2度目の撮影のとき、カメラを横方向に平行に移動させることが肝要。距離にして6~7センチ(目ん玉の間の幅だヨ!!)が適切のようだ。あるいは、ステレオ写真を撮るための特殊なフィルターや、ステレオ写真撮影専用カメラを使えばさらに簡単に撮れる。ステレオ写真撮影用デジカメってのはないが、前述のカメラずらし撮影を行なったり、特殊なフィルターを使ったりすれば、デジカメでもステレオ写真を撮ることができる。

 でも、ステレオ写真の自作は、結局のところ手間やお金がかかるのであった。手間をなくそうとすると、もはや希少価値があるかもしれないステレオ写真撮影用カメラか、同じ画角や明るさを持ったレンズ(およびカメラ)を2台揃える必要がある。お金をかけないようにすると、前述のカメラずらし撮影を根気よく行なうことになる。ついでに、ステレオ写真専用カメラか専用特殊フィルターなどを使わない場合は、作れるステレオ写真として撮れる被写体が物理的に動きのないものに限られたりする。……そんなわけで、オリジナルのステレオ写真撮影は、かなり気合と情熱がないと手を出せない遊びなのであった。 だがしかし!! すげー手軽にステレオ写真を作れちまうキットがある。I-OデータのPLAY3DPCという製品なのだが、コレがちょいと凄い。これまでのステレオ写真のイメージを覆すほど、実によーく作られていて、非常に楽しめるところの多いパッケージなのである。なお、PLAY3DPCの詳細は、I-Oデータの製品紹介ページプレスリリースをご覧いただきたい。


立体視ならコイツに任せろ!!

3D Image Explorerのウィンドウ。フツーの画像ブラウザとしても使えるし、立体視用画像を各種メガネ用・裸眼視用の画像として表示させることもできる。選んだ画像に対してワンクリックで自動立体化を施すこともできる。立体視マニアには超便利な画像ブラウザだ
 PLAY3DPCは、ステレオ写真などを楽しむためのソフトウェアとハードウェアのパッケージだ。いきなりかつ大雑把に言えば、このパッケージがあれば、いわゆる“ステレオ写真”だとか“立体視用画像”などに関することはほとんどこなせるだろう。しかも、それらをパソコン上で行なえる。

 例えば前述の平行法・交差法を用いる裸眼立体視や、赤と青のセロファンが付いたメガネを用いる立体視、それから専用の液晶メガネを使っての立体視など、普通一般にありがちな立体視を全部ヤレちゃうのである。これまでにも素材から赤青メガネ用ステレオ写真や裸眼視用立体視画像を作るソフトウェアはあったが、PLAY3DPCのように各種の立体視スタイルを全て網羅しているパッケージはなかった。

 で、まあ、ここまでだと、「ああそうですかステレオ写真ファンのための便利パッケージなんスね」というショボい印象で終わるわけだが、PLAY3DPCにはこのパッケージ独自の凄まじい魅力がある。それは、たった1枚の画像から、立体感ありまくりの各種立体視用画像を生成できるという点である。

 立体視用画像は、2枚の写真を裸眼で見る裸眼立体視用画像も、赤青メガネで見る版ズレみたいな立体視用画像(アナグリフ)も、ドットの中から文字や絵が浮かび上がるアレ(ステレオグラム)も、スコープを使って2枚の写真を覗くステレオ写真でも、全て、左右の目の視差を利用して立体感を作り出している。

 人が感じる光景の立体感は、左の目で見た光景と、右の目で見た光景の、その微妙な見え方の差を脳味噌がどーにかこーにか処理し、遠近感を掴むことから生じる。これを逆手に取ったのがステレオ写真などの立体視用画像だ。例えば平行法裸眼視ならば、左目用の画像と右目用の画像を、それぞれ微妙に違う角度から撮影した写真を用意して左右の目でそれぞれ見る。モトの2枚の写真には最初から視差を感じさせるズレがあるので、脳味噌がそれをいつもの調子で処理し、立体感や遠近感を感じてくれるというわけだ。

 なので、立体視用画像を作るには、どーしても2枚、微妙にズレた位置から撮影した写真が必要だったのだ、これまでは。ところが、PLAY3DPCは、1枚の写真を独自のアルゴリズムで処理し、微妙にズレた位置から見たような2枚の写真を作り出してしまうのである。で、これを各種立体視方法で見ると、あらま!! 立体的ですよホントーに!! ええっどうして!? ナゼ!? コレってさっきの1枚の写真だったのに、それをモトにどうして違う角度から撮ったような2枚の写真ができちゃうの? そしてこれを立体視できちゃうの? と。かなり大したモン的なパッケージ(というかソフトウェア)なのである。


PLAY3DPCのコアはDigiCame3D Editorだ!!

DigiCame3D Editorのウィンドウ。立体視用画像として取った2枚の写真や、あるいは1枚の写真から、各種メガネ用・裸眼視用の立体視用画像を作り出せるソフト。1枚の画像から立体写真を作るときは、例えば奥行きを色の濃度(この写真では明るい緑が手前・暗い青が奥)で確認しつつ、ペイントソフト感覚で立体感をコントロールしていける。1枚の写真からステレオ写真ができちまいやがるというところは、やっぱりどー考えても驚異的だ
 PLAY3DPCには、液晶メガネ(CRT表示専用)ひとつと、赤青セロファンメガネひとつと、ソフトウェアのパッケージだ。液晶メガネなんかを使うと、非常に手軽にパソコン画面上で立体視を行なえて愉快なのだが、俺がこのパッケージの中で最も最強におもしろいと感じるのは、DigiCame3D Editorというソフトウェア。前述の“1枚の写真からステレオ写真を作り出すソフト”がコレである。

 DigiCame3D Editorはけっこー多機能なソフトで、利用方法はいろいろあるが、俺的視点で大雑把に分ければ、その使い方は2通り。ひとつは1枚の写真から自動的に立体視用画像を生成させるという使い方だ。やりかたは簡単で、何らかの画像(実際の風景や人物などの写真が好ましい)をDigiCame3D Editorで読み込み、メニューの[画像]から[自動立体化]を選ぶだけ。すると、立体視可能な画像がスグに生成される。




 ともあれ、まずは、この自動立体化の機能を使って作った立体視用画像(裸眼視平行法・交差法)をご覧頂きたい。

 使ったモト写真はありがちなフツーのスナップだが、クリック一発で、単なるフツーでおもしろくねえ1枚の写真が、ステレオ写真になってしまうあたり、俺としてはかなり衝撃的だったのだが、いかがだろうか?


【平行法での立体視の方法】
 左の写真を左目で、右の写真を右目で、それぞれ個別に見るようにする。最初は画像の後方にピントを合わせるような感覚でボンヤリと眺めると立体視を行ないやすい。

【交差法での立体視の方法】
 左の写真を右目で、右の写真を左目で、それぞれ個別に見るようにする。より目にする感じで画像を見つめ、2枚の画像が中央で交差するようにイメージすると立体視を行ないやすい。


平行法

交差法

 DigiCame3D Editorの自動立体化を使用して作成。画像内の明るいところほど手前にくるように自動調整されるので、部分的に不自然なところもある。フラッシュ光が当たった魚や手は、比較的に自然な立体感が備わった。


平行法

交差法

 DigiCame3D Editorの自動立体化を使用して作成。魚やズボンなどは自然な立体感があるが、胸に下げたペンチなど細かな部分はちぐはぐな立体感となってしまった。


手動での立体化をうまく使えばもっと遊べる

 前述、自動で立体化した写真を、今度は手動で細かい遠近感を調節しつつ立体化してみたので、それをご覧頂きたい。


平行法

交差法

 DigiCame3D Editorを使って手動で立体感を調整した。親指が魚の口に入っている感じや、あるいは小指や薬指周辺の立体感を細かく調整できる。


平行法

交差法

 DigiCame3D Editorを使って手動で立体感を調整した。手に持った魚を最も手前に、人物を中心程度に、川や草むらなどを奥に配置したら、おおむね自然な立体感が得られた。


 いかがなものだろうか。自動で立体化したときよりもずっと自然な感じの立体感が備わったと思うのだが、どうだろう。手動での立体化をうまく使えば、本来全然出っ張っていない(手前には見えない)光景を、思いっ切り手前に出っ張らせるようなこともできる。使い方次第でいろーんな立体視用画像を作りまくれるあたり、非常に遊び甲斐のあるソフトだと感じる。

 ていうかですね!! やはり最終的に思うのは、1枚の、単一方向から見ただけの画像が、ここまでビシッと立体化するってのは、やはりちょっとした事件とも言える快挙だと思うわけなんですよダンナ!! そして、PLAY3DPCでは、もちろん、裸眼立体視用画像をプリントアウトすることも可能なんですよ!! つーことは!! ステレオ写真ポストカードなんかも作成可能!! というわけで、さぁ来年の頭はきっと年賀状を出していこうっていうか是非立体写真を年賀状としてゴーインに見せていきたい!! と画策している拙者であった。

 蛇足だが、PLAY3DPCを使い、1枚の写真から立体視用画像を作った場合、細かいところまで見ていけば、立体感の多少のちぐはぐさがどうしても出てしまう。そういうちぐはぐさがないという点では、正当な作成手順(ややズレた位置から2枚の写真を撮る方法)での2枚の写真から作る立体視画像の方がずっと良く見える。ちなみに、PLAY3DPCでは、2枚の写真をモトにして立体視用画像を生成することもできるので、前述の“1枚の写真から立体視用画像生成した時のアラ”がどーしても気になってきた場合、本腰を入れて正式なステレオ写真に挑み、端から端まで破綻のないスッキリしたステレオ写真を楽しむ方向がナイスだなぁと思う。


・ I-Oデータ PLAY3DPCニュースリリース
  http://www.iodata.co.jp/products/graphics/play3dpc.htm
・ I-Oデータ PLAY3DPC製品情報(体験版ダウンロード可)
  http://www.iodata.co.jp/pr/play3dpc/
・ スタパ齋藤常時出演中!! 「スタパトロニクスTV」(impress TV)
  http://impress.tv/it/article/stv.htm

2001/10/01 09:59

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