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IP7をBluetoothでネット接続!! 「DCR-IP7」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


IP7をBluetoothでネット接続してみた!!

日本初のBluetooth対応ケータイ、au「C413S」
 世界最小・最軽量のビデオカメラでありかつ実はネットワーク機能も比較的に充実しているソニーのネットワークハンディカムIP7を手に入れ、おもしろおかしく過ごしている俺だが、さて、今回はIP7の目玉機能でもある通信機能について。

 IP7は、Bluetooth機能搭載のビデオカメラで、つまりは他の機器と通信しまくれる。のだが、ご存じのように世の中にはまだまだBluetooth機器が少なく、また、Bluetooth搭載となっていてもメーカーの違いで快適に接続できなかったりすることも少なくない。ともあれ、結局のところ、IP7とつながり、かつ、実用的な通信機能を発揮してくれるのは、今のところauのソニー製端末のC413Sくらい。C413SとIP7をワイヤレス接続し、IP7をメールやウェブが使えるネット端末として利用するというスタイルだ。

 ちなみに、IP7のネット接続機能を生かすためのBluetooth対応通信機器は、C413Sのほか、ソニーのBluetooth機能搭載モデムアダプター「BTA-NW1(メーカー価格3万3000円)」がある。けど、どうなんだろうか、ビデオカメラと通信機器をワイヤレス接続するのはナイスだが、その通信機器はモジュラージャックとケーブル接続しなくちゃイケナイって、なんだかBluetoothの良さを台無しにしているような……。

 ともかく、IP7とC413SをBluetoothで接続し、早速IP7の通信機能を体験してみることに。

 IP7とC413Sの接続は、思いのほか簡単であった。最初の設定としてIP7側に、使用可能な通信機器としてC413Sを登録する。で、この時にIP7とC413Sの両方に、C413Sの暗証番号を入力する必要があるが、その後は面倒な操作はほとんど不要となる。具体的には、C413S側をBluetoothのダイヤルアップネットワークモードとしておけば、いつでもIP7の通信機能を利用できる。また、物理的には、バッグやポケットにC413Sを入れ、IP7の通信機能を使うことができる。ケーブルで接続せずに機器の通信機能を使えるのは非常に便利であり、かつ、赤外線通信のように機器を近くに並べておく必要がない=途中にある程度の遮蔽物があってもOKってのは実に快適感が高い。


けっこー使えるネットワーク機能

Bluetoothモデムアダプタ「BTA-NW1」。標準価格3万3000円。BTA-NW1を介してダイヤルアップ接続ができる
 IP7で使えるネットワーク機能は、メールの送受信、ウェブページ閲覧、それからソニーのウェブアルバムであるImageStationの利用の3つ。

 これら通信機能を使うには、まずIP7をインターネットに接続するための設定が必要となる。つまりはダイヤルアップ接続設定。既にインターネット接続アカウントやメールアカウントがあるなら、それらをIP7に設定すればいい。また、ネットは初めてという人は、IP7からSo-netへのオンラインサインナップもできる。で、結論から言えば、それぞれのネットワーク機能自体は、けっこーイイ感じ。

 メール機能は、フツーのメールをフツーに送受信できる。画面表示もわかりやすく、機能的にも十分だと感じる。IP7のデジタルカメラ機能で撮った画像(JPEG静止画やMPEG1動画)を添付して送信するなんてこともクイックにできる。ただ、メーラとして多少の制限がある。例えば、送信できる文字数は本文は日本語で256文字までとか、添付送信できる画像ファイルは3MBまでとか。メールの受信時も本文は2000文字までで、それを超える本文は削除される(その旨のメッセージは表示される)。でも、C413Sの最大通信速度が(PacketOneを使うとして)64kbps(以下)だし、後述する文字入力や各ソフトウェアの動作の問題(!?)もあるので、この程度できればいいんじゃないでしょーかって感じだ。

 ウェブブラウザは、フレーム表示に対応し、またページを丸ごとメモリースティック上に保存できるなど、機能としては良好。通常モードの表示だと、画面が狭いのでページ全体を表示するのは無理って感じだが、縮小表示モード(インターレース表示と思われる)にすると、一般的なウェブページも見づらくはないと感じるサイズに表示される。メール機能で受信したメール本文中にURLがあれば、それを選んですぐにウェブページを表示させることもできる。

 でもまあ、常用するウェブブラウザという感じではない。どーしても今すぐそのページを見たい!! という時に役立ってくれる、というイメージの機能だ。これは、IP7のウェブブラウザが役不足ってわけではなく、前述のようにもうすぐ後述する“各ソフトウェアの動作の問題(!?)”からくるものだ。


 あと、アルバム機能=ImageStationの利用だが、使い方によってはこれも便利かもしれない。ソニーのImageStationは、既にご利用の方があるかもしれないが、パソコン上から使うアルバムページとしてはけっこー多機能だしおもしろく使える。詳しくはImageStationのページをご覧いただきたいが、IP7上からでもアルバムの作成や編集ができる。

 IP7から画像を(ImageStationに)アップロードすると、つまりは、パソコン不要で、旅先などからウェブアルバムを作れるのだが、でもそーゆーコトするかなぁ!? などと思ったりした。が、IP7をビジネスツールとして役立てる人にとっては、実用性が高いかも知れない、などとも思った。IP7で撮った現場の写真を、ImageStationに送ることでオフィスと共有する、なんてことをやると便利かもしれない。

 ともあれ、ネットワーク系の各機能はしっかり働き、使い方によってはPDAやサブノートなどの機材を減らしてくれるほどマトモに活用できる。また、C413Sとの併用も実に快適??前述のようにC413SをBluetoothのダイヤルアップネットワークモードにしておけばいつでも即通信可能なあたり、満足のいくデキだ。


文字入力がキツッ!! と思いました

「DCR-IP7」オープンプライス(店頭価格17万円前後)。写真ではサイズがわかりにくいが、少し前の小型デジカメ機ていどの大きさだ
 けっこーしっかりした通信機能を搭載したIP7だが、実用上「これは苦しい」と思える点があった。最強に苦しいのは、IP7への文字入力である。

 IP7は、本体左側上部にある“押下できる十字キー”を使って文字入力する。入力する文字の選択は、ちょうど携帯電話のキーのような感覚。画面上にいくつかのソフトウェアボタンが並び、個々のボタンには複数の文字が割り振られている。文字入力時は、まず十字キーを動かしてひとつのボタンを選び、十字キーを押下することでそのボタンに割り振られている文字を順次選び出していく、というスタイルになる。

 なーんだケータイとおんなじじゃん……という印象を受けるが、携帯電話と違って、IP7の場合は個々の文字ボタンを直接押せない。カーソルを移動させてボタンを選んで押すので、ヒジョーに手間がかかりまくりなのだ。また、押下できる十字キーは、わりと慎重に扱わないと、不意に押下してしまいがち。すると目的とは違う文字が入力されてしまう。で、その文字を消すとなると、いちいち“バックスペースボタン”のところへカーソルを合わせて押下することになる。

 俺としてはこの方式、最強に疲れるし、いやもう勘弁してくださいよ的に全然入力したいと思えないし思いたくもない面倒臭い入力方式だと感じまくった。しかし、IP7の液晶モニタがタッチパネルだったら、文字入力の効率はガラリと変わっていたと思う。タッチパネルでありかつPOBOXを搭載していたりすれば、下手な携帯電話よりもずっと効率よく文字入力できたと思う。でもそうではないのであり、入力なんかもうしねえよと思った。この文字入力スタイルでメールを書ける人は大したド根性ユーザーだと言えるし尊敬すべき人と言えるなぁとも思った。

 てなわけで、通信系機能においても、文字入力が多くなる機能は、ほとんど使えない……わけではないが、ほとんど使う気になれないのであった。ウェブブラウザやImageStation機能、それからメールの受信機能については、ほとんど文字入力を必要としない通信機能なので、わりと快適に使える。のだが、メール送信機能は……、みたいな。ウェブブラウザ上でのURL入力も……、みたいな。通信機能全般がけっこー良くできているので、この文字入力の面倒くささはヒジョーに惜しまれる。

 それから、ウェブブラウザやメーラなど、各ネットワーク機能っていうか各ソフトウェアの動作の遅さも少々気になった。パッパッパッとは表示しない。実用上問題があるほどの遅さではないが、ワンアクションごとに一瞬だけ待たされる感じ。ボタンを押してから画面で何かが起きるまで、0.5秒くらいだろうか、わずかな遅れがあるという感覚だ。これがもうちょいサクサク動くと有り難いと思う。ちなみに、この“わずかな遅れ”は、文字入力モードにおいても同様。入力しにくい&動作が遅いというインターフェイスなのであった(泣)。


 てなわけで、俺の場合、IP7のネットワーク機能は、まあまあ使うが、メールは受信のみで、ウェブブラウザは時々おもしろがって使う程度という感じ。ビデオカメラと携帯電話を持っていればメールが受信できる!! という表面的な嬉しさはあるが、ていうか携帯電話でメール見ればいいじゃ~んと言われれば返す言葉がなく、つまりはIP7の通信機能はゴージャスだし作りもイイしBluetooth対応ってことで先端的でもあるけれど、オマケっちゃぁオマケだと言えちゃうあたりがさらに(泣)である。

 でも、ビデオカメラにネットワーク機能をマジメに搭載し、搭載しただけではなくてその活用方法を提示し、活用するための機器や場までも提供するという、ソニーならではの姿勢はすげー偉いと思う。


DTVなんかもできますヨ!!

IP7用アクセサリーキット「ACCKIT-MF50」(標準価格2万7000円)に同梱されている「MovieShaker Ver 3.1 for MICROMV」
 もうひとつ、IP7のお手軽・オモシロ機能として、MPEG2動画の編集がある。これはIP7上で編集できるってことではなく、パソコン上での編集=DTVだ。

 IP7には専用のアクセサリキット(ACCKIT-MF50)があって、そのキットにはACアダプタやらケーブルやらバッテリーやらが入っている。ビデオカメラを買う時はいつも「もーアクセサリキットとか言ってバッテリーとかACアダプタとか別売すんなよ~結局コレ買わないと使えないんだから最初から本体とセットにしろや~!!」とか苛立つ俺だが、IP7用アクセサリキットにはちょいとオモシロいソフトウェアが入っていたので許す。

 そのソフトウェアは「MovieShaker Ver.3.1 for MICROMV」というもので、IP7で撮ったMPEG2動画をパソコン上で閲覧したり編集したりできるソフトだ。使い方は簡単で、まずIP7をパソコンとIEEE-1394接続し、MovieShaker Ver.3.1 for MICROMVを使ってIP7上のMPEG2動画をパソコンに転送する。動画は、撮影時の録画スタート→録画終了が1ファイルとして転送される。あらかじめテープ内に入っている動画をサムネイル表示させ、好みの動画のみをパソコンに転送することもできる。

 で、転送した動画をMovieShaker Ver.3.1 for MICROMVで編集。動画の一部を抽出して並べたり、タイトル等を付加したり、動画と動画をつなげるトランジション効果を加えたり、動画全体にエフェクトをかけたりしつつ、自由に編集することができる。複数の動画をMovieShaker Ver.3.1 for MICROMV任せで自動的にカッコ良いビデオクリップに生成するシェーカー機能なんかもあって、けっこー楽しくDTVできる。そして、出来上がった動画は、やはりIEEE-1394経由でIP7に書き出せる。

 つまりMovieShaker Ver.3.1 for MICROMVがあれば、パソコンをIP7の編集機器として手軽に活用できるわけだが、それにしてもメーカー価格2万7000円のアクセサリキットに、かなり本格的なビデオ編集ソフトが入っているのは嬉しい。久々にアクセサリキットってモノから満足感を得た拙者であった。


 ただ、このMovieShaker Ver.3.1 for MICROMV、使い方や使用パソコンによっては、かなり“重いソフトウェア”だったりもする。単純に画像と画像をつなぎ合わせるとか、タイトルを入れるとかならまあまあスムーズに動くが、トランジションなんかを多用し始めると、速度的な辛さを感じがち。1GHzクラスのPentiumマシンを使うならきっと快適だと思うが、メーカーが使用条件としているPentium III 600MHz(下限)では、ん~、かなり辛いかも。

 でもまあ、アクセサリキットを買うだけでDTVにも手を出せちゃうんだから、まあ納得しますよええ、というフィーリングの俺だ。

 そんなわけで、IP7、ビデオカメラとして超激小型で、画質もまあまあイケてて、Bluetooth対応通信端末としてもけっこー上出来で、DTVまで楽しめる。ってことで、なーんかオモシロイ装置ないかな~という鬱憤がたまっている人は一見の価値ありという製品だと言えよう。俺の場合は、その代価分楽しませてもらっているなぁと感じる。


・ ネットワークハンディカムIP7製品情報
  http://www.sony.co.jp/sd/products/Consumer/VD/DCR-IP7/
・ au C413S製品情報
  http://www.au.kddi.com/phone/cdmaone/c413/c413.html
・ ソニー、新規格「MICROMV」採用の小型ビデオカメラ(AV Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20010820/sony1.htm
・ スタパ齋藤常時出演中!! 「スタパトロニクスTV」(impress TV)
  http://impress.tv/it/article/stv.htm

2001/11/19 12:27

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