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IXY DIGITAL 200aの発色と階調的バランスの良さに驚く
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


ん~……やっぱり気になる

キヤノン EOS D60。D60野郎と化しレンズを求めてカメラ屋をハシゴする俺の視野に入ったのが、IXY DIGITAL 200aであった
 キヤノンのEOS D60でしょこれからは!! という勢いでD60野郎と化している俺は、もちろんカメラ屋を巡りまくりなのである。何しろキヤノンのレンズっつーモンに興味津々だからである。でもキヤノンのレンズを全部置いていてしかもどれでもカメラに付けさせてくれるとゆーカメラ屋はそうそうない(ていうか皆無!?)ので、カメラ屋をハシゴして手持ちのD60に装着さしてもらってるというわけで最もカメラ屋が嫌う客になりつつ……とかいう話は、この際どうでもいい。

 D60、D60、D60、D60!! というD60モード状態の俺の視野に、ポンッと入ってきたデジカメがあった。新しく発売されたキヤノンのIXY DIGITAL 200aである。発売されたってのは知っていたが、もはや定番的デジカメなのでそーんなに興味がなく、前述のようにD60モードの俺なので、ほぼ気にせずにいた。のだが、そのレンズ試させてくださいとショーウィンドウを開けてもらった時、目と鼻の先に展示してあったので一瞬触ってみた。

 デザイン的には「ちょっと良くなった感じカナ!?」程度のインパクトだったが、200aの本体を裏返してみたらいくつか気になる箇所を発見。モード切替スイッチに動画のマーク。ああそう言えば新しいIXYって音声入り動画が……。上下左右の十字配列ボタン。コレがイイらしいって言うけど……。そしてその十字配列ボタンの上の“・”入り“□”マーク。そうそうスポット速攻なんだっけなコレって……。

 ちょいとオモシロソーですなと思って電源ボタンを押すも、さすがショーケース内にデジカメを展示しているショップだ、電池なんざぁ空である。まぁいいや買う気ねーしなとレンズ物色をし、帰り際にIXY DIGITAL 200aのカタログをもらい、クルマのエンジンをかける前にザッと呼んだらむむ、む!! そうだよなソレは正解だよなそう来なくちゃ。……っていうかそこの点も非常に気になるなぁ。え!? そ、それは地味に重要なポイント!! とミョーに気になる点が多く、徐々に頭部が熱くなり、挿したキーはとりあえず抜くことにした瞬間クルマから出て店に戻ってIXY DIGITAL 200aくださいっと言いかけたもののやっぱりさっき見たマクロレンズくださいということで衝動買いを抑えた。っていうかレンズのみ衝動買いした。

 手に入れたレンズは非常に良く、あーやっぱり男はマクロだなぁ接写なんだよ拙者の場合とかいう話も、この際どうでもいい。考えれば考えるほどにIXY DIGITAL 200aはおもしろそーなのであり、手持ちのやや容量不足的なCFメモリカードを活用できそうなデジカメであり、しかもかつて買いまくったIXY DIGITAL用のバッテリーパックをそのまま流用できるし初代IXY DIGITAL用のソフトケースもそのまま使えるじゃん準備万端じゃん後押しされてるじゃん行け行けゴーゴーっポチッ、と[購入]ボタンを押下した。マクロレンズ購入の約4時間後のことであった。


あうっ!! あうあうあう!!

キヤノン「IXY DIGITAL 200a」。実売価格は5万円前後
 薔薇園の満開状態や、そこでのEOS D60の活躍ぶりや、あるいは軽量コンパクトなのに意外なほどズゴンと写る50mmマクロレンズよりも、俺に新鮮なショックを与えたのはIXY DIGITAL 200aであった。IXY DIGITAL 200aの詳細はココココで見ていただくとして、率直に言ってこのデジカメ、IXY DIGITAL(の小さい方)のシリーズとして大いなる成長を遂げていた。思うに、前のモデルよりもかなり、そして初代のモデルよりもヤケクソに、画質も性能も使用感も良くなっている。

 まず驚いたのが、その画質だ。EOS D60とIXY DIGITAL 200aをぶらさげての試し撮りから帰り、画像をパソコンに転送してサムネイルを開いて「ん。気持ちイイ色出してるゼ。さすがD60と言えよう」と思った俺。だがしかし!! ソレはIXY DIGITAL 200aによる写真だったのだ!! あうあう!! 200万画素デジカメなのに!? あうっ!!

 サムネイルの状態から画像を拡大していけば、それがIXY DIGITAL 200aによるものか、あるいはD60によるものかは、すぐにわかる。解像度が全然違うからだ。誤解とならぬよう言えば、IXY DIGITAL 200aの写真はD60みたいに高精細!! D60並みにすげぇってコトではない。D60による画像とIXY DIGITAL 200aによる画像は、それぞれ等倍まで拡大すれば解像感もクリアさも明らかに違う。撮像素子にもレンズにも大きな差があるから当然だ。

 じゃあ、何に驚いたのかと言えば、IXY DIGITAL 200aの発色と階調的バランスの良さだ。かつて俺が使った、初代IXY DIGITALやIXY DIGITAL 300では得られなかった色彩およびコントラストの美しさが、IXY DIGITAL 200aで簡単に得られてしまったのである。また、これまで使ったどの2メガピクセル機よりも、鮮明さとクリアさがある画質だとも感じた。ていうか!! タバコの箱サイズの2メガピクセルコンパクトデジカメで撮れていーのかこの画質!? という驚きがあった。

 ……でも、もしかしたら最近の俺って4~5メガピクセルの比較的に高級なデジカメばっかり使っていたから、つまり、2メガ級のコンパクト機の画質を侮りまくって偏見を持っていたのかも!? とも思って、以前に撮った初代IXY DIGITALやIXY DIGITAL 300の画像とも見比べてみた。

 のだが、初代IXYの画像と比べると、2メガピクセル機と3メガピクセル機くらいクリアさ精細さが違う。色合いも全然違う。もちろん、IXY DIGITAL 200aのほーがずっと好ましい画質に思える。画質ってのは人それぞれ好きずきではあるが、初代IXYと200aを比べた場合、非常に多くの人が200aによる画質を好むと思う。それほどに明らかな違いがある。


 IXY DIGITAL 300の画像と比べると、場合によっては300の方が良好な結果を出していることもあるが、しかし、200aの方が良好な結果を出しまくりだと感じる。例えば被写体のディテイルがどのくらい鮮明に写せるか、色の好ましさや自然さ、画質的な違和感のなさを考えると、IXY DIGITAL 200aの方がコンスタントに好結果を出していると感じる。300(の世代のIXY)と200aを比べると、人によってどちらの画質や発色が好きかは少々分かれがちだと思うが、俺の場合は断然200aの画質および発色が好きと言えよう。

 ただ、どうだろうか、評価測光がどーも俺の撮り方と相性が悪いのか、いまひとつバラつきのある露光結果となったりした。スポット測光を使っていけば問題ないのだが、やや規則性を掴みにくい評価測光!? とか思うのは俺だけだろうか?

 ともあれ、コンパクトさとかカッコ良さで語られがちなIXY DIGITALシリーズは、どちらかと言えば「スタイリッシュで小さいんだからいーの」といった感じで画質は二の次っぽいデジカメだった、と思う。のだが、IXY DIGITAL 200aで撮った写真を見れば見るほど、最新世代のIXY DIGITALは画質的な成熟度がヒッジョォ~に高いなぁと思えてならない。去年の頭あたりのデジカメ市場に、IXY DIGITAL 200aを持ち込んだら魔女狩りに遭うかもしれない。


D60で撮った写真と間違っちゃった画像。テヘヘ。発色とコントラストのバランスが大したモンだと感じた。初代IXYだと絶対撮れない画像かもしれない。スナップなら十分高画質、縮小してネットで使うなどすれば十二分にグレイトな画像を生成してくれる 従来のIXYと比べるとマクロ機能も強化(10cmから撮影可能)された。キヤノンのデジカメらしく、画像のクリアさと色のメリハリがしっかりあるので、クローズアップ撮影が愉快になること間違いなし

相変わらずの携帯性と新たな使用感

IXY DIGITAL 200aは、ボタンが増えているが、これが操作上の煩雑さにつながっていないところが良い
 俺的には撮像素子の表面に貼ってあったヘンなフィルムが1枚剥がれたんじゃねーのかと思えるほど、これまでのIXY DIGITALシリーズとは違ったジョリーグッドな画質が撮れるだけで、IXY DIGITAL 200aはオーケーであってナイスであってグレイトだと思う。IXYみたいなちいさいのが欲しぇーッとか言う人には、即座に大推奨してしまいたい勢いだ。でも一応、コンパクト機としてのフィーリングも冷静にチェック。

 サイズは相変わらずのIXY DIGITALサイズ。重量はややズシッとキて、これが高級感にもつながっているが、シャツの胸ポケットに入れるには存在感が大きすぎる重量。バッグにスコッと収めて持ち歩ける文句なしのコンパクトさはあるが、現在においては“圧倒的なポータビリティ”ってほどでもない。まあ、相変わらずのIXY DIGITALサイズということで、小さくてイイんじゃないでしょーか、と。……しかし、外見は従来のIXYとさほど変わらず、かつ、IXYの尖ったイメージがやや減少!? 少々地味な気がしなくもない。金属の質感はイイ感じだが、デザイン的におとなし過ぎ!? みたいな。

 ところで、使っていると、この“現在においてはスゲぇコンパクトってほどでもないサイズ”が、“やっぱすげぇ小さいです”と言えるようになる。というのは、ハード・ソフトのインターフェイスがよくこなれていてスムーズに使いこなせて、機能面での充実(後述)があるからだ。

 前のIXYは、コンパクト機ということで物理的なボタン類も必要最小限に抑えられていた。同時に、そーんなに多機能ではないゆえ、少ないボタンでもまずまずスムーズに使えた。一方、IXY DIGITAL 200aは、まず物理的なボタン類が多い。電気的に動作するボタンだけで12個もある。のだが、このボタン数が操作上の煩雑さにつながっていないところが良い。

 例えば十字配列ボタンは、設定時や再生時には上下左右の方向キーとなり、撮影時には頻繁に使う機能のダイレクトキーとなる。扱いやすさと理解しやすさがあるので、4つのボタンを使い分けるというような面倒さがほぼない。従来のIXYユーザーが羨ましがる操作性と言えよう。個人的には、この十字配列ボタンの中央にSETボタンがあればとは思うが、右手で十字配列ボタン、左手でSETボタンを扱うと、それはそれで十分スムーズなのでこれでもイイと言えばイイ。

 他のボタン類も好感触。特にマニュアルモードで撮影する時、まあまあ使いがちな細かな機能でも、メニューを呼び出さずにボタンでダイレクトに設定できるあたりが良い。例えば、IXY DIGITAL 200aでは最長15秒までの長時間露光撮影ができるが、この秒数設定をWBボタンおよび十字配列ボタンだけでパパッとラクに行える。コンパクトさ命!! と思えるスタイルのデジカメで、長時間露光などというマニュアル撮影指向な機能を、非常に使いやすいカタチで実装しているあたり、カメラシリーズとしての成熟を感じさせる。


できたらいいなぁ、が、できた!!

 IXY DIGITAL 200aをカッコ良くて小さいデジカメ、てなイメージ“だけ”で買うならさほど気になりもせず嬉しくもないブラッシュアップかもしれないが、コレとアレとソレもできたらさらにイイ!! と思う欲張りユーザーにとってかなり嬉しいと思える機能的洗練も多くなされた。

 例えばISO感度をISO50/100/200/400から選択できるようになったこと、スポット測光ができるようになったこと、3点AiAFの採用、ヒストグラム表示ができるようになったことなど。AFロックやAEロックが(コンパクト機としては)比較的に扱いやすいカタチで実装されていることや、細かいことだが(キヤノンデジカメに通じるあのビカビカ光って心強いけれど場合によってはすげー眩しい)AF補助光をオフにできるようになったこともある。

 オート撮影派にとってはどーでもいーじゃんそんなこまけー機能とも言えるが、マニュアル指向撮影派にとってはソレソレそれができて欲しかった!! と言える嬉しい機能アップだ。個人的にはスポット測光が使える(評価測光との切り替えもボタンで一発!!)こと、ISO感度を選べることが実に有り難い。それと、ヒストグラム表示は、やや専門的なイメージがあるが、ラチチュードや露出補正を学ぶためのひとつの指針として役立つので、入門機にもなりがちな200aで使えるのは大きなメリットだと思う。

 誰もが便利と思える機能もいくつかついて、例えばSI(Super Intelligent)センサーによる縦横自動見知。カメラを縦に構えて撮れば、撮れた写真(画像)の向きも自動的に縦になる。縦位地で撮った場合には上ふたつのAF枠を自動的に使うようになり(3点AiAF使用時)、より正確な合焦を行ってくれる。

 音声付き動画撮影もおもしろく、いや昔からこの機能があるデジカメはおもしろく使えたが、CFメモリカードが安くなった現在ではさらにお手軽に楽しめるものとなった。撮れる動画はAVI形式(MotionJPEG CODEC)で、音声はモノラル。スペック表にもあるように、最大で640×480ピクセルの動画を、8MBのCFなら約6秒記録可能。128MBのCFで96秒になる。けっこー遊べる感じ。最小で160×120ピクセルとなり、このサイズならば128MBのCFに13分近く記録できるのですげー遊べるフィーリングだ。動画の画質は、色合いを見てもスムーズさ(20fps)を見ても、遊んで楽しむには十分に良好。撮影した音声付き動画はパソコン上だと当然音付きで再生できるが、音は出ないものの本体上でも再生できる。

 ただし、連続して撮影できる動画の長さには制限があり、640×480ピクセルのモードで約4秒、320×240ピクセルで約10秒、160×120ピクセルで約30秒となっている。10秒ってのは、んー、ギリギリわかるサイズだが、4秒だと超短い一発芸くらいしか撮れないので残念。


 てなわけで、見てくれや価格などは、他一連のコンパクト機(超コンパクト機かな!?)のカテゴリに入るIXY DIGITAL 200aだが、かなり驚ける画質、それからストレスのない操作感、さらにはコンパクト機としてはかなりマニア入ってるかものマニュアル指向機能など、魅力と実力がギュッと詰め込まれた1台と言える。これから買う初めてのデジカメとしても、中級機やハイエンド機と一緒に持ち歩く“小さいだけではないサブ機”としても激イケてる製品だ。


2002/06/10 14:46

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