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究極の密閉型ヘッドフォン「ATH-A100Ti」

オーディオテクニカ「ATH-A100Ti」。オーディオテクニカの創立40周年を記念して2001年11月に発売された限定モデル
 アンプ20万、CDプレーヤー20万、スピーカー20万、トータルしめて60万なり、とかなり身分不相応なオーディオ環境を整えている私だが、所詮ボロアパート暮らしの身。細路地にポルシェよろしく、200W超の出力を持つサンスイ製のアンプを「7時」くらいのボリュームの位置で鳴らしている。リスニング専用の地下室を夢見ながら、「およよ、これじゃ愛しのJBLスタジオモニターも泣いておるぞよ」と日頃から思っていた。

 そんなわけで、なかなかテコ入れできないまま、完全に宝の持ち腐れ状態だったわけだが、先日ついぞその閉塞状態を打破した。スピーカーでの大音量リスニングを諦め、ハイエンドクラスのヘッドフォンを導入したのである。

 いろいろ比較検討したのちに選んだのは、オーディオテクニカ製の限定モデル「ATH-A100Ti」。ちまたで「密閉型最強」との噂をとるヘッドフォンだ。φ53mmの大口径ドライバー、チタンハウジング、OFC-6Nボイスコイルなど強力かつ豪勢なパーツを採用し、音圧レベル:100dB/mW、再生周波数帯域が5~30,000Hzとスペック上もまぁ、ハイエンドにふさわしいものと言える。しかしオーディオ機器はPCとは違い、個人的な感覚が大きくモノを言うので、スペックはあまり関係なかったりもする。そんなわけで、不安いっぱいで購入したのだ。

 ちなみに私はこれまで、名器の呼び声高いゼンハイザー製のHD600を使用していた。しかし坊主頭にしているせいか、いまいち頭にしっくりこない。さらに、オープンエア方式ゆえの音漏れを理由に、ネットオークションで売却してしまっていた。実をいうとHD600、日本で購入すると6万円位したりするのだが、アメリカだと260ドルとかで売ってたりする。なーんかぼったくりかも、と心証を悪くしたのも一因だ。そういう要素、音質と関係なしとはわかっているけど、なにしろ、個人的感覚が大きく影響するオーディオ、「気分悪いもんはしとうない」というわけで手放したのだ。

 そしてATH-A100Tiだが、こりゃエエッ!! 買ってよかった! と思わず快哉を叫んだ。密閉型のメリットをよく生かしきっていて、今まで全く聞こえなかった音の細部まで聞こえる。わかりやすい例で言おう。モーニング娘。の「Mr. Moonlight~愛のビッグバンド~」の歌い出しの一瞬、「スゥーッ」と息を吸うのが確かに聞こえるのだ。全然違う音楽みたいだ。アコースティックジャズなんかも、ベースの弦のきしみなんかが伝わってくる。音色としては、アタックが強く、太く濃い味。このあたりは好みが分かれる。ソースによっては「耳、痛い」なんてこともあるので。


 しかし使い始めて2週間くらい経つと細かい不満もぽろぽろ出てくる。とにかくこれ、重いんですよ。リッチな部品を使ってるから、ともう買っちゃった自分に言い訳しつつも、頭の上に乗ったA100Tiがずっしーんと来るのがどうしても気になってしまうのだ。重量は約340g。HD600は260gだからおよそ80gの差。これは結構大きい。

 全神経を音楽に傾ける真っ向勝負リスニングならともかくとして、何時間もネットしながらだらだら音楽を聴くとか、3Dゲームをしながらといった使い方は向いていない。かなり肩が凝るでしょう。

 とまぁ重いことが唯一の欠点なわけだが、オーディオと楽器の世界は、本当に上を見ればきりがない。その中にあってヘッドフォンに関しては一流のモノが3万円台から手に入る。これはうれしい。まぁSTAXとかヘッドフォン専用アンプと組み合わせることを前提とした20万円クラスの製品もあるわけだが、テレビやウォークマンなんかに指して気軽に聞ける、いわゆる普通の意味でのヘッドフォンは3万円も出せば最高級の部類のモノが手にはいるのである。これなんかに慣れると、通勤通学に使うようなポーダブルプレーヤー付属のイヤホンなんて聴いてらんなくなっちゃう。

 スピーカーでがんがん鳴らす快感はないけど、こと音の解像度といったら、圧倒的にA100Tiで聴いた方が優れている。今はスピーカーを鳴らせる時間帯でもヘッドフォンだ。

 しかし、ここまで書くと、ウチの重量級60万円システムはなんなんだろう……ということになるわけだが、それを考えるのは怖いのでこのあたりで終わりにしておこう。チューンナップする、とかいう結論になるとまたお金が、ね(笑)。


装着時。締め付けはさほど強くなく、快適だがいかんせん重い イヤホンカップの上部にあるふたつのパッドで頭をサポートする。柔らかいバネ式になっていて調整の必要はない
品名 発売元 購入価格
ATH-A100Ti audio-technica 3万3000円


・ ATH-A100Ti 製品情報
  http://www.audio-technica.co.jp/products/hp/ath-a100ti.html


(伊藤 大地)
2002/11/06 11:09

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