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「ブラウンの電卓」を使い続ける理由

手前からブラウンET66、アマダナ電子計算機、米NS社・旧型電卓
 すでに100円ショップの提供する商品が主流となりつつあるかのようにも思える電卓市場だが、ここ1~2年の間に面白い変化が起こり始めている。たとえば、リアルフリート社の提供する独自の「デザインコンシャス高価格電卓」がその1例ではあるが、ピンキリ価格振幅差(同ジャンルで一番高いモノと、一番安いモノの価格差)が大きい製品ジャンルほど、デザインの個性化や新アーキテクチャの取り込みが盛んだ。

 本日ご紹介する電卓のメーカーであるブラウン社は、電動シェーバーや電動歯ブラシなどの生活家電分野で、世界をリードするドイツの電気機器メーカーだ。現在は米ジレット社の傘下に入り、電気シェーバーをメインとし、その分野では大きなシェアを持つ多国籍企業として君臨している。

 ブラウン社の誕生は、今から80年以上前に電気機器の製造や修理を担う工場をドイツのフランクフルトに設立したことから始まる。創設者のブラウン氏は「シンプルで邪魔にならない実用的な機器」という思想に基づき、ラジオや旅行用置き時計、電卓など、多くの素晴らしい実用的なデザインの製品を発表してきている。すでに商品の多くがニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションに選定されるなど、国際的にも評価の高い普遍的な商品を多く生み出してきている。

 ブラウン社の発売した最初の電卓は、日本のオムロンによるOEM製品「ET11」だが、まもなく自社モデルのET22が発売になり、その後数多くの後継機種が発売された。中でも1981年に発表・発売された「ET55」は同社の電卓デザインの頂点にある商品として前述のMoMAにも所蔵され、世界中から同美術館を訪れる多くの来訪者に「グッドデザインとは何か?」を訴え続けている。

 ブラウン社の電卓は、人が指先で使うということを大前提に、時には鞄に入れられ携帯されるなど、机上以外の使用環境も考慮に入れてデザインされている。その結果が、移動時における液晶やキーボードのプロテクト、長時間の打鍵、どの角度からも見やすい表示部などに見られるように、総合的な使いやすさを実現している。

 使いやすさと耐久性を追求した合理的なデザインを実現したブラウン社の電卓は、デザインのためのデザインを思わせる昨今の高価格電卓と比べ、実用品としてはるかに高い価値を持つと言わざるを得ないだろう。

 飽和したマーケットにおいて、新市場の開拓のために二極分化戦術を採用し、エッジの立った市場開拓を目指すマーケティングは間違いではない。しかし、そこには単なる見栄えのデザインの変革だけではなく、新テクノロジーの採用やユーザーインターフェイス改良などのわかりやすい提案と、その説得力が同時に伴わなければならないだろう。いつかは、ブラウン社の電卓「ET-55」を超える電卓を、電卓王国の日本で作ってほしいものだ。


ET66は専用カバーが付属し、モビリティとデュラビリティを確保 奥はET66(黒)。手前はET55(白)世界で5,000台の限定モデル

製品名ブラウン社電卓ET66(黒)Type 4776(1987年発売)
ブラウン社電卓ET55(白)Type 4835(1983年発売)
価格ET55、ET66はいずれも米国でのオークションで入手可能。
現在入手可能な最新モデルでは、ETS77が1万円前後



(ゼロ・ハリ)
2005/02/04 11:04

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