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オーディオテクニカの優等生カナル型イヤフォン「ATH-CK10」

一番手前のカナル型が、本日ご紹介するオーディオテクニカ「ATH-CK10」だ
 都心のマンションに越してから大型オーディオを諦めた筆者は、最近、ほとんどのデジタル・オーディオ・プレーヤーを購入している。モバイルオーディオの大きな特徴であり難しい点は、ヘッドフォンもそれなりの小振りなサイズに納めなければならないことだ。

 それゆえ、筆者が最近購入した商品ではiPodを除き、B&O(バング&オルフセン社)のBeoSound2も、SONY社のワンセグWalkmanも、本体に最もフィットした高性能・高価格の小型のイヤフォンが標準付属している。本体とイヤフォンが一体となって音楽のハイクオリティを提案する形だ。

 国内のオーディオテクニカやパイオニア、海外ではShure社やAltec Lansing Technologies社、Bose社などが以前から高性能なイヤフォンの単体発売を行なっている。こうした製品の多くは、イヤフォンにはあまりこだわりを持っていないように思えるiPod標準添付イヤフォンのリプレースマーケット狙いなのだろう。モバイルオーディオが普及する中、再生音に対してこだわりを持つユーザーも増加傾向にあり、「高級イヤフォン」は国内でも単独の市場を形成しつつある。

 今回は、ヘッドフォンの世界でも歴史と伝統のあるオーディオテクニカ社が12月14日にリリースする、同社イヤフォン製品のハイエンドに位置する「ATH-CK10」を発売前に借用できたので、ご紹介しようと思う。

 ATH-CK10も昨今流行のカナル型イヤフォンで、耳殻(耳の外側)にケーブルを巻き付けて先端部分を耳栓のように耳の中に挿入する方式だ。何枚かのCDを使って実際の再生音を聴いてみたので、その印象と特徴を主観的にご紹介したい。再生は主にiPod Touchを使用し、B&O社のBeoSound2を一部使用した。比較対象のイヤフォンとしては、筆者の愛用するShure E500PTH(約6万円)を使用した。

 今回、試聴に使用したCD曲は、「How Long」、「Busy Being Fabulous」(イーグルス)、「冬がはじまるよ」(Every Little Thing)、「オーロラ」(川井郁子)、「Last Christmas」(ワム)、「Power of Love」(セリーヌ・ディオン)、「Hustler」(Crusaders)、「嫌んなった」(憂歌団)、「DIFFERENT WORLD」(アイアン・メイデン)の9曲だ。


外観サイズは比較的小振りだ。ケーブルは柔らかで、R&Lケーブルの分岐部分もソフトで小さく、耳への装着、取扱いや収納が極めて容易だ SHUREのイヤフォンなどに比べると、非常にコンパクトなソフトシェルケースは、ケーブルのフレキシブルさとあいまって扱いやすく、収納も楽だ

 全般的に、ATH-CK10は歯切れの良い高域に特徴のあるクリアな音質だ。アコースティック系の音楽は極めて繊細に再生し、低域パワー感の比較的少ないELTの演奏等は強烈なリアリティを感じる。オーロラでもバイオリンの導入部が繊細でハッとするくらいだった。ライブ版である「嫌んなった」では、ドラムのワイアブラシの動きが見えるようだった。

 一方、イーグルスの新しい2枚組アルバム(スタジオ録音)やHustler(Live)は、勢いのあるパワー感やライブ感が少し不足気味に感じてしまう。また、年末の定番ナンバー「Last Christmas」では、使用するイヤフォンによって、まるで違う曲のように聴くことができることがわかった。ATH-CK10はあくまで繊細で、Shure E500PTHはもっと力強い。

 ヘビーメタル系のアイアンメイデンになると、もうこれはShure E500PTHの独壇場だ。バスドラムがひとつ前に飛び出し、スティックでライドシンバルのトップを叩くカンカンカンカンという重い音は圧倒的なパワーを感じる。そつなく綺麗に再生はしているが、ATH-CK10にはこのクレージーなパワー感が無く「よい子のヘビメタ」になってしまう。

 オーディオテクニカ社の「ATH-CK10」は、あくまでCDに収録された原音再生に忠実で、輝く様なきらびやかな高域と安定した中低域の再生能力、分解能力に優れた優等生イヤフォンだ。筆者的にはアコースティック系のJ-POPSやイージーリスニングなクラシックには最適だと思えた。

 一方のSHURE E500PTHは、圧倒的なパワー感と独特の音創りで骨太の再生音、そして何より楽器の一種と思えるほど、再生音楽によって当たり外れが生じる個性的な製品だ。

 ATH-CK10とSHURE E500PTHは実売価格で2倍以上の開きがあり、競合製品として並べて比較する必要はないかもしれないが、あえて両者の印象の違いを表現してみると、和のバランス感覚を備えたオーディオテクニカ「ATH-CK10」、それに対して、期待以上のパワーを時に見せつけるアメリカンな「Shure E500PTH」という感じだろうか。

 iPodに入れた音楽をよりハイクオリティで楽しむことが目的で、ひとつでオールジャンルの音楽を聴くためのイヤフォンを求めるユーザーには、オーディオテクニカ社のATH-CK10をお薦めしたい。100%とまではいかないが、8~9割がたのジャンルに適合し、価格性能比において非常に優れた、買って後悔の少ない製品だろう。

商品名 標準価格
ATH-CK10 37,800円



URL
  オーディオテクニカのハイエンドイヤフォン「ATH-CK10」製品情報
  http://www.audio-technica.co.jp/products/hp/ath-ck10.html
  「ATH-CK10」予約受付ページ(Amazon.co.jp)
  http://www.amazon.co.jp/dp/B000ZHU0H6/


(ゼロ・ハリ)
2007/12/06 11:06

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