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“いつでも、どこでも、なんでも”。
ウィルコム「どこでもWi-Fi」

「iPod Touch + どこでもWi-Fi」=「iPhone+α」の公式が成り立つかどうかは使い方しだいだが、これでiPodユーザーもどこでも無料サービス中の産経新聞が読めるようになる
 昔、勤務先だった企業が関わった米国スターバックスのWi-Fiホットスポット環境をいち早く日本でも実現しようと、秋葉原のカレー屋さんを日本で初めての無料ホットスポットにしたことがある。当時、新聞に大きく取り上げられた記事は各方面に影響を与え、カレー屋さんに負けてはマズイと、某航空会社や某都市ホテルからも依頼を受け、幾つかの無料のホットスポットを構築した。

 当時は、まだまだセキュリティ感覚も弱く、無料で、SSIDの設定だけで使えるフリーホットスポットが国内に多数存在した。現在は、専用のプロバイダーの提供するWi-Fiホットスポットや、複数企業のホットスポットを臨機応変に活用するには、WEP/WPA設定やSSID登録を利用する組織やプロバイダーの数だけ管理しなければならない。

 無線LANに関する知識が多少あれば設定は難しくないし、知識に自信がなければ専用設定ユーティリティにお任せでも何とかなるが、面倒であることは変わりはない。米国ではT-Mobile社とウェイポート社の2社でほとんどのWi-Fiワールドを牛耳っているためこの2社の設定を済ませてしまえばいいのだが、Wi-Fi接続事業者が群雄割拠する日本ではそう簡単ではない。

 ウィルコム社の発売した「どこでもWi-Fi」は、LAN側には標準化された接続の切り口としてのWi-Fi規格を活用しながら、実際のWAN側ネットワークはPHS網を使用する画期的な商品だ。言い換えれば、Wi-Fiを標準サポートしている多くのクライアント機器が、「どこでもWi-Fi」までのローカル接続をWi-Fi無線で実現し、インターネットへの接続をPHS回線を利用して行うゲートウェイ機器だ。

 WAN(PHS網)への接続ダイアルアップを「どこでもWi-Fi」が肩代わりしてくれるので、クライアント機器に必要なのは、常時接続をい実現するWi-Fi機能だけとなる。その為、特別なダイアルアッププログラムやドライバーの類を各クライアントが導入する必要がない。


「どこでもWi-Fi」はWi-Fi機能搭載のすべてのアプライアンスをPHS WAN接続を可能にするゲートウェイユニットだ 本体とエネループ充電池4本、専用充電器、ACアダプタ、ウィルコムSIMが同梱されて出荷される

 Wi-Fiさえサポートされていれば、モバイルPCからゲーム機、モバイルオーディオ機器、デジタルカメラ迄、何でも接続してデータの送受信が可能だ。同様の製品に、eMobile社のHSDPAを活用するコベンティブ社製の「covia」という製品がある。しかし、使用するHSDPAが高速通信のためか、バッテリーでの駆動ができない。”どこでも”とは言っても基本的にAC電源の確保が絶対条件になってしまう。

 筆者の手元にあるcoviaは実測で重量184g、方や「どこでもWi-Fi」はエネループ充電池4本込みでも257g(実測)だった。その差、73g。スピードと駆動時間とモビリティ、人類がITのモバイル世界に関わりだしてから何年も悩み続けているいつもの問題だ。

 「covia」と「どこでもWi-Fi」の両方を持っている筆者だが、このところ、出番は「どこでもWi-Fi」が圧倒的だ。使用目的が明確でないと、”AC電源必須”はかなり融通が効かないことだとわかってくる。「どこでもWi-Fi」にWi-Fi機能の搭載されたモバイルPCやゲーム機器、ディジタルオーディオ機器を接続するのは極めて簡単だ。

 ニンテンドーDSやSCE社のPSPは、AOSS機能の恩恵であっという間に接続が確立できてしまう。iPod TouchもWi-Fi機能さえONにすれば、近くにある「どこでもWi-Fi」を自動的に発見するので、「どこでもWi-Fi」本体内部に書かれているSSIDとペアになったWEPキーをiPod Touch側で入力すれば接続手順は全て完了だ。


「どこでもWi-Fi」(左)と「covia」(右) coviaはリトラクタブルなACプラグが付いている。他社製にはHSDPAをサポートできるバッテリー駆動機器も登場しているが、実機が手元に無く連続駆動時間の実測はしていない 約260gの「どこでもWi-Fi」なら、ベルトループ付き専用革ケースを作って、ベルトに通してウォーキング・インターネットも可能だ

今後、どこでもWi-Fiが単体販売されれば、ウィルコムユーザーならSIMを簡単に取り外して「どこでもWi-Fi」にも利用できるはずだ 設定と起動は極めて簡単。電源を入れて、インディケータの4つがすべてグリーンに点灯すれば通信可能状態を示す。DSやPSP等のAOSS対応機器にはAOSSボタンを押して簡単設定をできる

 どちらかと言えば、「どこでもWi-Fi」はモバイルPCを接続してフルブラウザの機能を堪能する商品ではなく、モバイルPCを接続しても、データの小さいテキストメールの受発信を迅速に行うとか、iPhoneに差を付けられたiPod Touchユーザーが、「どこでもWi-Fi」を一緒に持ち歩くことによって、ネット接続ができなかったロケーションでも快適にiPhoneと同様の環境を実現させるためのものと考えるべきだろう。

 きわめつけはPSPやDS等のゲーム機器だ。「どこでもWi-Fi」なら、大阪駅のホームのベンチで環状線を待っている中学生の太郎君が、ドイツのライン川河畔のホテルに泊まっているオーストリア人のアレクサンダー君と対戦ゲームをする――そんなことがいとも簡単に実現できてしてしまうのだ。

 昔も今も、“テクノロジーとはさみは使いよう”なのだ。「どこでもWi-Fi」は、「新つなぎ放題」へ加入すれば、初回だけは頭金として4800円かかるが、あとは毎月1980円で、Wi-Fiクライアントからならインターネット使い放題。考えようによっては、これはかなりお得な「いつでも、どこでも、なんでもWi-Fi」なのだ。


あっという間に設定の終了した筆者のPSPで早速インターネットアクセス iPod Touchは、自動検索で見つけた「どこでもWi-Fi」に「どこでもWi-Fi」本体の中に書かれているWEPキーを入力するだけで設定は終了する

商品名 製造 販売
どこでもWi-Fi(型番:WS024BF) バッファロー ウィルコム



URL
  どこでもWiFi製品情報(ウィルコム)
  http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/ws/024bf/index.html


(ゼロ・ハリ)
2009/03/05 10:59

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