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クオーツにその座を奪われた悲運の腕時計!

フードを通して見えるグリーンの基盤が古めかしいがクールだ
 筆者は、多くの安物腕時計を数え切れないほど集めるのが趣味だが、時々、蘊蓄話に惹かれて高い買い物をする悪癖もある。オメガ社の「スピードマスター」はその典型的な例だ。ある時NASAのオフィシャルグッズに3種の神器があると聞いた。その1は、その昔、アポロで月面に立った初の人類が月の石を地球まで持ち帰るために使用したゼロのアタッシュケース。その2は、エンジントラブルの不運に見舞われたアポロ13号を無事地球に生還させる糸口となった、軌道修正のエンジン噴射のタイミングを読みとるのに使用したオメガの「スピードマスター・クロノグラフ」。そして最後が、すべての各スペースシャトルに10台以上搭載されているIBMのモバイルPC「ThinkPad」だ。

 当時、筆者が持っていなかったのは、2番目のオメガ社の時計だけだった。こだわりと蘊蓄のある友人に聞くと、「スピードマスターなら手巻きだ」と言われ、なぜ手巻きが一番高いのかと疑問を抱きつつも気が付いたときには、スピードマスターを腕にしていた。

 腕時計の世界にも人生と同じく、光もあれば陰もあるようで、オメガの栄光の陰にひっそりとその生涯を終えた腕時計のあることを知ったのはそれからしばらくしてからだった。その後、テレビの番組でクオーツ腕時計を世に出した人達の光り輝く物語が放映され、その陰でも同じ腕時計が登場していたのだった。

 ブローバ・アキュトロンは米ブローバ社が1960年に発表した電子音叉式時計で、音叉の共鳴による振動を360個の歯を持つ車に伝えて時計の針を動かす仕組みだ。機械式よりもずっと高い振動を歯車に伝え、秒針は滑るようにスムーズに動く。1カ月の誤差が1分前後という、当時の機械式時計よりはるかに高い精度で一時期注目を浴びたが、1970年にセイコーが年に数秒の誤差しかないクオーツを発表するとともに消えていったという。

 こうなればもうこの腕時計を探して手に入れることしか筆者の頭にはなく、幸いにも某オークションで売られていた「ブローバ・アキュトロン」を手に入れることができた。

 1秒間に360回振動する音叉時計はクオーツのクールな響きとは反対に耳を近づけると常時キーンという音を発しながら時を刻む。既に35年近く経った腕時計とは思えず、我が家のいつも狂っている自称電波時計よりははるかに正確で、誤差は1日に10秒もない。側面に竜頭がなく、時刻修正は背面のピンを起こして行なうらしいが、筆者はまだその必要がなく経験していない。


竜頭は裏側にあり、ハンドルを立てると調整軸が内部に飛び出す仕組み

品名 価格
米ブローバ社
アキュトロン音叉腕時計
状態によるが、オークションや骨董屋で4~15万円くらい



(ゼロ・ハリ)
2001/12/06 11:53

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