ケータイWatch　本日の一品

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「双眼鏡付デジタルカメラ」か「デジタルカメラ機能付双眼鏡」か!?

デジカメではなく、明らかに「双眼鏡」スタイル

双眼鏡なので左右の眼の距離を調整できるように本体は左右にスライド引き出し可能

　発売前から高画素とコンパクトさだけを目指す普通のデジカメに飽きた趣味人の間で評判だった「ペンタックス」旭光学工業の「DIGIBINO」（DB100）を秋葉原でインパルス・バイイングしてしまった。日本でも屈指の光学機器メーカーである同社は、双眼鏡の世界では、歴史も古くその市場シェアは国内一で、技術の優秀さは定評のあるところだ。

　DIGIBINOは電源を入れることなく倍率７倍の双眼鏡として単体機能し、双眼鏡のピント合わせを行なう中央のピントリングに有効画素数80万画素の「プログレッシブスキャンCCD」、単焦点の７倍望遠レンズ、そして双眼鏡と連動する「マニュアルフォーカス機能」を搭載。実質的には「三眼鏡」なのだ。

　デジカメの電源を投入した状態では、双眼鏡を両目で覗きながら、ピント合わせを行ない、ほぼ自分の両目で見たままの画像がデジカメで撮影できる。プログレッシブスキャンCCDは手ぶれにも強く、1/8000秒の高速シャッターや秒５コマの高速連写を活用し、遠方で飛び立つ鳥や、かなりのスピードで移動する自動車等の撮影も、われわれ素人にも簡単にできる。また最近では珍しく、どこでも入手可能な単３アルカリ乾電池２本で動作する点も評価したい。今後の海外旅行には必須のアイテムになりそうだ。

　双眼鏡で遠景をズームアップして撮影するという観点から、画素数は80万画素と最近のデジタルカメラとしては低い方だが、通常のデジカメとは用途を切り分けて購入すれば、解像度は大きく問題になることはないだろう。出荷時はノーマルモードに設定されているが、ファインモードを選択することで、約100枚のXGA解像度クラスの画像を内蔵メモリ（16MB）に収録することが可能だ。使用目的や画素数を考慮した場合、あえて拡張のメモリースロットを搭載せずに、内蔵メモリだけで低価格にまとめたのは正解だろう。

　取り外しできない内蔵記録メディアを採用しているので、パソコンへのデータ転送は本体添付の専用USBケーブルを使用することになる。Windows 2000やXPを使用しているユーザーならDIGIBINOをケーブルで接続した初回のみ、自動的にデバイスドライバが導入され、パソコンからは単なる「リムーバブル・ディスク」として認識される。単に撮影した画像ファイルをパソコン側に取り込むだけであれば、目的のファイルのドラッグアンドドロップで簡単にパソコン側のハードディスクに保管できる。自分の使い慣れたレタッチソフトがまだ決まっていないユーザーならDIGIBINO本体に同梱されている「ACDSee」を活用すれば良いだろう。「ACDSee」は、仲間内でも、快適で気持ちの良い、評判のレタッチソフトだ。

　DIGIBINOを「マイ購買フォーカス商品」と考えているユーザーが最も注意しなければならないことは、DIGIBINOは「双眼鏡付デジタルカメラ」ではなく、「デジタルカメラ機能付双眼鏡」である点だ。ごく一般的なデジカメにも搭載されている接写機能や、数十センチの距離でも撮影できる機能はサポートされていない。最も近距離の撮影でも、最低２メートルは離れた被写体でなければピントのあった撮影ができない。

　本来、双眼鏡とは遠くのモノを手に取るように見るモノ。目的が合致すれば、久方ぶりのデジカメ業界の「面白グッズ」なのだ！


引き起こし型の1.6インチ液晶は、遠景のズームを確認したり、プレイバックで有効に使用できる	世界中どこでも買える単３アルカリ乾電池採用に拍手

品名	発売元	実売価格
デジタルカメラ機能付双眼鏡「DIGIBINO」	旭光学工業	４万円前後

・旭光学工業株式会社
　 http://www.pentax.co.jp/japan/index.html

（ゼロ・ハリ）
2002/06/10 11:04

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