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おとなのおもちゃタイトルGIF
ケーブルとソフトが不要なソリッドオーディオプレーヤー
クリエイティブ「NOMAD MuVo」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 コンパクトなソリッドオーディオプレーヤーには色々な種類のものがある。どのプレーヤーも、気軽に音楽を持ち歩くことができるので、既に購入して使っている人も多いんじゃないだろうか。今回紹介するのはクリエイティブ「NOMAD MuVo」。ソリッドオーディオプレーヤーでありながらUSBストレージとしても使えるという面白いプレーヤーなのだ。


ケーブル、なくしたことありませんか?

 ふと回りを見渡してみると、パソコンとUSBで接続をする機器は意外と多い。プリンタやマウス、ハードディスクといったいわゆるパソコンの周辺機器を初めとして、デジタルカメラ、PDA、ソリッドオーディオプレーヤーなどパソコンとデータをやり取りできるもののほとんどはUSBを利用していると言ってもよいだろう。

 プリンタやハードディスク、マウスのように「常に」パソコンに接続されているものは、いつも繋がっている故に、あたりまえだが、使おうと思ったときにすぐに使える。ところが、デジタルカメラやPDA、ソリッドオーディオプレーヤーといった、データを転送したいときだけパソコンに繋ぐ必要のある機器をUSBでパソコンにつなごうと思ったとき、ケーブルがどこにあるかわからなくて探しまくってしまった、という経験をしたことはないだろうか。

 USBでパソコンに接続する機器の多くは、本体を購入したときにUSBケーブルが同梱されている。たいていの機種は、その機種専用のUSBケーブルを使わなければいけないので、他のケーブルを使いまわすことはできない。そうした機種を購入するたびにUSBケーブルもどんどん増殖し、イザ使いたくてもどのケーブルかわからない、とか、ケーブルが行方不明で使いたいときに使えないという状況が発生してしまうということになりがちなわけだ。

 さて、前置きが長くなってしまったがNOMAD MuVoならば、使いたいときにUSBケーブルが見つからないとか、どのケーブルを使ってパソコンに繋いでいいのかわからないといった状況には決してならない。なぜならば、NOMAD MuVoをパソコンに接続するときには、ケーブルが不必要だからなのだ。まさに、不精な人にピッタリのソリッドオーディオプレーヤーだといえる。

 MuVoのサイズは、手のひらにすっぽり収まる程度。非常にコンパクトなソリッドオーディオプレーヤー。本体は、電池ケースとプレーヤーユニットが切り離せるようになっていて、プレーヤーとしての機能は、プレーヤーユニットに集約されている。このプレーヤーユニットには、USBコネクタが付いていて、プレーヤーユニットを電池ケースから取り外して、パソコンのUSBポートにケーブルなしで直接接続することができるというわけだ。つまり、パソコンに接続するときに、USBケーブルは必要ないわけだから、ケーブルを探す必要もなくすこともないのである。

 プレーヤーユニット本体は、USBマスストレージクラスに対応しているため、Windows XPなどのパソコンを使っていれば、USBポートに差すだけで外付けのハードディスクなどと同じように外部メディアとして認識される(Windows 98/98SEで利用するときは、同梱のドライバのインストールが必要)。つまり、USBストレージとしても利用できるのである。


音楽データの転送には専用ソフトは不要

 ところで、この手のソリッドオーディオプレーヤーを使うときに乗り越えなければいけないのがソフトの壁。多くのソリッドオーディオプレーヤーには専用の転送ソフトが付属していて、そのソフトを使ってパソコンの音楽データをプレーヤーに転送するという仕組みになっている。つまり、ケーブルとソフトのインストールが必要。ケーブルを紛失してもプレーヤーは使えなくなるし、ソフトのCD-ROMをなくしてもやっぱりプレーヤーが使えなくなってしまうのである。

 NOMAD MuVoには、転送ソフトは付属していない。この点も大きなメリットの一つ。パソコンのUSBポートにNOMAD MuVoのプレーヤーユニットを接続したら、エクスプローラを使って音楽ファイルをコピーするだけで、音楽ファイルの準備は完了。あとは、NOMAD MuVoのプレーヤーユニットを電池ケースに取り付ければ、いつでも音楽を楽しむことができるというわけだ。日頃、転送ソフト、ケーブル必須のソリッドオーディオプレーヤーを使っているからなのか、このイージーさには快感を感じてしまう。

 なお、対応している音楽フォーマットはMP3形式とWMA(Windows Media Audio)形式。また、MoVoのプレーヤーユニットでは、フォルダに格納されたファイルは再生できないので、再生したい音楽データはすべてルートにコピーする必要がある。ただ、CDオーディオをリッピングしたり、MP3やWMAのファイルを用意するソフトは付属していないため、音楽データは自分で用意する必要がある。

 ちなみに、プレーヤーのメモリは64MBのものと128MBのもの両方が用意されている。あとでメモリを追加することはできないため、128MBのモデルを選ぶのが賢明だといえるだろう。


プレーヤーは非常に簡素な作り

 MoVoのプレーヤーユニットは、親指程度の大きさしかないため、非常に簡素な作りになっている。曲名などの情報が表示される液晶ディスプレイも装備されてはいない。また、イコライザーなどの機能もない。プレーヤーをコントロールするためのボタンは再生/一時停止、曲送り、曲戻し、音量の調整、それとリピートボタンのみ。プレイリストを作って再生するといった複雑なことはできないが、トラックリピートとAB間リピートの2つの再生モードを装備。それぞれトラックリピートは1曲だけを繰り返し再生する機能、AB間リピートは選択した2つのポイントを繰り返し再生する機能。すべての曲を繰り返し再生するオールリピートの機能がないのが残念だ。まあ、このあたりはコンパクト&気軽さと機能のどちらを取るのかによるだろう。多機能な再生をしたいとか、曲情報の表示は絶対に必要だ!という人は、MuVoではなくほかのソリッドオーディオプレーヤーをチョイスした方が良いだろう。

 なお、バッテリは単4アルカリ乾電池を使用。単4アルカリ乾電池をセットした電池ケースに、プレーヤーユニットをセットすることで、音楽の再生ができる。ちなみに、連続再生時間はカタログスペックでは約12時間。これくらいの連続再生ができれば十分だろう。


面白い使い方を実験してみました

太陽工房「バイオレッタソーラーギア」とUSBパワーアダプタ
 ところで、NOMAD MuVoのプレーヤーをコントロールするボタンや再生のためのハード、メモリなどはすべてプレーヤーユニットに含まれている。電池ケースは単4アルカリ乾電池から、プレーヤーユニットに電力を供給するためだけにあるのだ。つまり、USB経由でプレーヤーユニットに電力を供給することができれば、NOMAD MuVoの電池ケースなしで音楽を再生できるということになる。

 そこで、ふと思いついたのが、先日この連載で紹介した太陽工房のバイオレッタソーラーギアとNOMAD MuVoのプレーヤーユニットを組み合わせた使い方。バイオレッタソーラーギアとUSBパワーアダプタがあれば、太陽光線を使ってUSB機器に電力を供給できる。つまり、バイオレッタソーラーギアとNOMAD MuVoのプレーヤーユニットを接続すれば、電源供給なし、太陽光線だけで音楽を再生できるということになる。おまけにNOMAD MuVoのプレーヤー本体は非常にコンパクトで、バイオレッタソーラーギアにつけても違和感はまったくなし。実現できれば、地球にやさしい音楽再生環境のできあがりだ。

 実際にためしてみると、NOMAD MuVoのプレーヤーユニットはなんの問題もなく音楽を再生してくれた。この組み合わせで使うと、たとえ電池が入手できない環境だったとしても、いつでも音楽を聴くことができる。無人島に漂着したとしても、雪山で遭難したとしても、電池がなくたって太陽光線さえあればいつでも音楽と一緒で、とりあえずは幸せかもしれないというわけだ。ああ、なんてエコロジー。

 ただ、こうした使い方は、もちろんメーカー保証外の使い方であり、プレーヤーユニットが破損する危険性がまったくないとはいえない。実際に試すときはAt Your Own Riskでやって欲しい。

■ 評価(最高点は★5つ)

イバリ度 ★★  これは、持っててイバるということではなく、使い方をイバるアイテムの一つだといえるでしょう。ソリッドオーディオプレーヤーとしても使えるし、USBメモリとしても使えるのが便利です。
実用性 ★★★  ソリッドオーディオプレーヤーとしての機能が、他社の液晶付きソリッドオーディオプレーヤーに比べるとやや劣るところが気になるところです。ただ、それさえ我慢できれば十分に実用的。なにより気軽に使えるのが大きなメリット。
お値段 ★★★  ソリッドオーディオプレーヤーとしても使えるし、USBメモリとしても使える点を考慮すれば、比較的安いといえるでしょう。
価格 1万4800円(実売)  飽きてもUSBメモリとして使えるので、予想利用時間は3年くらいとしました。とにかくイージー。Windows XPパソコンとMP3やWMAなどの音楽データが用意できれば、とても簡単に音楽を携帯できます。また、ストレージとして使えるのも大きなメリットの1つ。容量は128MBあるので、それなりの大きさのファイルでも、NOMAD MuVoさえあればパソコン間のデータのやり取りも可能です。一粒で二度美味しいといったところでしょうか。
予想利用期間 3年くらい
1日あたり単価 13.5円


・ クリエイティブ プレスリリース NOMAD Muvo
  http://japan.creative.com/company/press/2002/020904-muvo128.asp


(広野忠敏)
2002/09/25 12:07

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