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おとなのおもちゃタイトルGIF
意外と楽しいSDLink「SDデジカメ」「液晶付フォトプリンター」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 SDカードといえば、東芝、松下、SanDiskが共同で開発した、ソニーのメモリースティックと双璧をなす、将来有望なメモリカードのことである。ちなみに、SDカードやメモリースティックには、メモリーだけでなく、BluetoothなどのI/O機能を持つものが近い将来リリースされる。しかし、メモリカードを通して多数の機器が情報を共有できるという現状でも、面白い機器を面白く組み合わせればかなり楽しく遊ぶこともできるのだ。今回は松下の「デジタルカメラ PV-DC3000J」と「液晶付デジタルフォトプリンター NV-AP1」をお借りすることができたので、それらを紹介しよう。


繋がれば楽しい。

フォトプリンター NV-AP1とデジタルカメラ PV-DC3000J。NV-AP1はプリンタ内蔵だけあって、重さ約2.4kgと重め
 繋がれば楽しいのは、わりとどんなことでもそうである。たとえば、パソコンに周辺機器を接続すれば、パソコンに新しい機能を追加できる。DVDなどの映像プレイヤーを映像ディスプレイに接続すれば、ソフトを楽しむことができる。松下の「SD Linkコンセプト」は、SDカードに入った映像や音楽などの情報を、多数の機器間で流用というか共有することができるというもの。たとえば、パソコンで音楽をSDカードにコピーして、携帯用プレイヤーで楽しむ。出先で携帯電話を使ってSDカードに音楽をダウンロードして、自宅に帰ってパソコンで再生。あるいはデジカメで撮影した写真を液晶テレビで表示などなど、インターフェースが統一されていることでさまざまな利用方法が考えられるのだ。

 なかでもバツグンに使っていて面白いのは、今回紹介するデジカメPV-DC3000Jと、フォトプリンターNV-AP1の組み合わせなのである。どういう風に面白いのかは後ほど書くとして、まずは、SDカードついて簡単に説明しよう。


しばしば「切手サイズ」と称されるSDカード。10円玉と比較してもこのサイズ
 SDカードは元々MMC(マルチメディアカード)から派生したメモリカードのことである。冒頭にも書いたとおり、SanDisk、松下、東芝が共同開発したものだ。最近128MBの容量のものも店頭に並び始めたが、近い将来はそれ以上の容量を持つSDカードがリリースされる予定となっている。さらに、SDカードの規格にはI/Oが含まれているのも面白いところだ。将来的にはBluetoothモジュールなどのSDカードも登場する。

 と、ここまで書くと「要するにソニーのメモリースティックと同じなのね」と思われるかもしれない。たしかにコンセプトとしては、ほとんど同じところを目指している(大きさなどは違うけど)。ということは、規格が統一できればユーザのメリットは計り知れない。が、実際には外部メモリの規格統一とかってされたことはあまりないので、期待するだけムダなのかもしれない。

 結局のところ、SDカードが使える製品にも面白い製品は存在するし、メモリースティック製品にも面白いものはある。いかに面白く使えるかってことを考えれば、インターフェイスなんてどっちでもいいのかもしれない。SDカードが好きな人はSDカード製品を買えばいいし、メモリースティックが好きならばメモリースティック製品にすればいいだけだからだ。要するに松下、東芝党の人はSDカード、ソニー党の人はメモリースティックにしておけば間違いはないというわけである。


なにがそんなに面白いのか

 例によって、デジカメ PV-DC3000Jのスペックの詳しいところはこちらを見ていただければわかる。コンパクトなサイズで、画素数は334万画素、記録メディアにはSDメモリーカードとマルチメディアカードが使えるデジカメだ。

 別段イバり度もそこそこといった普通のデジカメではある。ただ、USBでパソコンに繋いだときに、デジカメのボタンを押すだけでパソコンのディスクに撮影した写真を転送し、自動的にMAPI対応のメールソフト(Outlook/Netscape Messenger/Eudoraなど)を起動して、写真を自動リサイズ後にメールに添付してくれる機能が面白い。OutlookなどのMAPIメーラユーザで画像をメールに添付する機会が多いなら、それだけでもデジカメ PV-DC3000Jは買いだろう。だって、ホント簡単なんだよね。ちなみに、640×480とか320×240に自動的にリサイズしてくれる機能もついているので、メールサイズも比較的安心なのだ。

 そして、極めつけに面白いのがフォトプリンター NV-AP1の方なのである。スペックはここを見ていただくとして、まずは簡単に特徴を説明したい。


右側面の2つのカードスロット(PCカードとSDカード)を使って、データのコピーもできる
 「液晶付デジタルフォトプリンター NV-AP1」というネーミングからは、液晶ディスプレイが付いているフォトプリンターであることが容易に想像できるだろう。ちなみに、入力ソースはSDカードだけではなく、マルチメディアカードにも対応。さらには、PCカードインターフェイスを備えているために、PCカードメモリや、アダプタを使えばCFカードやスマートメディアのデータもプリントできる。おまけに、コンポジットビデオ入力も装備されているため、ビデオで撮影した画像もプリントできる。とまあ、入力ソースがなんでもアリなのが面白いポイントの1つ。

 基本的な操作は、4インチの液晶に表示されるメニューに従ってボタンを押すだけなのでとても簡単。たとえば、SDカードやPCカードのときは、液晶画面にカード内の画像がサムネール表示される。プリントしたい画像を選んでプリントボタンを押せば、フォトクオリティのプリントが出力される。プリント速度も結構速くて快適。

 プリンターとしては、410dpiの昇華型エンジンを搭載し、最大2500万画素(6144×4096ドット)までの画像に対応しているため、高画質の画像ファイルがあれば、かなり美しい印刷をすることができる。プリント形式はフチなし、ハガキ印刷などはもちろん、プリクラ風シールだって作れる。簡単なレタッチも可能で、トリミングしたり、内蔵されているスタンプやフレームを合成してプリントでき、カレンダー付き印刷や年賀状の裏面も作れるというまさに至れり尽せりなのである。ちなみにこうした操作も、わかりやすいインターフェイスで構成されているので、使い方も簡単。たとえば、デジカメ PV-DC3000Jで連写したゴルフかなんかのフォームをフォトプリンターで最大16分割のマルチプリントで1枚のプリントとして印刷し、フォームを研究するなんていうかなり実用的な使い方が、非常に簡単にできるのだ。

 ところで、フォトプリンター NV-AP1の最も面白い部分。それは、デジタルフォトフレーム、つまり写真立てとして使えることだ。NV-AP1で写真を印刷するときは、本体右に用紙カートリッジを装着し、本体左の用紙ガイドを立てる。しかしこのカートリッジを外し、用紙ガイドをたたんで正面からみると、ただの小さなディスプレイのようなスタイルになるのである。

 液晶には任意の画像ファイルを表示することができるので、つまりはこれをデジタル写真立てとして使うこともできるのである。さらには、メモリカードに含まれている指定した画像を順番に表示するスライドショー機能もあるので、ハイテクな写真立てやプリンターとして色々と楽しく使うことが可能なのだ。要するにフォトプリンター NV-AP1はデジタル写真立てとフォトプリンターのハイブリッド製品なのである。やっぱり、ハイブリッドっていいなあ。


■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 ★★★★  フォトプリンター NV-AP1はかなりイバり度が高い製品です。デジカメ PV-DC3000Jはとりあえずは押さえておきたいアイテムってことですね。
実用性 ★★★  まあ、実用的。デジカメで撮影した写真をいつも飾っておきたいという人には、かなり実用的なアイテムでしょう。
お値段 ★★★  フォトプリンター NV-AP1はかなり高いです。ただし、高いなりの実用性を備えているのであえて★は3つにしました。デジカメPV-DC3000Jは、比較的こなれた価格帯ですね。
実売価格 5万5000円
(PV-DC3000J)
6万5000円
(NV-AP1)
合計:12万円
 いつもはデジタル写真立てとして使えるし、イザとなったらプリントもできるなんて、なんて素晴らしい製品なんでしょう。今回は、お借りして使い倒した製品でのレビューですが、いきなり欲しくなりました。デジタル写真立てとプリンターのハイブリッドな点も惹かれてしまう理由ですが、なんといっても入力可能なインターフェイスが多いのがとてもよい点です。まぁ、キホンはSDカードってことなんでしょうけどね。欲しいけど物欲予算がなあ。
利用期間 365日くらい
1日あたり単価 329円


・ NV-AP1の製品情報
  http://www.panasonic.co.jp/avc/video/print/NV-AP1.htm
・ PV-DC3000Jの製品情報
  http://www.mke.panasonic.co.jp/ipalm/index.html
・ SDカード関連製品のページ
  http://www.panasonic.co.jp/sd/


(広野忠敏)
2001/05/30 00:00

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