山根康宏の「言っチャイナよ」

原神スマホやライカカメラのハイスペックモデルが登場

 世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2024年2月に発表・発売された5Gスマートフォンは5機種。内訳はシャオミ 1機種、vivo 1機種、ファーウェイ 1機種、その他2機種。

 旧正月明けということもあり今月の新製品の数も少なかった。ファーウェイは縦折りモデルの新機種を投入。シャオミはグローバル発表に先駆け中国国内でライカカメラ搭載のフラッグシップ「Xiaomi 14 Ultra」を発表している。またOnePlusは人気ゲーム「原神」コラボモデルを発表した。

縦折りデザインのスタイリッシュなモデル、ファーウェイ「Pocket 2」

 縦折り式モデルでも高い人気を誇るファーウェイの最新もでる「Pocket 2」は、クワッドカメラに4520mAhの大容量バッテリーを搭載しより性能を高めた。外ディスプレイは引き続き円形の小型だがサイズをわずかに大型化している。なお外部メモリカードはファーウェイ独自規格のNMカードが使えるが、Pocket 2発売に合わせるように512GBの大容量モデルが登場し、利用可能となっている。チップセットは非公開だが5Gに対応している。

項目内容
発表日2024年2月22日
価格7999元(約16万8000円)から
チップセット非公開
ディスプレイ6.94インチ2690 x 1136ピクセル、120Hz。アウトディスプレイ1.15インチ 340 x 340ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1200万超広角+800万3倍望遠+200万スペクトル測定
インカメラ画素数1070万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、12GB+1TB、16GB+1TB
バッテリー4520mAh、66W充電(有線)、40W充電(有線)
5G NR対応バンド非公開
サイズ170 x 75.5 x 7.25mm。87.8 x 75.5 x 15.3mm(折りたたみ時)。202g

ライカとコラボ、可変絞り搭載、デジカメ風キットもあるシャオミ「Xiaomi 14 Ultra」

 ライカカメラを搭載するシャオミのフラッグシップモデルが「Xiaomi 14 Ultra」だ。すでに「Xiaomi14」は2023年10月に発表されているが、シリーズ最上位モデルとなるXiaomi 14 Ultraは背面のカメラバンプを円形としてカメラらしいデザインとした。5000万画素カメラを4つ搭載し、メインカメラは物理的な絞り羽根を内蔵しf/1.63からf/4.0まで無段階で絞りを調節できる。グリップにバッテリーを内蔵したデジカメ風デザインになる「Photography Kit」は67mmのフィルターも装着可能だ。本体にはチタンモデルもある。なおグローバルモデルとはバッテリー容量など一部性能が異なっている。

項目内容
発表日2024年2月22日
価格6499元(約13万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ6.73インチ3200 x 1440ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+5000万3.2倍望遠+5000万5倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5300mAh、90W充電(有線)、80W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n28a(UL703MHz - 733MHz / DL758MHz 788MHz) / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n79
サイズ161.4 x 75.3 x 9.2mm。224g(黒、白)、229.5g(セラミック)、229.6g(チタン)

低価格ながら120Wの超急速充電に対応するvivo「Y100t」

 vivoが2023年から投入している新エントリーモデル「Y100シリーズ」の中で異色の機能を持つ製品が「Y100t」である。カメラは実質6400万画素のシングル仕様だが、チップセットはミドルレンジのMediatek Dimensity 8200を搭載し、120Wの超高速充電に対応。充電時間は公開されていないものの、30分程度で満充電が可能だろう。

項目内容
発表日2024年2月25日
価格1499元(約3万1000円)から
チップセットMediatek Dimensity 8200
ディスプレイ6.64インチ2388 x 1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数6400万広角+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー5000mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164.58 x 75.8 x 8.79mm。200g

ゲームとコラボした「OnePlus Ace3 原神刻晴特別版」

 2024年1月に発売されたOnePlus「Ace 3」のキャラクターコラボモデルが「OnePlus Ace3 原神刻晴特別版」。ゲーム「原神」のキャラクター「刻晴」をフィーチャーしたモデルで、本体には専用の壁紙などのテーマ、刻晴の声のアラームなどがプリインストールされている。また付属品にはアクリルスタンドや缶バッジなどもある本格的なもので、パッケージはそれらを飾るディスプレイ台にもなる。なおOnePlus Ace 3はグローバルでは「OnePlus 12R」として販売されており、同じく原神刻晴モデルが登場。中国国内では過去に原神モデルは数機種が登場したが、グローバルは刻晴モデルが初となる。

項目内容
発表日2024年2月28日
価格3399元(約7万1000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 2
ディスプレイ6.78インチ 2780 x 1264ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5500mAh、100W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.3 x 75.3 x 8.8mm。207g

AIに注力したスマホ「Meizu 21 PRO」

 Meizuは2024年2月にAIデバイスへ注力すると発表。Meizu 21 PROはその公約通りAI機能をフルに搭載したスマートフォンである。MeizuのスマートフォンOS「Flyme」上にFlyme AIを内蔵し、AIアシスタント「Aicy」がユーザーの質問に的確に回答する。また縦に並ぶカメラの一番下はLEDライト「Aicyスマートリング」で、ユーザーの応答に対して様々な色に変化するなどインタラクティブな機能も持つ。

項目内容
発表日2024年2月29日
価格4999元(約10万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ6.79インチ3192 x 1368ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+1300万超広角+1000万3倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5050mAh、80W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164.98 x 74.42 x 7.98mm。214g(ガラス仕上げ)、208g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。