山根康宏の「言っチャイナよ」

世界最薄スマホや円形画面のスマートウォッチが登場

 世界シェアで着々と順位を上げる中国のスマートフォンメーカー。本誌「みんなのケータイ」でもおなじみの香港在住のモバイル・ジャーナリスト山根康宏氏が最新の中国スマホ事情を解説します。まずは2014年10月を振り返り、各社の動きをダイジェストで。

OPPO、世界最薄と電動回転式カメラ搭載スマートフォン2機種を発表

 OPPO(広東欧珀移動通信有限公司)は、10月29日に北京とシンガポールで新製品発表会を開催。世界最薄端末「OPPO R5」とカメラが前後に回転する「OPPO N3」の2機種を発表した。両モデルとも11月下旬から中国およびグローバルで展開される予定。価格はそれぞれ2999元(約5万6140円)、3999元(7万4860円)の予定。どちらもTD-LTEとFDD-LTEの両モードに対応する。

 OPPO R5の本体サイズは148.9×74.5×4.85mmで、それまで世界最薄だった同じ中国のGionee(深セン市金立通信設備有限公司)の「Elife S5.1」の5.15mmの記録を0.2mm上回る薄さ。チップセットはSnapdragon 615(1.5GHz)で5.2インチ、1920×1080ピクセルディスプレイに1300万画素カメラを搭載する。またOPPO N3は本体上部の1600万画素カメラが背面から前面側に206度回転、自由な位置に固定でき、顔認識によりモーターによる自動回転機構も備える。チップセットはSnapdragon 810(2.3GHz)、ディスプレイは5.5インチ、1920×1080ピクセル。

わずか4.85mmと言う世界最薄の「OPPO R5」(左)と、1600万画素の高画質カメラが自動回転する「OPPO N3」(右)

腕時計デザインのスマートウォッチをGeakが発表

 Geak(上海果殼電子有限公司)は、2013年夏に発表した初代モデルの後継機となるスマートウォッチ「Geak Watch II」「Geak Watch II Pro」を発表した。両者の違いはPro版が金属ボディを採用し背面側に心拍計を内蔵、付属のベルトも本革製となる。

 OSはAndroidベースの独自OSであるGeak OSを搭載。スマートフォンとBluetoothで接続し電話の着信対応やメール、ソーシャルサービスの通知、音楽コントロールなどが可能。Wi-Fi内蔵で直接インターネット接続もできる。1.26インチ、320×320ピクセルの円形ディスプレイにはアナログ時計やアプリアイコン、スマートフォンからの通知内容を表示できる。独自のマーケットを用意しGeak Watch II用のアプリも追加可能になるという。

 充電は専用ケーブルだがマグネットで接続されはずれにくい。本体側面の3つのボタンはAndroidスマートフォンと類似の働きをする。ベルトは24mm幅で市販のものと交換も可能だ。通常は6〜7日、最大で15〜18日間利用できる。生活防水にも対応する。価格は1999元(約3万7500円)、Pro版は2499元(約4万6890円)で年内発売予定。

高級時計ライクなデザインの「Geak Watch II」

世界初を謳う液晶スピーカースマホがMalataから登場

 Malata Mobile(深セン万利達移動通信有限公司)は、スマートフォンのディスプレイがそのままスピーカーになる「X6」を発表した。日本でも2005年にNTTドコモから同様のスピーカーを搭載した「N506iS」が発売されたことがあった。また京セラからもスマートソニックレシーバー機能を搭載したスマートフォンが出たことがある。だがMalataによるとX6は「スマートフォンとして世界初の液晶スピーカー搭載」とのこと。恐らく、他社とは違う技術を採用したということから世界初を謳っていると考えられる。

 液晶スピーカーがどんな技術を採用しているかは公開されていない。一般的なスマートフォンならどの機種も前面のディスプレイ上部にスピーカーを備えているが、小さいスピーカーに耳を当てなくとも画面全体から音が聞こえてくるということで年配者にも使いやすいという。また前面にはボタン類もないため防水仕様になっているとのこと。

 通信方式はW-CDMA、チップセットにMTK6582(1.3GHz、クアッドコア)、5インチFWVGAディスプレイ、500万画素カメラとスマートフォンとしては低スペック。価格は未定だが1000元前後(約1万8750円)になると予想される。発売は年内の予定。

液晶画面がスピーカーになる「X6」

低価格な4G女子セルフィースマホをDoovが発表

 女性向けスマートフォンの専業メーカーであるDoov(深セン市朶唯志遠科技有限公司)は、LTE対応の低価格スマートフォン「T20」を発表した。通信方式はTD-LTE/TD-SCDMAとし、中国国内では中国移動の回線で利用できる。本体カラーはピンク、青、ライトブルーと女性の好みを考えた3色が用意される。

 T20の最大の特徴は同社の上位モデルが搭載するカメラアプリ「魔鏡Cam」。3つの美顔効果と7つの編集モードでより美しい自分撮りが楽しめる。そしてスーパーモーション機能により、カメラの前でウィンクや指先でピースサインをするだけでシャッターが切れる。しかもT20はフロント、背面共に500万画素カメラを搭載しているのでどちらのカメラを使ってもほぼ同じ画質の写真撮影が可能だ。

 チップセットはMTK6952(1.7GHz)、ディスプレイは5インチ、960×540ピクセル。サイズは144×72×8.8mm。価格は1499元(約2万8100円)。11月中に発売される予定。

LTE対応ながら低価格なセルフィースマホ「T20」

Lenovo、iPhone 6ライクなデザインの「S90」を発表

 Lenovoは、同社製品として最もスリムなスマートフォン「S90」を発表した。だが角を丸めた本体形状と白、黒、ゴールドの3色展開や背面のメタリックな仕上げ、カメラが左上に配置されるなどデザインはiPhone 6によく似ている。中国のネットでもその類似性を指摘する声が多く聞かれる。

 S90のディスプレイは5インチ、1280×768ピクセル、本体サイズは71.7×146×6.9mm。チップセットはSnapdragon 410(1.2GHz)。セルフィーも強化されカメラは背面側が1300万画素、フロントが800万画素。フロントにもフラッシュを搭載している。通信方式はTD-LTE/TD-SCDMA対応。OSはハイエンドモデルのVIBEシリーズと同じ、Android 4.4ベースのVIBE UI 2.0を採用。価格は1999元(約3万7500円)。11月から発売される。

iPhone 6を強く意識したデザインの「Lenovo S90」

Huawei、高コストパフォーマンスの「Honor 4」シリーズ2モデルの販売を開始

 日本を含む世界各国で「Ascend」のブランドでスマートフォンを展開するHuawei。中国では低価格かつコストパフォーマンスに優れた「Honor」シリーズも展開中。Honorシリーズは、1000元前後でLTE対応やオクタコアCPU搭載などスペックの高いモデルが多数ラインナップされており、これまで「Honor 3シリーズ」「Honor 6シリーズ」が展開されてきた。

 2014年10月には両社の間を埋める新モデルとして「Honor 4シリーズ」の2機種の販売を開始した。どちらもチップセットにSnapdragon 410を搭載、TD-LTE/FDD-LTEとW-CDMAまたはCDMA2000に対応する。「HonorPlay 4」は5インチ、1280×768ピクセルディスプレイ、800万画素カメラを搭載。サイズは142.95×72×8.5mm。「Honor Play 4X」は5.55インチ、1280×768ピクセルディスプレイ、1300万画素カメラを搭載。サイズは152.9×77.2×8.65mm。価格はそれぞれ999元(約1万8830円)、1299元(約2万4480円)で10月から販売が始まっている。

デュアルLTEモードに対応しながら低価格の「Honor Play 4」(左)と「Honor Play 4X」(右)

iPhoneを手掛けるFoxconnの新型スマホ「M2」が登場

 iPhoneや各社のスマートフォンの製造を引き受けるFoxconnが手掛ける自社ブランドのスマートフォン、FIH Mobile(富智康集団)の「InFocus M2」が発売となった。すでに台湾で先行販売されており、TD-LTEとFDD-LTE両モードに対応する製品は同社初となる。

 InFocus M2もセルフィーを強化しており、カメラは背面とフロントどちらも800万画素を搭載。フロントにもフラッシュを搭載している。チップセットはSnapdragon 400(1.2GHz)。ディスプレイは4.2インチと小型だが、解像度は1280×768ピクセル。サイズは135×64.5×11.1mmで価格は899元(約1万6490円)。

カーボン調の背面仕上げも楽しいInFocus M2

今月のメーカーピックアップ「OPPO」

 新興メーカーに分類されることもあるOPPO(オッポ、広東欧珀移動通信有限公司)は2001年創業。2005年には音楽プレーヤーを中国で発売し、その後音響機器を海外にも輸出する。2008年には携帯電話事業に参入し、同年発売の「A100」が500万台販売のヒット商品となる。同社の携帯電話は音楽再生機能を強化しており若い世代をターゲットにしてきた。だが、フィーチャーフォン時代は中小メーカーの域を出られず、ソニー・エリクソンのWalkmanケータイや日本の折りたたみケータイに類似したデザインの端末も多かった。

 転機が訪れたのは、2011年に初のAndroidスマートフォン「Find」を発表してから。スライド式QWERTYキーボードを備えたビジネス層もターゲットにした製品で、しかもレオナルド・ディカプリオをCMに採用し同社のイメージを大きく変えた。その後もFindシリーズを拡充、若年層をターゲットにした「Ulikeシリーズ」やカメラ強化の「Nシリーズ」などバリエーションを着々と増やし、今では東南アジアにも市場を拡大している。

山根康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。