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第427回:METs とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「METs」(メッツ)とは、身体活動、つまり安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動きの度合いを示す単位です。安静時を基準の「1METs」として、歩いているときはその3倍として「3METs」、エアロビクスが「6METs」、ランニングが「8METs」などとなります。ちなみに、“MET”という表記は、“代謝相当”を意味する英語「Metabolic equivalent」からの頭文字から来ています。

 似たような表記として、「エクササイズ」という言葉もあります。これは、身体活動の量を示す単位で、「Ex」と表記します。エクササイズは、METsと運動する時間をかけることで求めることができます。たとえば、1時間歩き続けると、歩きの運動強度が3METsですから、「3×1=3Ex」になります。エアロビクスを15分続けたときは、15分は0.25時間ですから、「6×0.25=1.5Ex」になります。

METsやExを計測できる「F-08A」

 これらの単位は、厚生労働省が提唱する健康指針「健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド 2006)」で定義されたもので、国では「週23Ex以上の身体活動を行い、そのうち4Ex以上は3Mets以上の活発な運動を行う」という目標を掲げ、血糖値や脂質の異常改善、血圧の改善、生活習慣病の予防につなげようとしています。

 Ex値から、エネルギー消費量(Kcal)の概算を求めることもできます。体重(kg)×Ex値×1.05という計算式となり、体重60kgの人が3Exの活動をしたときのエネルギー消費量は「60×3×1.05=189Kcal」になります。ご飯がお茶碗一杯で約250Kcalですから、約3/4杯分のエネルギーを消費することになるわけです。

 ただし、エネルギー消費量は、その人の体重によって変わります。たとえば体重80kgの人は体重60kgの人の1.33倍、40kgの人の2倍、エネルギーを消費することになります。しかし、単純な体重の減量目的ではなく、生活習慣病予防のためには必要な身体活動量は個人の体重に関わりなく示す必要があるため、「METs」「Ex」というような単位が考えられたわけです。

ケータイでもMETs値を計測

 2008年6月発売のオムロン製歩数計「Walking Style HJ-302」のパッケージ。週間エクササイズ目標、達成までのカウントダウンが可能であることが示されている

 METsやExといった数値は、自分で計ることもできますが、最近ではフィットネス製品や家電で計測できるものが登場してきています。たとえば最近の歩数計では、一週間の目標Ex値を設定し、歩くことで目標達成までに必要なEx量などが表示できるものがあります。

 また、携帯電話でもMETsを計測できるようになってきています。NTTドコモの富士通製端末「F-08A」や「F-09A」auのシャープ製端末「Sportio water beatなどで、METsやExを計測できるようになっています。

 F-08AやF-09Aには利用者の運動量を測定できる「エクササイズカウンター」という機能があり、現在の運動強度(METs値)、活動量(Ex値)をリアルタイムに計測できます。これらの機種には、加速度を感知できるモーションセンサーが内蔵されていて、人間の動きを感知し、現在の運動強度をリアルタイムに検知することができるのです。また、アプリとしてプリインストールされている「スペースジム」を設定しておくと、その日の身体活動量(Ex値)や消費カロリー、脂肪燃焼量をいつでも確認できます。

 Sportio water beatでは、歩数計機能でエクササイズ値を計れるほか、レベルメーターで過去1分間の歩行状態を1〜5METsの間で表示させることができます。また、その日の歩行歩数、エクササイズ、また「週間エクササイズ」として今週と先週の活動量が目標値に対してどの程度こなすことができたかを一目で分かるようにグラフとして表示させることも可能です。


生活習慣病の予防には

 厚労省の提案する「エクササイズガイド 2006」では、生活習慣病の予防のために必要な身体活動量の目標値を「週23Ex以上の身体活動を行う、そのうち4Ex以上は3Mets以上の活発な運動を行う」としています。

 この身体活動としてカウントされるのは3Mets以上の活動になりますが、生活活動も含まれます。たとえば、歩行、階段の上り下り、荷物運び、床掃除、子供と遊ぶ、介護、庭仕事、洗車、モップや掃除機をかける、などをカウントすることができます。

 ちなみに、普通の歩行の強度は3METsなのでトータルで20分行うと1Ex、荷物を階段を使って上の階に運ぶと9METsなので7分程度で1Exになります。このような生活活動でも身体活動に含むことができるので、基本的にいつでも持ち歩く携帯電話にエクササイズカウンターが搭載されるのは有用なことなのです。

 逆に、軽く子供と遊ぶ程度では2.8METs、キャッチボールでは2.5METs程度の強度なので身体活動には含まれません。ですが、キャッチボールでボールをそらしたとき、走ってボールを拾いに行けば身体活動になります。

 日ごろから、どうすれば3METs以上の強度になるかを考えて、こまめに動くようにすると少しづつエクササイズカウンターにEx値がたまっていくようになります。エクササイズカウンターを持って、体をこまめに動かすように心がけてみると、「健康は日ごろの生活習慣の積み重ね」ということが実感できるでしょう。




(大和 哲)

2009/6/30 14:00


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