記事検索
連載バックナンバー

第455回:microSIM とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「microSIM」は、契約者情報や、認証情報などを記録する「USIMカード(UIMカード)」と互換性を保ちながら、大きさが12mm×15mmと小型化したものです。miniUICC(mini Universal Integrated Circuit Card)や、3FF SIM(Micro 3rd-Form-Factor SIM)とも呼ばれます。

 欧州の携帯電話の標準規格を定める団体、ETSI(the European Telecommunications Standards Institute、欧州電気通信標準化協会)が中心となって、3G方式の携帯電話に関する標準規格を策定する3GPPや3GPP2といった団体とともに定められた標準規格です。

USIMカードと、microSIM(miniUICC)とのサイズの比較。miniUICCは幅15mmと、USIMカードの25mmから小型化されている。厚みは同じだ

 USIMカードと同様に、1枚のカードの中には、CPUのほかRAM、ROM、EEPROMといったメモリ、暗号化コプロセッサなどが組み込まれた、ワンチップの安価なコンピュータが含まれます。物理的に保護層をはがした場合、回路も壊れて内部データを読まれないようにする耐タンパ性能も備えています。

 海外では、たとえば電力監視装置に組み込まれた通信モジュールなど、いわゆるM2M(Machine-to-Machine/Machine-to-Management)と呼ばれる機械間通信モジュールなどに使われています。

 このminiUICCの物理規格は世界標準のISO7816で定められており、世界で共通です。この物理規格によって、C1端子にはClassAは5V、ClassBは3V、ClassCでは1.8Vを供給し(一般的にはmicroSIMでは3Vまたは、1.8Vを使う)、C3端子には1〜10Mhzの外部クロック信号を接続する、というような使用方法が定められています。

 この規格に沿ったmicroSIMカードを、アップルが近日発売予定の新製品「iPad」の3G対応版で採用するとされています。日本では、NTTドコモがmicroSIMカードに対する技術的に対応できるかどうかコメントしたほか、iPadに対しても「前向きに検討する」としています。

 3Gによるデータ通信を使う一般向け機器でも、microSIMカード対応の製品が現れはじめています。たとえば、Lok8u社が英米で提供する子供用GPSトラッカー「nu.m8」でmicroSIMカードを採用すると発表されています。

USIMカードと互換、セキュリティ強化などの追加機能も

 現在、携帯電話に使われているUSIMカードは、携帯電話番号に紐付けられたIMSI(service-subscriber key)という個別識別番号などを記録しています。携帯電話に装着すれば、USIMカードに記録された電話番号で通話できますし、他人のUSIMカードを挿せば、別の番号で通話できます。また、別の電話機に自分のUSIMカードを装着すると、自分の電話番号で通話できます。

 USIMカードには、セキュリティのために認証と暗号化・復号のための情報や、ユーザーが利用したサービスの履歴なども記録されます。

 基本的には、microSIMカードは、USIMカードとの互換性を考えて設計されており同様の機能を持っています。それに加えて、基地局との接続時に、なりすまし防止機能や、PINコード(暗証番号)をユニバーサルPIN、アプリケーションPIN、ローカルPINというようにISO7816で規定された「階層化PIN」利用するモードが追加されるなど、セキュリティ機能の強化が図られています。

 



(大和 哲)

2010/2/16 13:10