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第466回:技適マーク とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「技適マーク」は、特定無線設備の技術基準適合証明等のマークの通称です。このマークは技術基準適合証明、あるいは工事設計認証済みの証であり、これらの証明、認証を受けた機械には、1995年4月から使用されている、直径5mm以上(体積が100cc以下の無線設備にあっては、直径3mm以上)の丸に、稲妻型の電波、郵便マークをかたどったデザインマークが付けられています。

携帯電話にも添付されている「技適マーク」。例は、ソフトバンクの821SCの場合で、「R」に続く証明番号も記載されている

 技適マークが添付された機器では、無線機の免許申請をする際に手続きが大幅に簡略化されます。また、空中線電力が約0.01W以下の無線局となる家庭用無線LAN、コードレス電話などで、技適マークがついた機器であれば無線局の免許が不要となります。

 国内で販売される特定小規模の無線設備の多く、特に端末機器には、この、特定無線設備には技適マークと証明番号の記載されたシールなどが付けられています。携帯電話では、多くの場合、内蔵のバッテリーを取り外すと技適マークのシールがあります。iPhoneのように直接、筐体にプリントされている場合もあります。

 2010年4月28日付の総務省令改正で、技適マークは「見やすい箇所に付す」か、「電磁的方法により記録し、当該端末機器の映像面に直ちに明瞭な状態で表示することができるようにする方法」、つまり携帯電話などの液晶ディスプレイに表示する方法でも、その機器が認証を受けたことを示せるようになりました。今後は、シールや筐体への印字に加えて、ディスプレイ表示を採用する機器が増えてくるかもしれません。

 総務省のWebサイトでは、証明番号から技術基準適合証明、あるいは工事設計認証に関する詳細情報、たとえば、認証をうけたものの氏名(メーカー製品であればメーカーの社名)、機種名、使用する電波の周波数帯や空中線電力(出力)を検索することもできます。

総務省Webサイトでは、技適マークとともに記された証明番号から、技術基準適合証明、あるいは工事設計認証に関する詳細情報を検索することもできる

 技術基準適合証明は、携帯電話やコードレス電話、アマチュア無線など、特定小規模の無線設備が、電波法や省令などによって定められている技術基準をクリアしていることの証明です。無線局を開設する場合、本来は予備免許を取得したり、設備完成後に検査を受けたりするといった手続きを行わなくてはなりませんが、技術基準適合証明制度によってこれらを省略できます。比較的台数の少ない、海外からのサンプル輸入品、あるいは少量生産の機械などの場合に、技術基準適合証明が利用されます。

 工事設計認証とは、大量生産された無線機器を、機種ごとに書面とサンプル1台を使った試験によって、電波法や省令などによって定められている技術基準に適合していることの証明するものです。メーカー製の携帯電話などは一般的に、この工事設計認証によって、認定を受けています。

 証明手続きは、総務大臣の登録を受けた証明機関が行い、電波法に定められる用途、周波数、空中線電力などが一定の技術基準を満たしていることを検査し、適合していることと判断された場合に受けられます。証明機関としては、財団法人であるテレコムエンジニアリングセンター(TELEC)のほか、民間会社であるディーエスピーリサーチや、外資系のテュフ・ラインランド・ジャパンなどが存在します。

 なお、無線機を改造した場合、技術基準適合証明の検査や工事設計認証時の設計と異なることになりますので、技術基準適合証明の効力が無くなり、技適マークが付いていない無線機と同じ扱いになります。

 海外製の携帯電話で技適マークがついていない場合、国際ローミングで使用する場合は例外となりますが、国内で使う場合は、通常、技術基準適合証明を取らなくてはなりません。その場合、日本と相互承認協定(MRA)が結ばれた国で、証明や工事設計認証ができる機関もあります。ただし、現在はまだ欧州とのMRAのみ運用されているようです。

 




(大和 哲)

2010/5/11 12:15