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第479回:ソーシャルゲーム とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「ソーシャルゲーム」とは、いわゆる“SNS”などで提供され、ユーザー同士が助け合ったり、コミュニケーションをとったりしながらプレイするオンラインゲームのことです。

 “SNS”は、ソーシャルネットワークサービス(Social Networking Service)と呼ばれるWebサービスの略称で、友人や価値観を同じくする人、仕事上の関係者などとの結びつきをインターネット上で構築できるWebサービスのことです。この種のサービスとしては日本ではmixi、GREE、モバゲータウンなどが、海外ではFacebook、MySpaceなどが有名です。

 SNSにはさまざまな利用方法がありますが、ソーシャルゲームはその中でも、最近になって非常に人気が出てきた利用スタイルの1つです。国内向けのソーシャルゲームで有名なものとしては、例えば、モバゲータウンやmixiで提供されている「怪盗ロワイヤル」(ディー・エヌ・エー提供)があります。これは携帯電話からプレイできるソーシャルゲームです。ユーザーが怪盗団のリーダーとなって、他のプレイヤーキャラクターと仲間になってアイテム(武器や防具、乗り物)、お宝を得て、プレゼントし合ったり、他のユーザーにバトルを仕掛けてお宝を盗んだりする、といった遊び方ができ、「ネット上で人間関係を構築、補強できるSNS」ならではの楽しみ方ができるゲームだと言えるでしょう。

 mixiで提供されているRekoo Mediaの「サンシャイン牧場」なども有名で、こちらは携帯電話とパソコンの両方でプレイできるソーシャルゲームです。このゲームは、ユーザーが農園で作物を育てるというもので、SNS上の友人に「虫をいれてもらう」ことで作物の収穫量を増やせたり、他のユーザーに作物をおすそわけしたりするといったことが可能で、やはりSNSの特性を活かすことでヒットしたゲームです。

 ソーシャルゲームの特徴としては、基本的なプレイ自体が無料、というケースが多いことも挙げられます。一般的に、SNS自体は無料で参加できることが多く、ゲームのプレイ自体もSNSユーザーであればプレイできることがほとんどです。ただし、ゲーム中に登場するアイテムなどが有料になっていることも多くあります。ゲームに熱中してプレイする人が、これらのアイテムを入手するためにお金を払い、これがゲームの収益を支える、という構造になっているわけです。

SNSがアプリプラットフォームを用意

 多くのSNSサイトでは、OpenSocialに準拠したプログラムAPIを公開しています。OpenSocialは、SNS内でコミュニケーションをとることができるような仕組みが多く組み込まれており、開発者は、このAPIを利用してSNS内のユーザーとさまざまな形でやり取りができるアプリケーションを開発できます。そのようなアプリケーションの1つであるオンラインゲームのことを「ソーシャルゲーム」と呼びます。

 SNS上のアプリケーションであることから、ソーシャルゲームは、SNS上での交友関係を利用したり、情報を共有したりできるといったあたりが、他の一般的なゲームとの大きな違いであると言えるでしょう。

 先に挙げたmixi、GREE、モバゲータウンなどもOpenSocialベースのAPIを用意しており、Java ScriptやFlashなどを利用して、ゲーム制作・運営事業者がソーシャルアプリ、ソーシャルゲームを開発し、SNSユーザーに提供できるようになっています。

 ソーシャルゲームが実行可能な環境は、主に携帯電話とパソコンです。ゲームやSNSによっては、携帯電話のみ、あるいはパソコンのブラウザのみ、と利用環境を限定することもあります。先述した「怪盗ロワイヤル」は携帯電話のみでプレイできますし、他のゲームでは携帯・パソコンの両方でプレイできるものもあります。

 人気ゲームの1つ「サンシャイン牧場」の提供元であるRekoo Mediaは中国のオンラインゲームメーカーで、サンシャイン牧場も中国のSNS「51.com」「人人網」や、米国を中心としたSNS「Facebook」などでもほぼ同じ内容で展開されています。

 多くのSNSサイトが、共通APIであるOpenSocialをベースとしたAPIを提供しており、一度ゲームを開発するとそれほど手間なくほかのSNSにも移植が可能であることから、このような展開が可能になっているのです。

 



(大和 哲)

2010/8/10 12:13