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第486回:webOS とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


AT&TやVerizon向けの「Pre Plus」

 「webOS」は、携帯情報端末(PDA)の開発・製造企業である米Palmが開発した、スマートフォンやタブレット型端末向けのソフトウェアプラットフォームです。LinuxをベースとしたOS、HTMLレンダリングエンジンのWebKit、グラフィックエンジンのOpenGL ESなどを中心に構成されています。

 2009年1月に最初に公開され、2010年9月現在の最新バージョンは、1.4.5が安定版として製品に搭載されています。また、ソーシャルネットワーク関連機能やWeb2.0関連機能を強化した次世代webOSであるバージョン2.0もβ版として開発が進められています。

 日本では、webOSを採用した製品はありませんが、米国の通信事業者であるVerizon WirelessやSprint Nextel、英国のO2向けに提供されているスマートフォン「Palm Pre」や「Palm Pixi」などで採用されています。

 Palm自身は、2010年7月、米国企業のHewlett-Packard(ヒューレット・パッカード、HP)に買収されました(発表は4月)。HPでは、同社の資本力やグローバルでの市場展開と、Palmのノウハウを組み合わせることで強みを発揮するとしており、スマートフォンやタブレット端末の展開が期待されています。

マルチタッチ・マルチタスクが利用可能。ユーザーアプリ開発も可

 「webOS」は、スマートフォン用のOSとしては比較的後発であることから、他のOS、たとえば、iPhoneのiOSや、グーグル主導で開発されているAndroidなどが持っている特長の多くをカバーしています。

 タッチスクリーンを採用したデバイス向けにグラフィカルなユーザーインターフェイスを備え、マルチタッチによる操作やソフトウェアキーボードなども標準でサポートされています。

 既存のWebサービスとの協調も配慮して作られており、GmailやFacebook、Outlookなどからアドレス帳情報や、メールなどを簡単にインポートできるようになっています。

 また、webOSでは、アプリケーションのマルチタスク実行が可能となっています。実行中のアプリケーションは、アイコンを画面下のクイックラウンチバーに表示できるほか、カードアップ/オフ インターフェイスモードに表示を切り替えると、実行中のアプリケーションのウィンドウをカード状に並べて表示することも可能です。

 なお、webOSでのアプリケーションの入手方法として、専用のアプリケーションストアが用意されています。ユーザーは端末上で、App Catalogを利用しスマートフォン単体でソフトウェアの入手できます。App Catalogにアクセスしなくても、パソコンからUSB経由などで転送することもできます。専用ストアだけではなく、環境さえ整えれば誰でも開発、流通させることができます。

 プログラム開発環境としては、SDK(Software Development Kit、開発キット)、PDK(Plug-In Development Kit)と呼ばれる開発ツールが用意されており、C/C++ベースでの開発できます。また、PhoneGAPというというツールでHTML・CSS・Javaでのアプリケーション開発もできます。ちなみに、PhoneGAPはクロスプラットフォームな開発ツールで、これを使うと、たとえばiPhoneとwebOS両方のアプリケーションを一度に作成する、というようなことも可能です。

 ただ、webOSは、前述の通り、Linuxベースのソフトウェアプラットフォームです。Palmでは、以前、自社製PDAや、他社製のPDA、スマートフォンなどに独自のOSを組み込んだプラットフォームであるPalm OSを提供していましたが、webOSはこれとは互換性はありません。

 



(関口 聖)

2010/9/28 12:27