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第565回:ブルーライト とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 最近、「ブルーライト」をカットするとうたわれた商品がいくつか出てきています。

 携帯電話関係では、5月23日の本誌ニュースとして、ソフトバンクBBが「SoftBank SELECTION」ブランドの新製品に、スマートフォンのディスプレイからのブルーライトを低減するフィルムが加わる、と報じられました。

 また、これは主にパソコンを使う人に向けた製品として、眼鏡販売のJINS、Zoffなどからブルーライトをカットするメガネが登場しています。

 こうした製品でカットする、という「ブルーライト」とは、簡単に言うと「青い光」のことです。

強いエネルギーで、障害を起こす原因となることも

 パソコンや携帯電話の透過型液晶ディスプレイは、パネルの背後や側面からバックライト(LEDライト)の白色光、つまりさまざまな波長の光が混ざり合った光をを当てて、いろいろな図や文字、背景などの色形を表現しています。

 さまざまな色を混ぜ合わせた「白」ですが、旧来のブラウン管モニターでは黄色のあたりにピークがあったのですが、LEDから発せられている白色光を分析してみると、ピーク波長は約450nm周辺で、深い青色の光の成分が多くなっているのです。

 光には、さまざまな特徴があります。その1つは、光は色によって波長が異なるということ。そして、光を見たときに目が受けるエネルギーは、波長が短くなればなるほど強くなる、ということです。たとえば紫外線を目や肌(皮膚)に浴び続けると、急性・慢性の病気になることがあります。人が色として感じることができる可視光線のなかでは、紫、青、水色、青緑……という順にエネルギーが強いということになります。
光の波長と受けるエネルギーの関係。波長が短いほど強くなる、つまり色として感じることができる「可視光線」では紫、青などがエネルギーが強いことになる

 エネルギーが大きいということは、目の奥で光の散乱も起きやすく、まぶしさを感じたり、チラツキを感じたりすることになります。ずっとLEDバックライトのディスプレイを見続けることによって、これらが「目の疲れ・痛み」となったり、あるいはさらにドライアイ、視力低下、肩の凝り痛み、食欲減退、抑うつ症状などの心の症状も含む、いわゆる「VDT症候群」や「テクノストレス」につながるケースもある、とする報告もあります。

 ブルーライトを低減するレンズやフィルムは、目に届く前に光から青の成分を減らすように加工がされています。このため、パソコンや携帯電話のディスプレイから受けるまぶしさやチラツキを抑え、表示のコントラストを上げ、すっきり見せると、アピールしています。

ブルーライトを低減する仕組み

 青い光を抑える原理としては、たとえば眼鏡用のレンズでは、レンズにカラーを入れたり、ミラーコート技術を応用したコーティングをしたりすることで、青い光を抑えるようにしています。

 カットの場合、青い光のみを選択してカットするため、青い光以外はこれまでの反射防止コートレンズと同じように目に届き、それほど暗く感じることはありません。ブルーカットレンズを使った眼鏡をかけた場合、周りからは、レンズの反射光は青っぽく見える場合があります。これは、青の光のみを選択して反射することで目に届くブルーライトを軽減しているためです。

 また、先に挙げたソフトバンクBBのiPhone用フィルム、あるいはJINSなどの眼鏡で、ブルーライトをカットして、物を見るとわずかに黄色がかって見えます。これは、青色光をカットするため、青色の補色である黄色味を感じてしまうためです。ただし、人間の目は、明るさ・暗さの変化には敏感であるのに比べ、色の違いには比較的鈍感ですので、その色に慣れてしまうとほとんど気にならなくなるでしょう。また最近のブルーライト低減眼鏡には、レンズが透明に近くなったものも登場しているとのことですから、スマートフォンなどのフィルムも、普段から使える商品として徐々に増えていくことが期待されます。




(大和 哲)

2012/5/29 06:00