ケータイ用語の基礎知識

第672回:au WALLET とは

MasterCar加盟店で使える電子マネー

 au WALLETは、MasterCardの加盟店で利用できる、プリペイド式の電子マネーカードです。auの携帯電話、auの固定通信サービス(auひかり、auひかりちゅら)を利用しているユーザーであれば利用できます。プラスチックカードに、ある程度、金額をチャージして使う形で、MasterCardの加盟店などで利用できます。発行時には、クレジットカードのような審査がなく、発行手数料・年会費は無料です。

 日本国内では、さまざまな電子マネーが利用できるようになっています。「au WALLET」は、MasterCardと、KDDIグループの電子マネー会社「WebMoney」の仕組みを組み合わせたサービスで、これをクレジット・デビットカードの要領で使うと、コンビニや飲食店などといったリアル店舗やインターネットサイトでの買い物に利用できます。プリペイド式であらかじめチャージした金額までしか使えませんので、クレジットカードで懸念されるような、使いすぎの問題も起こりません。

 また、多くのクレジットカードのように、このカードにもポイント制度があります。「au WALLET カード」でショッピングすると、通常200円ごとにWALLETポイントが1ポイント貯まるようになっています。この貯まったポイントを「au WALLET カード」へチャージ(入金)して、その後のショッピングに使うこともできます。

 日本で利用できる電子マネーとしては、WAONやnanacoのような小売店のもの、Suicaのような交通系サービス、あるいは楽天Edyといったものがありましたが、それらはいずれもかざして使う、いわゆる非接触型のカードを使います。もちろん電子マネーの中には、かざさないタイプのものもあります。au WALLETも非接触カードではなく、磁気カードの形態をしています。仕組みとしてMasterCardのものを使いことで、電子マネーと言いつつも、利用できる店舗が多いことが特徴の1つと言えるでしょう。

 ちなみに、MasterCardは、Visaと並んで、クレジットカードの大手ブランドの1つとして世界で知られています。このau WALLETは、MasterCardとして世界各国の店で利用できます。そのことがわかるようにカードの表面にはMasterCardのロゴが表示されています。ただし、海外では利用額の4%の海外サービス手数料がかかります。また、カード裏面に表示されているようにWebMoneyとして利用することもできます。

入金手段は店舗、Web、アプリなど

 「au WALLET」は、プリペイドタイプの電子マネーです。そのため、あらかじめ、ある程度の金額をチャージしておく必要があります。主な入金方法として、「auショップ」「au WALLETのサイト」「アプリ」「オートチャージ」が使えます。

 auショップの場合、手持ちの現金でチャージできます。スマホアプリやサイトからのチャージは、ショップに行く手間が省ける簡単な手段です。auの携帯電話料金と合算して支払う「auかんたん決済」でのチャージしたり、クレジットカードからのチャージ、「じぶん銀行」の口座からのチャージという方法が使えます。なお、auかんたん決済の場合、auの料金支払いで、口座引落か、三菱東京UFJニコスまたはセゾンカード(AMEXブランドを除く)のいずれかで支払っている必要があります。また、ユーザーの年齢や回線契約月数で利用上限額が設定されます。また、クレジットカードでのチャージでは、MasterCardか、セゾンのVISAカードのいずれかで支払う必要があります。

 じぶん銀行はKDDIと三菱東京UFJ銀行が作ったネット銀行で、この口座に金額を入れておく必要があります。じぶん銀行からau WALLETへのチャージの場合、2014年内は、月10回まで金額が5%上乗せされてチャージされるキャンペーンが実施されているのでお得です。

 プリペイド型の電子マネーは、あらかじめチャージしたり、残高を把握しながら使ったりするといった形で面倒な点がありますが、これらをスマートフォンのアプリやWebサイトによって簡単にできるようにしているのが、このau WALLETの特徴であると言っていいでしょう。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)